ハローワークではどういった給付金がもらえるのか、気になる人も多いのではないでしょうか?
この記事では、ハローワークで申請することがもらえる給付金の中でも、特に利用されることが多い傾向にある給付金をご紹介します。
それぞれ申請条件やもらえる金額の概算、申請方法などを一覧の表にして解説しますので、ハローワークの給付金について理解を深めたい人は参考にしてみてください。
この記事の目次
ハローワークでもらえる給付金種類一覧
ハローワークに申請することでもらえる給付金はたくさんありますが、今回はその中でも特に利用されることの多い以下の給付金について解説していきます。
- 失業手当(基本手当)
- 職業訓練給付金
- 教育訓練給付金
- 就職促進給付金
- 傷病手当金
- 育児休業給付金
- 特例一時金
- 住居確保給付金
- 日雇労働求職者給付金
- 高年齢求職者給付金
それぞれ給付となる人の対象や条件、金額は大きく変わってきます。自分はどの給付金なら利用できる可能性がありそうか参考にしてみてください。
1. 失業手当(基本手当)
失業をした多くの人が申請する傾向にあるのが、基本手当である失業手当です。失業保険とも言われており、失業状態にある期間中毎月給付金が受け取れます。
どんな給付金か | 会社を何らかの理由で退職し、失業状態にある人が安定した生活を過ごしながら就職活動を進められることを目的とした給付金 |
対象となる人・給付条件 | ・1失業状態にあること ・雇用保険の被保険者期間が一定期間あること ・ハローワークで求職申込をしていること・ 失業の翌日から1年以内であること |
いくらもらえるか | 以下の流れで計算できる。 前職の賃金や年齢、雇用保険の加入者期間によって大きく変わるため、詳細はハローワークに問い合わせる。 1.退職日の直前6ヶ月で毎月支払われていた賃金の総額÷180=賃金日額を算出 2.賃金日額に対して所定の給付率を掛け合わせる 3.基本手当日額×給付日数で受給金額の総額が計算できる |
申請時必要書類 | ・雇用保険被保険者離職票 ・個人番号確認書類(詳細は出典元参照ください) ・身元(実在)確認書類(詳細は出典元参照ください) ・証明写真(詳細は出典元参照ください) ・本人名義の預金通帳又はキャッシュカード |
申請方法 | 1.退職した会社から離職票をもらう 2.ハローワークで受給資格の認定を受ける 3.7日間の待機期間を待つ 4.雇用保険受給者初回説明会に参加する 5.失業認定を受ける |
出典:厚生労働省「ハローワークインターネットサービス – 雇用保険の具体的な手続き」
2. 職業訓練給付金
ハローワークでは就職活動の一環として、スキルや知識が習得できる職業訓練が受講できます。
特定条件を満たせば、給付金を受け取りながら学校のように座学講習を受けることが可能です。
どんな給付金か | これから再就職や転職をしたいと考えている人がスキルアップを目的に職業訓練を受講する際に生活を支援するための給付金 |
対象となる人・給付条件 | ・本人収入が月8万円以下 ・世帯全体の収入が月30万円以下 ・世帯全体の金融資産が300万円以下 ・現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない ・訓練実施日全てに出席する(やむを得ない理由により欠席し、証明できる場合であっても、8割以上出席する) ・世帯の中で同時にこの給付金を受給して訓練を受けている者がいない ・過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けていない ・過去6年以内に、職業訓練受講給付金の支給を受けていない |
いくらもらえるか | 毎月10万円(別途条件を満たす場合は、通所手当や寄宿手当を合計すると毎月15万3千円) |
申請時必要書類 | ・マイナンバー確認書類 ・本人確認書類 ・ハローワークからもらう書類 ・自分で用意する書類 |
申請方法 | 1. ハローワークで職業訓練給付金を受給したいことを伝える 2. 受講申込書などの必要書類を受け取る 3. 職業訓練の申し込みと、職業訓練給付金の事前審査の申請を行う 4. 興味のある職業訓練校を選ぶ 5. 職業訓練校で入学試験を受験して合格する 6. 職業訓練の受講スタート 7. 職業訓練給付金の支給スタート |
