CADオペレーターとはどういった仕事なのか、よく知らない人も多いのではないでしょうか。実は、CADオペレーターはものづくりの現場において不可欠な仕事です。
この記事では、CADオペレーターの仕事内容や活躍することができる業界、向いてる人の特徴からCADオペレーターとして就職するメリット・デメリットについて網羅的に解説します。
CADオペレーターに興味を持っている人や、これからCADオペレーターになりたいと考えている人については、記事の内容を参考にしてみてください。
この記事の目次
- 1 CADオペレーターとは?
- 2 CADオペレーターに共通する仕事内容
- 3 CADオペレーターに必要なスキル
- 4 CADオペレーター向けの資格
- 5 CADオペレーターが働く業界の種類
- 6 CADオペレーターになる方法
- 7 CADオペレーターに向いてる人の特徴
- 8 未経験からCADオペレーターを目指すには
- 9 CADオペレーターのキャリアパス
- 10 CADオペレーターの一日のスケジュール
- 11 CADオペレーターの仕事のやりがい
- 12 CADオペレーターに就いて良かった人の声
- 13 CADオペレーターになるメリット
- 14 CADオペレーターになるデメリット
- 15 CADオペレーターの求人選び
- 16 CADオペレーター志望者から「よくある質問」
- 17 まとめ
CADオペレーターとは?
CADオペレーターとは、CADソフトを用いて様々な設計図を作る仕事です。「CAD」とは、図面を描くことに特化したソフトウェアのことであり、平面の製造を行う2次元CADと、立体物の製造を行う3次元CADが存在します。
ものづくりにおいて、設計図が必要になる業務でCADオペレーターは活躍することができます。建築や機械製品、電気回路から電子部品などあらゆる業界で知識や経験を活かせる点が特徴です。
CADオペレーターが作成した製図は、顧客に対する営業で使われるだけでなく、製品を納品した後に修理や回収をする際、CADで作られた製図を参考にすることもあります。
各種設計における根幹と言っても過言ではなく、ものづくりの最先端の現場で働ける仕事です。
CADオペレーターに共通する仕事内容
CADオペレーターは様々な業界で活躍することができますが、共通する仕事内容として以下の4つが挙げられます。
- 関係者との打ち合わせ
- CADを使った設計図の作成
- 作成された図面の修正や調整
- CADデータの仕様書や説明書の作成
CADオペレーターの仕事のイメージを深めるためにも、これらの仕事内容をしっかりと認識しておきましょう。
1. 関係者との打ち合わせ
CADオペレーターは建築や製造における設計の部分を担う仕事です。
基本的に設計は誰かから依頼を受けて行う業務ですので、依頼主となる関係者やクライアントと打ち合わせをする機会が多い傾向にあります。
特にCADオペレーターは、図面をイメージ画像のようにCADで製造するといった仕事であり、言い換えれば依頼主が考えている製造したいもののイメージを具体的にする仕事とも言えます。そのため、依頼主がどういったものを作りたいと思っているのかについて、CADオペレーターがヒアリングや要件の定義をする機会も見られます。
他にも、CADオペレーターが直接依頼主と会話しないような会社の場合は、建築士や設計士など社内のプロジェクトメンバーと打ち合わせをすることになります。
依頼の趣旨を理解し、作業を進めていくといった仕事の流れになりますので、一定のコミュニケーション能力が求められる点もCADオペレーターの仕事の特徴と言えるでしょう。
2. CADを使った設計図の作成
CADオペレーターの主な業務と言えるのがCADを使った設計図の作成です。
CADソフトを使いこなすスキルだけでなく、設計図を読み解き、製図に落としていくといった専門的な技術が求められるため、知識の習得には一定の時間がかかると考えられます。
また、CADオペレーターの作った製図を元に、工場や建築現場などで手を動かすスタッフがものづくりを進めていくことになります。当然ながら製図にミスがあれば現場に大きな迷惑をかけるだけでなく、会社に対して損害を与えてしまうこともあるでしょう。
