就活の選考段階において、おそらくほぼ全ての人がWebテストを受験する必要があります。
Webテストにもさまざまな種類がありますが、その一つに玉手箱があります。
耳にしたこともあるかもしれませんが、玉手箱がいったいどんなものなのかについてはあまり知られていないのが現状です。
そこでこの記事では、玉手箱について特徴や出題形式、対策について紹介していきます。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
玉手箱の概要とは
ここでは、玉手箱の概要や出題企業、ほかのWebテストとの違いなどをご紹介します。
玉手箱とは
玉手箱とは、就活の選考で用いられる適性検査の1つで、SPIと並んで代表的な検査とされるものです。
日本エス・エイチ・エル(SHL)社が販売している総合職適性テストが「玉手箱」であり、同社は他にもCABやGBAという別のWebテストも扱っています。
そのため、玉手箱にもこれらのテスト問題と同じ形式の問題が出題されることがあります。
さらに、玉手箱にはテストセンターで受験するC-GAB方式と在宅受験するWebテスト方式の2種類があり、在宅受験では自宅でパソコンなどを使用することで受験することができます。
また、玉手箱は在宅受験型Webテストの中ではトップシェアを誇るので、多くの就活生が実際に受験しています。
他の適性検査について詳しく知りたい就活生は以下の記事に詳しく紹介しているので参考にしてみましょう。また、WEBでの適性検査は他の種類もあります。そちらの記事も参考にしておきましょう。
適性検査には、様々な種類があり、企業の意図があります。企業が何を求めているのか理解して就職活動を進めていきましょう。
玉手箱の出題企業
過去に採用選考で玉手箱が出題された有名企業には、以下があります。
- 三井住友銀行
- 日産自動車
- TBS
- 東京ガス
- 日本ロレアル
- アサヒビール
- 富士通
- 日本マイクロソフト
- 昭和シェル石油
上記のように、金融、インフラ、マスコミ、通信など、幅広い業界で玉手箱が出題されていることがわかります。エントリーを考えている企業が玉手箱の適性検査を出題する場合、就活生はきちんと対策に取り組みましょう。
玉手箱とほかのWebテストの違い
玉手箱とほかのWebテストの違いについてご紹介します。ただし、Webテストではなくペーパーテスト形式で出題する企業もあるため、受験前に必ず確認しておきましょう。
玉手箱とSPIの違い
約半数の企業が使用する、もっともスタンダードな適性検査です。SPIの出題内容は言語、非言語、性格検査で、企業によって英語の問題が出題されることもあります。
SPIについてくわしく知りたい就活生は、以下を参考にしてみてください。
就活のなかで、SPIを受験することになる可能性は高いといえるでしょう。
玉手箱とCABの違い
エンジニアなど、コンピューター職の適性を見るために実施されることが多いWebテストです。出題内容は、暗算・法則性・命令表・暗号・性格判断です。
CABについてくわしく知りたい就活生は、以下を参考にしてみてください。
特定の職種以外では受験する機会が少ないWebテストですが、該当する就活生は対策を実施しましょう。
玉手箱とGABの違い
新卒総合職の能力を見ることを目的に作られたWebテストで、難易度が高いことでも知られてます。出題内容は、言語・計数・性格診断です。
GABについてくわしく知りたい就活生は、以下を参考にしてみてください。
GABは、商社や金融業界などで出題されることがあります。これらの業界にエントリーする予定がある就活生は、受験する可能性があるでしょう。
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玉手箱(適性検査)を企業が就活生に求める目的と特徴
玉手箱のようなテストをなぜ、企業は就活生に求めるのでしょうか。
ここでは、企業が玉手箱を就活生にテストさせている理由と、適性検査の中でも玉手箱にはどのような特徴があるのか紹介します。
就活生は参考にしてみてください。
玉手箱(適性検査)を就活生にさせる目的とは
この段落では、適性検査を行う目的について紹介します。適性検査を行う目的としては、主に2つあります。
- さまざまな角度から、応募者を理解するため
- 客観的な人物評価をするため
適性検査では、言語や係数などの複数面からなる問題だけではなく、性格検査も含まれています。そのため、能力と性格の両面から応募者を判断することができるとともに、人事などの企業の担当者が応募者を主観的に評価してしまう危険を回避する効果もあります。
適性検査は新卒採用で使用されているイメージが大きいのですが、実は新卒採用のみならず中途採用でも利用されているのです。とはいえ、新卒採用と中途採用において適性検査を用いる意味合いは少し異なります。
新卒採用の場合は選考する順位付けをするため
中途採用の場合は即戦力が求められる中途採用では、企業が求める人物像とマッチしているかどうかの判断のため
上記のように、新卒採用では選考する際、学生に対して優先順位を付けたり、入社後の配属先の部署を決める参考にするために適性検査を利用します。一方の中途採用では、即戦力として期待する人材が企業にうまくマッチするかどうかの判断材料として適性検査が利用されます。
なぜ適性検査が中途採用で利用されるようになったかというと、中途採用として入社した人が、その後に企業とうまくマッチせず退職してしまう例が多く見られたからです。そのため、新卒採用のときに行う適性検査とは異なり、中途採用では適性検査の結果が合否にかなりの影響を及ぼすこともあります。
玉手箱の特徴とは
この段落では、玉手箱の特徴について紹介していきます。玉手箱の問題の特徴としては、主に2つあります。
- SPIよりも時間制限が厳しく、短時間で問題を解く必要がある
- 問題形式1種類に対して複数の問題が出ることも特徴(同じような出題が続く)
玉手箱の問題は、SPIと比較してかなり時間制限が厳しくなっています。そのため、短時間で問題文を理解し、正確に解答していく力が要求されています。
ただし、玉手箱では問題形式1種類につき問題が複数出題されるという特徴もあります。
そのため、問題のパターンをある程度つかむことができれば、残りの問題は同じように解答できます。
例を挙げると、「四則逆算」が出題される計数分野では、方程式の空欄に当てはまる数値を計算していく問題のみが出題されますし、「長文読解」が出題される英語分野では、ある長文を読み取った後、英語の設問分に答えていくだけの問題が続きます。
問題のパターンとしても、言語が3種類、計数が3種類、英語が2種類の合計8種類とあまり多くはないため、玉手箱の問題パターンに慣れると案外楽に解答することも可能になります。
また、上記のような玉手箱の特徴から、スピード感や正確性を兼ね備えた人材を求めている企業が多く導入しています。
業界としては、主に総合商社や総研、金融関係企業などで多く取り入れられているほか、大小さまざまな企業でも取り入れられています。
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玉手箱の出題形式を紹介~就活生はテストの傾向を把握しよう~
ここでは、玉手箱の傾向について紹介します。いきなり問題を始めると戸惑う就活生も多いと思いますので、テストの形式を一度理解しておきましょう。
玉手箱の問題形式1:計数理解
では、いよいよこの段落から玉手箱の出題形式について紹介していきます。
まずはじめは、計数理解についてです。係数理解の分野は、表や方程式などの空欄に入る数値を読み取る問題が中心で、以下の3つの種類に分かれています。(※問題数や制限時間は企業によって異なることがあるので注意が必要です。)
- 四則逆算→50問出題され、9分で解く
- 図表の読み取り→29問出題され、15分で解く。または、40問出題され、35分で解く場合もある
- 表の空欄の推測→20問出題され、20分で解く。または、35問出題され、35分で解く場合もある
「四則逆算」は、方程式の空欄部分に入る数を計算するものです。
「図表の読み取り」は、ある図表を読み取った後に設問に答える形式です。
最後の「表の空欄の推測」は、表の空欄になっている部分の数値を前後の数値などから推測する問題です。
また、「四則逆算」と「図表の読み取り」に関しては、電卓や計算用紙の使用が可能となっています。特に電卓の使用が玉手箱を効率よく解くカギとなります。
玉手箱の問題形式2:言語理解
玉手箱の2つ目の出題形式は、言語理解です。
言語理解の分野は、その名の通り長文を読んでその後の設問に答える形式です。
以下の3つの種類に分かれています。(※問題数や制限時間は企業によって異なることがあるので注意が必要です。)
- GAB形式(論理的読解)→長文を読んで設問に解答する。8長文それぞれに4問ずつ、計32問出題され、15分で解く。または、52問出題され25分で解く
- IMAGES形式(趣旨判定)→長文を読んで設問に解答する。8長文それぞれに4問ずつ、計32問出題され、10分で解く
- 論旨把握→筆者の考えに最も近いものを4つの選択肢から選ぶ。10問出題され、12分で解く
「GAB形式(論理的読解)」は、設問文における主張が正しいかどうかについて判断する、論理的思考力が必要となります。
「IMAGES形式(趣旨判定)」では、設問文の趣旨を判断する思考力が問われます。
最後の「論旨把握」は、筆者の考えとして適切なものを選択する形式の問題であり、中学校や高校などの国語のテストに近い形式です。
また、問題として使用される長文は600文字程度のものが多いです。
玉手箱の出題問題3:英語
玉手箱の出題形式の3つ目は、英語です。
英語の分野は、先ほどの言語理解の英語版だと考えると分かりやすいです。
英語分野は、以下の2つの種類に分かれています。(※問題数や制限時間は企業によって異なることがあるので注意が必要です。)
- GBA形式(論理的読解)→長文を読んで正誤について解答する。8長文それぞれに3問ずつ、計24問出題され、10分で解く
- IMAGES形式(長文読解)→長文を読んで正しい答えを選ぶ。8長文それぞれに3問ずつ、計24問出題され、10分で解く
「GBA形式(論理的読解)」は、先ほどの言語理解と同じで論理的思考力によって設問文の主張が正しいかどうか判断しなければなりません。
また「IMAGES形式(長文読解)」は、英語の長文を読んだ後設問に答える形式で、言語理解と同様に設問文の趣旨を判断する思考力が問われます。
玉手箱において英語が出題されるとなると、実際どれほどのレベルを要求されるのか気になる人もいるでしょう。
しかし、ハイレベルな英語力を求められているわけではなく、中学生や高校生レベルの英語力があれば問題ないと言われています。
玉手箱の出題問題4:性格テスト
玉手箱の出題形式として、最後は性格テストです。
玉手箱の出題形式1~3は能力テストとされていますが、この段落で扱う「性格テスト」は少し趣旨が異なります。
先ほどまでのような個人の能力を測るテストではなく、応募者の性格的な思考や意欲面を洗い出し、企業の雰囲気や職種と応募者がマッチしているかどうかを測る目的で利用されます。
性格テストの特徴としては、主に以下のようなものがあります。
- 約200問が出題され、直観的にすばやく回答していく
- 「人に対して接する性質」「課題に対処する際の志向性」「感情がコントロールできるかどうか」などを測る質問が出題される
「人に対して接する性質」に関する質問では、主に対人スキルなどについての質問から、応募者の人物像を探ろうとしています。
普段どんなことを考えて人と接しているのかであったり、内向的であるのか外交的であるのかなどを判断します。
「課題に対処する際の志向性」では、課題にぶつかったときに応募者がどう対処するのかについて探ります。
目標に向かってどういった計画を立てるのか、また、持続的に物事に取り組めるのかなどを確認します。
「感情がコントロールできるかどうか」の質問では、応募者が自分の感情をコントロールできるかどうか判断します。
自分に自信はあるか、柔軟に物事を考えることはできるかなどの簡単な質問を聞かれることも多いです。
また、性格診断ではあまりじっくり考えることなく、直感でテンポよく答えていくことが正しい結果を出すために必要になってきます。というのも、じっくり考えすぎて回答してしまうと、自分が普段考えていることが何なのかこんがらがってしまい、後々に矛盾した結果になってしまうことがあるからです。
当然ですが、回答に矛盾が生じている場合には選考において落とされてしまう可能性が高まります。
回答に矛盾があると、普段から嘘をつく人だと捉えられてしまう恐れがあるのです。性格検査では、噓偽りのない回答を心がけましょう。
また、いくら正直とはいえ極端な回答をすると落ちてしまうことがあります。例えば、明らかに周囲の人と協力ができないような印象を与える回答をしてしまったような場合、協調性がない人とみなされてしまう可能性が高くなります。
玉手箱の解答をスムーズにするための対策方法
玉手箱の対策では、解く量にこだわってテスト準備をしていくことが大切です。ここでは、玉手箱のWebテスト対策についてご紹介します。
玉手箱の対策1:問題に慣れる
玉手箱はSPIなどの他のWebテスト比べて問題を解く時間が短く、素早い解答が求められます。
そのため、Webテストの中でも難しい部類に入り、何の対策もしないで受験してしまうと頭の良い人でも落ちてしまうということはしばしばです。
そんな玉手箱の対策として何より大切であるのが、問題に慣れることなのです。市販の問題集などを繰り返し解くことで問題に慣れることができるのはもちろん、玉手箱は同じ形式の問題が多く出題されるため、問題に慣れておけば本番でも似たような問題に遭遇する可能性が高まります。
また、問題に慣れることと同じくらい大切であるのが、電卓の使い方にも慣れておくことです。
簡単な計算であれば電卓の使い方はそこまで難しくないのですが、玉手箱では複雑な計算を電卓で行わなければならないときもあります。
本番で迷わないように、前もって準備しておくことが大切です。さらに在宅受験の場合は、パソコン周りの環境を整えておき、普段から集中しやすい環境にしておくとより効果的です。
玉手箱の対策2:短時間で解答できる工夫をする
玉手箱では短い時間で多くの問題を解く必要があるため、いかに短時間で解答できるかが重要です。
そのため、受験する際にあらかじめ時間配分を決めておくことが大切なポイントとなります。
例えば、1問に対してどれだけ時間をかけるのかを決めると、最後まで解答することができなかったという結果で終わることは避けられます。また、計数理解の分野では電卓の使用が認められているため、電卓を有効に使うことで解答にかかる時間を短縮することができます。
また、いくら考えてもわかる見込みのない問題に関しては、早めに見切りをつけてあえて飛ばすことも大切です。
考えて時間を浪費するよりもあえて飛ばすことで、後に出題される問題に解答することができるかもしれません。
自宅で受験を行う場合には、周囲の環境を整えることも大切です。
例えば、パソコンの周りを片付けたり、静かな部屋に移動するだけでもストレスなく受験することができますし、大きな画面で受験すると、細かい数字などが見やすく解答時間を短縮しやすくなります。自分が一番集中しやすい環境を整えることで、解答時間を短縮することも可能になります。
玉手箱の対策3:対策アプリや問題集を活用する
玉手箱の対策をおこなう際には、まずは専用の問題集を購入して解いたほうがよいでしょう。
どの問題集を用意すればよいかわからない場合は、ベストセラーのものや、インターネットなどのレビューで高評価のもの、受験経験のある先輩がすすめるものなどを選ぶことをおすすめします。
そのほかにおすすめなのが、対策アプリです。アプリの場合、移動中や寝る前、授業やアルバイトの休憩時などに手軽に取り組むことが可能です。
玉手箱の対策アプリは、スマートフォンから簡単にダウンロードができます。本格的に受験準備をスタートさせる前にダウンロードしておけば、ちょっとした空き時間を使って玉手箱の問題に慣れることができるため、時間を有効活用できるでしょう。
問題の傾向を理解して対策していこう!
就活をしていると、玉手箱を導入している企業の選考に何度もあたる可能性もあります。
玉手箱はSPIなどの他のWebテストと比較してもかなり難しく、問題を素早く正確に解く力が求められます。
しかし、事前にしっかりと対策をしておけば玉手箱で良い結果を出すことも可能です。入念に準備をして、ぜひ後悔のない結果を出しましょう。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
⇓⇓25卒・26卒の方はコチラ⇓⇓
1.玉手箱は適正検査の一つ
2.適性検査を企業がするのは面接ではわからない部分を理解したいから
3.玉手箱の傾向を一通り就活生は理解しよう
4.玉手箱は慣れと時間配分が重要!