適性検査とは、企業はどのような目的で就活生に課しているものなのでしょうか。
この記事では、就活生が知っておくべき企業が適性検査を実施する目的や、受験の対策についてご紹介します。
能力テストと性格テストではそれぞれ就活生が対策するべきことが異なるため、これから適性検査を受験する就活生は必見です。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
この記事の目次
適性検査を企業が行う目的とは-就活生が知るべき適性検査の種類-
適性検査を企業が就活生の採用選考で実施する理由や、試験にはどのような種類や方法があるのかなどについて知りましょう。
適性検査とは
適性検査とは、企業が新卒採用をおこなう際に、その学生が企業が求める条件に合致している、入社後に活躍できる可能性があるかどうかを見極めるため、その基準となるものを調べるための検査です。
適性検査を通じて企業側はおもに以下のような項目をチェックし、採用に役立てています。
- その仕事をするうえで必要がスキルや知識を得られる基礎能力があるか
- 価値観やキャリアプラン、志望動機など学生自身のビジョン
- 性格や特性(社風に合うか、どの仕事に適性があるか、その企業の業務に適応できるか)
エントリーシートやグループディスカッション・グループワーク、面接などでは見えにくい学生の能力を、適性検査という方法を通じて判断しています。
近年では「こころの知能指数」と呼ばれるEQ理論適性検査を、就活生への適性検査として実施している企業もあります。
仕事をするうえではスキルや知識のみならず、周囲との関係性を良好に築けるか、自分を律して感情的にならないか、など、人間性も重視されます。そのため、企業側が学生の多面的な知能を見て判断したい場合に利用されることがあるのです。
適性検査を企業が就活生に実施する目的
新卒向けの適性検査には、企業側の目的がしっかりとあります。適性検査を受ける前に、企業が適性検査を実施する目的について理解しておきましょう。
一般常識を図るため
適性検査の目的のひとつとして、企業側が、エントリーしてくる学生の一般的な知識がどれだけあるのか確認したいという点があります。
適性検査の結果を参考に、入社した際に仕事ののみこみが早そうか、戦力として活躍してくれそうかなどをある程度知っておきたいという狙いがあるのです。業界によっては、業務請負をおこなううえである程度地頭がよいことが求められるため、面接で学生に会う前に確認しておきたいと考えている企業もあるでしょう。
配属部署の判断基準にしたい
企業は、たとえば学生を総合職で採用する場合でも、ある程度は採用時に部署を決めていることが多くあります。そのため、適性検査の結果を、入社後の配属部署の判断材料のひとつとして使用するケースがあるのです。
また、自社が求める人物像とマッチしているかを判断して早期退職防止への対策をしたり、学生の適性や性格が自社の仕事・上司と合うかどうか確認したりしている企業もあります。
面接前のスクリーニング
適性検査は多くの場合、一次面接の前に実施されます。つまり、適性検査に通過しなければ、企業担当者と直接会ってアピールする機会すらもらえないことがほとんどなのです。
応募者全員と面接をしてじっくりと時間をかけて見極められればよいですが、現実的には不可能です。企業は採用活動が本業ではなく、かけられる人員や時間・コストも限られています。
そのため、実際に学生と会う前に適性検査で一定の成績をあげた学生のみを面接へと進めることで、効率的に採用選考を実施しているのです。
足切りの必要があるから
大手企業やメガベンチャーなどの有名企業は、たとえ採用活動にそこまで注力しなかったとしても、全国から応募者が殺到します。応募者が多いということは、その内訳もさまざまです。本気で志望している人もいれば「有名な企業だからとりあえずエントリーしてみた」「記念受験のつもりでエントリーした」という人も存在します。
数万人がエントリーする企業もめずらしくないため、まずは適性検査というハードルを課すことで足切りをして、応募者をふるいにかけているのです。学歴などが高くなくとも、適性検査で高得点を取れば、次の選考へ進める可能性もあります。
応募者の人間性を知りたい
適性検査はほとんどの場合、能力検査と性格検査がセットになっています。性格検査の結果からは、応募者がどのようなタイプなのか、基本的な性格や特性を見ることができます。なかには、ストレス耐性などがわかる性格検査もあります。
企業は、そこで働く人が企業のイメージに大きく関与したり、仕事の成果にや社風にかかわってきたりもします。もちろん実際に会って話してみないと見えにくい部分もありますが、企業側は事前にある程度、応募者の性格を把握しておきたいと考えています。
基礎的な学力があるか確認したい
企業での仕事は、職種や業務内容にもよるものの、文章や図形などを用いて資料を作成したり、数値を使った分析や提案をしたりと、基本的な学力が備わっていなければできないものがほとんどです。
仕事をして成果をあげるためには、基礎的な学力があることが前提となります。そのため、企業は適性検査で基礎的な学力を見ているのです。
問題のありそうな応募者を除外するため
適性検査の結果だけで合否が決まるわけではないものの、いちじるしく能力検査の得点が低かったり、あきらかに性格に異常性がある結果が出ていたりした場合、その応募者には何らかの問題がある可能性が高いといえます。
応募者に問題があることを見抜けず採用してしまった場合、企業に損害を与えたり、大きなミスを起こしたり、社内の人間関係を壊したりするなどの事態が起きてしまうかもしれません。そのようなことを避けるためにも、適性検査で一定の合格ラインを設けているのです。
適性検査の検査方法
適性検査の検査方法を、能力検査・性格検査のそれぞれについてご紹介します。
能力検査
おもな能力検査の種類は、以下の通りです。
一般能力テスト
判断力や思考力、正確さなどを見るテストです。論理的思考や推論、演算、語彙などを判断します。
A式、B式テスト
言語を使用するA式、記号や図形を使用するB式のテストです。設問の文化的背景に惑わされることなく的確な判断ができるか、図形を使用した空間把握などができるかなどを見ています。
パワー・スピードテスト
パワーテストは、論理的思考力や読解力のような高度な能力を見るテストです。検査時間が長く設定されていることが特徴で、設問を解くパワーが問われています。
スピードテストは問題数が多く空間関係把握能力や正確さなどをはかるもので、設問自体の難易度は高くないものの設問数が多いため、素早く回答する必要があるのが特徴です。
客観・記述式
客観式は実験データや統計的分析などをもとに出題される択一方式で、コンピューターなどで採点ができるものです。
記述式は学生が記述したものを人が採点するため、文章力や表現力などをはかるのに効果的である反面、採点基準が一定ではないことがあります。
性格検査
おもな性格検査の種類は、以下の通りです。
質問紙法
「〜だ」「〜することがある」などの設問に対し、「はい」「いいえ」という二者択一で回答する形式で、性格検査でもっとも多く利用される検査方式です。
回答がしやすいぶん、学生の読解力や自己分析不足などが原因で、正しい結果が導き出されないケースもあります。
投影法
曖昧な設問をして回答させることで、性格や人格を割り出していく検査方式です。もともとは心理学のアプローチのひとつとして利用されていました。
左右対称のインクのシミを見てイメージしたことを聞き、無意識の領域を引き出すロールシャッハ・テストなどがあります。
作業検査法
学生に同じ作業を長時間続けさせることで個人の作業パターンや仕事への姿勢、適応力などを割り出し、適性などの参考にする検査方式です。
実際に作業をさせるため正確な診断結果が出やすいほか、検査がしやすく企業側も実施しやすいなどの特徴があります。
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適性検査の受検方法
適性検査の受験方法は企業によって異なるため、どのような種類があるのかについて知りましょう。
テストセンター受検
自分で受験予約をして、指定された日時に受験票と写真付き身分証明書を持参し、テストセンターと呼ばれる専門の会場で受験する方法です。就活生がメインですが、なかには転職活動中の社会人が受けに来ることもあります。
メリット
会場で受けるのは能力検査のみとなるため事前の試験勉強や対策に集中しやすい点や、インターネット上から申し込み・予約変更ができるため、自分の都合に合わせて受験しやすいという点があります。
デメリット
会場が近くにない場合は往復に時間がかかってしまう点、土日などは混み合うため、早めに予約をしないと希望の会場で受験できないことなどがデメリットです。
テストセンターの受験は初めは就活生も戸惑うことが多いかもしれません。慣れの問題もあるので就活生は早めに対策しておきましょう。
WEB受検
パソコンから専用のシステムにアクセスし、受験する方法です。受験の日時が細かく決まっているわけではなく、指定された期間内に受験すればよいことになっている企業が多い傾向にあります。
メリット
自宅で受験できるため交通費や移動時間などがかからないという点や、リラックスした状態で受験することで能力を発揮しやすいことがある、などが挙げられます。
デメリット