したがって、CADオペレーターの仕事は常に繊細な作業が求められるだけでなく、長時間集中できるような継続力も大切になってきます。
なお、会社や業界によって使うCADソフトの種類が異なってきますので、求人に応募する際は具体的にどういったCADソフトを使うのかも合わせてチェックするように意識してください。
3. 作成された図面の修正や調整
CADオペレーターが製造を最初から最後まで作るのではなく、設計士や建築士がCADソフトで作った図面をCADオペレーターが編集するといった業務も多くなってきています。
図面の修正や調整を行う際は、大元の製造を行った設計者と綿密に打ち合わせをして作業を進めていくため、的確で分かりやすいコミュニケーションを取れるかがキモになってきます。
設計者も自分の知見を発揮して製図を行ってますので、CADオペレーターがうまく意図が汲み取れないと、何度も何度も修正作業を行うことになりかねません。
また、1つの修正をするだけでも、その修正に紐付く形で複数の修正作業が発生することもあり、忍耐力が求められる業務でもあります。
4. CADデータの管理
CADオペレーターが作り上げた製造を管理しておくことも重要な仕事です。
基本的にCADオペレーターは依頼通りの製造を納品したら、その仕事は終了となります。しかし、製図をもとに製造をしていく工程において、もう一度CADの製図を見たいと言われることも少なくありません。
そうした依頼に対して即座に対応できるようにするためにも、CADデータを管理しておくことが重要になってきます。CADデータはパソコン上で保存することになりますが、誰が見てもすぐに分かるよう丁寧なフォルダ分けをしておくことが大切です。
また、CADデータを管理しておくだけでなく、図面の仕様書や説明書等のドキュメントを合わせて作ることもありますので覚えておきましょう。
CADオペレーターに必要なスキル
CADオペレーターに必要なスキルとしては、以下の6点が挙げられます。
- CADソフトの操作スキル
- コミュニケーション能力
- 想像力
- タスク管理能力
- 働く業界ごとの知識
- 論理的思考力
特にこれからCADオペレーターを目指していこうという人は、これらのスキルを自分が活かせそうか確認してみてください。
1. CADソフトの操作スキル
CADオペレーターとして最も求められるスキルがCADソフトの操作スキルです。CADソフトを使ってミスのない製図ができるかどうかは、CADオペレーターの能力そのものといって過言ではないでしょう。
図面を見てCADに起こしていく作業は、初めのうちは難しいと感じるかもしれませんが、CADソフトの使い方を一つ一つ覚えていくことができれば、未経験からでも業務を1人でこなしていくことが可能です。
ただし、航空業界や機械製品メーカーなどで使われる3DCADソフトになってくると、立体の製図を行わなければならないため、CADソフトのハイレベルな使い方を勉強する必要があるという点はあらかじめ認識しておいてください。
2. コミュニケーション能力
CADオペレーターはクライアントや社内の設計士・建築士などと頻繁にコミュニケーションを取る必要があります。上手くコミュニケーションが取れないと、作るべきCADの製図イメージを見誤ってしまい、何度も修正作業をすることになるかもしれません。
CADオペレーターとして求められるコミュニケーション能力は、相手の発言の意図を汲み取って咀嚼するといった「聞く力」です。自ら積極的に話しかけたり、プレゼンをするような能力はそこまで求められませんので、「聞く力」を意識して仕事に励んでいくことが大切です。
3. 想像力
CADオペレーターは、紙に書かれた設計図を具体的なイメージ図に落としていく仕事です。
完成図を頭の中でイメージしてから作業を進めていくことが求められるため、空間把握能力などの想像力が非常に大切になってきます。
また、仕事を進めていくと図面からでは読み取れないようなケースも考えられます。
そのような場合は、自身の想像力を活かして足りていない情報を推測し、CADで補完的に描いていくといったことも行います。
