志望動機の「書き出し」は一番のポイントであるといわれています。
いったいなぜ書き出しがそれほどにまで重要なのでしょうか。
実は、就活生がよく書けたと思っている志望動機内容の多くは、採用担当者からするとわかりにくく、あまり伝わらない文章であることがあります。
この記事では採用担当者に好印象を与える、志望動機の書き出しのコツについて紹介していきます。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
この記事の目次
企業が志望動機を見る理由
まず、企業はどうして志望動機を就活生から知る必要があるのでしょうか。その理由は、大きく分けて4つあります。
就活生が、自社を選んだ理由を知るため
就活生がなぜその企業で働きたいのかを知るためです。
星の数ほどある企業からなぜその職場を選んだのかは、就活生の会社への思いいれや仕事内容への熱意を推し量ることのできる大事な要素です。
自社を選んだ理由を知りたいため[志望動機を見る理由1]
なぜその職場を選んだのかを知るためです。同じ業界であってもそれぞれの企業が行なっている事業には多様性があります。
事業として表面的には似ているものでも、各々の会社ならではのオリジナリティがあり、それが会社の強みとなっているからです。
また、自社だけでなく他社をより深く理解していることはその業界を俯瞰的にみているという証拠になります。
就活生が自分中心の考え方ではなく、組織全体の将来性をみて志望しているかということを確かめたいという企業側の意図もあります。
この就活生と一緒に働きたいか確認するため[志望動機を見る理由2]
志望動機から求職者の熱意を見極めることができることがあげられます。
どれほどまでその企業のことを知り、考えているのかということが志望動機からよくわかるからです。伝わる志望動機は募集企業の心を強く動かします。
採用担当者は就活生と、ともに働くビジョンやワクワク感を想像しながら履歴書を読んでいるからです。
そして輝く何かがある人を見つけたとき「この人と一緒に働きたい!」と心底感じるのです。
自社と就活生の相性を見るため[志望動機を見る理由3]
会社との相性を見るためです。志望動機には、就活生の「過去、現在、未来」がつまっています。
過去や今の自分の経験や能力をこれから働く中でどのように活かしていくのか、そして将来をどのように思い描いているのかを知ることができます。
そして企業が求める人材と照らし合わせ相性をみているのです。
志望動機の書き出しで企業の採用が変わる!?
では、なぜ志望動機の書き出しがそれほどまでに重要なのでしょうか。それには主に2つの理由があります。
志望動機の書き出しに最重要なことを書くため
論理性を重視する英語表現は、「イエス」か「ノー」かがまずその文章の前提にあって、理由は後に述べられる特徴があります。
一方日本語は、1番言いたいことが最後に表現される傾向にあるので、話の冒頭部分だけでは趣旨を理解するのに時間がかかります。
日本語のような表現は、本当に言いたいことをオブラートに包むぶん「奥ゆかしさ」や「謙虚さ」があるというよい面があります。
しかし、履歴書作成時には日本的な表現ではなく、西洋的で論理性のある文章を作成するようにしましょう。書き出しに1番伝えたいことを示し、論理的でメリハリのある文章を心がけましょう。
書き出しで就活生の能力を判断するから
企業への就活生がたくさんいる場合には、志望動機の書き出し次第で、読み飛ばされたり、採用対象から外されたりしてしまうこともあります。
しかし逆にいうと、書き出しが印象的ならば、読み進めてもらえる可能性が高いともいえます。
人の印象は一瞬のうちに決まってしまうため、書き出しは就活生の能力を判断する重要なポイントでもあります。その書き出しの内容によっては、就活生の熱意すら判断されてしまうことも少なくありません。ただし、注意しなければならないのは、書き出しのみが重要というわけではないということです。
あくまでも書き出しは、履歴書を読み進めてもらうためのきっかけであり、次のステップへの足がかりなのです。
志望動機の書き出しは「結論」
志望動機の書き出しは「結論」から書き始めましょう。
そして文章構成の観点から伝える順序としてはまず、「志望動機で伝えたい結論」、そして「応募企業を志望した理由」とすることがポイントです。
「志望動機で伝えたい結論」は、パッと見て何をいいたいのかがわかる書き出しがベストです。
結論を先に伝えられる人は、論理的に物事を考えて行動できる人であるという印象を与えることに役立ちます。
そして読む側にとっても結論が最初にわかっていれば、先に続く内容を理解しやすいため、脳に負担がかからずに趣旨が理解しやすい文章として認識しやすいのです。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
志望動機の書き出しの前にするべきポイントと書き方のコツ
志望動機は結論から書こうと言っても、それだけでは企業からの採用はしてもらえません。
ここでは、書き出しの前にするべきことを紹介します。その後に書き方のコツについても紹介するので、一度自分自身で志望動機や理由を書いてみましょう。
参考にして、就活に活かして活きましょう。
志望動機の書き出しの前に企業研究をしよう!
どのように志望動機を書き出せば、よりよい文章になるのでしょうか。
実は書き出しを決める前の準備が大切なのです。第1段階として、応募先の企業研究を十分にするようにしましょう。
企業に関す情報はホームページ、パンフレット、募集要項、就職支援サイト、口コミなどに記載されています。それらの情報を活用し、企業について詳しく知るようにしましょう。
情報にあたりながら、心にとまる項目や利用できそうな情報があったら、ブックマークしておくようにしましょう。そうすると後でまとめるときにスムーズに情報を見つけ出せます。
そして、企業研究で整理した情報のなかから、志望動機として書きたいことをどんどん書き出してみます。
このときに最初から完璧な文章を書こうとする必要はありません。
まずはとにかく、採用担当に伝えたいことを箇条書きでよいので思いつくままに書き出し、その中から志望動機に該当するものを選び出すようにしましょう。
そして選び出したもののなかから、自己分析の内容と照らし合わせて、志望動機として1番強いと感じるものを1つ決めます。応募企業が求める人物像に近いエピソードなどがあれば、それもピックアップしておくようにしましょう。
このような作業をとおして、志望動機で伝えたい内容の軸を作っていくことができます。
志望動機の書き出しのコツ1:一言で完結に書く
情報収集ができたら、次は「書き出し」の書き方です。
好印象を与える書き出しのコツには2つのポイントがあります。1つめのコツは「一言で完結に書くこと」です。
最初の1文で完結に理由を述べると、明確でわかりやすいというメリットがあります。
1文は長すぎず一言にまとめ、理由は複数挙げずに1つのみにするとわかりやすいでしょう。シンプルにまとめることで、志望理由をもっと知りたいと思わせるような志望理由を作ると効果的です。
最初の1文をタイトルにしてしまうという方法もインパクトがあり有効です。
志望動機の書き出しのコツ2:よいイメージをつける
2つめのコツは「よいイメージをつけること」です。
書き出しの内容を読み進めながら、採用担当は就活生のことをどんな人物かイメージします。
もしも的外れな書き出しだと悪いイメージがついてしまうため、その先が読まれなくなってしまうという危険があります。
インパクトをもたせるために、意表を突く意外性のある言葉を使ってしまいたくなる気持ちはよくわかります。
しかし書き出しにはポジティブで熱意にあふれるような言葉を選ぶようにしましょう。書き出しは完結にする必要がりますが、その後に続く1文も相手を惹きつける内容にするとより効果的です。
たとえば、その後に続く1文を、志望した理由として学生時代の経験を続けるなどすると、読んでもらいやすくなります。
志望動機の書き出しでも注意するべきこととは
採用担当が読む気をなくす書き出しにはどのような特徴があるのでしょうか。4つの例をもとに、よくない書き出しの文章について見ていきましょう。
結論が最後になっている[書き出しで注意1]
1つめの例は、結論が最初ではなく最後になっている書き出しです。
前の文章でも書いたように結論が最後にある文章は、結局何がいいたいのかはっきりと伝わらないという恐れがあります。
いいたいことを一言で完結に書くことで、より伝わる文章になります。
志望理由があいまいで、具体性に欠ける[書き出しで注意2]
志望動機がはっきりしていないと、本当にその会社に入りたい気持ちがあいまいになります。
就活生のなかには、その「企業」ではなく「業界」に興味関心があり、企業研究をおろそかにしてしまうということがありがちです。
しかし企業側によっては業界全般に精通しているだけでは志望動機に具体性がないとみなされることがあります。
1度にたくさん同業界の企業に応募する人にとっては大変なことですが、企業1つ1つの志望動機をしっかりと区分することで企業側に強い熱意を伝えることができます。
志望動機が表面的である[書き出しで注意3]
志望動機に具体性をもたせるためには、より説得力のある志望理由が必要になります。
しかしそれを証明する体験談や実例はなかなかありません。
そのようなときの苦肉の策として「説明会で聞いた社員の話を題材にする」ことがあります。
しかし、このような社員の話は、あくまでも社員個人の魅力であって、応募企業への魅力ではありません。このような社員の個人的な体験談は表面的で強い志望動機とならないことがあります。
志望動機が個人的な理由である[書き出しで注意4]
応募企業の商品やサービスの熱狂的なファンであるという理由は志望動機としてよくあります。
しかし、このような個人的な志望動機は、具体性がなく意欲を感じにくいため好ましくありません。
もちろんその企業の理念やあり方に対して賛同することは必要なことです。
しかし企業は必ずしも応募企業の商品やサービスの信者を職員として採用したいとは思っていません。その企業をより良いものにしていく向上心や経験、真摯さをもつ人を求めているからです。
志望動機の書き出しはスタートライン!
ここまでは志望動機の書き出しについて紹介してきました。
ですが、書き出しは企業からのまずみてもらうための第一歩でしかありません。
ここでは、書き出しの後についての書き方や書くべきことの理由などを紹介しますので、就活に活かしていきましょう。
志望動機の書き出しの後の理由が重要
書き出しは、書き出しそのものだけではなく、後に続くその「理由」も大切な要素です。
書き出しばかりにこだわってしまうと、どうしても一言ばかりが意識にいってしまいます。
しかし1文だけでなく、その直後に続く理由付けも重要です。
理由付けの文章を書く際のポイントは、他の企業ではなくその応募企業でなくてはならなかった理由を具体的に伝えることです。
応募企業だからこその志望理由でなければ、他の企業でも同じことをいっているのではと考えられてしまうこともあります。「なぜこの企業でなければならないのか」「この企業だからこそできることは何なのか」を突きつめて考えることで、書き出し部分を引きたたせる理由となります。
また転職理由などを含める場合は、前の職場の悪口や不満を書いてしまいがちなので注意しましょう。
履歴書は就活生が採用された後でも残る重要書類です。後々まで残ることを意識し、細心の注意をもって言葉を選ぶようにしましょう。
極力ネガティブな表現を使わずにポジティブな内容となるように心がけましょう。就活生の自己分析から見えてきた魅力と絡めながら、応募企業だからこそ働きたいのだという理由を伝えるとより効果的な文章になります。
志望動機で企業が評価する理由とは
これまで一言で志望動機を書き出し、その理由を後述する文章構成が応募企業に伝わりやすい志望動機になるポイントであることを述べてきました。
では、志望動機全体を見てみた場合、含めたい内容としての重要点はほかどのようなものがあるのでしょうか。
志望動機を書く際まず最初に「志望理由」を書きます。そして「志望理由の説明」をして自分の経験やスキルを交えながら説明します。
このように言いっ放しではなくしっかりと志望の理由付けをすることで企業へ応募したことへの軸を強めます。そして最後に「入社後にやりたいこと(目標)」を記載するようにします。今後の展望を記載することで、その人の将来性や伸びしろといった、可能性を感じさることができます。現状に甘んじず、向上心をもっているということを伝えることができるのです。
このとき志望理由の説明の箇所では、自己分析でわかった自分の魅力をアピールするとよいでしょう。
自分の能力やスキルをアピールし、これらが入社後にどう活かせるのかを応募企業に納得して想像してもらえるような表現ができるようにしましょう。
それには具体的な体験談や実例が必要です。
応募企業がこれから行う予定の事業や展開に関連させて、自分が将来どのように貢献することができるのかということを伝えると有効です。企業で活かせる実績がある場合にはそれを根拠として提示すると、入社後に貢献できるという内容への信頼性が高くなります。
志望動機の書き出しで企業からの好印象をもらおう
採用担当者にとって、就活生から寄せられる膨大な数の書類に目を通すことは非常に骨の折れることです。
したがって採用担当者の目に留まる内容にしあげるためには、インパクトのある書き出しであることが必要です。
履歴書の書き方のコツを押さえ、自分の魅力を1番伝えることのできる志望動機の「書き出し」にぜひ心をくばってみてください。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
⇓⇓25卒・26卒の方はコチラ⇓⇓
1.志望動機は大手ほど最初しか読まれない
2.志望動機は書き出しで評価される
3.志望動機の前に業界・企業研究しよう
4.書き出しは第一関門!その後の理由についてもこだわろう