出典:厚生労働省「求職者支援制度のご案内 |厚生労働省」
通所手当
職業訓練では、高校や大学のように職業訓練校に平日毎日通学が必要になります。その際にかかる交通費を支給するというのが「通所手当」です。
どんな給付金か | 職業訓練校に行くための交通費を補助するための給付金 |
対象となる人・給付条件 | ・雇用保険(失業保険)の受給対象者 ・職業訓練受講給付金の支給対象者 ・職業訓練給付金の対象者とならない人で収入が一定額以下(月12万円以下、世帯収入月34万円以下)、かつ他の支給要件を満たす人 |
いくらもらえるか | 毎月最大42,500円 |
申請時必要書類 | ・マイナンバー確認書類 ・本人確認書類 ・ハローワークからもらう書類 ・自分で用意する書類 |
申請方法 | 対象であれば、職業訓練給付金の申請と同時に行える |
出典:厚生労働省「ハローワークインターネットサービス – 基本手当について」
寄宿手当
職業訓練を受講しようとする際、住んでいる場所や職業訓練校の立地によっては通いたいのに通えないといったケースがあります。
その際に、下宿費用として毎月支給されるのが「寄宿手当」という給付金です。
どんな給付金か | 職業訓練を受講するために、扶養内の家族と別居して生活しなければならない人に対して設けられている給付金 |
対象となる人・給付条件 | ・職業訓練受講給付金が受給できる人 ・以下の1〜3のいずれかに該当し、ハローワークが指定の宿泊施設に一時的に住み込む必要があると判断した場合 1.通常の交通機関を使って職業訓練校にいくまでに、往復で約4時間以上かかる 2.交通機関の便がが悪いことが理由で職業訓練校に行くのが非常に難しい 3.職業訓練校の特殊性によって寄宿を余儀なくされる |
いくらもらえるか | 毎月10,700円 |
申請時必要書類 | ・公共職業訓練等受講届 ・公共職業訓練等通所届 ・公共職業訓練等受講証明書 |
申請方法 | 対象であれば、職業訓練給付金の申請と同時に行える |
出典:厚生労働省「求職者支援制度に寄宿手当ができました!」
3. 教育訓練給付金
就職を希望する人に限らず、主体的に自分のスキルや知見を蓄えてキャリア形成をしたいと考える人に対して、国は「教育訓練給付金」という制度を設けています。
教育訓練給付金は、受講しようとするコースによって以下の3種類に分けられます。
- 一般教育訓練
- 特定一般教育訓練
- 専門実践教育訓練
それぞれ詳しく解説します。
一般教育訓練給付金
TOEICや簿記検定を始めとした、比較的メジャーな資格を取得しようとする際は「一般教育訓練」に該当します。
対象コースを受講することで受講費用の20%を給付金としてもらうことができます。
どんな給付金か | 雇用の安定や就職の促進に役立つと国が判断しているコースを受講する場合にもらえる給付金 |
対象となる人・給付条件 | ・職業訓練開始までに累計2年以上の雇用保険加入期間がある ・離職中であれば離職してから1年以内である ・「資格取得を目的とするコース」「大学院などの過程」のうち、指定されている科目の受講をする |
いくらもらえるか | ・受講費用の20%(上限10万円)が職業訓練修了後に支給 |
申請時必要書類 | ・教育訓練給付金支給申請書 ・教育訓練修了証明書 ・領収書 ・本人確認書類 ・マイナンバーカード ・振込先となる通帳かキャッシュカード |
申請方法 | 1.一般教育訓練給付金が受けられるコースで職業訓練を修了する 2.ハローワークに行って必要書類を提出して申請する |
出典:厚生労働省「教育訓練給付制度|厚生労働省」
特定一般教育訓練給付金
大型自動車免許や介護職員初任者研修など、有資格者でないと働けないような資格を取得しようとする際は「特定一般教育訓練」に該当します。
対象コースを受講することで受講費用の40%を給付金としてもらうことができます。
どんな給付金か | 速やかな再就職や早期のキャリア形成に役立つと国が判断しているコースを受講する場合にもらえる給付金 |
対象となる人・給付条件 | ・職業訓練開始までに累計2年以上の雇用保険加入期間がある ・離職中であれば離職してから1年以内である ・「業務独占資格などの取得を目的とするコース」「デジタル関係のコース」のうち、指定されている科目の受講をする |