プラモデルや家具などの説明書を見て、1人で組み立てられるような想像力を持っている人は、CADオペレーターの仕事に向いていると考えられます。
4. タスク管理能力
CADオペレーターは複数の製図案件を並行して取り組むといった働き方になります。
案件一つ一つのタスクをしっかり管理するとともに、自分でスケジュールを組んで予定通りにCADデータを納品する必要がありますので、タスク管理能力がある事は必須です。
特に、製図案件はプロジェクト一つ一つで気をつけるべき特徴が大きく異なります。
自分なりのタスク管理方法を見つけ出し、効率的に仕事を進めることができれば、残業を少なくしてワークライフバランスを保った働き方もできるでしょう。
5. 働く業界ごとの知識
CADオペレーターは様々な業界で活躍できる反面、属する業界によって求められる前提知識が大きく変わってきます。
建築業界であれば建築法や建築に関する工程を知っておかなければなりませんし、福祉業界であれば医療や社会福祉の実情などの理解が必要です。これらの業界周りの知識を知っておいた方が、仕事をスムーズに効率的に進められます。
CADソフトを使いこなす知識だけでなく、働く業界の知識を自ら進んで習得できるような人であれば、より優れたCADオペレーターとして活躍できると考えられます。
業界知識についてはインターネットで調べるだけでなく、就職活動を進める際に就職エージェントなどのプロから教わるのもおすすめです。
6. 論理的思考力
CADオペレーターの業務として、設計した図面の仕様書や作業意図などを文章に書き起こすといったものもあります。後から誰が見てもわかるような文章を執筆するためにも、論理的思考力があることが重要です。
論理的思考力を鍛えることは、ビジネススキルを高めることと同義です。
したがって、CADオペレーターになったらCADソフトだけを使えれば良いわけではなく、一定のビジネススキルが重要になることも合わせて覚えておきましょう。
CADオペレーター向けの資格
1. 3次元CAD利用者技術試験
3次元CAD利用者技術者試験とは、3次元CADを使いこなす能力があることを証明できる資格です。既に解説している通り、3次元CADは航空業界や機械製品メーカーなど大型の機械を設計する際に主に用いられるソフトです。
一般的には2次元CADよりも3次元CADの方がスキルを習得するのが難しいと言われているため、この資格を取得することができれば就職においても有利になるでしょう。
3次元CAD利用者技術試験には3つの試験難易度が用意されており、試験自体は試験会場に置かれているテストマシンを使って回答していきます。試験はほぼ毎日開催されていますので、落ちてしまっても再受験しやすいといったメリットがあります。
合格率(目安) | ・2級:50% ・準1級:40% ・1級:20% |
目安勉強時間 | ・2級20時間 ・準1級:30時間 ・1級:50時間 |
2. 建築CAD検定試験
建築CAD検定試験とは、建築業界におけるCADのスキルを測る資格です。資格が作られてから30年を超える歴史があり、建築業界に就職する際に有利になることが期待できます。
難易度が4級から用意されている点が他の試験とは異なる特徴であり、4級の合格率が高いことから、CADを勉強していきたいのであれば、まず建築CAD認定試験の4級を目指してみるのもいいかもしれません。
試験は1年間で1回しか行われないため、もし受験機会があれば積極的に申し込むようにしましょう。
合格率(目安) | ・4級:90% ・3級:70% ・2級:60% ・准1級:10〜20% |
目安勉強時間 | ・4級:10〜20時間 ・3級:20時間 ・2級:20〜30時間 ・准1級:70〜100時間 |
3. CADデザインマスター認定試験
CADデザインマスター認定試験とは、日本デザインプランナー協会が主催している資格試験です。CADを使って様々な領域の図面をデザインできる力を証明できるため、資格を取得できれば幅広い業界で就職する際に役立てることができるでしょう。
試験は2ヶ月に1回のスパンで開催されていることに加え、受験申し込みから受験実施まですべて在宅で完結することから、試しに受験してみやすい点も特徴です。
合格率は30%とやや難しい資格ではありますが、きちんと勉強すれば充分合格できる範囲と言えます。
合格率(目安) | 30% |
目安勉強時間 | 50〜70時間 |
CADオペレーターが働く業界の種類
CADオペレーターは様々な業界で活躍できることを解説しましたが、具体的にCADオペレーターが働く業界としては、以下の7つが挙げられます。
- 建築業界
- 土木業界
- 機械製品メーカー業界
- インテリア業界
- 自動車メーカー業界
- 航空業界
- 福祉業界
それぞれ特徴が異なる業界で、CADオペレーターがどのように働くのかについて詳しく解説していきます。
1. 建築業界
建築業界では、建物の設計を行う工程でCADオペレーターが活躍することができます。
建築士がデザインを考え、紙で書いた設計図をCADオペレーターが2次元、もしくは3次元で製図として書き起こし、建物全体のイメージ図を作ります。
建築に関して詳しい知識を持っていない人だと、建築士の設計図だけではどんな建物ができるのかイメージがつきません。CADオペレーターが作った建物イメージ図を顧客に見せることで契約につながることもあり、非常に重要な役割といえます。
最近では建築士がCADを使って整理する現場も増えてきているため、CADオペレーターは建築士のCAD操作をサポートする業務も多くなっています。
建築業界でCADオペレーターとして活躍するには、CAD操作だけでなく建築業界における専門用語や建築知識などを知っておく必要があります。
業界平均年収:567万円
2. 土木業界
多くの人の生活インフラを支える土木業界においても、CADオペレーターは活躍することが可能です。道路や河川、トンネルなどの土木インフラ工事を行う際に、CADオペレーターがあらかじめCADで設計を制作します。
土木工事といっても、以下のように様々な種類が存在しますので、土木業界を目指すのであれば合わせて覚えておきましょう。
- 道路工事
- 河川工事
- 海岸工事
- ダム建設工事
- 橋梁・高架橋工事
- トンネル工事
- 空港建設工事
- 土地区画整理工事
- 公道下の下水道工事
- 農業土木工事
- 森林土木工事
- 砂防工事
土木工事はいずれも大きなお金が動くだけでなく、設計上1ミリのミスも許されません。したがって、CADオペレーターの作る製図が工事を進めていく上での要ともいえます。
業界平均年収:417万円
3. 機械製品メーカー業界
大型機械やスマートフォンなど様々な機械製品の設計においても、CADオペレーターが活躍します。パソコンを使って製図を行ったあとは、金型設計や大量生産など後の工程の人たちが仕事をすることになります。
機械の設計工程を担う仕事ですので、自分の携わった機械が世に出ると言うやりがいを感じられるといった特徴もあります。
また、機械製品メーカーで働くCADオペレーターは、3DCADを使うことが一般的です。
2次元で書かれている設計図を読み解き、CADを使って立体的なイメージ図を作り出す一連の流れは、ものづくりが好きな人にとっては魅力的な仕事と言えるでしょう。
業界平均年収:454万円
4. インテリア業界
インテリア業界においてもCADオペレーターが活躍する場面が多くあります。
例えば、インテリアのデザインを行うような仕事の場合、公共施設や商業店舗などの室内空間をデザインすることになりますが、あらかじめクライアントの要望を聞き、3DCADでデザインイメージを作ることも多くあります。
また、インテリアを用いて室内をコーディネートするような業務においても、CADオペレーターが活躍できます。インテリアコーディネーターが作った設計図をもとにCADソフトで製造をしていくため、チームワークを生かして働くことができる点も特徴です。
業界平均年収:400〜450万円
5. 自動車メーカー業界
自動車の製造に関わるようなメーカーにおいても、CADオペレーターが活躍しています。
自動車は多くの部品によって成り立っており、その部品一つ一つの設計図を作るためにCADオペレーターが製図業務を担っています。
