企業へのエントリーシートや面接で最も注目されるのは自己分析や志望動機です。
しかし具体性を欠いていたり、今ひとつ魅力を伝えきれない自己アピールをしてしまったことで思った結果が得られなかった就活生や転職志望者の例は少なくありません。その理由に、自己分析の不足が挙げられます。
自己分析を通して自分を客観的に見つめ直して「自分の強み」を知ることで、より説得力のある自己アピールをする方法を紹介します。
- 企業がなぜ自己分析してほしいのか理解しよう
- やるだけでは意味がない!活用方法を知ろう
- Future Finderを使って、客観的な自分を知ろう
- 診断後、プロに相談してより自分を知っていこう
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
この記事の目次
就活において自己分析が大事な理由
自分の長所や短所、これまでどんな価値観を持っていたのかを把握・分析することで「自分の強み」を発見することができます。
「自分の強み」とは「自分らしさ(オリジナリティ)」を「具体的に伝える」ものですが、そのことによって採用側は、志願者が入社後にどんな活躍をしてくれるのかイメージできるのです。エントリーシートや面接で「私の取り柄は元気なことです」「コミュニケーション力が高いことです」といったような漠然とした自己アピールをしてしまう志願者は多くいます。
しかし採用側からすると、そのような抽象的な内容では、その人がどんな人なのか掴むことができません。自己分析によって自分の強みを把握することはエントリ―シートや履歴書、面接など多くの場面で役立ちます。
自己分析が大事な理由1:ミスマッチのリスクを減らせる
人手不足だったり、採用に積極的な企業は「とにかく自社を志望した」志願者を採用することがあります。
一方、志願者が十分な自己分析を怠ったまま就職をしてしまうと「自分の思っていた職場と違った」「会社で求められるスキルと自分の志向にギャップがあった」といった理由で離職してしまう可能性が高くなります。
しかし、そのようなミスマッチは本人にとっても採用した企業側にも不利になることを忘れないでください。志願者は転職回数が増えるほど自身の市場価値を下げてしまいますし、企業側は採用コストが無駄になってしまうため、一度採用した人材に辞められてしまうのはデメリットなのです。
ですので、自己分析をしっかり行って自分の特性を知ることで採用のミスマッチのリスクを減らすことは、志願者にとっては自分の市場価値を維持・管理することにつながります。そして企業も本来は「人材の採用をプラスに考えている」ということを理解しましょう。
自己分析が大事な理由2:自己アピールを充実させられる
採用担当者は入社後に活躍してくれる、自社にプラスになる志願者を採用することを求めています。
志願者が具体性の弱い志望理由を説明したり自己アピールをしてしまっても採用担当者は入社後のイメージを持てません。他の志願者がいる中で、説得力や真実味のない自己アピールは「聞く価値がない」と判断されてしまいます。
自分の強みを把握して自己アピールを充実させることは、志願者が自分の特性を把握できるだけなく、採用側も志願者の人物像を描きやすくなります。
自己分析が大事な理由3:メタ認知能力をアピールできる
自己分析は自分自身を客観的に見つめるための作業でもあります。
自分について客観的に把握する能力を「メタ認知能力」と言います。仕事をする中でも、取り組んでいる仕事を全体の中に位置づけてどう役に立っているのか、俯瞰的に把握しなければいけない場面は多くはあります。
このような能力を持った志願者に採用担当者はよい印象を持ちます。自己分析を怠って自分を客観的に見つめる視点を持っていないことは、それだけで面接で不利になるのが実情です。そして「メタ認知能力」を身につけておくことは、入社後も多くの場面で役立ちます。
自己分析を就活に役立てるポイントを紹介
自己分析を就職活動で十分に役立てるためのポイントとして、まず自己分析の結果に見えてきた「自分の強み」を、エントリーシートや面接の受け答えに落とし込んでいくための方法を考えてください。
企業がどのような人物を求めているかをイメージしながら、自分の特性や価値観、能力や経験などを肉づけしていくように工夫するのがよいでしょう。その上で、自己分析の結果から見えてきた自分の特性や価値観を、業界研究や企業研究に役立てましょう。
自分の適性や方向性を参考にしながら、関心があったり自分に向いてそうだったりする仕事や業界について調べましょう。企業データやその他の情報を細かく見ていくときも、自分の適性にマッチするかよくチェックしましょう。
オススメの自己分析のやり方1~自分史~
おすすめする自己分析方法のひとつめは「自分史」を作成することです。自分史を使って整理することで、「自分の判断軸」「自分に合っている環境や人間関係」を把握することができます。
自分史作成のステップとしては次のような流れになります。
- 過去の出来事を洗い出す
- 過去の出来事を分析する
- 再度コメントを追記する
- 分析内容を整理する
それぞれについて紹介していきますので、実際にやりながら進めていきしょう。
自己分析STEP1:過去の出来事を洗い出す
まず、過去の出来事を洗い出します。幼少期から現在までの間で印象に残っている経験を書き出しましょう。
幼少期、小学校時代、中学校時代、高校時代などと一定期間で区切って書き出すと、それぞれの期間で印象に残っている出来事を思い出しやすいと思います。なかなか思い出せないときはアルバムを見たり、両親などに聞いてみるのもよいでしょう。
よかったことと嫌だったこと、好きだったことと嫌いだったこと、仲の良かった友達や得意だった教科、成功したことと失敗したことなど、様々な視点から書き出していきます。期間によっては「印象に残っていることが少ない」こともあるかもしれません。
しかし、例えば地域や学校など、ひとつの同じ環境で共通の出来事(授業や部活など)に参加していても、そこにいる一人一人の経験(思っていることや感じていること)は異なります。
おのおのの経験が違うことで、その場の人間関係が形作られています。「高校時代は印象に残っていることが少ないが、他人からは自分は強い印象を持たれていたようだ」といったこともあります。よく思い出しながら、できるだけ「ありのままの自分」で印象に残っている出来事をピックアップして書き出しましょう。
自己分析STEP2: 過去の出来事を分析する
過去の出来事が洗い出せたら、次に出来事に対する「自分の考え」を書き出します。
ある出来事と、その時の自分の気持ちに対して「なぜそう思ったのか」「なぜそれが印象に残ったのか」など「なぜ?」という問いを繰り返して深掘りしていきます。次に、その出来事に対して「今はどんな風に思うか」を書きます。
また、その出来事について深堀りした回答に「その結果、どうなったか」を問いかけて答えを書きましょう。ひとつの出来事についてあまり没頭して考えて過ぎてしまうと、事実から離れた回答になってしまいがちです。周囲の環境やまわりの人との関係などを意識しながら作業するのがポイントです。
自己分析STEP3:再度コメントを追記する
次に、ステップ2で記載した内容を一度、客観視する作業を行います。
ステップ2で書いた内容を新しい気持ちでもう一度読んでみて、気づいたことを追記します。
友人など他人が書いたものだと仮定してみて、客観的に読んでみて、客観的にコメントを入れるのがポイントです。
その作業を通じて「これは自分の考え過ぎではないか」という点に気づくことで、独り善がりの空想ではなく、客観的な事実性の高い「自分の強み」を発見するきっかけになります。
自己分析STEP4:分析内容を整理する
最後に、これまで書いた内容をもう一度読み返して自分の特性や強み、魅力となりそうなポイント、自分に合いそうな仕事や企業の特徴、一緒に働きやすそうな人の特徴などを書き出します。
ここで書き出したことを、企業研究の際に重視して企業選びに活かすとよいでしょう。企業が求める働き方や成果、評価する点は企業によって違います。自分の特徴を把握した上で、今度は自分が他人のどういう点に好感を持ったり、評価してきたのかを考えてみることで、より自分の適性に合った企業選びができるようになります。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
オススメの自己分析のやり方2~モチベーショングラフ~
おすすめの自己分析方法の2つめは「モチベーショングラフ」を作成することです。
モチベーショングラフを使って整理することで、「自分が没頭できる環境」「自分のモチベーションの高まる状況(どんなときにモチベーションが高くなるのか)」について理解を深めることができます。
モチベーショングラフ作成のステップとして以下のことを取り組んでください。
- 過去を振り返る
- グラフを書く
- 分析を行う
- 内容を整理する
一度やり方をみながら、実際にやってみましょう。
自己分析STEP1:過去を振り返る
まずは自分史の場合と同じように、過去の出来事を洗い出します。それぞれの出来事にその時の自分のモチベーションがどうだったか(高かったのか低かったのか)、どのようなものだったか(長く続いたか、短かったのか)を書いていきます。あとでグラフに書きやすくするため、学年ごとなど一定期間に区切って最も印象的だった出来事に絞って書いていくとよいでしょう。
例えば「小学校の夏休みにプール教室が始まったとき、水泳や運動に対するモチベーションが高くなった)」など、短い間に得られるモチベーションもあると思いますし「中学生のとき、陸上部の部長として大会に向けて励んだとき」など、長期間にわたってモチベーションを持続させた状況もあると思います。ステップ1ではどちらも両方書き出しましょう。
自己分析STEP2:グラフを描く
ステップ1で書き出した出来事から、より印象的なものをいくつかピックアップしてグラフを描きます。縦軸に「モチベーションの振り幅」、横軸に「自分の人生」を設定してグラフを描きましょう。
モチベーションが大きく上下するポイントには、その時どんな出来事があったのかを書いておきます。例えば「高校生で怪我をして陸上部を辞めたとき」など、モチベーションが下がってしまった状況もあるかもしれませんが、そのこともできるだけ具体的に書き出しましょう。
また(横軸「自分の人生」でその後に続く例として)「モチベーションが高まったこととして、部活を辞めて空いた時間にアルバイトを始めたこと」など、出来事と出来事の流れがつながるように考えてみるのもよいでしょう。
自己分析STEP3:分析を行う
モチベーションが上下したポイントである出来事について分析しましょう。
「その出来事でなぜモチベーションが上がったのか、なぜ下がったのか?」「その時、自分はどんな環境に身を置いていたのか?」など、「なぜ?」を繰り返して深掘りします。例えば「怪我をして陸上部を辞めたとき」は「具体的な目標を失ったこと」がモチベーションが下がってしまった理由だったかもしれません。
また「アルバイト先で尊敬する先輩と出会った」「陸上で自己記録に挑戦するモチベーションとはまた違って、人に出会って認められることも新しいモチベーションになった」など、出来事と出来事の流れから、どのように自分のモチベーションが変化したのかも書いてみるといいでしょう。
自己分析STEP4:内容を整理する
ステップ3で分析した内容を振り返って、自分の特性や強み、魅力となりそうなポイント、自分に合いそうな仕事や企業の特徴、一緒に働きやすそうな人の特徴などを書き出します。整理した「自分のモチベーションが上がる要因・下がる要因」を企業研究の際に重視して企業選びに活かすとよいでしょう。
自己アピールと同じように、志望理由も企業がエントリーシートや面接で注目するポイントです。モチベーショングラフによる自己分析の結果から、自分がどんな状況でモチベーションが高くなったり持続できるのかを把握して、企業選びや志望動機を考える際に活かしましょう。
オススメの自己分析のやり方3~他己分析~
周囲の人達に自分のことについて尋ねるのも自己分析のひとつの方法です。
自分がどういう人間に見えているかを客観的に教えてもらうことで、思ってもみなかったような自分の特性を発見することができます。
最初はなかなか聞きづらいかもしれませんが、自分のことを以前から知っている人から最近に知り合った人など、できるだけ様々な関係の人に訊ねて、多くの視点から見た自分の印象を知るのがおすすめです。例えば就職活動を続けている中で、緊張感からどうしても神経質になってしまう人もいるかもしれません。しかし昔からの知人には「楽観的で話やすい人」という印象を持たれていた…、そんなこともあったりするものです。
初対面の人に自分の印象を尋ねてみるのも効果的です。採用面接はもちろん、例えば入社後に営業活動をする場合など、就職後は初対面で人と会う機会も自然と多くなるでしょう。他己分析を通じて初対面での自分の印象が良くなるように工夫するのも、社会人としてプラスになるでしょう。
オススメの自己分析のやり方4~適性診断~
おすすめの自己分析方法の4つめとして「適性診断に取り組む」という方法もあります。
就職サイトの提供する適性診断に取り組むのも方法のひとつですし、書店には多くの自己分析の本が売っています。サイトの適性診断や自己分析書は、就職のセミナーに行ったりエージェントに相談する前にひとりでも自己分析を始められるきっかけになります。
とはいえ適性診断はあくまでも「ツール」だと考え、結果を鵜呑みにしないように注意しましょう。また「たくさんの自己分析書の読破した」からといって、それで自分自身の自己分析が深まったことにはなりません。目的を見誤らずに診断結果は参考程度に捉え、他の自己分析も行うのがおすすめです。
実際に自己分析をしたらプロの相談してみよう!
自己分析をしっかり行い、その結果を企業の情報と照らし合わせて就活に活かすことを考えましょう。
もしその過程で不安が出てきた場合は就活のプロに相談するのも一つの手段です。ジェイックは20代の就職・転職に強みを持った就職サポート会社として「就職後も安心して、長く働き続けられること」をゴールに、 専任の就職アドバイザーがゼロから入社後まで手厚くサポートしてくれます。相談は無料ですので、ぜひ利用してみましょう。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
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