自宅のインターネット環境を整える必要がある点、途中でパソコンや通信などに不具合が起きてしまう可能性がある点などが考えられます。
WEB適性検査が近年増加してます。大手志望の就活生が対策が必要な可能性が高いです。企業が見ているポイントを認識して対策を進めましょう。
ペーパー受検
指定された日時に企業が用意した会場へ行き、ペーパーテストを受験する方法です。答えに該当する選択肢を示す数字を塗りつぶすマークシート方式が一般的です。
メリット
WEB受験とは異なり、最初にすべての問題内容を見ることができるため全体を把握しやすいほか、試験のような雰囲気でおこなわれるため緊張感を持って取り組みやすいなどの特徴があります。
デメリット
マークシート方式に慣れていない場合は回答に時間がかかることがあるほか、記入欄がずれたり設問を飛ばしたりしてしまう可能性があります。
インハウスCBT受検
学生の私物のパソコンではなく、企業側が用意したパソコンを利用して受験する方法です。学生は指定された日時に企業まで足を運び、受験します。
メリット
企業によってはインハウスCBT受験と面接を同時に実施するところもあるため、効率的に就活ができます。テストセンター受験やWEB受験など、パソコンを使用した受験方法に慣れている学生は取り組みやすいでしょう。
デメリット
テストセンター受験のように検査結果の使い回しができないため、その企業での適性検査の結果がよくても限定的な利用しかできない点や、企業ごとに毎回適性検査を受験しにいく手間がかかることが考えられます。
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適性検査の種類-就活生が対策するべき適性検査とは-
次に、適性検査の種類について紹介します。就活生が知るべき適性検査は以下の5つの適性検査になります。
- SPI3
- CAB・GAB
- 玉手箱
- CUBIC
- TG-WEB
上記の5つは押さえておくべき適性検査になるので一つずつ解説していきます。
適性検査の種類を解説-就活生が知るべき適性検査とは-
企業が採用選考の際に応募者についてより深く知るために実施するのが、適性検査です。新卒採用のために企業がおこなうテストと思われがちですが、中途採用でも適性検査を実施する企業が増えています。ここでは新卒採用においての適性検査とは、という部分を解説していきます。
SPI3
リクルートキャリアが販売する適性検査で「SPI」と呼ばれています。2020年の最新版のものは「SPI3」となります。
使用している企業もたくさんあり、就活生にも広く知られているスタンダードな適性検査のひとつです。能力検査(言語・非言語)と、性格適性検査の2種類から成ります。企業によっては、これらにくわえてSPI英語を実施するところもあります。
SPI3は、商社、IT、化学メーカー、自動車メーカー、マスコミなどの企業で使用されています。就活生にとって受講する機会がもっとも多い適性検査になるため、きちんと対策をしておきましょう。
SIP3は現在の適性検査の中でも、一番ベーシックな問題になります。どの適性検査の対策をしたらいいのかわからない就活生は一旦SPI3の対策を進めましょう。
CAB・GAB
日本SHL社が販売する適性検査です。それぞれ、以下のように内容や目的が異なります。
- CAB(キャブ)…能力検査(暗算・法則性・命令表・暗号)、性格検査の2種類。
- GAB(ギャブ)…能力検査(言語・係数)、性格検査。おもに新卒総合職を採用する際に利用される。
CABはおもに、システムエンジニアやプログラマなどの職種を採用する際に利用されます。GABは適性検査のなかでも難易度がもっとも高いとされ、コンサルティング、金融、商社など、地頭のよい学生を求める企業が実施することが多い傾向にあります。
CABは、IT系の専門職などにエントリーする場合は受験する可能性があります。GABは適性検査の中でも、最難関レベルの適性検査だと言われています。対策をしないと初見では解くことが出来ない問題も多いので、いずれかを受験する場合には、それぞれ対策をしていきましょう。
玉手箱
日本SHL社が販売する適性検査で、SPIと並んで就活生に広く知られている適性検査のひとつです。能力検査(言語理解・計数理解・英語)と性格検査の2種類から成ります。
玉手箱とSPI3の大きな違いは、玉手箱では、問題の形式が同じ場合は1種類の問題のみが出題されつづけることです。たとえば「言語理解」の「趣旨判定」という項目では、長文を読んで設問の趣旨を判断する問題のみが出題されます。また、1問あたりにかけられる時間が短めであるのも特徴です。
玉手箱は、ハウスメーカー、医療メーカー、マスコミ、金融などの企業で利用されています。
