事務職とはどういった仕事なのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
この記事ではこれから事務職を目指そうとする人のために仕事内容や事務職の種類、向いてる人の特徴から求められるスキルなどを網羅的に解説します。
事務職にキャリアチェンジしようとする人や、これから事務職として社会人デビューをしようとしている人は記事の内容を参考にしてみてください。
- 一般事務
パソコンを使ったデータ入力や書類の整理など、ルーティンワークが中心 - 営業事務
契約書や申込書の準備など、営業職のサポートに関する事務 - 総務事務
社内イベントの企画、会社の備品の管理など、幅広い業務を担うのが特徴 - 経理事務
表計算ソフトを使い、日々のお金のやりとりを記録したりまとめたりする - 人事・労務事務
採用活動や人事制度などに関する人事事務と、社会保険の手続きなどに関する労務事務がある - 法務事務
契約書の作成や管理、特許取得の事務手続きなど専門的な仕事が多い - 医療事務
医療機関の中で、患者の受付、診療費の算定、医師と看護師間の中継などを行う - 学校事務
来校者の応対、学生証の管理事務、学生の各種手続きに関する業務を行う - 貿易事務
輸出入品の取りまとめ、契約書の確認作成など、海外との取引に必要な事務が中心 - 特許事務
特許申請に関する事務作業が中心。似たような特許がないかなどのリサーチ業務が多い - 介護事務
介護報酬請求などお金に関する事務作業、利用希望者の応対など、幅広い業務を行う - 生産管理事務
表計算ソフトなどで、生産工程におけるデータ入力や書類作成などの事務作業を担う - 外勤事務
個人宅に訪問し、公共料金の集金、水道・電気ガスのメーターの検針などを行う
この記事の目次
事務職とは?
事務職とは、会社が事業を行っていく上で必要となる事務作業を一手に担う仕事です。担当する事務領域によっては、経理職や総務職、労務職等の名称に分かれることもあります。
働き方としては、基本的に業務時間の全てがデスクワークになるといった特徴があります。加えて、パソコン作業が多くなるといった特徴もあり、特にオフィス系ソフトを使いこなすようなスキルが強く求められる傾向にあります。
事務職は会社が事業をしていく上で必要不可欠な存在であることから、ほぼすべての業種、従業員規模の会社で募集があるのも特徴です。一度事務職としてスキルを身に付けることができると、様々な会社で働くことができるとも言えるでしょう。
仕事はルーティンワークが大半のため、残業が少なくワークライフバランスを保って働けるのが魅力の1つです。事務職を目指そうとする未経験者も多く、人気の仕事の1つです。
そんな事務職ですが、どの領域で事務作業するかによって様々な種類に分かれますので、就職を考える際は、どの事務職につきたいのかをしっかり検討することが大切になります。
事務職の種類
先ほど解説した通り、事務職には様々な種類に分けることができます。具体的には、事務職は、以下の通り13種類に分けられます。
ここでは、それぞれの事務職の仕事内容や求められるスキルなどについて解説していきます。
- 一般事務
パソコンを使ったデータ入力や書類の整理など、ルーティンワークが中心 - 営業事務
契約書や申込書の準備など、営業職のサポートに関する事務 - 総務事務
社内イベントの企画、会社の備品の管理など、幅広い業務を担うのが特徴 - 経理事務
表計算ソフトを使い、日々のお金のやりとりを記録したりまとめたりする - 人事・労務事務
採用活動や人事制度などに関する人事事務と、社会保険の手続きなどに関する労務事務がある - 法務事務
契約書の作成や管理、特許取得の事務手続きなど専門的な仕事が多い - 医療事務
医療機関の中で、患者の受付、診療費の算定、医師と看護師間の中継などを行う - 学校事務
来校者の応対、学生証の管理事務、学生の各種手続きに関する業務を行う - 貿易事務
輸出入品の取りまとめ、契約書の確認作成など、海外との取引に必要な事務が中心 - 特許事務
特許申請に関する事務作業が中心。似たような特許がないかなどのリサーチ業務が多い - 介護事務
介護報酬請求などお金に関する事務作業、利用希望者の応対など、幅広い業務を行う - 生産管理事務
表計算ソフトなどで、生産工程におけるデータ入力や書類作成などの事務作業を担う - 外勤事務
個人宅に訪問し、公共料金の集金、水道・電気ガスのメーターの検針などを行う
一般事務[事務職の種類 1/13]
一般事務は、基本的な事務作業を担う仕事です。業務内容としてはシンプルなものが多く、パソコンを使ったデータ入力や書類の整理などが挙げられます。
ルーティンワークが中心になりますので、残業が少ないといった特徴もあります。
一方、作業者的な役割が多いので、上司や他の部署の指示を受けて働くことが基本です。
正社員として働く事はもちろん、派遣や契約社員といった非正規の募集も多く存在しています。基本的なパソコンのスキルさえあれば仕事ができますので、多くの人が応募する傾向にあります。
平均年収 | 490万円 |
仕事に就くためには | ・求人サイトや就職エージェントで応募する ・派遣会社に登録して案件を紹介してもらう ・基本的なパソコンスキルを習得しておくのがおすすめ |
営業事務[事務職の種類 2/13]
営業事務は営業職のサポートをするような事務職です。具体的には契約書や申込書の準備、納品書の作成・送付、営業パンフレットの差し替え等が業務として挙げられます。
事務職ではあるものの、常に営業と一緒に働くことになりますので、高いコミニケーションスキルや瞬発力などが求められる点が特徴です。
業務の忙しさは営業の忙しさに比例しますので、月末や月初が繁忙期になる傾向にあります。ルーティンワークだけでなく、業務効率化等の企画に携わることもでき、やりがいを感じやすい事務職です。
平均年収 | 471万円 |
仕事に就くためには | ・求人サイトや就職エージェントで応募する ・派遣会社に登録して案件を紹介してもらう ・コミュニケーション能力を鍛えておくのがおすすめ |
総務事務[事務職の種類 3/13]
総務事務は、会社の運営には必須であるものの、他の部署で対応しないような業務を担う事務職です。社内イベントの企画や株主総会の事務局、会社の備品の管理やオフィス環境の整備など、幅広い業務を担うといった特徴があります。
常に誰かのためになる業務ができるため、感謝をされる機会も多いでしょう。
仕事の特性上、どのような業務にも積極的に取り組めるような好奇心旺盛な人に総務事務は向いています。
平均年収 | 490万円 |
仕事に就くためには | ・求人サイトや就職エージェントで応募する ・派遣会社に登録して案件を紹介してもらう ・基本的なパソコンスキルを習得しておくのがおすすめ |
経理事務[事務職の種類 4/13]
経理事務は、会社で日々行われるお金のやりとりを記録したり、まとめたりする仕事です。
仕事では常に表計算ソフトを使うことになりますので、オフィスソフトの知識や複雑な計算も瞬時にできるといったスキルが求められます。
業務の流れは毎月ルーティンになっている会社が多く、業務の忙しさが事前に把握できると言った特徴も見られます。
また、経理事務としてスキルを身に付ければ、財務などのポジションにキャリアアップできる点もポイントです。
平均年収 | 450万円 |
仕事に就くためには | ・求人サイトや就職エージェントで応募する ・派遣会社に登録して案件を紹介してもらう ・基本的なパソコンスキルや簿記の知識を習得しておくのがおすすめ |
人事・労務事務[事務職の種類 5/13]
人事・労務事務は社内外の「人」に関する仕事を担う事務職です。
人事事務で言えば、採用活動のサポートや社内の人事制度の管理などを担います。労務事務で言えば、従業員の社会保険の手続き事務などが代表的な業務になります。
どちらも人の人生に直結するような「お金」を間接的に取り扱うことになりますので、業務にややプレッシャーを感じるかもしれません。その分明確にスキルアップを狙える仕事でもありますので、ビジネスパーソンとして活躍していきたい人に特におすすめできます。
平均年収 | 490万円 |
仕事に就くためには | ・求人サイトや就職エージェントで応募する ・派遣会社に登録して案件を紹介してもらう ・基本的なパソコンスキルを習得しておくのがおすすめ ・コミュニケーション能力を鍛えておく必要もある |
法務事務[事務職の種類 6/13]
法務事務は、企業の事業活動を法律的観点からサポートする事務職です。
具体的な業務としては契約書の作成チェック、締結された契約書の管理、特許取得の事務手続きなど専門的な仕事が多い傾向にあります。
基本的には企業のリーガル担当の指示に従って事務作業を行いますが、未経験から就職を目指すのであれば、基本的な法律知識を勉強した上で面接に臨むのがおすすめです。
法務事務としての業務経験を積めば、企業のリーガル担当としてのキャリアアップも目指せるでしょう。
平均年収 | 437万円 |
仕事に就くためには | ・求人サイトや就職エージェントで応募する ・法務知識を習得しておくのがおすすめ |
医療事務[事務職の種類 7/13]
医療事務は、医療機関で事務作業を担う仕事です。
具体的な業務としては、患者の受付、診療費の算定、医師や看護師との連絡の中継などが挙げられます。特に診療費の算定については、専門的な知識を習得する必要があり、就職後も勉強が必要になってくるでしょう。
医療事務の仕事はどの医療機関でもほぼ同じような業務となりますので、一度実務経験を積むことができれば、どんな場所でも働けるのが魅力的なポイントです。
これから就職を目指すのであれば、医療事務に関する資格を取得した上で、面接に臨むことも検討してみてください。
平均年収 | 437万円 |
仕事に就くためには | ・求人サイトや就職エージェントで応募する ・医療事務専門の派遣会社に登録して案件を紹介してもらう ・医療事務に関連する資格を取得しておくのがおすすめ |
学校事務[事務職の種類 8/13]
学校事務は、小学校から大学まで学校側と生徒が円滑に日々を過ごせるようサポートする仕事です。来校者の応対や学生証の作成・管理、在学証明書の発行を始めとして学生にとってなくてはならない存在といえます。
また、学校側からすれば学校の運営に不可欠な存在です。お金の計算や支払い、教材の購入、入学生や卒業生の事務手続きなどの幅広い業務を行います。
基本的に学生のスケジュールと同じように働きますので、夏休みなど長期休暇が取れる学校事務もあります。
平均年収 | 437万円 |
仕事に就くためには | ・求人サイトや就職エージェントで応募する ・気になる学校のホームページから直接応募する ・基本的なパソコンスキルやコミュニケーション能力を習得しておくのがおすすめ |
貿易事務[事務職の種類 9/13]
貿易事務は、営業部門と連携しながら海外との取引に必要な事務作業を担う仕事です。
輸出入する商品・原材料の値段や数量を取りまとめたり、契約書の確認作成なども行います。
専門的な法律知識や英語の読み書きスキル、スピーディーな業務遂行能力など高いレベルのビジネススキルが求められる傾向にあります。
特に海外貿易を中心としている会社の場合は、時差の関係で業務時間が不規則になることも考えられますので、求人票の就業時間の欄は必ずチェックしておいてください。
平均年収 | 471万円 |
仕事に就くためには | ・求人サイトや就職エージェントで応募する ・派遣会社に登録して案件を紹介してもらう ・基本的なパソコンスキルや語学に関する資格を習得しておくのがおすすめ |
特許事務[事務職の種類 10/13]
特許事務は、主に特許調査会社などで特許申請に関する事務作業を行う仕事です。
法律知識だけでなく、似たような特許がないかの調査や確認といったリサーチ業務が多い点が他の事務職とは違う特徴といえます。
企業の知的財産関係の部署でも特許事務の求人を募集していることがありますので、未経験から就職する場合は、そういった求人を狙ってみるのもおすすめです。
平均年収 | 579万円 |
仕事に就くためには | ・特許に関する企業に求人サイトや就職エージェントで応募する ・法律知識をアピールできる資格を取得しておくのがおすすめ |
介護事務[事務職の種類 11/13]
介護事務は介護施設に勤める事務職です。
主に介護報酬請求といったお金に関する事務作業が中心となりますが、他にも介護施設を利用しようとする人の応対や、従業員の給与計算、備品や機器の発注・管理など幅広い業務を担います。
介護業は極めて公共性の高いビジネスですので、業務では基本的にミスを少なくすることを求められます。
マニュアルが用意されている職場も多いので、誠実に業務と向き合える人におすすめできる事務職です。
平均年収 | 437万円 |
仕事に就くためには | ・求人サイトや就職エージェントで応募する ・派遣会社に登録して案件を紹介してもらう ・基本的なパソコンスキルを習得しておくのがおすすめ |
生産管理事務[事務職の種類 12/13]
生産管理事務は、大量生産を行う工場などに勤め、生産工程におけるデータ入力や書類作成等の事務作業を担います。膨大な数値を取りまとめる業務が中心となることから、表計算ソフトを使う機会が多い点が特徴です。
工場が安定稼働していればルーティンワークのみとなるため残業も少なくなるでしょう。
ただ、工場で何らかのトラブルがあるとトラブル対応をすることもありますので、一時的に業務時間が長引くこともある点はあらかじめ知っておいてください。
平均年収 | 480万円 |
仕事に就くためには | ・求人サイトや就職エージェントで応募する ・派遣会社に登録して案件を紹介してもらう ・論理的思考力をアピールできるようにしておくのがおすすめ |
外勤事務[事務職の種類 13/13]
外勤事務とは、公共料金や新聞等の料金の集金、水道や電気ガスのメーターの検針などを行う事務職です。事務職というジャンルに属する仕事ではありますが、外回りをして個人の自宅に訪問する機会も多く、やや特殊な事務職と言えるでしょう。
業務自体はシンプルですので、体力さえあれば多くの人が取り組める仕事といえます。
その分初対面の人とコミュニケーションをする機会が多いため、面接では対人スキルの高さをアピールするのがおすすめです。
平均年収 | 454万円 |
仕事に就くためには | ・求人サイトや就職エージェントで応募する ・派遣会社に登録して案件を紹介してもらう ・面接では体力もアピールするのがおすすめ |
事務職に共通する仕事内容
事務職は様々な種類がありますが、共通している仕事内容が4点あります。
- 書類の作成・処理
- データ入力
- 来客対応
- 電話メール対応
ここからは事務職の4つの仕事内容を解説しますので、事務職の理解をさらに深めていきましょう。
1. 書類の作成・処理
事務職の中心的な業務となるのが書類の作成や処理です。
書類の作成については、契約書や納品書など社外の人にも見せるような書類となりますので、正確な作業が求められます。また、書類の処理については、会社にとって売り上げや契約に直結するものとなり、こちらもミスが許されない作業となっています。
業務で使うものはパソコンとオフィス系ソフトが中心となります。
タイピングの速度も業務効率に直結しますので、事務職を目指すのであれば、ある程度のパソコンスキルは習得しておきましょう。
2. データ入力
データ入力とは、紙で取得した調査結果やデータベース等から収集したデータを表計算ソフトなどに入れ込む業務です。主に経理事務や一般事務などで取り組む業務であり、集中力や忍耐力が求められる点が特徴です。
タイピングスキルさえあれば誰でもできる業務ですが、入力するデータも膨大な数であることも少なくありませんので、責任感を持ってパソコンと向き合い続けることが大切になってきます。
3. 来客対応
来客者の対応も事務職の仕事の1つです。
事務職の応対によって、来客者が会社に感じる印象を大きく左右することもありますので、高いコミュニケーションスキルを持っていることや、気配りをする姿勢が非常に重要になってきます。
また、学校事務や人事労務事務などの事務職の場合は、来客者に対してオリエンテーションや説明会等のプレゼンを行う機会もあります。そのため、事務職ではありますが、人との会話やプレゼンが求められる可能性があるということも理解しておいてください。
もし応募する事務職の求人票の業務内容に「来客対応」と書かれている場合は、面接でハキハキと明るく話すと言うことを意識するのもおすすめです。
4. 電話メール対応
事務職は来客者の応対だけでなく、電話やメールでの対応も行うことがあります。
電話であれば代表電話番号が事務職の部署に繋がるような会社も少なくなく、適切な担当者に電話を繋ぐことが大切になってきます。
会社の組織図を覚え、どの部署がどんな役割を持っているのかなどの理解をしておきましょう。
また、メール対応については、ビジネスメールの基礎をしっかり覚えておくことが重要になります。相手に不信感を与えないよう、適切な文章表現を勉強することも求められます。
事務職に必要なスキル
事務職に共通する仕事をこなすためにも、特に以下の4つのスキルが重要となってきます。
- PCスキル
- コミュニケーション力
- ビジネスマナー
- タスク処理、スケジュール管理能力
ここからは、事務職に必要なスキルについて詳しく解説していきます。
1. PCスキル
事務職として働く以上、PCスキルは不可欠なスキルです。
特にExcelやWord、 PowerPoint等のオフィス系ソフトは、業務で常に使うことになりますので、できれば就職前にある程度使いこなせるようになっておくのが望ましいと言えます。
Excelについては、Excelの使用を理解しているだけでなく、各種関数やピボットテーブルを使ったデータの取りまとめなど、中級者以上のスキルを持っておけると就職に有利になるでしょう。
また、会社によっては独自の社内システムを使って事務処理を進めていくこともあります。
使い方がマニュアルに詳しく載っている会社もあり、マニュアルを読みながら新しいPCソフトを使いこなしていけるといった読解力も合わせて重要になります。
2. コミュニケーション力
事務職はパソコンと向き合って業務を進めることが多いですが、社内外の人とコミュニケーションを取ることが多いのも特徴です。
特に社内連携については事務職がハブとなって行われることも多いため、コミュニケーション力はPCスキルと同じ位不可欠といっても過言ではありません。
事務職として求められるコミニケーション力は、相手の話を聞いて理解する力や、業務に必要な情報を的確に伝える力となります。交渉やプレゼンなどの話す力はそこまで求められませんので、面接では傾聴力をアピールするのがおすすめです。
3. ビジネスマナー
事務職は来客対応や電話メール対応も行いますので、基本的なビジネスマナーが備わっている事は不可欠です。適切な敬語表現であったり、社会人としてふさわしい挙動であったり、日々ビジネスマナーを発揮することが求められます。
特に事務職の場合は書類やメールを作成することが多いため、ビジネスマナーの整っている適切な文章表現ができることが大切です。ビジネスマナーは一朝一夕で身に付くものではありませんので、心配な人は秘書検定などの資格勉強をしてみるのも良いでしょう。
4. タスク処理、スケジュール管理能力
ルーティンワークの多い事務職ですが、業務が立て続けに舞い込んできたり、複数のタスクを同時にこなしたりする能力が求められます。
また、事務職が業務をおろそかにしてしまうと多くの人に迷惑をかけることになりますので、スケジュール管理能力は高いレベルで求められます。
自分のもとに来たタスクは自分なりの方法で管理をできるよう、今のうちからトレーニングしておくのがおすすめです。
事務職向けの資格
事務職として働く上で必須になる資格はありませんが、就職や業務で有利になる資格としては、以下のようなものが挙げられます。
- MOS(マイクロスペシャリスト)
- 簿記
- 秘書検定
- ビジネス文書検定
それぞれの資格内容や取得難易度について解説しますので、余裕がある人は求人応募前にこれらの資格を取得することも検討してみてください。
1. MOS(マイクロスペシャリスト)
Microsoft社が主催する資格試験であり、ExcelやWord、PowerPointなどのオフィス系ソフトが使いこなせることを証明できる資格です。パソコン分野では国内最大規模の資格試験であり、合格率も比較的高いと言われているため、事務職を目指す人にまずおすすめできる資格といえます。
受験方法は2つ用意されていますが、最寄りに試験会場があればほぼ毎日受験することができますので、企画取得のチャンスが多い点も魅力の1つです。
なお、受験はExcelならExcel、WordならWordと、ソフト1つ1つの単位で申し込む必要がありますので、自分が目指したい事務職でよく使うオフィスソフトは何かをチェックした上で受験するのがオススメです。
合格率(目安) | ・一般レベル:80% ・上級レベル:60%(非公開のため目安) |
取得までにかかる目安時間 | 2週間〜1ヶ月 |
2. 簿記
簿記とは企業で行われる取引を計算管理する技能のことを言います。簿記を担えるだけの計数能力があることを証明する資格こそ簿記検定です。
簿記検定は1級から3級まで用意されていますが、3級でも就職活動で充分アピールポイントとして活かすことができます。
特に経理事務などの数字をよく扱う事務職の就職活動では簿記検定がアピールできます。
3級であれば合格率は50%程度と比較的高めですので、数字に拒否感がない人は取得を検討してみてください。
合格率(目安) | ・3級:30%〜50% ・2級:20% ・1級:10% |
取得までにかかる目安時間 | ・3級:100時間 ・2級:250〜350時間 ・1級:1,000〜2,000時間 |
3. 秘書検定
秘書検定とは、秘書として働く上で求められる高いビジネスマナーやコミュニケーション能力を有していることを証明できる資格です。「秘書」と言う言葉が入っていますが、秘書職以外の就職活動でもアピールポイントになります。
パソコンを利用したCBT試験も用意されており、自分の都合の良い日程で受験できるのもポイントです。事務職は秘書のように高いビジネスマナーがあると有利に就活を進められますので、ビジネスマナーに不安がある人は秘書検定の取得を目指すのもおすすめです。
合格率(目安) | ・3級:70% ・2級:50%〜55% ・準1級:40% ・1級:25% |
取得までにかかる目安時間 | ・3級:30〜50時間 ・2級:50〜70時間 ・準1級:100〜150時間 ・1級:200〜300時間 |
4. ビジネス文書検定
適切なビジネス文書をかけることを証明する資格がビジネス文書検定です。
メールやドキュメントなど誰が見ても恥ずかしくないビジネス文書が作成できるようになるため、事務職と親和性の高い資格と言えるでしょう。
就活でのアピールとしては2級取得からが目安になります。2級でも合格率は60%を超えてきますので、就活準備の1つとして時間がある人は取り組んでみてもいいかもしれません。
合格率(目安) | ・3級:80%〜85% ・2級:60%〜70% ・1級:30%〜40% |
取得までにかかる目安時間 | ・3級:20〜30時間 ・2級:50〜60時間 ・1級:50〜100時間 |
事務職になる方法
事務職になるために、今からできる方法としては3つ挙げられます。
- 基本的なPCスキルを身に付ける
- ビジネスマナーを身に付ける
- コミュニケーションスキルを鍛える
いずれも家で1人でできるものですので、これから事務職になりたいという人は試してみてください。
1. 基本的なPCスキルを身に付ける
事務職を目指すのであれば、まずは基本的なPCスキルを身に付けましょう。家にパソコンがない場合は、マンガ喫茶などでパソコンを触ってみるのもおすすめです。
具体的には以下のようなPCスキルを身に付けておくと良いでしょう。
- パソコンのオンオフ
- ファイルの管理方法
- オフィス系ソフトの基本的な使い方
- メールの送受信方法
- メールの仕様の確認(CCやBCCの違いなど)
機械に抵抗感がない人であれば、パソコンに数時間ふれればある程度のPCスキルは身に付けられるはずです。また、独学に自信がない人はYouTubeなどの動画で勉強してみてください。
なお、パソコンにはWindowsとMacの大きく2種類ありますが、ほとんどの職場ではWindowsを使うことになりますので、これからPCスキルを身に付けるのであれば、Windowsパソコンを使えるようになっておきましょう。
2. ビジネスマナーを身に付ける
適切な敬語表現やコミュニケーション、文書作成等のビジネスマナーを身に付けることも大切です。古本屋などにあるビジネスマナー本を読んだり、YouTubeなどの動画で勉強したりすることがおすすめです。
ビジネスマナーを身に付ければ内定獲得率が高まるだけでなく、就職後の業務を円滑に進めることにも役立ちます。ビジネスマナーは反復して身に染み込ませるように覚えるのが大切ですので、毎日コツコツ勉強するようにしてみてください。
3. コミュニケーションスキルを鍛える
先ほど解説した通り、事務職はコミュニケーションスキルも非常に大切になってきます。
普段あまり人と会話しない人であれば、家族や友人と会話量を増やしてみたり、どこでもいいので店員とコミュニケーションをしてみるのも良いでしょう。
また、コミュニケーションスキルを鍛えるとともに、就活の準備を進める方法として、就職エージェントのカウンセリングを受けてみるのもおすすめです。
就活準備とコミニケーションスキルの習得を合わせて進められますので、気になる就職エージェントを見つけたら登録してみることも検討してみてください。
事務職に向いてる人の性格
事務職に向いている人の性格としては、以下の5点が挙げられます。
- 地道にコツコツと仕事をできる人
- 柔軟に対応するのが好きな人
- 細かい作業でもミスが少ない人
- 自己管理が上手な人
- 周囲に気を配るのが得意な人
これらの性格に該当すると感じる人は、事務職の仕事がマッチしているかもしれません。それぞれの性格が事務職にどのような影響をもたらすのかについて解説していきます。
1. 地道にコツコツと仕事をできる人
事務職の仕事は地道にコツコツと進めるものがほとんどです。決められた手順に沿って仕事を一つ一つこなしていくといった働き方になりますので、地道な継続力を発揮できる人が事務職に向いているといえます。
特に、部活でもサークルでも学業でも何でもいいので、1つの物事に長期間取り組んだ経験がある人は面接でアピールするのがおすすめです。努力を継続できる姿勢がアピールできれば、未経験からでも事務職に就職することができるかもしれません。
2. 柔軟に対応するのが好きな人
事務職の仕事は基本的に決められた通りの事務作業を行う必要があります。しかし、営業事務や総務事務を始めとした事務職では、マニュアルにないような対応や依頼に瞬時に対応するといった柔軟性が求められることも多くあります。
どのような物事であっても、困っている人に対して柔軟にサポートできる人こそ事務職に向いてるといえます。もちろん就職してからすぐに柔軟に対応するのは難しいと思いますが、業務を覚えていけば、柔軟な性格が仕事に活かせるはずです。
3. 細かい作業でもミスが少ない人
事務職の仕事は細かい作業が非常に多いといった特徴があります。
加えて、桁数の多い数字を取り扱うことも多く、数字を1つでも間違えてしまえば会社に大きな迷惑を与えることになるでしょう。
このことから事務職に向いてる性格として、細かい作業でもミスが少ない人という観点が挙げられます。
例えば面接では、お店のレジ打ちで1度もお釣りを間違えたことがないといったエピソードであったり、前職で事務手続きをする際にミスがなかったなどのアピールもすると良いでしょう。
4. 自己管理が上手な人
事務職として業務と向き合っていると、複数の作業を同時にこなすようなシチュエーションや、自分でスケジュールを管理して仕事を進めていったりする必要が出てきます。
事務職の仕事は物事に優先順位をつけ、どういった仕事の進め方をしていくかを自分で決めていく必要があると言えます。そのため、自己管理が上手い人は事務職に向いています。
自分で自分のタスクやスケジュールを管理する事はもちろん、計画通りに仕事が進められるように体調を自己管理するといった点も大切になってくるでしょう。
5. 周囲に気を配るのが得意な人
事務職は他の社員のサポーターをする役割とも言えます。
事務手続きの面で様々な部署とやりとりをすることもありますので、周囲に気を配るのが得意な人は事務職として重宝される人材になるでしょう。
気を配ることを言葉でアピールすることが難しいものの、面接官の話を丁寧に聞く姿勢や面接室に出入りするときの挙動などを丁寧に行う意識を持っておくと、気配り上手な一面をアピールすることに繋がるかもしれません。
未経験から事務職を目指すには
事務職は未経験からでも就職できる仕事の1つですが、応募が多く、非常に人気な仕事であることもまた事実です。
未経験から事務職を目指すのであれば、以下の意識を持っておくと良いでしょう。
- 基本的なPCスキルを身に付ける
- 資格を取得する
- エージェントを活用する
- 未経験から募集をしている求人に応募する
これらのポイントを意識しておくことで、就職の難しい事務職であっても未経験から働き始めることができるはずです。それぞれ詳しく解説します。
1. 基本的なPCスキルを身に付ける
事務職の経験がなかったとしても、基本的なレベルのPC操作スキルはほとんどの職場で求められます。中にはPCが使えることを必須条件として募集している求人も少なからず見られます。
PCスキルは事務職として働く場合、当然のように持っておく必要がありますので求人応募前に習得しておくことを目指してみてください。
基本的なPCスキルが身に付いていないと面接官からネガティブな印象を持たれかねません。
また、事務職のPCスキルとして求められやすいのがExcelなどの表計算ソフトです。簡単な関数やvlookup関数、if関数などを取得できておくと面術でもアピールできるでしょう。
2. 資格を取得する
事務職として働くのに必須となる資格はありません。実際に、資格がなく事務職として活躍している人も多くいます。ただ、未経験から事務職を目指すのであればアピールポイントを増やすという意味でも資格を取得しておくのがおすすめです。
先ほど解説したようなマイクロソフトオフィススペシャリストやビジネス文書検定などの資格を持っておくことで、未経験ながらも一定のスキルがあることを面接官に証明することができます。
また、資格があればスキルだけでなく、1つの物事を継続的に学んで成果を出せるといった、熱意のアピールにも繋がるでしょう。
資格取得のために就職活動を長引かせてしまうのは避けるべきですが、もし余力があれば資格取得も検討してみてください。
3. エージェントを活用する
未経験から事務職を目指すのであれば、就職エージェントを利用するのがおすすめです。
就職エージェントを利用することで、自分専任のアドバイザーが就職活動の準備から内定獲得まで幅広いサポートを受けられるようになります。
具体的には以下のようなサポートを受けつつ、就職活動が進められるようになります。
- キャリアカウンセリング
- 履歴書や職務経歴書の添削
- 模擬面接の実施
- 希望にあった求人の紹介
- 面接日時の調整代行
初めて就職活動をするような人でも効率的に内定獲得を目指せるようになるだけでなく、就職支援のプロから客観的にどんな事務職が向いてるのかを教えてもらえるといったメリットがあります。
加えて、第三者と会話をするといった経験も積めるため、コミュニケーションスキルを高めることも期待できるでしょう。
就職エージェントにはキャリアアップ向け、第二新卒向け、フリーター向けなど様々な種類がありますので、自分の状況に合った就職エージェントを選ぶのがポイントです。
4. 未経験から募集をしている求人に応募する
未経験から事務職を目指すのであれば、未経験者を歓迎している求人に応募するようにしてください。未経験者向けでない求人は、基本的に事務職の実務経験がある人を対象としていますので、未経験者が応募しても採用される確率は非常に低いでしょう。
事務職は様々な仕事の中でも未経験者募集の割合が比較的高い仕事です。求人サイトによっては3割弱の事務職の求人が未経験者歓迎で募集されています。
求人サイトで就職活動を進める場合は、「未経験者歓迎」といったチェックボックスが用意されていますので、必ずチェックを入れた上で求人を比較検討するのがポイントです。
事務職のキャリアパス
事務職として働くことで、以下のようなキャリアパスを歩むことができます。
- マネジメントポジションに就く
- 専門性の高い事務職に就く
- 年収の高い業界の事務職に転職する
キャリアアップをして年収を上げていくといった動きができるのも事務職の魅力です。それぞれ詳しく解説します。
1. マネジメントポジションに就く
最も王道なキャリアパスが事務職のマネジメントポジションに就くことです。
日々の業務をミスなくこなすことに加え、ルーティンワークを自動化したり、他のメンバーのサポートを積極的にしたりなどして評価されれば、マネジメント職にキャリアアップすることが可能です。
特に事務職が様々な種類に分かれているような会社であれば、多くのポストが用意されているため、昇格できる可能性も高まります。昇格するまでの年数は会社によって大きく異なりますが、3年から8年くらいを目安にしておくと良いでしょう。
2. 専門性の高い事務職に就く
事務職の経験を積むことで、マネジメントポジションではなく、専門的な事務職のスペシャリストとしてキャリアアップすることもできます。わかりやすい例で言えば、経理事務として経験を積むことで、より専門的な会計を担う財務職のポジションにつくことが挙げられます。
専門性を高めるためには、日々の業務を完璧に覚えることだけでなく、独学で上位の事務職の知識をインプットしておくことも求められます。加えて、知識のインプットだけでなく、日々の業務でアウトプットをして上司にアピールすることも大切になってきます。
3. 年収の高い業界の事務職に転職する
事務職で得たスキルは、別の業界の事務職でも役立てることができます。例えば以下のような業界は平均年収が比較的高いため、事務職の経験を活かして転職するのもオススメです。
- 金融業界
- メーカー
- 商社業界
- IT業界
職種を変えずに業界を変えるような転職をする場合は、応募する業界の知識を事前に調べておくことが重要です。ネットや口コミサイト等の情報はもちろん、その業界で働く人に直接話を聞いたり、就職エージェントなどからアドバイスをもらうのが良いでしょう。
事務職の一日のスケジュール
事務職の仕事のイメージをより深めるために、仕事のスケジュール例を確認しておきましょう。
- 9:00 出社(スケジュール・メール確認)
- 9:30 朝礼
- 11:00 依頼対応・データ入力
- 12:00 昼食(休憩)
- 13:00 来客対応
- 15:00 請求書処理
- 16:00 電話対応や郵便対応
- 17:30 日報報告
- 18:00 終業
なお時期や会社によってスケジュールは様々変わりますので、参考程度に留めるようにしてください。
9:00 出社(スケジュール・メール確認)
出社したら、まずはメールを確認します。社内の各部署や社外の取引先から対応依頼のメールが来ているようであればすぐに返信しましょう。
合わせてその日の自分のスケジュール確認も行います。事務職は1日の仕事の流れが立てやすいので毎朝必ず行うのが基本です。
9:30 朝礼
事務職で朝礼を行います。朝礼では一般的に社員一人ひとりのその日の予定やタスクを共有し、万が一の時にサポートしあえる状態を作ります。
また、注意事項の伝達などが行われることもあります。今後の業務に関わるような事項を共有されることもあり、朝礼は事務職にとって非常に大切なものと言えます。
11:00 依頼対応・データ入力
朝礼が終わった後は、昼休憩の時間まで自分のタスクをこなすことになります。
ルーティンワークをすることに加え、他部署から来ている依頼への対応やデータ入力など事務職としての業務を遂行していきます。
午後のスケジュールも考えた上で、午前中どこまで作業するのかを自分で決めて働いていくことがポイントになります。
12:00 昼食(休憩)
事務職は業務の区切りをつけやすい仕事ですので、基本的には12時に昼食の時間になります。近場の飲食店に同僚と一緒にランチをしに行ったり、自席でお弁当を食べることが一般的です。
昼休憩は1時間と決まっている職場が多いので、気持ちをしっかり切り替えて午後の仕事に臨みましょう。
13:00 来客対応
午後は来客対応をすることが多くなりますので、会議室の準備をしたり、訪問先の担当者と事前に連絡を取っておき、スムーズな来客対応を行えるよう準備をしておきます。
来客者に対する水やお茶出しなども事務職が準備することがあるため、給湯室の備品の確認をしておくことも忘れずに対応します。
15:00 請求書処理
15時になると、その日の営業実績を取りまとめる締め作業を行うために、請求書処理の対応をしていきます。場合によっては、その日に発生した請求書の提出を営業担当にリマインドすることもあります。
請求書処理は時間が決まっている上、失敗が許されない仕事ですので、丁寧かつ迅速にタスクを処理していくことが重要です。
16:00 電話対応や郵便対応
請求書処理が一段落したら、会社に届いている郵便物の対応を行います。郵便物の仕分けだけでなく、宛先となっている社員の机に郵便物を届けることもあります。
郵便対応が終わり次第、電話応対や残っているタスクの処理などを進めていきます。
17:30 日報報告
その日に対応したことや業務上で感じた気づき、改善点などを日報にまとめ報告します。多くの場合は、メールでまとめて上司に送付するため、簡潔にわかりやすい文章を書くことが大切です。
また会社によっては夕礼がありますので、業務報告をする準備の時間を含めたスケジュール管理が必要になります。
18:00 終業
定時が来たら終業となりますので退社します。事務職は比較的残業時間が少ない会社が多く、定時通りに帰れるケースも多いです。
ただし依頼が立て込んでいたり、繁忙期の場合は残業が発生することがあるという点はあらかじめ理解しておいてください。
事務職の仕事のやりがい
事務職の仕事のやりがいとしては、以下の3点が挙げられます。
- 人のサポートを仕事にできる
- 社内でのコミュニケーション力や調整力がつく
- コツコツと積み重ねていく業務に取り組める
これらのやりがいに魅力を感じるような人であれば、事務職として長く働いていくことができるでしょう。それぞれ詳しく解説していきます。
1. 人のサポートを仕事にできる
事務職の仕事の大半は、会社や会社で働く社員のサポート業務になります。
営業職のように自分の目標数値を追うことよりも、他の事業部からの依頼や業務体制を整えるなどの仕事が多いため、他人をサポートしているという実感ができる機会も多いはずです
実際に仕事をしていると他の部署の社員から感謝をされる機会も少なくなく、仕事のやりがいを実感できる機会が多い点も事務職の魅力と言えるでしょう。
2. 社内でのコミュニケーション力や調整力がつく
他の部署からの依頼を受けて業務を行うことはもちろん、請求書や稟議書等の社内申請をチェックする機会も多いため、様々な部署とのコミュニケーションを取るといった点も事務職の特徴です。
また、イレギュラーな対応をサポートすることもあり、社内での調整力がつくといった点も事務職のやりがいといえます。
仕事を進めていく上では、どんな職種であってもコミュニケーションが不可欠です。事務職として働くことにより、社会人として活躍していくために重要なコミュニケーション能力を身に付けられるはずです。
加えて、日々朝礼や夕礼などで自身のコミュニケーション能力のフィードバックを受けることもでき、スキルアップも実感できると考えられます。
3. コツコツと積み重ねていく業務に取り組める
事務職は営業職のように外部の人に突発的に依頼をされるといった業務がありません。
社内で依頼されていることや、ドキュメントの作成・処理が主業務となりますので、自己管理をしてスケジュール通りコツコツ働けるといったやりがいがあります。
自立心が高く自分でやるべきことをコツコツと処理していきたいという人は、事務職の仕事がやりがいに感じられるはずです。
事務職に就いて良かった人の声
ここからは事務職について良かった人の声として多いものを3つ取り上げて解説します。
事務職として就職した後のイメージを持つのに参考にしてみてください。
1. 社外に人と関わりが少ない
事務職がコミュニケーションを取る相手は基本的に社内の人のみです。
見ず知らずの人や社外の人とコミュニケーションを取らなければならない機会が少ないため、高いコミュニケーション能力が求められないと言う点は就職してよかったと感じる人も多いです。
狭いコミュニティーの中で限られた人たちと関係性を築いていきたいといった人には、事務職の働き方がフィットすると考えられます。
反対に、コミュニケーション能力を活かして様々な人と関わりを作っていきたいという人には、事務職が物足りないと感じるかもしれません。
2. 体力があまり必要とされない
事務職はデスクワークが中心となるため、体力をあまり必要としません。
過去に営業として外回りをしていた人や、運送業などで肉体労働をしていた人は、事務職の働き方を魅力的に捉えている傾向にあります。
インドアな趣味を持つ人や、見知らぬ土地に行くことに拒否感を感じるような人は、事務職に就職してデスクワークをするといった働き方がマッチするはずです。
3. 規則的に働くことができる
事務職はルーティンワークが多いだけでなく、短い納期の仕事を突発的に依頼されるということが少ないため、自分でタスクやスケジュールを管理することができれば規則的に働くことができます。
前職で長時間労働が常態化していたような人や、依頼を受けすぎて家に仕事を持ち帰っていたような人が事務職になると、働きやすさを実感できると考えられます。
ワークライフバランスを重視して、仕事もプライベートも充実させたいと言う人には事務職がおすすめできます。
事務職になるメリット
事務職として働くことには、以下のようなメリットがあります。
- PCスキルが身につく
- コミュニケーション能力を上げることができる
- スケジュールの組みやすい仕事が多い
それぞれのメリットを理解した上で、事務職を目指すようにしてください。
1. PCスキルが身につく
事務職として働くと常にパソコンで業務を進めていくことになります。そのため、他の仕事や業界でも使えるようなPCスキルが身に付くといったメリットが挙げられます。
特に事務職ではExcelやWordといったオフィス系ソフトのスキルを身に付けることができ、習得したスキルを活かしてレベルの高い事務職にキャリアアップしたり、企画系の仕事にキャリアチェンジするといったこともできるでしょう。
2. コミュニケーション能力を上げることができる
社内の関係部署とやりとりをする機会が増えますので、コミュニケーション能力を上げることもできます。合わせて基本的なビジネスマナーも身に付くため、社会人としての基礎は事務職で全て習得できると言っても過言ではありません。
多くの企業では事務職に複数人の社員が配属されているため、最初はコミュニケーション能力に自信がなかったとしても、周りのサポートを受けながら、着々と対話能力を身に付けていけるのも大きなメリットです。
3. スケジュールの組みやすい仕事が多い
事務職はルーティンワークが基本であり、突発的な依頼が来たとしてもほとんどが社内からの対応依頼となりますので、自分でスケジュール管理をしやすいといったメリットがあります。
スケジュールの組みやすい仕事が多いという事は、言い換えれば残業が発生しにくいということでもあり、仕事とプライベートのバランスをうまく保って生活していくことが可能になると考えられます。
また、これに伴って、スケジュール管理能力や自己管理能力などのスキルを身に付けることもできます。どちらも社会人として必須のスキルとなっているため、事務職の経験を経て様々な仕事に挑戦することもできるようになるでしょう。
事務職になるデメリット
反対に、事務職になるデメリットとしては以下の3点が挙げられます。
- 似たような業務が多くなりやすい
- 社外とのコミュニケーションが多くはない
- 会社の利益への貢献度が見えにくい
どのような仕事にも就職するメリットだけでなく、デメリットも存在します。事務職になるデメリットも理解した上で、自分は事務職を目指していくのか改めて検討してみてください。
1. 似たような業務が多くなりやすい
メリットで触れた通り、事務職は基本的にルーティンワークとなります。
加えて、1ヵ月での業務の流れがほぼ固定されていることから、似たような業務が多くなりやすいといったデメリットが挙げられます。
様々な仕事をしてみたいと考えるような好奇心旺盛な人や、同じことを繰り返しているとすぐに飽きてしまうといった飽き性の人だと、事務職の仕事が退屈に感じてしまうかもしれません。
2. 社外とのコミュニケーションが多くはない
事務職が業務でやりとりする人は基本的に社内の人になります。電話応対や来客対応などはあるものの、社外の人とのコミュニケーションはほぼ発生しないため、いろいろな人と話してみたいという人だと事務職はマッチしないかもしれません。
また、人間関係のマンネリを感じることもあり、「仕事でも人間関係でも変わり映えのしない日々を過ごしている」といったネガティブな感情に陥る人も少なからず見られます。
3. 会社の利益への貢献度が見えにくい
事務職は会社の利益に直接繋がるような仕事ではありませんので、自分の仕事がどれだけ会社の利益に貢献したのかといった定量的な数値を実感する事は難しいでしょう。
自分の仕事の成果を目に見えて実感したいと考える人は、営業職やコンサルタントなどの数字を追う仕事も合わせて検討してみるのがおすすめです。
事務職の求人選び
これから事務職を目指そうとする人は、以下のようなポイントを意識して求人選びを進めていってください。
- 業務が明確になっている求人を探す
- 自分の持っている資格や経験が活かせる求人を探す
- エージェントを利用して希望に合う求人を見つける
求人選び次第では、就職活動の期間を大幅に短縮することも期待できます。それぞれ詳しく解説していきます。
1. 業務が明確になっている求人を探す
事務職といっても、会社によって組織体制は大きく変わってきます。
求人票に業務が明確に記載されている事務職であれば、組織体制が整備されているだけでなく、やるべき仕事が分かりやすくなるため、仕事でストレスを感じることも少なくなるでしょう。
反対に、業務の内容が曖昧に書かれている求人の場合は、組織体制が整っていなかったり、多くの仕事を依頼されて残量が多くなったりする可能性もありますので注意してください。
2. 自分の持っている資格や経験が活かせる求人を探す
事務職には様々な種類があり、それぞれ求められる資格や経験が異なります。そのため、自分の経験や資格が活かせる事務職の求人を探すようにしましょう。
そもそも自分の適性や能力がわからないという人は、まず自己分析から始めるのもおすすめです。
3. エージェントを利用して希望に合う求人を見つける
効率よく就職活動を進めるとともに、自分にマッチした職場を見つけたいという人は、就職エージェントを活用するのがおすすめです。就職エージェントからマッチした求人を紹介してもらえますので、応募先に迷いにくくなるといったメリットがあります。
加えて、就職エージェントによるキャリアカウンセリングを受ければ、自分のスキルや仕事に求める価値観を言語化することも可能です。就職エージェントの登録や利用は全て無料となっていますので、気になるサービスを見つけたら、まずは気軽に登録してみましょう。
事務職志望のひとから「よくある質問」
最後に、事務職志望の人からよくある質問を3点取り上げて解説していきます。
未経験でも事務職に就ける?
事務職は未経験からでも就職することが可能です。
未経験から応募できる事務職の仕事は、データ入力や書類の整理など簡単なものである傾向が見られます。
基本的なPCスキルやコミニケーション能力があれば、未経験の事務職に就職できるでしょう。未経験から経験を積んでいけば、さらにレベルの高い業務を任せてもらうこともでき、キャリアアップに繋げていくことも可能です。
事務職に未経験からでも就く方法について以下の記事で詳しく解説しています。
事務職ってきつい?
人によっては事務職をきつい仕事だと感じることもあります。
デスクワークが苦手な人であったり、自分のセンスや感性を発揮するような仕事に就きたい人だと事務職の仕事が窮屈に感じるかもしれません。
自分が事務職に向いてるかどうかは、自己分析や就職エージェントなどのキャリアカウンセリングで判断するようにしてみてください。
事務職がきつい理由について以下の記事で詳しく解説しています。
事務職を辞めたいと思う理由は何ですか?
事務職を辞めたいと思う理由としては、以下のものが挙げられます。
- 仕事が単調でやりがいを感じない
- 目や肩腰などを痛めてしまった
- 人間関係が悪い
ルーティンワークの多さはメリットでもあり、人によってはデメリットに感じることもあります。
また、社内の従業員としかコミュニケーションを取らないということは、言い換えれば1度人間関係が悪くなってしまうと解消するのが難しいともいえます。
他にも会社ごとの働く上でストレスに感じることが変わってきますので、求人に応募する際は、就職口コミサイト等の口コミもチェックしておくようにしてください。
まとめ
事務職は、会社が事業を運営していく上でなくてはならない仕事です。ほぼ全ての会社に事務職が存在すると言えますので、一度スキルを身に付ければ様々なキャリアパスを歩むことができるでしょう。
一方、ルーティンワークの多さやコミュニケーションを取る人の範囲が狭いといった点は、人によってデメリットに感じるかもしれません。事務職の仕事を理解しつつ、自分の適性も把握し、後悔のない就職をするように意識してみてください。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい
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