大学中退者の就職率は大卒の就職率よりも低いのが現実ですが、このような就職率の違いはなぜ起きるのか知りたい人もいるのではないでしょうか?
この記事では、大学中退者の就職率をデータで確認しつつ、なぜ大学中退者の就職率が相対的に低いのかについて分かりやすく解説します。
また、就職率の低い大学中退者はどのようにしたら就職成功率を引き上げられるのか、具体的な方法についてもご紹介します。
この記事の目次
大学中退者の就職率
大学中退者の就職率が低い理由について触れる前に、まずはそもそも大学中退者の就職率はどれくらいなのか、合わせてその就職率は他の学歴とどれくらい違うのかについて知っておきましょう。
今回は独立行政法人 労働政策研究・研修機構の「大学等中退者の就労と意識に関する研究」のレポートから、実際の就職率を引用しつつ解説します。
大学中退者の就職率は34%
大学中退者の正社員就職率は34%です。大学中退者が10人いれば、そのうち3人しか正社員になれない計算となりますので、感覚的に就職率が低いということが分かるでしょう。
大学中退者の就職率を詳しくまとめると以下の通りです。
大学中退 | 離学前 | 離学~3か月 | ~3年 | 3年~ | 正社員時期不明 | 正社員移行なし | 就業形態不明 | 未就業 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
合計 | 0.9 | 10.4 | 11.8 | 2.7 | 8.1 | 45.7 | 6.5 | 13.9 |
男性 | 1.2 | 10.8 | 12.2 | 2.7 | 8.4 | 42.9 | 7.6 | 14.1 |
女性 | 0.0 | 9.3 | 11.0 | 2.7 | 7.1 | 53.3 | 3.3 | 13.2 |
表の離学前〜正社員時期不明までの合計割合が大学中退者の就職率となりますので、足し上げると33.9%、約34%となります。
なお、男女別に大学中退者の就職率を見てみると以下のようになっています。
- 男性:35.3%
- 女性:30.1%
男性の方が若干就職率が高い傾向にありますが、大学中退者の就職率として男女差はほぼないものと思ってしまって良いでしょう。
大卒の就職率は69%
一方、大卒の就職率について同じ調査結果からまとめてみると、69%と一気に跳ね上がります。大卒10人に7人は正社員として就職できている数値感になりますので、大学中退者よりも2倍正社員になっているというのが実態です。
大卒の就職率を詳しくまとめると以下の通りです。
大卒 | 離学前 | 離学~3か月 | ~3年 | 3年~ | 正社員時期不明 | 正社員移行なし | 就業形態不明 | 未就業 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
合計 | 1.0 | 55.5 | 6.0 | 1.4 | 5.2 | 19.1 | 8.6 | 3.3 |
男性 | 1.0 | 52.7 | 6.7 | 1.4 | 5.5 | 19.2 | 9.0 | 4.5 |
女性 | 0.9 | 58.4 | 5.2 | 1.5 | 4.8 | 19.1 | 8.1 | 2.0 |
先ほどと同じく離学前〜正社員時期不明までの割合を足し上げると、大卒の就職率が69%であることが分かります。
また、男女別に大卒の就職率をまとめると以下の通りです。
- 男性:67.3%
- 女性:70.8%
大卒の場合は女性の方が正社員就職率は高いですが、こちらも大学中退者の就職率と傾向は変わらず、男女差はそこまでないようになっています。
大学中退して時間がたつと就職率は下がる
大学中退をしてから時間が経過するにつれ、就職率はどんどん下がっていくこともデータとして分かっています。
大学中退 | 離学前 | 離学~3か月 | ~3年 | 3年~ | 期間不明 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|
合計 | 19.5 | 23.8 | 25.9 | 4.9 | 12.0 | 13.9 |
男性 | 19.4 | 24.7 | 25.3 | 4.7 | 11.8 | 14.1 |
女性 | 19.8 | 21.4 | 27.5 | 5.5 | 12.6 | 13.2 |
特徴的なのが、大学中退から3年を超えることで一気に就職率が落ちるということです。
全体で言えば25.9%から4.9%まで就職率が落ち込んでしまいますので、中退から就職活動をしなければしないほど、就職は厳しいものになってくることを認識しておきましょう。
高卒の就職率は68%
大学中退者は学歴上高卒の扱いとなりますが、では大学に進学しなかった高卒の就職率はどれくらいなのかというと68%です。
大学中退者の就職率の2倍となっていることから、大学中退者の就職率はなんらかの理由があって低くなっているといえるでしょう。
高卒 | 離学前 | 離学~3か月 | ~3年 | 3年~ | 正社員時期不明 | 正社員移行なし | 就業形態不明 | 未就業 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
合計 | 0.8 | 45.5 | 5.8 | 3.3 | 7.0 | 25.4 | 7.6 | 4.5 |
男性 | 0.9 | 48.9 | 6.2 | 3.7 | 8.1 | 20.2 | 8.5 | 3.5 |
女性 | 0.7 | 41.7 | 5.4 | 2.9 | 5.8 | 31.3 | 6.7 | 5.5 |
男女差は以下の通りとなっており、高卒に関しては男性の正社員就職率の方が女性に対して10%程度高いのが特徴です。
- 男性:67.8%
- 女性:56.5%
学歴上では同じ扱いとなる大学中退者と高卒について、就職率にこれだけの差が出てしまうのは一体どうしてなのでしょうか?その理由について次から解説していきます。
大学中退者の就職率が低い理由5選
大学中退者の就職率は、高卒や大卒よりも明らかに低いことが分かりました。特に学歴上同じ区分になる高卒と大学中退者で就職率に2倍の差があることには驚いた人もいるのではないでしょうか。
ここからは、大学中退者の就職率がなぜ低いのかについて、考えられる理由を5つ解説します。
1. 中退に対するイメージが悪いから
大学中退という事実に対して、面接官は良いイメージを抱くことはまずありません。
学歴上同じ区分と言っても、高校を卒業してそのまま正社員就職に臨もうとする人と、大学に一度は進学するも中退してしまって就職しようとする人を見れば、後者は何らかの問題がありそうと判断するのは仕方ないことでしょう。
一般的に大学中退者に対して、企業側は以下のような印象を抱きやすい傾向にあります。
- 同じ場所で何かを長く続けることができない
- 嫌なことがあったら逃げ出しそう
- 成り行きで生きていそうで仕事でトラブルを起こしそう
- 将来のことを考えて行動できる人なのか不安
- 大学中退者をあまり見ないからどんな人なのか分からない
上記は例ですが、大学中退という事実がポジティブに働くことは基本的にありません。もちろん面接対策をしっかり行えば、ネガティブなイメージを払拭して内定を勝ち取ることは十分可能です。
ただ、準備を怠れば選考通過率は一気に落ち込むため、就職率も下がってしまうのです。
2. ネガティブな気持ちに陥ってしまうから
大学中退という事実は、自分自身に対してもデメリットが大きい行為です。
具体的には、これから就職しようと就活を頑張っていたとしても、「自分は大学中退している身だから、内定をもらうことはできないだろう」など、ネガティブな気持ちになっているケースが多いです。
面接の場において、応募者が明るい性格か暗い性格かは、選考結果に直結するといっても過言ではありません。企業はコミュニケーションが円滑に取れる人、つまりどちらかと言われれば明るい人を採用したいと考える傾向にあります。
このように、大学中退によって自分自身のメンタルがネガティブなものになってしまっていることが就職率の低下に繋がっているとも考えられます。
3. 中退後の空白期間ができやすいから
大学中退後、すぐに気持ちを切り替えて正社員就職のために頑張っていけるような人は多くはありません。中退後は一旦実家に帰ってゆっくりしたり、とりあえずフリーターとして生活していったりと、就職からは離れた生活を送る人が一定数見られます。
先ほどデータで触れた通り、大学中退後の空白期間が長くなればなるほど就職率が低下するのは明らかです。定性的観点で見ても、大学中退から空白期間があった人からは働くやる気を感じることができないため、面接で見送られることも多くなると考えられます。