玉手箱の対策について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
玉手箱など、それぞれによって対策が異なります。詳しく調べて対策を進めましょう。
CUBIC
CUBICは、株式会社CUBICが販売する適性検査で、能力検査(言語、数理、論理、理系、英語)と性格検査の2種類から成ります。
特徴として、能力検査の内容はおもに中高で習ったレベルの問題が広く出題される傾向にあります。地頭のよさをはかるというよりも、人の気質や素質、コミュニケーション能力や性格などを可視化することを目的としています。そのため、チームで働いたり動いたりすることが多い職種で利用されることが多いといえます。
CUBICは、コンサルティング、コーヒーチェーン、医療メーカー、自動車メーカー、マスコミなどの企業で利用されています。
CUBICは業界によっては複数回の受験をする可能性もあります。志望している業界によって、就活生はしっかりとCUBICという適性検査の対策をしておきましょう。
TG-WEB
TG-WEBは、ヒューマネージ社が販売する自宅受験型のWEB適性検査です。能力検査(言語、計数+企業によっては英語)と性格検査から成ります。
特徴として、近年出題する企業が増えてきた適性検査であり、難易度は比較的高めです。言語と計数には、従来型(以前から使用されていたもの)と新型(新しいもの)の2つのタイプがあります。企業ごとに出題されるタイプは異なりますが、基本的には従来型が出題されるケースが多いといえます。
従来型は抽象的で難解な問題が中心で、新型は問題数が多く解答時間も短いという傾向があります。
TG-WEBは、テレビ局、飲料メーカー、化粧品メーカーなどの企業で出題されています。
TG-WEBの場合は販売されている問題集などもまだそれほど多くないものの、志望企業で出題される場合、対策は必須です。
適性検査の内容
適性検査は、大きく2つの分野に分かれています。うち1つが、能力検査です。能力検査が含まれている適性検査の中では、SPIや3E-IP、玉手箱などがよく知られています。いずれも異なる会社が開発しており、内容にも違いがあります。
3E-IPのように能力検査と性格検査が同時におこなわれるテストもありますが、能力検査と性格検査で別々の時間に区切って実施しているテストが多数です。
内容その1:能力検査
能力検査の内容は、さらに言語分野と非言語分野に分かれた構成になっています。性格検査と異なり国語力や英語力、数学力などが試される能力検査ですが、正答率の高さが必ずしも採用に繋がるとは限りません。あくまでも適性を見る検査の一種であり、検査する企業が求めている能力水準を満たしているかどうかが重要なのです。
言語分野
言語分野で判断されるのは日本語や英語の意味、要旨を的確に理解できるかです。英語の設問が含まれるかどうかは、適性検査の種類やそれを選ぶ企業にもよります。
言語能力問題とはいわゆる「国語」です。そのため、言語能力問題には「語彙を増やすこと」で対策できる問題と「問題の解き方のコツをつかむこと」で対策できる問題の2つにわかれるといえるでしょう。
非言語分野
非言語分野では数的な処理や論理的に思考できるかが判断されます。また、SPIを始めとする適性検査では一般的に言語より非言語分野(いわゆる数学の問題)が重視されると言われています。
内容その2:性格検査
適性検査を大別した2種類のうちの1種が、性格検査です。性格検査で判断されるのは、受験者の人物像です。日頃からどのようなことを考え、どのような行動をとりやすいかを多角的に判断することができ、企業では応募者の人となりを見るのに役立てています。
性格検査の出題形式はテストの種類によっても異なりますが、主流となっているのは「はい」「いいえ」「どちらでもない」のいずれかを選択する回答形式です。テストの種類としては、YG性格検査やクレペリンテストがよく用いられています。
YG性格検査
YG性格検査では、合計120問の質問が用意されています。客観性・協調性・攻撃性などに分かれている項目は12あり、それぞれに紐づけられている質問は、10問です。
回答は「はい」「いいえ」「どちらでもない」の3択形式で、事前に予習をしていく必要性はありません。日常的に自分ならどうしているかを正直に答えればよく、逆に普段の自分とは逆の回答をしてしまうと虚偽ではないかと疑われかねません。
就活生は、参考までに知っておくとよいでしょう。
内田クレペリンテスト
内田クレペリンテストの内容は性格を検査するテストとは思えないかもしれません。というのも、質問は一列に並ぶ数字を左から右へと順番に足していく内容だからです。数的処理が試される質問ながら、計算する数字は一桁ですから難しいレベルではありません。
時間制限があり、1分ごとに次の列に移らなければならないのも特徴です。30分のテストは前半15分と後半15分に分かれており、間に5分休憩が挟まれています。
内田クレペリンテストにより判断されるのは処理能力のレベルや性格・行動面の特徴で、回答した数が少なかったり間違いが多かったりすると低い評価になってしまいます。YG性格検査に対して、内田クレペリンテストは予習を重ねておいたほうが効果的です。
内田クレペリンテストに関しては、以下の記事でもご紹介しています。
内田クレペリン検査は、ペーパーテストの適性検査です。受験の可能性がある就活生は対策しておきましょう。
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適性検査の対策を解説-就活生がするべき問題の対策-
適性検査を受験するうえでは、企業の適性検査の種類を知ったり、問題の傾向をつかんだりすることが大切です。おもな対策方法としては、以下があります。
対策のステップ1.就職したい業界や職種の適性検査の種類を調べる
業界や職種によって、使用されている適性検査が異なります。そのため、自分はどの適性検査を受けることになるのか、事前に調べておく必要があります。
場合によっては、複数の種類の適性検査を受験することになる可能性もあるでしょう。就活では複数の企業にエントリーすることがほとんどであり、選考過程のほとんどに適性検査があります。SPI3と玉手箱とTG−WEBを受ける、というようなこともあるかもしれません。
たとえば「適性検査はSPIが多いから」とSPIの対策しかしないでいると、せっかく業界や企業研究、自己分析やエントリーシート、面接対策など準備を万全にしていても、適性検査の時点でつまずいてしまう可能性が高くなります。
適性検査の種類によって対策が異なるため、必ず、自分がエントリーする予定の企業の適性検査の種類や、志望する業種で出題されやすい適性検査の種類を把握しておきましょう。
対策のステップ2.問題をひととおり解く
自分が就職したいと考えている企業の適性検査の種類がわかれば、あとは対策をしていくだけです。
適性検査は初見では解くのがむずかしくても、パターンが決まっているため、対策すれば解けるようになる問題が非常に多くあります。また、問題自体の難易度はそれほど高くないものも少なくありません。
どのような問題が出るのか、どの問題に時間をかけるべきなのかを考えるためにも、問題集を準備し、まずはひととおり解いてみましょう。
対策のステップ3.実際の試験時間で解いてみる
適性検査の問題をひととおり解いたら、実際の試験時間で問題を解いてみましょう。適性検査は一問あたりにかけられる時間が短く設定されていることも多いため、慣れていないと焦ってしまうかもしれません。
当日の試験では時間配分が大切になるため、どれぐらいの時間で問題を解いていくべきなのかということを体感しておきましょう。
対策のステップ4:繰り返し解く
適性検査の場合、一度問題を解くだけでは対策としては不十分といえます。問題形式に慣れて何度も問題を繰り返して解く練習をすれば、それだけでも点数を伸ばすために効果的な準備のひとつとなるでしょう。
遅くとも、適性検査の2か月ほど前から対策をスタートさせるのが理想的です。ほかの就活準備と合わせて、適性検査の問題を解く時間も確保しておきましょう。
適性検査のNG行為
適性検査を受験するうえで、就活生は以下のことをするのは絶対にやめましょう。
カンニング
自宅受験のWeb適性検査の場合、試験中は企業担当者に見られているわけではないため、カンニングをしてもバレないと考える就活生もいるかもしれませんが、非常に危険です。
仮にカンニングをして高得点を取ったとしても、面接でそのことを突っ込まれたり、うまく話せない場合は怪しまれたりする可能性があります。また、内定後や入社後にカンニングが発覚した場合、内定取り消しや解雇などのリスクもあります。
企業も採用選考を長年実施してきていますから、就活生のウソを見抜くのはさほどむずかしいことではありません。就活の努力を台無しにしないためにも、カンニングは絶対にやめましょう。
ぶっつけ本番
適性検査の対策や練習をせずにぶっつけ本番でのぞむと、よい結果となる確率は極めて低いでしょう。「学校の勉強は得意だったし大丈夫」「誰でも解けるレベルでしょ」などと油断していると、想像以上に解けない可能性があります。
また、事前に適性検査対策をしてきている学生がほとんどのため、いくらもとの能力が高かったとしても、その学生よりもよい成績を取ることはむずかしいといえます。
時間がなくてもぶっつけ本番での受験は避け、可能な限り事前準備をしておきましょう。
自己分析をしていない
適性検査というとどうしても能力検査の対策に気を取られがちですが、性格検査にも注意しなければいけません。
自己分析をしていない場合、自分がどのような人間なのかが理解できていないため、解答の内容にブレが出てしまうことが考えられます。企業側も、結果を見て応募者の人間性が見えてこない、または「適当に解答しているのではないか」などと思われてしまう可能性があります。
適性検査を受験する前に自己分析をしておき、自分の性質や特性を把握しておきましょう。
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適性検査のポイント-就活生がテスト前にやるべきこと-
適性検査の対策は、能力検査と性格検査のそれぞれに必要です。ここでは、企業の採用に近づくために取り組んでおきたい適性検査の対策について解説します。
能力検査のポイント
適性検査では、学生の能力を見るための能力検査があります。就活生が能力検査の準備をおこなううえで知っておきたいポイントを解説します。
問題の傾向に慣れる
先ほど紹介したとおり、問題の傾向に慣れておけば、能力検査の点数は比較的安定します。努力したぶんだけ、面接前から他の就活生と差をつけることが可能になるため、就活生は、できる限り能力検査の対策を早めにしておいたほうがよいでしょう。
時事ネタやニュース、新聞も見ておく
能力検査では、最近起きた時事ネタ系の問題が出題されるケースもあります。就活生は、新聞やニュースなどをマメにチェックしておきましょう。新聞では、日本経済新聞で業界の傾向などを押さえておくと、適性検査のみならず、面接の際のネタや逆質問などにも活用できます。
最近のものではなく、2〜3年前など少し前の時事ネタ問題が出題されることもありますが、その場合は、就活系の書籍でひととおり学ぶことで対策ができます。
自分に合った問題集を使用する
能力検査の対策には、専用の問題集がもっとも適しています。電子書籍版などもあるため、使いやすいものを選びましょう。意識したいのが、自分に合った問題集を選ぶことです。
「見づらい」「解きにくい」などの場合、その問題集が自分にはマッチしていない可能性があります。ベストセラーや定番などの本でも、それが自分にとって取り組みやすいかどうかは別の問題です。
現在使用している問題集がしっくりこない場合、別のものを購入して試してみましょう。「お金がもったいない」と感じるかもしれませんが、それで適性検査を通過できるのであれば、決して高い買い物ではありません。
性格検査のポイント
性格検査の準備に取り組む際には、以下のことを実施しましょう。
自分の性格を整理する
性格検査を受験する前に自分の長所と短所、強みや弱み、思考のパターンや取りがちな行動などを振り返り、紙やパソコン上などに書いて理解することをおすすめします。
自分はどのような性格なのかが整理できていれば、性格検査で戸惑ってしまう可能性は低くなります。自己分析シートや適職診断などを活用するのもおすすめです。
他己分析にも取り組む
主観の自己分析だけでなく、客観的な他己分析も実施しておくことが大切です。就活や面接などの場では「自分が自分をどのように見ているのか」よりも「他人が自分をどのように見ているのか」が重要になるためです。
また、自分では気づいていないよいところや問題点を教えてもらい、新たな自分を発見する機会にもなります。可能であれば家族や友人などの近しい人だけでなく、バイト先の先輩や就活仲間など、幅広い属性の人に協力してもらうとよいでしょう。
適性検査ごとに内容や傾向を把握する
適性検査における性格検査では、受験する適性検査の種類によって解答方法が違ったり、問題の傾向が異なったりしています。また、性格検査の結果から企業が読み取れる内容もそれぞれです。
自分が受ける適性検査の種類が複数ある場合、性格検査ではそれぞれどのような質問が出題されているのかを事前にチェックしておきましょう。
性格検査については、以下でもくわしくご紹介しています。
性格検査の対策がしたい就活生は、上記の記事も参考にしましょう。
適性検査について知り企業からの内定を勝ち取ろう!
適性検査の内容や特徴、実施される目的などを把握することは大切です。そのうえでポイントを押さえた対策をしておけば、後悔のない採用選考に臨めるでしょう。企業によっても、適性検査の目的や採用する検査の種類は異なります。
目指す企業がどのような目的で適性検査をおこなっているか、どのような検査を採用しているかなどのリサーチも含めて対策することをおすすめします。
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