30代フリーターの女性へ。「同年代の友人は女性としての幸せをつかみ始めている」「そろそろ正社員にならなきゃ」と、自分の将来が不安じゃないですか?この記事では、30代フリーターの女性に正社員をオススメする理由や、バイト・派遣生活を続けた末路、先行き不安な生活から抜け出し、正社員になる方法をご紹介しています。
この記事の目次
30代でフリーターの女性はやばい?世間のイメージは、、
「30代フリーターの女性」と聞いたとき、一般的にはどのようなイメージで見られるのでしょうか。考えられるものとしては、以下があります。
- 地に足がついていない
- お金(貯金)がなさそう
- 何か事情を抱えている(ワケあり)のでは?
- 仕事が長続きしなそう
- 老後を考えてなさそう
- 責任感がなさそう
- 親のすねをかじっているのではないか
- 精神的に自立していなさそう
いかがでしょうか。いずれにしても、プラスのイメージを持たれることは少ないといえます。
30代女性がフリーターを続けるメリット
30代フリーター女性の印象は、特別な事情がない限りはやはりよいものではないといえます。次に、30代女性がフリーターという働き方を続けるメリットとデメリットについて、それぞれご紹介します。
30代女性がフリーターとして働くメリットは、以下が考えられます。
1. 時間を自由に使える
フリーターの場合はアルバイトなどが多いため、そのほとんどはシフト制です。たとえば「この日は午前中に買い物に行きたいから午後から働こう」「この日は夕方から映画を観に行きたいから早めに上がろう」などと事前に考えて、好きなことをやるためにシフトを調整することがある程度可能です。
また、会社員のように一定の時間・曜日が拘束されるわけではないため、時間を有意義に使いやすいともいえます。仕事以外に、自分の趣味や勉強、やりたいことなどをする時間は比較的つくりやすいでしょう。
2. 仕事上のストレスが少ない
フリーターの場合、その仕事の多くはそれほど難易度が高いものではないでしょう。そのため、複雑な仕事を覚えたり新しい仕事に苦戦したりするという経験が比較的少なく、そのぶんかかるストレスも少ないといえます。
また、仕事で責任を取る場面もほとんどありません。たとえば接客のバイトでミスをしてしまい、あとでお客さんからクレームの連絡が入った場合、その責任を取る・つまり謝罪に行くのはほとんどの場合アルバイト本人ではなく、店長などその会社の社員です。その点でも、精神的なプレッシャーが少ないといえます。
3. 仕事を辞めやすく見つけやすい
フリーターの場合は有期雇用(期間に定めのある雇用)が一般的です。そのため、契約更新の時期が来たときには、自分の希望があれば更新をせずに辞めることが可能です。そうではなくとも「ほかにいいアルバイトが見つかった」「この職場は合わない」と感じたとき、正社員と比べて退職を申し出やすい立場といえます。
また、仕事を探しやすく、自分がやってみたい仕事に挑戦しやすいという点もあります。憧れのお店や会社などであっても、アルバイトスタッフなどを募集しているケースは比較的多いため、気軽にチャレンジできます。
30代女性がフリーターを続けるデメリット
30代女性がフリーターとして働くデメリットとしては、以下が考えられます。
1. 収入が少ない
アルバイトやパートの仕事は、昇給額が少なく、賞与や福利厚生がないため、収入が少ないといったデメリットがあります。
以下の表は、30代のフリーター女性と30代の正社員の女性の賃金を比較したものです。
フリーターと正社員の賃金では、5万円以上の差があります。また、フリーター女性は30代前半と30代後半でほとんど昇給していないのに対し、正社員の女性は約2万円昇給しています。
フリーター女性 | 正社員の女性 | |
---|---|---|
30~34歳 | 20.2万円 | 26.4万円 |
35~39歳 | 20.2万円 | 28.3万円 |
参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」
フリーターの女性と正社員の女性の賃金の差は年齢が上がるにつれて差が開いていきます。収入が低いことから、将来に向けた貯金ができず、生活に困る可能性が出てきます。
2. 雇用が不安定
前述の通り、フリーターのほとんどは有期雇用です。解雇や雇止めに遭う割合は、正社員よりもフリーターなど非正規のほうが高くなりがちという点は事実です。そのため「突如仕事がなくなってしまい生活が不安定になる」というリスクはどうしてもあります。
もちろんフリーターであっても、企業は「気に入らないからクビにしよう」ということは簡単にはできません。しかし、たとえば企業の業績が悪くなったり人員を削減しなければいけなくなったりした際、、無期雇用の正社員を辞めさせるハードルは高めですが、有期雇用のフリーターに対しては「期間満了で契約更新をしない」という方法で辞めてもらうことが可能になります。
3. 就職がしづらい
30代を超えると、正社員未経験であったり、スキルや資格なしで就職するのが難しくなっていきます。
30代からでも就職することは可能ですが、希望する職種での就職が叶わない可能性が高くなります。
例えば、女性に人気の事務職は、人気な上に求人数が少ないため倍率が高く、若手や経験者を優先的に採用する傾向があるため、30代で未経験から事務職に就職するのはかなり難易度が高いと言われています。
30代女性が未経験から正社員になれる仕事は、販売職やサービス業、コールセンター、介護職などがあります。
年齢が高くなるにつれて、選べる職種が少なくなっていくため、就職を考えるなら早めがおすすめです。
4. 恋愛・結婚でもマイナスになる
一般的には、交際している男性がフリーターだと「将来が不安」などと感じる女性が多い傾向にありますが、男性側もほとんどの場合、相手に対して同じような不安を持っています。
また、女性に経済力を求める男性は増えており、結婚後は共働きを希望する男性が最も多くなっています。
以下は、男性がパートナーに望むライフコースについての調査結果を示した表です。2021年の調査では、2015年よりも「両立コース」を望む男性の割合が増えていることが分かります。
2015年 | 2021年 | |
---|---|---|
両立コース | 33.9 | 39.4 |
再就職コース | 37.4 | 29.0 |
専業主婦コース | 10.1 | 6.8 |
非婚就業コース | 3.6 | 6.5 |
共働きで子どもを意図的に持たない | 3.3 | 5.5 |
参考:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向調査 (2021年) 」
30代フリーターという立場の女性に対し「生活やお金・将来についてなど現実的なことを考えられる人なのか?」と懸念する男性も一定数いるでしょう。敬遠されてしまい、交際や結婚が遠のくリスクもあります。
5. 世間体がより悪くなる
フリーターであっても20代前半などであれば「まだまだ若い」ということもあり、そこまで批判的に見られる機会も少ないかもしれません。また、そこから就職できるチャンスもたくさんあります。
一方、フリーターという働き方は年齢を重ねるごとにネガティブな目で見られがちです。特に30代ではじめて正社員就職を目指した場合、もちろん就職は不可能ではないものの、決して簡単ではありません。同じフリーターでも20代と30代では、企業の面接官が受ける印象はまったく異なるためです。
6. いつまでも親に頼ることができない
30代フリーター女性が実家暮らしや親の扶養を受けている場合、いつまでも親に頼ることはできません。
今は実家暮らしで家賃もかかりませんが、実家をでなければならなくなった時にはフリーターの収入では生活が苦しくなってしまいます。また、親の扶養から外れると所得税や年金を払わなければならなくなり、負担が大きくなります。
30代で定職に就かず、独身であれば、親に愛想をつかされて家を出るように言われるリスクがあり、金銭面で困る可能性があります。
30代のフリーター女性が人生を変える方法
30代でフリーターを続けるメリット・デメリットを把握できたでしょうか。30代のフリーター女性がいまの人生を変えるための3つの選択肢について、それぞれご紹介します。
正社員を目指す
独立行政法人労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状③」によると、30~34歳でフリーターから正社員に就職した人の割合は、18.1%です。
通常の転職者と比較すると、やはり正社員就職の難易度が高いことは事実です。しかし逆に考えれば、約5人に1人は就職に成功しているということです。就職できていない人のなかには、正しい方法がわからず就職活動が進んでいなかったり、数社受けて落ちた程度であきらめていたりする可能性も高いといえます。
30代フリーターの就職方法について、以下の記事でもくわしくご紹介しています。
30代フリーターから就職するための具体的な方法や就職しやすい職業などについても触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。
結婚をする
結婚することも、30代フリーター女性の選択肢のひとつです。「生活のために結婚」という考え方はおすすめできませんが、会社員など安定した収入の職業の相手と結婚することで、ある程度の暮らしは保障されることになります。結婚後は「専業主婦になる」「パートなどで働く」などの方法もあるでしょう。
注意点としては、以下が考えられます。
- フリーターの自分と結婚したい相手が見つかるかどうかはわからない
- 結婚相手が途中で働けなくなるリスクもある(リストラや病気など)
結婚をするとしても相手に金銭面で頼りすぎるのではなく、やはりある程度は経済的に自立できるようにしておいたほうが、いざというときの選択肢も広がるでしょう。
起業をする
正社員就職も結婚もしない場合の選択肢として、起業があります。もともとやりたかったことがあったりビジネスセンスに長けていたりする場合には、起業をしてうまくいく可能性も残されています。就職や結婚をしていないということはある意味「背負っているものが何もない」状態ともいえますから、チャレンジしてみるのもひとつの方法です。
ただし、30代フリーターから起業を成功させるのはそう簡単ではありません。本気でやるのであれば具体的にきちんと準備をするなどして、安易に考えるのはやめたほうがよいでしょう。
30代のフリーター女性が就職しやすい職業
30代フリーター女性の選択肢についてご紹介しました。正社員就職を目指す方向けに、30代フリーター女性が就職しやすい職業とその理由を、それぞれご紹介します。
1.接客業
接客業は人手不足の業界のひとつで、常に人を募集しているところも少なくありません。マニュアルや研修などが用意されていることがほとんどであるほか、女性のほうがコミュニケーション能力に長けていると見られやすいため、採用のチャンスも多いといえます。
お客さまへの接客対応やレジ業務、フロア・店舗の整理整頓や清掃、問い合わせ対応などが主な仕事となりますが、働く業界によって求められるものは変わります。接客業といってもホテル、アパレル、飲食、娯楽施設など幅広いため、自分に合った職場を探すのがポイントといえます。
接客業について、以下の記事でくわしくご紹介しています。
接客業の種類や正社員就職のためのポイントなどについても触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。
2.営業職
ほとんどの会社に営業の部署があり、中途採用の求人も出ていることが多い職種です。未経験からでも、入社後に自社製品やサービスの知識をつけていくことができるため、適性がある人であれば、30代からでも活躍しやすい仕事です。
営業には主にルート営業と新規開拓営業、個人向け営業と法人向け営業に分けられます。一定のノルマや目標金額が設けられていることがほとんどですが、ルート営業や長年の付き合いがある取引先をメインに担当する場合、そこまで厳しくないケースもあるでしょう。営業の種類や扱う商材を事前に調べておくのがおすすめです。
3. コールセンター
コールセンターは、女性が活躍している仕事の一つです。コールセンターは、傾聴力やコミュニケーションスキルがあれば、資格なしで未経験から始めることができます。
また、コールセンターの受付時間が決まっているため、残業が発生しにくいため、プライベートと両立しやすいといったメリットがあります。
コールセンターの仕事のデメリットは、クレームを受けることもあるため、ある程度のストレス耐性が必要になることもあります。
4.看護助手/介護職員
看護助手と介護職員はいずれも、資格がなくてもできる仕事です。そのため、30代フリーター女性でも就くチャンスが比較的多い職種といえます。医療・福祉系は女性の比率が高く、活躍している人も多くいます。需要が高く、結婚しても家庭と両立しやすい仕事であることも特徴です。
看護助手は、たとえば入院患者の身の回りの世話や書類記入・管理、看護師の補助など医療行為以外を担当します。介護職員は、入居者の食事・入浴など日常生活のケアや、レクリエーションの準備や運営などが仕事です。
資格がなくても就くことはできるものの、資格があるほうが有利になることも多いため、事前に資格を取得する・または働きながら取得を目指すのもよいでしょう。
他にもフリーターからなれる職業について知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。
30代のフリーター女性が就職を成功させるポイント
最後に、30代フリーター女性が正社員就職を成功させるための5つのポイントをご紹介します。
いままでの経験を活かす
アルバイトであっても長年同じ職種で働いていたり、ある程度レギュラーワークで働いていたりすれば、きちんと評価される場合もあります。
自分がアルバイトを通じて得たもの、身につけたスキルを自分なりに分析してみましょう。必ず何かアピールポイントがあるはずです。
たとえば、接客業をしている場合は「対人スキル」が自然に磨かれているはずです。対人スキルはどんな職場でも必要ですし、営業職や販売・サービス業などでは特に、即戦力になる可能性を秘めています。まったく別の業種や職種を目指すより、いままでの経験を活かせる職場を探すのもひとつの方法です。
「未経験OKの会社」や「正社員登用制度のある会社」を探す
求人のなかには「未経験OKの会社」も、たくさんあります。「未経験OK」で、学歴・職歴や、資格の有無、年齢などを問わない会社もあるので、探してみましょう。入り口が広い会社の方が、30代フリーターでも応募しやすいといえます。
「いきなり正社員は不安」という場合は、正社員登用制度のある会社に契約社員などで入社するという選択肢もあります。また、派遣会社に登録し「紹介予定派遣」の仕事を紹介してもらう方法もあります。これは、一定期間働いて実力が認められれば正社員になれるというものです。ただしいずれにしても、正社員になれることが前提の制度になっているかどうかは確認しておきましょう。
必要な資格を取る
仕事に活かせる資格を取るのも、有効な方法です。しかし、無闇にただ資格だけ取っても意味がありません。働きたい仕事に必要な資格を確認したうえで、資格取得を検討しましょう。
たとえばIT・事務職系の仕事を目指す場合、MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)は比較的取っておくと資格です。
自分の就職したい職種にはどんな資格が必要か、またはあると就職に有利になるのかどうかを調べてみましょう。
ハローワークに行ってみる
ハローワークは各都道府県にあり、地元で仕事を探すことができます。また、カウンセリングや職業訓練など、無料で受けられる支援があります。職業訓練では、就職に必要な知識や、スキルを得ることが可能です。
ハローワークを利用する注意点としては、下記が挙げられます。
- 大企業の求人情報はほぼない
- 待遇のいい求人が少ないことがある
- 地元の求人がメイン
- 企業側は無料で求人を出せるためブラックな職場もある
ハローワークはメリットも多いですが、ハローワークならではのデメリットもあるため、使用するのであれば就職エージェントなどと併用することをオススメします。
まとめ
30代のフリーター女性が、就職することは可能です。もちろん就職活動は簡単ではないものの、適切な方法で就職活動をすることで、長く働ける仕事や企業と出会える可能性は十分にあります。30代は社会全体で見ればまだまだ若いほうですから、悲観してあきらめるのはやめましょう。ただし本気で就職したいのであれば「一日でも早く就職活動をスタートさせるべき年齢」なのは確かです。