いくらもらえるか | ・受講費用の40%(上限20%)が職業訓練修了後に支給 |
申請時必要書類 | ・専門実践教育訓練給付および特定一般教育訓練給付再受給時報告 ・本人確認書類 ・マイナンバーカード ・振込先となる通帳かキャッシュカード |
申請方法 | 1.職業訓練前にハローワークで訓練前キャリアコンサルティングを受ける 2.職業訓練を受講し、修了する 3.必要書類をハローワークに提出して給付金の申請をする |
出典:厚生労働省「教育訓練給付制度|厚生労働省」
専門実践教育訓練給付金
保育士や社会福祉士を始めとした、有資格者でないと働けない資格のうち、特に中長期的なキャリア形成に役立つと判断されているものを取得しようとする際は「専門実践教育訓練」に該当します。
対象コースを受講することで受講費用の50%を給付金としてもらうことができます。加えて、資格取得時は追加で受講費用の20%の受給も可能です。
どんな給付金か | 中長期的なキャリア形成に役立つと国が判断しているコースを受講する場合にもらえる給付金 |
対象となる人・給付条件 | ・職業訓練開始までに累計2年以上の雇用保険加入期間がある ・離職中であれば離職してから1年以内である ・「業務独占資格などの取得を目的とするコース」「デジタル関係のコース」「高等専門学校以上の過程」「専門学校の過程」のいずれかのコースを受講する |
いくらもらえるか | ・受講費用の50%(年間上限は40万円)が職業訓練受講中6ヶ月ごとに支給 ・資格を取得でき、かつ職業訓練修了後1年以内に就職できた場合は受講費用の20%(上限あり)が追加支給される |
申請時必要書類 | ・教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票 ・本人確認書類 ・マイナンバーカード ・振込先となる通帳かキャッシュカード ・教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票 |
申請方法 | 1.職業訓練前にハローワークに相談してキャリアコンサルティングを受ける 2.必要書類をハローワークに提出して受講目申請を行う 3.職業訓練を受講する 4.給付金申請をハローワークで行う |
出典:厚生労働省「教育訓練給付制度|厚生労働省」
4. 就職促進給付金
失業保険を受給期間の満期まで受給するのではなく、早期に就職をすることを促すために以下の手当が設けられています。
- 再就職手当
- 就業手当
- 就業促進定着手当
- 常用就職支度手当
この中でも特に申請しやすい「再就職手当」と「就業手当」の2つを解説します。
再就職手当
失業保険の受給期間を一定期間以上残し、正社員として再就職が決定した場合には「再就職手当」が支給されます。
どんな給付金か | 失業保険の受給決定者が、早く再就職先を見つけて働き始めることを促進するための給付金 |
対象となる人・給付条件 | ・失業保険の待機期間終了後の就職である ・失業手当の支給残日数が3分の1以上残っている ・再就職先が前職に関係のある会社ではないこと ・再就職先で1年以上の勤務が決まっている ・直近3年以内で再就職手当などの就職促進給付金を受け取っていない ・失業保険の受給資格決定前に内定していた企業への就職ではない |
いくらもらえるか | 基本手当日額×失業保険の支給残日数×50% or 60%(例:基本手当日額が4,000円で、所定給付日数90日の人が早期就職をした場合216,000円がもらえる) |
申請時必要書類 | ・再就職手当支給申請書 ・関連事業主に関する証明書 ・雇用保険受給資格者証 ・紹介証明書(給付制限の1か月以内に職業紹介事業者の紹介で就職する場合のみ) ・失業認定申告書 |
申請方法 | 1.失業保険の手続きをしたハローワークに採用証明書を提出 2.再就職手当支給申請書を受け取る 3.再就職手当支給申請書を再就職先に記載してもらう 4.必要書類をハローワークに提出して申請する |
出典:厚生労働省「再就職手当のご案内」
就業手当
再就職手当とは異なり、アルバイトやパートなどの非正規雇用で早期就職を決定した際は「就業手当」が受給できます。
どんな給付金か | 再就職手当の支給対象とならない短期的な雇用形態で就職が決まった人に対して支給される給付金 |
対象となる人・給付条件 | ・就業までの期間において、失業保険の支給日数が45日以上残っていて、かつ給付日数の3分の1以上 ・離職前に所属していた事業主に対する再就職ではない ・失業保険の申請前に内定をもらっていた事業主に対する再就職ではない ・失業保険の待機期間の終了後の就職 |
いくらもらえるか | 基本手当日額(失業保険の1日あたり受給額)×30%×就業日(再就職先で働いた日数)=支給額 |
申請時必要書類 | ・失業認定申告書 ・就業手当支給申請書 ・雇用保険受給資格者証 ・給与明細などの就業したことが分かる書類 |
申請方法 | 1.パートやアルバイトなどの非正規雇用の形態で就職する 2.失業保険における失業認定日に就業手当の受給申請を行う |
出典:厚生労働省「業務取扱要領57001-58000雇用保険給付関係(就職促進給付)」
5. 傷病手当金
病気や怪我など、働く意思はあるにも関わらず働けない状態にある人の家族が安心して生活できるよう設けられているのが、傷病手当金です。
なお、ハローワークで申請できるのは「傷病手当金」であり、在職者が健康保険組合から受給できるのは「傷病手当」となります。両者の言葉は似ていますが、管轄する組織が全く異なりますので混同しないようにしてください。
どんな給付金か | 病気や怪我によって働きたいのに働けない状況になってしまった人のために、その人とその人の家族の生活を保障するために設けられている給付金 |
対象となる人・給付条件 | 失業保険の受給資格決定日以降、病気や怪我によって15日以上就職できない人 |
いくらもらえるか | 離職日以前の半年間の賃金を平均した1日あたりの金額×45〜80% (料率は年齢や収入によって異なる) |
申請時必要書類 | ・傷病手当支給申請書 ・雇用保険被保険者証 |
申請方法 | 必要書類を揃えて最寄りのハローワークに申請する |
出典:厚生労働省「傷病手当が支給される場合は | 北海道ハローワーク」
6. 育児休業給付金
育児休業を取得する際、通常だとその期間無収入となってしまいますが、ハローワークが「育児休業給付金」を支給してくれます。
育児休業給付金は、制度が整っている会社であれば会社に育児休業を申請することで、会社がハローワークに代理申請してくれますので、自分での手続きが不要なケースもあります。
どんな給付金か | 働く父母が育児休業を取得した際に、生活を支えるための収入源として設けられている給付金 |
対象となる人・給付条件 | ・1歳未満の子供のために育休を取得した雇用保険の被保険者 ・育休取得前の2年間で、1カ月11日以上働いた月が12カ月以上ある ・育休を取得し始めてからの就業日数が10日以下or80時間以下 |
いくらもらえるか | 休業開始時賃金日額×支給日数×67% (例:育休直前の月収が20万円の場合は毎月13万円程度が支給) |
申請時必要書類 | ・雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書 ・育児休業給付受給資格確認票 ・(初回)育児休業給付金支給申請 ・育休までに働いていたことと収入状況が分かる書類 ・母子健康手帳 |
申請方法 | 1.会社に育児休業を取得する申請をする 2.事業主がハローワークに必要書類を申請する(勤務先が基本的に申請してくれる) |
出典:厚生労働省「育児休業給付の内容と支給申請手続き」
7. 特例一時金
仕事の中には、どうしても就職と離職を繰り返さなければならない雇用形態のものもあります。
その場合は失業手当やその他給付金が受け取れないため、「特例一時金」という形で給付金を受け取れる可能性があります。
どんな給付金か | 雇用形態の関係上、就職と離職を一定の期間で繰り返している人に対して生活を安定させる目的で支給する給付金 |
対象となる人・給付条件 | ・離職の日以前1年間に、11日以上働いた月が通算して6カ月以上ある ・失業状態にある |
いくらもらえるか | ハローワークが算出した基本手当日額の30日分 (≒直近働いて得ていた平均日給の30日分が目安) |
申請時必要書類 | ・離職票-1、-2 ・マイナンバーカード ・マイナンバーカードがない場合は、マイナンバーが分かる書類と本人確認書類 ・3.0cm×2.4cmの写真1枚 ・本人名義の預金通帳かキャッシュカード |
申請方法 | 1.最寄りのハローワークに必要書類を持っていく 2.ハローワークで求職申込を行い、同時に特例一時金の申請をする |
出典:厚生労働省「離職されたみなさまへ <特例一時金のご案内>」
8. 住居確保給付金
失業などによって、住む場所にも困ってしまう人は一定数見られます。
住居がなくなれば就職活動が進めづらくなりますので、そうした状況を避けるために用意されているのが「住居確保給付金」です。
どんな給付金か | 離職などによって経済的に苦しい状況になり、住む場所を失った人や、これから住む場所が無くなりそうな人を対象にした給付金 |
対象となる人 | ・申請日時点で65歳未満かつ離職後2年以内の人 ・離職までに世帯の主たる生計を維持していた人 ・ハローワークに求職申込をしている人 |
給付条件 | ・申請した月の世帯収入合計が基準額以下 ・申請時の世帯預貯金合計額が基準額以下 ・ハローワークで求職支援を受けている |
いくらもらえるか | 賃貸住宅の家賃額分を原則3カ月もらえる (例:東京都の場合単身世帯で53,700円、2人世帯で64,000円) |
申請時必要書類 | ・本人確認書類・収入が確認できる書類(給与明細) ・預貯金額が確認できる書類(通帳の写し) ・離職票や離職証明書、個人事業主の場合は廃業届など |
申請方法 | 1.生活困窮者自立相談支援機関に相談する 2.申請が受理されれば、市区町村から自分が借りている物件のオーナーに代理で支給額分が納付される(間接的に支払う家賃が減る) |
出典:厚生労働省「住居確保給付金について」
9. 日雇労働求職者給付金
日雇い派遣で働く人は、どうしても就業が不安定になりがちです。
日雇い派遣という形で働き続けたいと思っているにも関わらず働けない状態にある人は、「日雇労働求職者給付金」が受給できる可能性があります。
どんな給付金か | 日雇い派遣で働く人が失業したor派遣会社に予約登録していたが派遣されなかった場合に、その人の生活の安定を図りつつ、常用就職に向けた支援を行うための給付金 |
対象となる人・給付条件 | ・現在、日ごとの雇用契約により派遣労働をしている人 ・今後、正社員就職を希望している人 or ハローワークにて正社員就職に対する支援が可能と判断した人 |
いくらもらえるか | 失業した月の前月と前々月の2ヶ月にて、通算26日以上の印紙保険料を収めることで、 日額4,100円〜7,500円が普通給付として支給 |
申請時必要書類 | ・雇用保険日雇労働被保険者資格取得届 ・住民票の写しなど住所を確認できる一定の公的書類 ・日雇労働被保険者派遣登録証明書{自分で日雇派遣を受けている全ての派遣会社に対して発行を求める必要がある) |
申請方法 | 1.失業した日の指定時間まで(ハローワークによって異なる)にハローワークに行く 2.必要書類を提出する 3.失業認定を受けて給付金の申請を行う |
出典:厚生労働省「日雇派遣労働者の方へ ~日雇労働求職者給付金について~」
10. 高年齢求職者給付金
65歳以上の高年齢の人が失業手当を受け取ろうとする場合、「高年齢求職者給付金」という枠組みで申請することになります。
手続きや申請方法はほぼ失業手当と同じですが、給付金額が異なるのが特徴です。
どんな給付金か | 高年齢被保険者(65歳以上)だった人が失業した場合に支給される給付金 |
対象となる人・給付条件 | 下記の両方を満たすこと ・離職時に雇用保険に加入していて、65歳以上 ・離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6カ月以上ある ・失業状態にある |
いくらもらえるか | 退職前の6カ月における1日あたりの賃金×給付率(50%〜80%) ×30日or50日(雇用保険被保険者期間によって決定) =支給総額 |
申請時必要書類 | ・離職票-1・離職票-2 ・マイナンバーカード ※マイナンバーカードがない場合も可能です。出典元を参照ください。 ・縦3.0cm×横2.4cmの本人写真 ・本人名義の預貯金通帳かキャッシュカード |
申請方法 | 1.退職した会社に離職票を発行してもらう 2.必要書類を揃えてハローワークで申請。同時にハローワークで求職申込を行う |
出典:厚生労働省「離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内>」