大学中退理由、空白期間ができてしまった理由にもよりますが、多くの人は特に目的もなく大学中退から空白期間を作ってしまっているため、結果的に大学中退者の就職率の低さに繋がっていると言えます。
4. 就活のやり方を知る機会がないから
大学中退後に就職活動にしっかり向き合い、正社員就職のために頑張ろうとしている場合でも、就職率が低くなることが考えられます。それは、大学中退者は就活のやり方や進め方を知る機会がそもそもないからです。
大卒者であれば、大学側が大規模な企業説明会の場を設けてくれたり、キャリアセンターによる就活のアドバイスをもらえたりします。加えて、周囲の友人も就活に向けて情報収集を進めるため、自分が意識せずとも望ましい就活の進め方に触れる機会が増えます。
また、高卒者であれば高校側が就職についてもオリエンテーションをしたり、実際に地元の企業を紹介してくれたりと就職あっせんのようなサポートをしてくれますので、結果的に高校卒業後に就職先が決まっているといった状況んなりやすい傾向にあります。
一方、大学中退者は就職活動のタイミングが人それぞれバラバラであることに加え、自分から積極的に情報収集しなければ就職活動の知識が乏しいまま就活に挑まなければなりません。
その結果、間違った就職活動を進めてしまい、なかなか就職ができずに時間だけが経ち、空白期間が伸びて就職できなくなるといった流れになると考えられます。
5. 応募できる求人が限られるから
大学中退者は、学歴的に高卒になるため大卒を募集する求人に応募することができません。
職業選択の幅が一気に狭まってしまうことで、理想とする求人が見つけられず、就活に身が入らなくなることもあるでしょう。
日本は人手不足ではあるものの、応募すれば誰でもすぐに正社員になれるというほど甘い市況感ではありません。希望とは異なるものの泣く泣く応募したという感情は、面接の際に企業側にバレてしまいますので、これにより大学中退者の就職率が低いという事実に繋がっているとも考えられます。
就職率の低い大学中退者は就職できない?厳しい?
大学中退者の就職率が低いことは事実です。では、大学中退をしていると就職ができないのかと問われると、答えはNoです。
実態として、大学中退者が就職できないほど厳しい状況にあるのか、掘り下げて考えてみましょう。
しっかり対策をすれば就職できる
大学中退者であっても、就活対策をすることを怠らなければ就職することは可能です。現在日本は少子高齢化の波を受け、求人倍率は右肩上がりとなっています。
転職サイトdodaによれば、2023年12月の転職倍率は3.22倍です。
これは、就職(転職)を希望する人ひとりに対して求人が3件あるという状態を表しています。つまり、求人数の方が求職者数よりも多いというのが現在の日本における就職マーケットの実情です。
求人募集企業からすれば、募集をかけてもなかなか応募が来ないという状況になるため、大学中退者であっても就職先が全くないといったことはないと言えるのです。
転職によるキャリアアップも視野に入れるべき
大学中退者は大卒を募集する求人には応募できず、また企業からのイメージも非中退者よりも良くないということから、中退後の就活ではなかなか希望する企業に就職できないといったことが考えられます。
そのような状況であっても、「大学中退している自分は、希望する企業にはいけないんだ」と諦めてしまうのではなく、転職によってキャリアアップをしていくといった考え方にシフトするのがおすすめです。
たしかに退学中退直後に大企業や人気の企業へ就職するのは難しいでしょう。しかし、社会人になった後は学歴は関係なくなり、仕事での実績が評価の全てとなります。従って、最初にどのような会社に入社しようと、実績を積めれば転職によって自分が本当に希望する求人に内定をもらうことは可能です。
自分のキャリアを長期的に捉えることで、応募先の選択肢を一気に広げられますので、転職を前提に就職活動をするといった意識も持ってみると良いでしょう。
就職率を高められる大学中退者の特徴3選
大学中退者の就職率が厳しい状況にあるといっても、実際に就職を成功させられている人は一定割合で存在します。
ここからは、就職率を高められる大学中退者のマインドの特徴について3点解説します。
1. 気になる求人には積極的に応募する
大学中退者は中途採用の枠で選考に進んでいく必要がありますが、中途採用枠で内定を獲得するには応募数をある程度持っておく必要があります。
就職成功した人の平均応募者数は20社を超えているというデータもあり、できるだけ積極的に応募することが大切だということはいうまでもありません。
このことから、就職率を高められる大学中退者は、気になる求人に積極的に応募しているといった特徴が見られます。
応募書類をあらかじめ作り込んでおくという前提ではありますが、ある程度自身の希望条件を満たしている求人を見かけたら、躊躇することなく応募するようにしていくのがおすすめです。
2. 挽回したいという気持ちを持っている
大学中退者は全体の2%程度しかいませんので、どちらかと言われると中退は人生のレールから外れる行為と捉えることができてしまいます。
就職率を高められる大学中退者は、自身の中退という現実から目を背けず、ここから挽回していくという強い気持ちを持って就活に臨んでいる傾向が見られます。
人生のレールを踏み外したとしても、大抵のことであれば再びレールに戻ってくることができます。大学中退においては、間違いなくこれからの人生でいくらでもリカバリーできるでしょう。実際に、大学中退から本気で仕事に取り組んで大卒以上のスピードで昇格する人もたくさんいます。
3. 大学中退後すぐに行動できる
データでも取り上げた通り、大学中退後に空白期間が長くなればなるほど就職率が落ちていきます。そのため、就職率を高めるためにも大学中退後すぐに就職活動を始めるようにしてください。
すぐに就職活動を始めるためには、大学を中退するまでにある程度就職したい仕事や業界に目星をつけておくのが良いでしょう。中退して一息休憩をしてしまうのではなく、すぐに次のアクションができるかどうかで今後数十年の人生が大きく変わるといっても過言ではありません。
就職率が高められない大学中退者の特徴3選
先ほどとは反対に、就職率を高められずになかなか正社員としての内定がもらえないような大学中退者には、いくつか特徴があります。
ここでは3つの特徴を解説しますので、これから大学を中退しようと思っている人は特に内容を理解しておくようにしてください。
1. フリーターとして生活してしまう
大学中退後に「とりあえず生きていくために働かなくては」と思い、フリーターとして生活する選択をする人がいます。確かにフリーターは本気でシフトを入れ込めば大卒の初任給以上に稼ぐことも可能ですが、いくつか問題点があります。
大きな問題は、フリーターとして働いた期間は職務経歴上だと空白期間とほぼ同じに見なされてしまうという点です。フリーターでは仕事のスキルがほぼ身につきませんので、フリーターとしての生活が長引けばその分就活で不利になってしまいます。
また、フリーターは昇格や昇給がほぼなかったり、社会保険や年金において正社員とは不遇な取り扱いになっていたりと、長期的に見た時に正社員よりも雇用状況は悪いのが実態です。
正社員就職を叶えたいのであれば、大学中退後のフリーター生活はできるだけ短い期間に留めるのがおすすめです。
2. 就職先を選り好みしすぎてしまう
働くということを真剣に考え、応募する求人を吟味して比較検討するということは大切なアクションです。しかし、あまりにも就職先を選り好みしてしまうと、応募数が少なくなってしまい、結果的に中々内定が獲得できないといった事態に陥ります。
大学中退という時点で、高卒や大卒の人たちよりもハンデがあるのが実情ですので、どうしても譲れない条件は一つに絞り、それ以外の条件はある程度妥協するといった判断も大切になってきます。
特に年収や企業の規模については、大学中退者が選り好みしすぎてしまいがちな項目となりますので、まずは一旦検索条件から外した上で求人を探すようにしてください。
3. 一人で就活を進めてしまう
大学中退者が一人で就活を進めてしまうと、就職成功率が高められないだけなく、ブラック企業に意図せず就職してしまうといったリスクが考えられます。できるだけ自分らしく活き活きと働ける会社に就職するためにも、就職エージェントや親、先に就職している先輩などにアドバイスをもらうことをおすすめします。
特に就職エージェントは就職支援のプロですので、大学中退者であっても働きやすい環境の求人を紹介してくれますし、就活の基本的な進め方をイチから教えてもらうことも可能です。
大学中退者が就職率を高めたいのであれば、まず就職活動をしたいということを周囲の誰かでも、就職エージェントでも誰でもいいので相談してみてください。
大学中退から就職できた体験談2選
就職率が低い大学中退者であっても、実際に就職を成功させられたという体験談はたくさんあります。ここでは、ジェイック独自にインタビューをした二つの体験談を抜粋してご紹介します。
体験談の全文が気になる人は、それぞれの記事リンクを合わせて参考にしてみてください。
1. 講義がおろそかになり中退した人の就職成功体験談
大学では商学系の学部に進学しましたが、正直大学の講義に面白さを感じることができず、日々つまらないと感じながら大学に通っていました。そんな中で楽しみややりがいを感じられていたのは、大学祭の実行委員会だったんです。
他にも焼肉屋のバイトにたくさん入っていて、大学は学園祭の実行委員会とバイトをするために行っているようなものでした。
そんな状況だったので講義にはほとんど出席しておらず、結果的に中退を見据えた休学をすることにしました。いろいろ悩んだ結果、留学とともに大学を中退することに決め、留学先のカナダに発ちました。
ただ、留学先でも勉強についていくことができず、帰国後はすぐに就活をしようと就職エージェントに登録。エージェントや同じ就活仲間との話を通じて自分の至らなさを痛感しました。
就職エージェントのサポートを受けつつ真面目に就活に取り組んだ結果、専門商社に就職することができました。就職した会社では社員同士が常に協力をしていて、自分も前向きに働けています。
数々の失敗をしてきましたが、「変わろう」と思って就活に真剣に取り組めたのは良かったと思います。
塩山航平さんの就職成功体験談 – ジェイック 就職カレッジ®︎
2. 希望の大学に入れず中退した人の就職成功体験談
受験に失敗し、興味のなかった第三希望の大学に入学したところから私の大学生活はスタートしました。そんなスタートだったので一年生の頃から学業に対するモチベーションは低く、講義に出ることなく友達と遊んだりバイトに明け暮れる日々を過ごしていました。
そんな生活を続けていたので、3年の時には留年が確定。今まで遊んでいた友達は全員就活モードに入ってしまったため遊ぶこともできなくなりました。精神的に追い込まれていく中、親に相談して4年生の段階で大学を中退することにしました。
今まで学費を出してくれていた親に対する罪悪感も強く、中退後にはすぐ就職エージェントに登録して就活を始めました。就活では応募して面接をしても内定がもらえないという状況が続いていましたが、就職エージェントの方に応援してもらえたのでモチベーションを保つことができました。
諦めずに就活を続けていたら、アットホームで働きやすい今の会社に内定をもらうことができたんです。
就活は何から始めたらいいのか分からなかった自分にとって、就職エージェントを利用したことは正解だったと思っています。
就職率の低い大学中退者の就活のやり方
大学中退者は就職率が低いですが、基本のやり方さえ守れていればある程度就職率を引き上げることは可能です。
ここでは、これから就活を始める大学中退者が最低でも意識しておくべき就活のやり方を3つ解説します。
大学中退理由を言語化する
大学中退者の面接においては、ほぼ確実に面接官から大学中退理由を聞かれることになります。また、自分の大学中退理由を正しく自己認識できていないと、就職した後も短期離職に繋がってしまう可能性も考えられるでしょう。
就活の準備と自分の就職先の検討に活かしていくためにも、大学中退を決心した段階で自分の大学中退理由を言語化しておくのがおすすめです。
大学中退理由によって応募先の比較ポイントが変わってきますので、まずは自分がなぜ大学を辞めたいと思ったのか。どうしていたら大学を辞めずにいられたのかということについて自問自答するようにしましょう。
自己分析と企業研究を必ず行う
大学中退理由を言語化できても、まだ求人に応募するのは早いです。求人に応募する前には必ず自己分析と企業研究を行ってください。
自己分析とは、今までの経験を棚卸しして長所と短所を明らかにし、自己PRポイントを言語化するために行う分析のことを言います。
自己分析ができていれば応募先とのミスマッチを防げるだけでなく、面接官に対して魅力的な人物であることをアピールできます。
また、企業研究は自分が入社した後のイメージを具体化するために行う調査のことをいい、具体的には求人票や企業ホームページ、口コミサイトなどから情報収集を行います。企業研究が上手く進められると、就職率を高められるだけでなく、長く働ける会社を見つけやすくなります。
就職エージェントを使うのがおすすめ
自己分析と企業研究を行ったら、就職サービスに登録しましょう。大学中退者の場合は基本的な就活の流れを教えてもらった方が就職率が高まる傾向にありますので、就職エージェントを活用するのがおすすめです。
就職エージェントから基本的な就活の流れを個別で教えてもらえるだけでなく、カウンセリングを通じて伝えた希望条件に合致した求人を紹介してくれますので、求人を探すといった手間を省くことが可能です。
就職エージェントによって紹介できる求人に違いがあるため、選択肢をできるだけ持っておきたい人は3〜4つ程度のサービスに登録すると良いでしょう。
高い就職率が見込める?大学中退者におすすめの仕事3選
仕事によって求人数や就職希望者数が異なってきますので、大学中退者が仕事選びをするのであれば、求人数の方が転職希望者数よりも多い仕事に応募するのがおすすめです。
ここでは、特に大学中退者におすすめできる仕事を3つご紹介します。
1. ITエンジニア
ITエンジニアは、ITサービスの設計や開発に携わる技術職です。特別な知識や技術が必要な仕事ではありますが、入社後の研修に力を入れている企業も多く、未経験からでもスキルを習得してエンジニアとして活躍できる企業も少なくありません。
また、ITエンジニアはこれからもっと人材が不足していくというニーズの高い仕事ですので、今のうちから実務経験を積んでおくことで将来のキャリアアップが大いに期待できるのも魅力的なポイントです。
2. 営業職
営業職はどのような企業規模・業態の会社であっても募集されている仕事であり、転職によるキャリアアップが叶いやすいといった特徴があります。また、未経験歓迎や学歴不問といった募集要件で求人募集されていることが多いため、大学中退者でも内定を獲得できる期待が大きいのもポイントです。
営業職にはいくつか種類がありますが、最初は社風が良さそうな会社はどこかといった観点で選べば問題ありません。2社目以降は、営業スタイルや営業商材を軸に転職先を選んでいくと良いでしょう。
3. 介護職
日本は少子高齢化社会ですので、介護サービスの需要も今後さらに伸びていくことが示唆されています。特に介護職は若手不足を嘆く会社が大半を占めていますので、大学中退者でも内定を獲得しやすい傾向にあります。
介護系の資格を取得することで他の仕事のキャリアパスを歩むこともでき、意外とキャリアの幅が広いといった特徴もポイントになります。
ただ、体力仕事になりますので体力に自信がない人は他の仕事を検討した方がいいかもしれません。
就職率に影響しやすい大学中退者の就活の注意点
最後に、大学中退者が就活を進めていくに当たって注意すべきポイントを2点解説します。
大学中退の理由はポジティブに伝える
大学中退者の面接では、ほぼ確実に大学中退理由を聞かれます。その際は、事実を改変しない程度にポジティブに伝えることを意識しましょう。
ネガティブに中退理由を伝えれば面接官からのイメージはさらに悪くなりますので、就職率を下げることに繋がってしまいます。
また、中退理由を伝える時も明るくハキハキと伝えることを意識してみてください。
求人の条件を絞りすぎないこと
求人はごまんとありますが、検索条件を絞りすぎてしまうと一気に応募できる求人数が減ってしまいます。特に大学中退者は応募できる求人が少なくなっていますので、最初から求人の条件を絞りすぎないようにしましょう。
絶対に譲れない条件を1つまで設定し、ある程度妥協できる条件を5つ程度まで優先順位をつけて設定しておけると、幅広い選択肢の中から応募先を見つけられますのでおすすめです。
まとめ
大学中退者の就職率は34%と、大卒や高卒の就職率の約半分程度しかないのが実情です。そのため、就活では誰よりも真剣に対策する必要があります。
ただ、大学中退者は高卒や大卒とは異なり、周囲のバックアップを受けられない状態にありますので、就職エージェントに相談しながら就活を進めるのがおすすめです。
間違っても自分一人だけで就活を進めないように注意してください。
こんな方におすすめ!
- 学歴に自信がないから就職できるか不安
- 就職について、誰に相談したら良いか分からない
- 中退しようかどうかを迷っている
- 学歴に自信がないから就職できるか不安
- 就職について、誰に相談したら良いか分からない
- 中退しようかどうかを迷っている