新卒入社した会社を退職すると悲惨な末路が待っていると人に言われたり、ご自身でそう考えている人もいらっしゃるでしょう。
学校卒業後、新卒入社した会社を早期に退職してしまうと、その後のキャリアプランがなく途方に暮れてしまう方も多くいらっしゃいます。
しかし、早期退職したからといって必ずしも悲惨な末路があるわけではなく、その後の選択次第でどんな未来でもつかみ取ることができます。
この記事では、新卒退職した人の体験談や選択肢などを解説していきます。
退職を検討する際の参考や、退職後の情報収集として活用ください。
新卒で退職しても必ず悲惨な末路が待っているわけではない
新卒で入社した会社を辞めることは一般的には慎重に考えるべきですが、特定の状況や理由によっては大丈夫なこともあります。業界や地域によっては、新卒での早期転職が一般的に受け入れられることもあります。また、その後のキャリアも多くの選択肢がありますので再スタートは十分に可能です。
新卒からの早期退職率
学歴別の3年間以内の離職率の推移に目を向けてみます。
直近令和2年に卒業した方の3年以内の離職率は「全ての学歴で30%」を超えています。
中卒の方に至っては3年以内に2人に1人以上が辞めている結果です。
どの年代でも就職1年以内に10人に1人は辞めており、就職3年目には10人に3人以上は辞めている計算となっています。
引用:総務省統計局「新規学卒就職者の学歴別就職後3年以内離職率の推移」
転職が一般的な時代が来る?
総務省の統計からも2012年以降、転職者が増加傾向となっています。
また、転職理由としては「よりよい条件の仕事を探すため」が要因となっております。
転職理由の、会社都合や、家庭の事情などの理由は横ばいで、より良い生活を求めて転職をする方が多い結果となっていました。
2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
転職者 | 286 | 287 | 291 | 299 | 307 | 311 | 330 | 311 |
引用:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2022年(令和4年)平均結果の概要」
「労働力調査 追加参考表」
新卒からの退職後も数多くの選択肢がある
新卒で仕事をすぐに辞めたとしても、その後のキャリアにおいて、時間の使い方はさまざまです。近年では、キャリアの多様性が重視され人々が自分らしいライフスタイルやキャリアパスを模索することが一般的になっています。以下に、退職後の選択肢の一部を挙げてみます。
- 異業種に挑戦するため資格を取得
- ボランティア活動
- 海外留学
- フリーランスとして企業
自分の興味や目標に応じて適切なものを選んでみてください。
新卒から退職して就職を成功させた体験談5選
それでは、実際に新卒で退職した後に就職を成功させた体験談を紹介していきます。
「退職して25社の求人から選んだ理想の職場」の体験談(その1)
子どもの頃から絵を描くことが好きで、就活は大学4年生からはじめ、4社エントリーをして内定を頂いた舞台の制作会社に入社。
内定者バイトではやることも新鮮で働く時間も決まっていたので楽しく仕事ができていました。
ところが、入社すると想像以上に大変な状況がまっていました。
朝は11時からですが仕事は終電までがほとんど。
また、その後の飲み会への強制参加が嫌で半年で退職を決意。
転職活動の中で、ジェイックと出会い就職アドバイザーとの面談を経て25社の求人を紹介頂きました。
紹介された25社には様々な職種の紹介もありました。
その中に自分が興味のある分野があり、第一志望の会社に内定。
「退職してイヤになった営業職に再チャレンジ」の体験談(その2)
子どもの頃から負けず嫌いで、結果を出してこられた川瀬さん。
就活はスムーズに終えたものの入社当時の条件とは違う勤務先に配属。
月の残業時間は100時間を超え、また営業職特有の数字ばかりを気にしたギスギスする雰囲気に営業職事態も嫌になり退職を決意。
ジェイックとの出会いは前職でのインターンの先輩からの情報でした。
ジェイックでの面談を通して自分のタイプが分かったり、嫌だった営業職へのイメージの変化がありました。就職カレッジで学ぶことで自信がつき、再度営業職にチャレンジをされました。そして、今の会社は残業もなく逆に定時で帰れることにソワソワしているようです。
「退職して母の背中を見て目指した医療関連会社へ」の体験談(その3)
幼稚園の頃からずっとなりたかった看護師。お母様が看護師をしていてその働く姿に憧れを頂いていたA・Sさん。しかし、苦手な科目があり看護師になるための大学への進学を断念。
持ち前の粘り強さと責任感で、アルバイトでも結果をだしてきた中で選んだ最初の就職先は、ご縁があったIT業界。しかし、長時間労働や飲み会での出来事がきっかけでわずか2週間で退職となってしまいました。
家族にも短期離職後、フリーターになって少し就活を休む話しをする中で、突き放された経験もありました。そんな中ジェイックのキャリア相談を受講されました。Aさんはご自身の辛い状況の中、ジェイックのスタッフの向き合い方に感銘を受けて下さりました。また、ともにカレッジで学ぶ仲間にも刺激をうけ、念願だった医療・健康関連の業界に就職が決まりました。
「退職して働いた会社はジェイック卒業生が多い職場でした」の体験談(その4)
子どもの頃に野球を始め、甲子園常連校で甲子園を目指して野球に取り組んできた杉本さん。
大学時代も、勉学とバイトの傍ら野球も続けていました。
内定を頂いたのは4年の夏頃で、個人向けの住宅のリフォーム営業職に就きました。
野球で身につけた粘り強さを糧に営業をしていましたが、訪問先のお客さんに言われた【ひと言】がきっかけで退職を考えることに。
退職後、家のポストに入っていたジェイックのチラシからジェイックに興味を持ちカレッジを受講されました。ただ、当時の杉本さんは無料で講座をしているジェイックに少し怪しさを感じていたようでした。
ジェイックの講座をきっかけに対個人の営業ではなく対企業の営業のハードルの違いに感銘を受けて営業職にチャレンジ。今の会社はジェイックの講座を受けた方が多く、同じ辛さを経験した先輩たちとの間で励んでおられます。
「退職して保育業界から異なる業界・業種へ転職をした」の体験談(その5)
小学生の頃から活発で運動部に所属していたH・Nさん。
高校に入ってからの接客のアルバイトで子どもと接する中で保育業界に興味を抱きました。
将来は、何か漠然と資格があればという思いの中、バイト時代の経験が保育の資格取得への後押しとなりました。
子どもに関われる仕事であれば、保育士でなくとも一般企業でも良いという感情も就職活動をする中で芽生えておられましたが、最終的に幼稚園の先生として社会人経験を歩まれることに。
ところが、幼稚園の仕事は仕事が終わってからも家に持ち帰っての仕事も多く、1学期を終えた夏休み期間に体調を崩してしまうことになりました。
体調を崩したことをきっかけに家族に心配をかけながらもなんとか1年は勤めていきたい責任感もあったのですが、2学期の終わりとともに退職をすることに。
そんな中、友人の紹介でジェイックに来られカウンセリングを受けられました。ジェイックで社会人の基本的マナーを学んだHさんは、集団面接会で誠意や熱意を感じられたモノづくりのメーカへの再就職を決めました。
新卒から退職後のおすすめ選択肢7選
新卒から退職後の選択肢は、個々の目標や興味によって異なります。
これから7つの選択肢を掲載していきます。
ですが、これらはあくまで参考であり、自身のキャリアへの次のステップにあわせて適切なものを選ぶことが重要です。
1.第二新卒として転職する
第二新卒としての転職は十分に成功する可能性があります。
前職での経験をポジティブにアピールし、新しい環境に適応できる意欲や柔軟性をアピールすることが大事です。転職活動を進める際には、前職を早期に辞めてしまった理由を分析しつつ、自分の強みや改善点を理解し、それを効果的に伝えることが重要です。
2. 同業種へ転職してキャリアアップを図る
新卒ですぐに辞めてから同業種へ転職することは慎重に検討すべきです。
なぜなら、企業の採用担当からすると、また同じ理由で早期退職に至らないかを心配するからです。
退職理由は、より具体的に伝え、何故早期退職に至ったかを論理的に説明する必要があります。理由を説明する際は、その企業の非を伝えるのでなく、あくまで自分に原因があったように話すように心がけましょう。
その上で、前職での経験を最大限に活かす努力を行うことが重要です。それに加え、誠実なコミュニケーションや将来のキャリアビジョンを伝えることで、転職成功の可能性が高まります。
3. 大学院や専門学校に進学する
新卒での就職後に大学院や専門学校に進学することは、キャリアのアップデートや専門的なスキルの習得にとって有益な選択肢となります。
自分の目標や価値観と向き合い、将来のキャリアに対してどれだけ有益かをよく検討することが大切です。その上で、進学を終えた卒業後の求人市場や業界のトレンドを調査しておきましょう。将来の雇用見通しや選択した分野の需要と供給を確認し、戦略を立てることが重要です。
4. スクールなどで資格やITスキルなどを獲得
資格やITスキルを獲得することは、自己投資として将来のキャリアにプラスになります。その上で、獲得したい資格やスキルが求人市場でどれだけ需要があるかを調査しましょう。需要の高い資格やスキルを取得することで、就職・転職に有利になります。獲得したスキルが自分のキャリア目標に寄与し、市場価値を高めるよう工夫して進めていくことが重要です。
5. 公共の職業訓練を利用する
職業訓練を利用するにあたって、所在地や提供される職業訓練プログラムなどについて、地元の雇用サービス機関や職業安定所で情報を収集しましょう。公共の職業訓練機関は、キャリアアドバイスやカウンセリングの提供も行っています。自分の強みや興味を踏まえ、訓練を通じてどのようにキャリアを築いていくかを、相談しましょう。また、職業訓練プログラムには一部または全額が補助される場合があります。費用の補助に該当するには一定の条件がありますので重ねて確認をしておきましょう。
6.アルバイト・フリーターになり、やりたいことを探す
アルバイトやフリーターとして異なる職種や業界で働くことで、様々な仕事に触れ、自分の興味や得意な分野を見つけることができます。さまざまな仕事を経験する中で、自分のスキルや強みが何かを発見しましょう。得意とすることや楽しみながらできることが、やりたいことのヒントとなります。やりたいことを見つけるプロセスは、自己発見の旅とも言えます。焦らず、様々な経験を重ねながら、自分のキャリアについて深く理解していくことが大切です。とはいえ、自分の中で何歳までにフリーター生活に区切りをつけるかの期限をつけることも大事ですね。
7.フリーランスとして活動する
フリーランスとしての活動は自由度が高く、自分の仕事の範囲やクライアントの選択などが自由に決定できる利点があります。ただし、安定した収入を確保するためには自己マネジメントやビジネススキルも重要です。
自分ができることで顧客に提供できる価値は何か?それが収入を得られるだけのスキルになり得るか?考えることが多数あり、注意深く計画を進めていくことが重要です。
まとめ
新卒で入社した会社を辞めることは一般的には慎重に考えるべきですが、特定の状況や理由によっては大丈夫な場合もあります。業界や地域によっては、新卒での早期転職が一般的に受け入れられることもあります。大事なのは辞めた後、その原因を振り返り、今後どうするかが大事です。20代であれば、未経験の仕事へのチャレンジも無数にできます。将来のキャリアのゴールを考えながら数ある選択肢の中から自分の道を選んで欲しいですね。
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