ハローワークで給付金をもらうメリット
ハローワークで給付金をもらうメリットは、以下の3点が挙げられます。
- 生活を安定させられる
- 再就職がしやすくなる
- スキルを身につけられることもある
それぞれ簡単に解説します。
1. 生活を安定させられる
ハローワークでもらえる給付金の多くは、働けていない人を対象にしています。そのため、給付金をもらうことで生活を安定させられるといった大きなメリットがあります。
生活を安定させられるため、就職活動や職業訓練などに集中しやすくなり、結果的に希望の就職が叶いやすくなるといったメリットも考えられるでしょう。
2. 再就職がしやすくなる
今回紹介した給付金の多くは、ハローワークによる求職支援も同時に受けることが可能です。
求職支援では、キャリアカウンセリングや具体的な求人の紹介も受けられますので、再就職できる可能性を高められるといったメリットに繋がります。
3. スキルを身につけられることもある
特に職業訓練給付金など、知識やスキルを学びながらお金がもらえるといった給付金もあります。
給付金制度を上手く使うことで、これからのキャリアを明るいものにしていけるといった期待も持てるため、自分はどの給付金が利用できそうか理解しておくのがおすすめです。
ハローワークで給付金をもらう時のデメリットや注意点
ハローワークで給付金をもらう際は、いくつか認識しておきたいデメリットや注意点があります。ここでは5点に絞って解説します。
1. 事務手続きが煩雑
給付金は税金で支払われるということもあり、事務手続きは非常に煩雑です。もちろんハローワークに書類の書き方を教わることも可能ですが、慣れていない人からすると面倒に感じることでしょう。
また、給付金によっては前職や再就職先に用意してもらう書類もありますので、心理的に手続きが進めにくいと感じることもあるかもしれません。
2. ハローワークの指示を守らないと給付が止まる
給付金の受給期間中は、基本的にハローワークの指示通りに就活などを進めていく必要があります。指示を守らないと給付が止まってしまうので注意が必要です。
このような状況下で数ヶ月程度生活しなければなりませんので、中にはハローワークに監視されているといったネガティブなイメージを持つ人がいるかもしれません。
3. 不正受給をするとペナルティがある
給付金を申請するための書類などにおいて、書類を改ざんしたり、嘘の申告をすることは「不正受給」とみなされます。
不正受給と判断されてしまうと、今までもらった給付金を3倍にして返還するなどといった重いペナルティが生じますので、絶対に不正受給をはたらかないようにしてください。
4. 各種給付金はすぐにもらえない場合もある
給付金の申請自体はハローワークでほぼ全て完結しますので、書類さえ用意できればすぐにでも申請は可能です。
ただし、申請後の事務手続きなどの後続対応があるため、すぐにもらえないことが多いという点には注意が必要です。いつ頃もらえるかについては、給付金申請時にハローワークの職員に確認してみましょう。
5. 定期的に面談が必要な場合もある
失業保険を受給している状態で別の給付金をもらう場合は、1ヶ月に1度ハローワークで定期面談をしなければなりません。
ハローワークに足を運んで面談をしなければなりませんので、人によってはプレッシャーや面倒といった感覚を感じる可能性があります。
ハローワークを利用する上で気を付けるポイント
ハローワークを利用する上では、以下の3つのポイントに注意しましょう。
- 基本的には平日日中しか空いていない
- 窓口が混み合うと時間がかかることがある
- 服装については普段着でOK
特に初めてハローワークにいく場合は、勝手が分からずに足を運ぶのに躊躇してしまうかもしれません。ただ、ハローワークは市役所と同じく公的な施設ですし、再就職を真剣に考えている人に熱心なサポートをしてくれる味方のような存在と言えます。
そのため、そこまで緊張感を持たず、リラックスして訪問してみるようにしてください。
まとめ
ハローワークでもらえる給付金にはたくさんの種類があります。
それぞれ申請条件やもらえる金額は異なりますので、少しでも分からないことがあればハローワークで直接聞いてみることをおすすめします。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい