就業促進定着手当とはどういったものなのか、自分はもらえるのか、などと気になっている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、就業促進定着手当の概要や支給条件、いくらもらえるのかなどを網羅的に分かりやすく解説します。特に再就職をして収入が減ってしまったような人は、就業促進定着手当の対象になるかもしれませんので、記事の内容を参考にしてみてください。
この記事の目次
就業促進定着手当とは
就業促進定着手当とは、再就職後の賃金が以前より低い場合に申請できる手当です。失業保険を受けていた人が再就職手当を受け取り、再就職先で雇用保険に加入して、6ヶ月以上勤務することで受給可能です。就業促進定着手当という名前に馴染みがない人も少なくはありませんが、再就職した人が働き続けることをサポートしてくれる嬉しい制度です。
まずは、そもそも就業促進定着手当がどういった手当なのかについて解説します。
再就職によって収入が減った人向けの手当
就業促進定着手当とは、再就職手当をもらった人が半年以上働き続けたものの、前職の給料よりも収入が減ってしまったという人に対して所定の金額を支給するといった制度です。
せっかく努力して再就職を叶えたにも関わらず、給料が減ってしまって困っている人を救うような制度であり、就業促進定着手当を上手く活用することができれば、一時的に前職と同等の収入になることが可能です。
もし再就職後に給料が思っていたよりも低いと感じて転職をしたいと思っても、既に失業保険をもらっている人だと1年以上働かないと失業保険をもらう条件を満たせません。
加えて、短期離職をすれば次の転職活動を成功させることも難しくなってしまうでしょう。今いる会社で長く働こうと思えるための支援が、就業促進定着手当ということになります。
失業保険や再就職手当との違い
就業促進定着手当と似たような言葉を持つ手当・給付金として、失業保険や再就職手当というものがあります。これらの違いについてまとめると以下の通りです。
失業保険 | 再就職手当 | 就業促進定着手当 | |
---|---|---|---|
もらえるタイミング | 失業後から再就職できるまでか 所定給付期間が終わるまで | 再就職先が見つかった時 | 再就職先で一定期間働いた後 |
もらい方 | 毎月一定金額が振り込まれる | 所定金額が一度にもらえる | 所定金額が一度にもらえる |
もらえる主な条件 | 失業状態にある人 | 失業保険をもらっている人が 早期に再就職した | 再就職手当をもらって就職した人が、 前職よりも給料が減った |
これら3つの手当については、段階式のイメージを持っておくと良いでしょう。
まず、失業保険をもらっている人のうち、早期に再就職できた人には再就職手当が支給されます。そして、再就職手当をもらった人のうち、再就職先の給料が前職よりも下がってしまった人だけが就業促進定着手当をもらうことができます。
こうしてみると、就業促進定着手当は失業保険などと比べると対象が限定的な手当となっていることがわかるのではないでしょうか。
就業促進定着手当の受給条件
就業促進定着手当をもらうためには以下の3つの条件を満たしている必要があります。
- 再就職手当をもらっている
- 再就職後6カ月以上働き、雇用保険に加入している
- 再就職後の賃金が前職の賃金より下回っている
既にいくつか触れていますが、改めて受給条件を解説しますので、就業促進定着手当をもらいたいと考えている人は理解しておくようにしてください。
1. 再就職手当をもらっている
まず大前提として、就業促進定着手当をもらうためには再就職手当をもらっている必要があります。
再就職手当というのは、失業保険受給期間中に再就職した人に対して支給されるお金のことを言います。再就職手当の詳しい支給条件としては以下の通りです。
- 失業保険受給手続き後、7日間の待機期間満了後の再就職であること
- 再就職時点で失業保険の支払い日数が3分の1以上残っている
- ハローワークか所定の人材紹介会社経由で再就職が決まっていること
- 再就職先で1年以上継続した雇用が見込まれること(正社員に限らない)
上記の中でも特に再就職手当の条件として特徴的なものが、2点目の「再就職時点で失業保険の支払い日数が3分の1以上残っている」です。
失業保険は年齢や退職までの雇用保険被保険者期間によって所定給付日数が決まりますが、その3分の1以上を残した就職。つまり早期の再就職ができた人であるかどうかが重要となります。
このように、失業保険をもらいながら早期に就職し、その上でこの後解説する再就職先の給与が一定額を下回っていることが就業促進定着手当をもらう条件の1つとなります。
2. 再就職後6カ月以上働き、雇用保険に加入している
就業促進定着手当をもらう2つ目の条件として、再就職後に6ヶ月以上働くというものもあります。先ほど出てきた再就職手当は、1年以上の雇用期間が見込まれているだけで支給されますが、就業促進定着手当は実際にそこから6ヶ月以上働く必要があるという点で異なります。
また、再就職先が雇用保険に加入していることも条件となっています。普通の会社であれば雇用保険への加入が義務付けられていますが、もし不安な場合は求人票を確認したり、再就職先の人事に確認してみると良いでしょう。
なお、再就職後に6ヶ月以上働くというのは、再就職後に同じ職場で働き続けることを意味します。例えば再就職後すぐに別の会社に転職したり、再就職後別の会社に出向になったりすると、就業促進定着手当の条件を満たさなくなることもありますので注意してください。
3. 再就職後の賃金が前職の賃金より下回っている
就業促進定着手当の最大の特徴とも言える条件が、再就職後の賃金が前職の賃金よりも下回っていることです。
詳しくいうと、再就職後の半年間で支払われた賃金の1日分の金額が、失業保険をもらう直前に働いていた時の賃金の1日分の金額よりも低い時、就業促進定着手当の条件を満たすことになります。
例えば離職前に1日あたりの賃金が5,000円で、再就職後の1日あたりの賃金が4,000円だった場合、この3つ目の条件を満たすことになります。反対に、再就職後の1日あたりの賃金が6,000円など、収入アップに繋がる就職ができた場合は就業促進定着手当をもらえませんので注意してください。
就業促進定着手当はいくらもらえる?
就業促進定着手当は前職よりも給料が下がった人がもらえるお金であることを解説しましたが、実際にどれくらいのお金がもらえるのか気になる人も多いでしょう。
ここからは、就業促進定着手当はいくらもらえるのかについて、計算式やシミュレーションを元に解説していきます。
就業促進定着手当の計算式
就業促進定着手当の計算式は以下の通りです。
(離職前の賃金日額ー再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額)×再就職後6ヶ月間の賃金の支払基礎となった日数
離職前の賃金日額とは、雇用保険受給資格者証の1面14欄に記載されている金額です。失業保険をもらった人であれば手元の書類で確認できます。もし失業保険の手続きもしていない人であれば、直近6ヶ月で賞与を除いた賃金を合算し、180で割ればおおよその金額が算出できます。
なお、離職前の賃金日額については以下の通り上限額が設けられていますので、これ以上の収入があっても上限額が最高値となることを覚えておきましょう。
29歳以下 | 12,810円 |
30〜44歳 | 14,230円 |
45〜59歳 | 15,660円 |
60〜64歳 | 14,940円 |
続いて、再就職後の6ヶ月間の賃金の1日分の額というのは、6ヶ月もらった賃金を1日分に換算すればよいので、「6ヶ月の賃金の合計額÷180」で求められます。
最後の再就職後6ヶ月間の賃金の支払基礎となった日数については、実際の労働日数ではなく、その月の暦日数(4月なら30日、7月なら31日など)となりますので注意してください。
なお、日給制や時給制の場合だと出勤した日数がそのまま入りますので、合わせて覚えておきましょう。
就業促進定着手当の上限額
就業促進定着手当は、再就職先の賃金が下がれば下がるほどもらえる金額が多くなっていきますが、上限額が設定されています。
就業促進定着手当の上限額としては、以下の計算式で求めることができます。
基本手当日額×支給残日数×40%
基本手当日額は雇用保険受給資格者証の1面19欄に記載されている金額であり、これは再就職手当の時に算出されている金額と同額となります。ただし、離職時に60歳未満だった場合は5,840円、60歳以上65歳未満の場合は4,729円の上限額が設定(2024年5月時点)されていますので注意してください。
支給残日数は、失業保険の残日数です。再就職手当自体は失業保険の残日数があればあるほどもらえる金額が増える仕組みでしたが、就業促進定着手当の上限額を計算する場合も使用されます。
なお、失業保険の残日数については、雇用保険受給資格者証の3面に記載されていますので、手元の書類を見返しておくと良いでしょう。
最後に、40%をかけて就業促進定着手当の上限額が求められます。
就業促進定着手当の計算シミュレーション①
- 離職時年齢:27歳
- 離職前の月収:30万円
- 離職前の賃金日額:10,000円
- 基本手当日額:6,000円
- 失業保険残日数:50日
- 再就職後の月収:27万円
- 再就職後の賃金日額:9,000円
- 支払い基礎日数:180日
月収が30万円から27万円と3万円減ってしまったこのケースでは、以下のように就業促進定着手当を求められます。
まず、賃金の差額は(離職前の賃金日額ー再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額)×再就職後6ヶ月間の賃金の支払基礎となった日数で求められますので、「(10,000ー9,000)×180=180,000円」です。
続いて、このケースにおける就業促進定着手当の上限額は「6,000円(基本手当日額)×50(失業保険残日数)×40%=120,000円」となります。
賃金の差額180,000円は、就業促進定着手当の上限額120,000円を上回っていますので、120,000円が就業促進定着手当として支給されることになります。
就業促進定着手当の計算シミュレーション②
- 離職時年齢:30歳
- 離職前の月収:24万円
- 離職前の賃金日額:8,000円
- 基本手当日額:5,000円
- 失業保険残日数:30日
- 再就職後の月収:18万円
- 再就職後の賃金日額:6,000円
- 支払い基礎日数:180日
月収が24万円から18万円と6万円減ってしまったこのケースでは、以下のように就業促進定着手当を求められます。
同じように賃金の差額を求めると、「(8,000ー5,000)×180=540,000円」です。
続いて、このケースにおける就業促進定着手当の上限額は「5,000円(基本手当日額)×30(失業保険残日数)×40%=60,000円」となります。
賃金の差額540,000円は、就業促進定着手当の上限額60,000円を上回っていますので、60,000円が就業促進定着手当として支給されることになります。
このように、再就職先で賃金が大幅に下がったとしても、就業促進定着手当としてもらえる上限額が設定されている関係で、手当でカバーしきれないことも考えられます。従って、就業促進定着手当があるからといって、給料を無視して再就職先を選ぶことは避けた方が良いでしょう。
就業促進定着手当のもらい方
就業促進定着手当は、条件を満たしているからといって自動的に受給できるものではありません。自分から手続きをしないと就業促進定着手当はもらえないという点に気をつけてください。
ここからは、就業促進定着手当のもらい方や、もらうために必要になる書類について解説します。
必要書類を所定のハローワークに持っていく
就業促進定着手当の手続きはハローワークで行うことになります。以下の4つの必要書類を持って、再就職手当の手続きをしたハローワークに行きましょう。
- 就業促進定着手当支給申請書
- 雇用保険受給資格者証
- 出勤簿またはタイムカードの写し
- 給与明細または賃金台帳の写し
なお、ハローワークの営業時間は平日の9時から17時が基本となっています。ハローワークによっては多少の前後がありますが、平日しか空いていないという点は共通している傾向にあります。
再就職後、働きながら手続きをしなくてはなりませんが、必要書類の提出は窓口に行くほか、郵送でも手続きが可能となっていますので、忙しい人は郵送での手続きも検討してみてください。
就業促進定着手当支給申請書
就業促進定着手当支給申請書は、再就職手当の支給決定通知書が送られてくる際に同封されている書類です。ハローワークで手続きする給付金関係は、このようにもらった書類の中に後々使うものが入っているケースが多々ありますので、もらう書類は確実に保管しておくことをおすすめします。
また、就業促進定着手当支給申請書については、再就職先の会社に記載をお願いしなくてはならない箇所もあります。そのため、再就職先の人事部などに就業促進定着手当支給申請書を提出し、記載をお願いしましょう。
自分でも記載箇所がありますので、詳細の記載方法については後ほど解説します。
雇用保険受給資格者証
雇用保険受給資格者証は、失業保険の受給資格が確認できた際にハローワークから渡される書類のことを言います。この書類は、失業保険を受け取る資格を証明する書類であり、自分が失業認定されていたことの証にもなります。
非常に重要な書類ではありますが、もし紛失してしまった場合はハローワークで再発行してもらうことが可能です。再発行のためには、運転免許証などの本人確認書類と印鑑が必要になりますので、就業促進定着手当の手続きをする際はこれらも合わせて持っていくのがおすすめです。
出勤簿またはタイムカードの写し
就業促進定着手当は再就職先で6ヶ月間以上働いていることを証明する必要がありますので、出勤簿やタイムカードの写しなど、自分の就業が分かる書類も合わせて準備しておきましょう。
会社によっては改めて出勤簿やタイムカードの写しを発行してもらう必要があるため、就業促進定着手当支給申請書を会社に記入してもらう際に、合わせて準備を依頼しておくのがおすすめです。
給与明細または賃金台帳の写し
就業促進定着手当をもらう上では、前職よりも給料がどれくらい下がっているのかが重要です。そのため、再就職後から現在に至るまでの給与明細を合わせてハローワークに提出する必要があります。
人事システムなどで自分で給与明細を取得できない会社の場合は、就業促進定着手当支給申請書の記入依頼とともに、会社に発行をお願いするようにしてください。
再就職して6ヶ月後の翌日から2カ月以内に手続きする
就業促進定着手当を申請できるのは、再就職してから6ヶ月後の翌日から2ヶ月以内までとなっています。つまり、再就職後おおよそ8ヶ月後までに就業促進定着手当の申請をハローワークにしないといけないということです。
先ほども解説した通り、就業促進定着手当を申請するためには再就職先の会社に各種書類を準備してもらわなければならないため、書類準備には余裕を持って1ヶ月程度を見ておくのが良いでしょう。
したがって、再就職後6ヶ月働いてみて、前職よりも給料が下がっていることが判明した時点から就業促進定着手当の申請準備を始めるとスムーズに手続きが進められるはずです。
期限切れでも2年以内なら申請可能
就業促進定着手当の申請期限は原則再就職後おおよそ8ヶ月後ではありますが、もし申請期限が過ぎてしまったとしても、2年の時効期間までであれば申請することが可能です。
ただし、再就職からあまりにも時間が経っていると、会社側が書類を準備するのに手間取ってしまうことが考えられます。そのため、できる限り通常の期限内に就業促進定着手当の申請手続きを進めるのがおすすめです。
申請後1カ月以内に振り込まれる
就業促進定着手当のお金は、支給申請をしてからおよそ1ヶ月以内に振り込まれることが大半です。
ただし、ハローワークを管轄する自治体や繁忙期などの時期的要因が影響して、1ヶ月後ギリギリになったり、若干過ぎてしまったりする可能性もゼロではありません。
不安な人は就業促進定着手当の申請手続き中にハローワークの職員に質問してみるのが良いでしょう。
就業促進定着手当支給申請書の書き方
就業促進定着手当の申請のためには、就業促進定着手当支給申請書を記載する必要がありますが、中には自分で記入する箇所もありますので、書き方が分からずに困ってしまう人もいるでしょう。
ここからは、就業促進定着手当支給申請書の書き方について解説します。申請者自身が記載する箇所はもちろん、会社が記載する箇所についても解説しますので、理解しておくと良いでしょう。
本人記入欄の書き方(6〜10、16欄)
就業促進定着手当支給申請書については、紙面上半分の6欄から10欄と16欄になります。それぞれ記入するものとしては以下の通りです。
- 6欄:姓(苗字)を左詰めで記載
- 7欄:名(名前)を左詰めで記載
- 8欄:自分が住んでる住所の郵便番号を記載
- 9欄:電話番号を項目ごとに左詰めで記載
- 10欄:住所を記載(用紙に記載されている項目ごとに分けて記載)
- 16欄:申請日の記載と署名・捺印をする
記載項目は分かりやすく用紙に記載されていますが、電話番号や住所などは項目ごとに左詰めにして書く必要がある点には気をつけてください。
会社記入欄の書き方(11〜15欄)
就業促進定着手当支給申請書には、会社に記載してもらう箇所も多く存在します。基本的に会社に用紙を渡せば対応してもらえますが、念の為自分でもどういった内容を記載してもらうことになるのか理解しておきましょう。
- 11欄:会社の基本情報を記載。事業所番号についてはハローワークで交付された書類に記載されている11桁を転記
- 12欄:再就職から6ヶ月経過した時点における所定労働時間を記載
- 13欄:求人申込時に明示していた月額賃金を記載
- 14欄:賃金の支払い状況を記載
- (1)賃金支払対象期間:賃金締切日の翌日から賃金締切日を記載
- (2)基礎日数:賃金支払の基礎日数を記載(月給制であれば暦日数、日給月給制の場合は給与支給日数、日給・時給制の場合は出勤した日数
- (3)賃金額:月給制はA欄、それ以外はB欄、両方ある場合はA、B欄に区別し、合計額を記載
- 15欄:証明日を記載し、会社署名(会社名、代表者役職名、代表者名)と捺印をしてもらう
ここでの記載内容を元に就業促進定着手当が計算されていきますので、間違いのないように記載してもらいましょう。
就業促進定着手当支給申請書を書く時の注意点
就業促進定着手当支給申請書を書く際は、以下のような注意点が挙げられます。
- 6〜10欄については、HB程度の鉛筆で記載してもよい。ボールペンで記載しても問題ないが、間違えた時は修正ではなく申請書ごと新しいもので書き直す必要がある
- 16欄の記載はボールペンなどの消えないもので記載する
- 16欄を間違えて記載した場合は、間違えた箇所を二重線で消し、訂正印をその上に捺印した上で正しい内容を記載する
- 捨印(用紙の記載内容を後から修正できるよう、あらかじめ用紙の余白などに捺印しておくこと)は不要。ただ、捨印があった方が後から修正する手間はなくなる
特に、記載に使える筆記用具については上記の注意点を理解しておいてください。
就業促進定着手当の依頼を会社に言いにくい場合は?
就業促進定着手当は再就職先の会社に申請書を記載してもらう必要がありますが、入社半年程度で依頼をしなければなりませんし、暗に「この会社の給料が少なくて困っている」というメッセージとも捉えられることから、言いにくいと感じている人もいるかもしれません。
ここでは、就業促進定着手当支給申請書の記入依頼を会社に言いにくい場合、どのように考えればいいのかについて解説します。
当然の権利なので心配せずに会社に依頼する
まず認識しておいて欲しいのが、条件を満たしている人が就業促進定着手当をもらおうとすることは当然の権利ということです。国の用意している制度を使うに過ぎませんので、心配することなく会社に依頼して大丈夫です。
会社に言いにくいからといって就業促進定着手当の申請をしないと、自分が損をしてしまうだけです。また、就業促進定着手当を支給するのは国であり、会社がお金を出すことはありませんので安心してください。
求人票や雇用契約書を今一度チェックする
もしかしたら、入社前に会社から収入が下がることを明示されていたケースもあります。この場合であっても就業促進定着手当をもらうことはできますが、申請書作成の依頼をするに当たり、今一度求人票や雇用契約書を確認しておきましょう。
給料が自分の知り得ないところで下がってしまったのか、そうでないのかを知っておくことで、会社に対して申請書を依頼する時のコミュニケーションの取り方を調整することに役立つはずです。
給料が下がったからといってすぐに辞めない
給料が下がってしまったから転職をしたいと考えてしまうかもしれませんが、すぐに辞めることはおすすめできません。入社1年未満で自己都合退職による早期離職をしてしまうと、失業保険をもらうことができません。
加えて、次の就職活動では選考通過難易度が高まることが考えられますので、失業保険をもらえない中で失業状態になり続けることも考えられます。
どうしても収入が下がって生活していくのが大変という場合は、このあと解説する方法を試すようにしてみてください。
これから収入を上げていくための方法3選
再就職したばかりで収入が少ないことに悩んでいる人は、次のような方法で収入を上げていくことが期待できます。
- 仕事を覚えて実績を出す
- 副業に取り組む
- 就職エージェントで転職する
それぞれ解説します。
1. 仕事を覚えて実績を出す
まず最初に検討して欲しいのが、再就職先の会社で実績を出して収入を上げていくことです。多くの会社では昇給や昇格制度が設けられていますので、実績を出せば収入を増やしていけます。
本業で収入を上げられると、毎月入ってくる収入が安定して増えるだけでなく、賞与が増えることも期待できます。加えて、自分のキャリアやスキルを高めることにも直結するため、将来的に転職による年収アップも期待しやすくなります。
2. 副業に取り組む
副業に取り組むことで、本業の収入にプラスしてお金を稼ぐこともできるでしょう。副業といっても様々な種類の仕事がありますので、自分のスキルや体力と相談しつつ、取り組む副業を選ぶようにしてください。
ただ、会社によっては副業が一切禁止されていたり、会社に承認を取らないといけなかったりしますので、就業規則を確認した上で副業を探すようにしましょう。
3. 就職エージェントで転職する
どうしても今の状態では収入を増やすことが難しく、かつ数年経っても給料が上がる見込みが立たない場合は、就職エージェントを使って転職をするのも選択肢の一つとなります。
ただ、入社1年未満で転職をすることはハードルが高く、加えて収入を上げられるような転職を叶えるためには相当の努力が必要になります。就職エージェントのサポートを受けた方が転職を成功させられる可能性が高まりますので、気になる就職エージェントを見つけたらまずは登録してみましょう。
就業促進定着手当に関するよくある質問
最後に、就業促進定着手当に関してよくある質問を2点取り上げて解説します。
就業促進定着手当支給申請書が送られてこない場合は?
条件を満たしているにも関わらず、就業促進定着手当の支給申請書が送られてこない場合は、直近で自分の住所が変わっていないかを確認しましょう。
もし再就職手当の申請時から引っ越している場合は、就業促進定着手当支給申請書が当時の住所に送られていることが考えられます。今一度正しい住所をハローワークに届け出たり、郵便局に転居届を提出するようにしてください。
グループ会社に出向して収入が下がったらもらえる?
再就職先の会社からグループ会社などに移籍出向をした場合、給料が減ったとしても就業促進定着手当の対象とはなりません。大企業の場合はグループ会社を多数抱えており、中には再就職後すぐに移籍出向になるケースもありますので気をつけましょう。
まとめ
就業促進定着手当は、再就職後に給料が下がった人を対象に支給されるお金です。支給してもらうためには、自分からハローワークに申請する必要がありますので、まずはこういった制度があることを認識しておきましょう。
また、就業促進定着手当を申請するためには再就職先に一部書類の作成や用意をしてもらう必要がありますので、再就職先の人事担当の連絡先を認識しておくことも重要です。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい