履歴書って修正してもよいのでしょうか?
どれだけ気をつけて書いてもミスをしてしまうことがある履歴書。また書くのは面倒だし、期限が迫っているから修正して提出しても大丈夫かな?と悩んだことがある方もいると思います。
履歴書は重要な書類なので最初から書き直すことが原則です。今回は履歴書でミスをしてしまった場合、どのように対処したらいいのか解説していきます。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
この記事の目次
履歴書のミスはきちんと正したほうがいい理由
履歴書のミスを正さなければいけない理由は、大きく二つあります。確認しておきましょう。
注意力不足だと思われる
履歴書は応募者の経歴など基本的な情報を知るための大切な書類です。採用判断をする上での大切な書類にミスがあったらどうなるでしょうか。たったひとつの小さなミスでも、注意力が不足していると思われてイメージが悪くなるでしょう。
自分を知ってもらうために提出する、正式な書類にミスがあれば、仕事でも同じようにミスをするのではないかと疑われる可能性もあります。
経歴の詐称
学歴や職歴、資格などを間違えると履歴書の詐称と判断されることがあります。年度を間違えただけでも経歴が変わってしまうので注意が必要です。意図的に偽った場合だけではなく、間違って履歴書に書いたとしても詐称になってしまうことがあるのです。
履歴書の詐称が発覚すると、内定が取り消しになることもあります。ミスがないように提出前にしつこいくらいに何度も確認しましょう。
履歴書は修正せずに書き直す
履歴書の記入を間違ってしまったときは、新しい用紙にすべて書き直しをすることが原則です。頑張って書いたのだから、何とかしてきれいに修正したいという気持ちはよくわかりますが、履歴書は企業に提出する大切な書類です。
手間がかかりますが、たとえ1箇所でも間違ったら面倒がらずに最初から書き直しをしましょう。履歴書の修正をしてはいけないのには理由があります。修正した跡が認められれば、履歴書としての信ぴょう性が下がってしまうからです。
履歴書は公式な文書として考えられていますので、修正の痕跡がない書類として提出することが必要です。
履歴書を書き直せない場合の修正の仕方
履歴書で書き間違いをしたときは始めから書き直しをすることが原則ですが、時間がなくてできない場合もあります。
たとえば履歴書持参で面接会場に到着してからミスに気がついたときはどうしたらいいでしょうか。そのようにどうしても書き直しをする時間がないという場合にも方法がありますので紹介します。
訂正印を押す
まずは訂正する箇所に二重線を引きます。そして二重線を引いた部分に自分の印鑑を使って訂正印を押し、ミスした部分の上下どちらかの余白に正しい内容を書きます。二重線は定規などを使ってできるだけ真っ直ぐに引きましょう。
この方法は公的な文書でもよく行われていますので、銀行などで行ったことがある人もいるでしょう。修正箇所と修正者が明らかになりますので適切に修正しているということがわかります。
しかし何箇所も訂正印が押されていると見た目が良くないので、1箇所の訂正に留めることが理想です。
基本的には書き直しをするのがベストですが、やむをえないときの最終手段として頭の隅に入れておけば万が一のときに役立つかもしれません。
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やってはいけない履歴書の修正方法
これから紹介する道具で修正すると、本当に本人が修正したのかどうかわからなくなってしまい、文書としての信憑性が下がってしまいます。そもそも履歴書に修正液や修正テープを使うことは非常識です。
例えば、下記に紹介する砂消しゴムやカッターで削る方法は、目立ちづらいですが、きれいに削るには高度なテクニックと手間が必要です。
苦労して削るよりは新しい履歴書に書き直したほうが楽ですし、採用担当者にはすぐにわかってしまいますので避けたほうがいいでしょう。
修正液・修正テープ
修正液や修正テープを使って丁寧に修正したつもりでも、痕跡がはっきり残るので一目で採用担当者にはわかってしまいます。
修正液や修正テープを使ったことがあればわかると思いますが、履歴書の用紙よりも色が白いことが多いので目立ってしまいます。
砂消しゴム
修正液が普及する前は砂消しゴムを使ってボールペンの文字を消すことは一般的でした。今は使ったことがないという人も多いと思います。
砂消しゴムには研磨剤が入っていますので、紙を削ることによって字を消すことができるのです。
しかし紙が破れたり、間違って他の文字まで消したりする恐れがあります。紙が削られるので表面が毛羽立って不自然に目立ってしまいます。
カッターで削る
カッターで紙の表面を削る方法は難しく、慣れないと紙が破れたり、穴が開いたりすることがあります。
きれいに削ったとしても薄くなった部分に更に文字を書くとにじむこともあります。
修正が加えられた履歴書に対する人事担当者の目線
人事担当者は修正が加えられている履歴書をどのように判断するのでしょうか。確認していきましょう。
選考において不利になる
履歴書は企業が採用を判断する重要な書類です。その大切な書類に痕跡が残るような修正の仕方をしては、雑な人だという印象を与えかねません。
仕事においても雑でいいかげんに書類を扱われると思われるかもしれません。そのうえ人事担当者は「志望度が高ければ、履歴書を丁寧に作成する」というイメージを持っていますので、「本当にうちの会社に入りたいのかな」と思われても仕方ないでしょう。
逆の立場になってみる
もしあなたが採用する立場の人間だったらどうでしょうか。修正が加えられた履歴書を見たら「人生の一大イベントである就職なのに、軽く考えているのか」「やる気があるのだろうか」と思うでしょう。また修正した跡が残っていると、他人が手を加えた可能性も否定できませんので、正式な書類としての信ぴょう性が低いと判断されてしまいます。
履歴書の提出後にミスを修正したい場合は?
では提出後にミスに気がついたらどのように対応したらいいでしょうか。パニックになってしまうかもしれませんが対処法はあります。
すぐに電話かメールで連絡する
ミスに気がついたらすぐにメールか電話で連絡し、謝罪しましょう。さらに履歴書が到着するタイミングに合わせて連絡すれば、ミスがあった部分の場所と正しい情報を正確に伝えることができます。
連絡するとそのままでもいいと言われることもありますし、書き直しを指示されることもあります。再提出を求められた場合は速やかに履歴書を作成し、提出しましょう。
ミスをしたことはマイナスになりますが、担当者に誠意は伝わるでしょう。正直で誠実な人だと好感を持ってもらえるかもしれません。
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履歴書のミスを防ぐために準備したほうがいいこと
ここまではミスの対処法をご紹介してきましたが、そもそもミスはしないのが一番ですよね。
ミスを事前に防ぐために、まず準備すべきことを確認していきましょう。
書きやすいボールペンを用意する
普段何気なく使っているボールペンでも書きにくいものがあります。インクが出にくいボールペンは文字がかすれて一部消えてしまうことがあるでしょう。
そうなると消えた箇所を上から書き足すので文字が崩れたり、二重になってしまったりする可能性が出てきます。逆にインクが出すぎるボールペンもにじんでしまいます。
紙の上でひっかかることがなくスムーズに書ける、自分にとって持ちやすいボールペンを選びましょう。
飲み物やお菓子を近くに置かない
コーヒーやお茶などをそばに置くとうっかりこぼしたり、倒してしまったりする可能性があります。花瓶も同様です。
またお菓子のかけらなどがつくと履歴書が汚れてしまいます。
ミスなく書き上げても台無しになってしまうことがないように、あらかじめデスク周りの環境を整えてきれいに拭いてから書きましょう。
履歴書の予備を複数枚用意する
失敗しても予備の用紙があれば慌てて買いに出かけなくてもすむので、すぐに書き直しができます。
また時間に余裕があるときに予備の履歴書を書いて保管しておくと、日付を書くだけですぐに提出できますので、慌てて書いてミスする心配が減ります。
企業指定の履歴書の場合は鉛筆で下書きをする
企業指定の場合、履歴書は1枚しかありませんのでミスは致命的です。
絶対にミスはできないので、最初からボールペンは使わずに鉛筆で下書きをしてから清書することをおすすめします。
またはコピーして別紙を用意するなどして内容を書いてから、ゆっくりと書き写すのもよいでしょう。
履歴書のミスを防ぐために気を付けたいポイント
続いては、気を付けるべきポイントです。こちらも合わせて確認しておきましょう。
環境を整える
ミスを防ぐためには環境が大切です。他の人がいると気が散りますので、落ち着いて作成できる場所で書きます。テレビやスマホなどを気にせずに、履歴書を書くことだけに集中しましょう。
夜疲れているときや短い時間で仕上げようとするときも誤字・脱字などのミスが発生しがちになります。時間に余裕を持って書くように心がけましょう。
特に資格や学校名は普段から略して使用していると、長い正式名称をよく確認しないで書いてしまうことがあります。
またスマホやパソコンを使い慣れていると、手書きで文字を書く機会が少なくなります。漢字を間違えて覚えていることもありますので、知っている漢字でも辞書で確認してから書きましょう。
あらかじめ内容を考えておく
志望動機欄は記載内容の自由度が高く、自分をアピールできる機会なので、内容を考えながら書いていく人も多いでしょう。
しかし内容や文章の流れに気を取られていると、表記の確認がいいかげんになってしまう場合があります。
そうならないためにも履歴書を書き始める前に、あらかじめ内容を決めて見本を作ってから書きましょう。
消せるボールペンは使ってはいけない
最近は消せるボールペンも当たり前になってきましたね。消せるボールペンを使えば間違っても修正が簡単です。
しかし履歴書は採用後も保管される重要な書類ですので、改ざんされる恐れがないように消えない筆記具で書きましょう。
企業によっては応募時の注意事項で消せるボールペンの使用を禁止しています。特に注意事項がなくても避けるべきです。
そもそも消せるボールペンは、ラバーでこすった摩擦熱によってインクが消えるしくみになっています。熱や摩擦に弱いので、コピー機の熱や暑い室内で文字が消えてしまうかもしれません。郵送中や保管中に摩擦で消える可能性もあります。
完全に消えなくても文字が薄くなって見えづらくなることもあります。また消せるボールペンで修正してきれいに消したつもりでも、筆圧が残りますので採用担当者に見抜かれてしまいます。
ミスのない履歴書を仕上げるコツ
履歴書の作成において、ミスをしないようにするには、実はコツがあります。当たり前のことのようですが、これから紹介することを実践するかしないかで、大きくミスの確立が変わってきます。是非実践してみましょう。
履歴書の見本を作る
内容を考えながら書くと間違えやすくなりますので、事前に内容を別の紙に書き出しておきましょう。履歴書の中には下書き用の用紙がセットになったものが市販されています。
インターネットでテンプレートをダウンロードして利用することもできます。まず見本を作って、それを見ながら書き写しましょう。
鉛筆やシャープペンシルで下書きをする
鉛筆やシャープペンシルを使って下書きしてから、ボールペンで清書する方法もおすすめです。
面倒に思われるかもしれませんが、文字のバランスや大きさなどを考えながら何度も修正できますので、早くきれいに仕上げることができます。
ただし下書きのときにあまり強く書きすぎると、清書したあとに鉛筆書きの文字が消しにくくなります。
筆圧は弱く、消しゴムを使うときも用紙が皺にならないように丁寧に消すことが大切です。すぐに消しゴムを使うとインクが擦れてしまいますので、乾いてからにしましょう。
インクが完全に乾くまで待つ
無事にミスなく履歴書が完成してもまだ注意が必要です。記入してからすぐに封筒に入れるとインクが擦れたり、にじんだりしてしまうことがあります。
一部分が乾いていても他の箇所が乾いていない可能性もありますので、数時間たってから封筒に入れるほうが安心です。
せっかく苦労して仕上げた履歴書が台無しにならないように最後まで慎重に扱いましょう。
パソコンで作成する
手書きによるミスを防ぐために、パソコンで履歴書を作成する方法もあります。インターネットにはさまざまなテンプレートがありますので、自分に合ったものを選んでダウンロードしましょう。
校正機能を使えば美しいレイアウトで作成できます。手書きの文字に自信のない人には心強い味方です。時間をかけずに複数枚作成できるのも魅力です。
しかし企業によってはパソコンでの履歴書を禁止しているところもありますので、あらかじめ確認しましょう。
時間をおいて何度も確認する
手書きでもパソコンでも完成してから何度も読み返してみましょう。
少し時間がたってから読み返してみると、絶対に大丈夫だと思っていたはずなのにミスが見つかるかもしれません。
記入漏れや記入ミス、文章の流れ、誤字・脱字など念には念を入れて細かくチェックしましょう。
履歴書を修正するならきちんと書き直そう
履歴書でミスをしたことに気がついたら、修正など考えずに面倒でも新しい用紙に書き直しをすることはわかっていただけたでしょうか。
どうしても書き直しが難しい場合は二重線と訂正印を使って修正できますが、これは最終手段です。
修正しなくてもすむようにしっかり対策をして、何回も見直しを行い、完璧な履歴書を提出し、内定を目指して頑張りましょう。
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