自動車はCADオペレーターが製図して作られた部品をパズルのように組み立てて、最終的に売り物として販売されていきます。当然ながら、CADオペレーターが作る製図が少しでも間違っていれば商品として販売することができなくなりますので、重要な役割と言えるでしょう。
このように、CADオペレーターは私たちの生活に根ざした製品を作っているという意味でも、大切な仕事と言えます。
業界平均年収:631万円
6. 航空業界
自動車だけでなく、飛行機などの航空業界においてもCADオペレーターが働いています。
飛行機を組み立てる部品一つ一つの製図をCADオペレーターが担っており、自分が携わった製品が空を飛んでいるといった実感を得やすい点が特徴です。
なお、航空業界で働くCADオペレーターが用いるCADは「ハイエンドCAD」であることが多く、他の業界で働くCADオペレーターのスキルよりも高いものが求められる傾向にあります。
航空業界のCADオペレーターとして就職を目指すのであれば、他業界で実務経験を積んだり、CADに関する資格を取得した上で求人に応募するのがおすすめです。
業界平均年収:360万円
7. 福祉業界
福祉業界においては、主にバリアフリー住宅を建設するに当たって、CADオペレーターが経験を活かす場面が見られます。建築業界と異なり、既に住んでいる人がいる住宅をバリアフリー向けにリフォームする際にCADで製図を行います。
日本は少子高齢化社会であり、これからも高齢者が増え続けることが予想されています。
バリアフリー住宅への対応もニーズが増えていくことが考えられますので、福祉業界でCADオペレーターとして働くことも1つの選択肢と言えるでしょう。
なお、福祉業界でCADオペレーターとして働く場合は、CADの知識はもちろん、医療や介護福祉など幅広い知識が求められる傾向にあります。就職後も知識のインプットを欠かさないような人に特におすすめできる業界といえます。
業界平均年収:370万円
CADオペレーターになる方法
これからCADオペレーターになりたい人は、以下の方法を試してみることをおすすめします。
- CADとは何か勉強してみる
- コミュニケーション能力を磨く
- 業界のビジネスモデルを調べる
特に最近CADオペレーターといった仕事があることを知って興味を持っている人は、これらの方法を念頭に置いた上で、就職するか検討してみてください。
1. CADとは何か勉強してみる
最近CADオペレーターに興味を持ったのであれば、まずはCADとはどういったソフトなのかを勉強してみることがおすすめです。
CADソフトを使ってできる図面のイメージであったり、実際のCADの操作画面などを動画配信サイトで見てみるだけでも十分に意味があるといえます。
加えて、CADを使ってどういった仕事が行われているかも具体的にイメージをしていきましょう。CADオペレーターが活躍できる業界や、CADオペレーターの仕事内容を詳しく調べることで、自分が本当にCADオペレーターになりたいのかを自問自答するところから始めてみてください。
2. コミュニケーション能力を磨く
CADオペレーターは技術職の1つとなりますので、CAD操作のスキルを身に付けていくことが仕事で活躍する上で最も重要です。しかし、CADの技術と同じくらい重要になってくるスキルがコミュニケーション能力です。
すでに解説した通り、CADオペレーターは設計者や建築士といった設計をつかさどる人と、綿密に打ち合わせをしながら仕事を進めていきます。
CADのスキルがあってもコミュニケーション能力がなければ、CADオペレーターとして評価される事が難しくなってしまうため、今のうちからコミュニケーション能力を磨いておきましょう。
プライベートで中々コミュニケーションを取る機会が少ないという人は、例えば就職エージェントを活用し、担当のエージェントとキャリアカウンセリングや就職活動の相談を経て、対話能力を高めていくのもいいかもしれません。
3. 業界のビジネスモデルを調べる
CADオペレーターを目指すのであれば、CADオペレーターの仕事を詳しく理解することに加えて、就職したいと思っている業界を決め、興味のある業界のビジネスモデルを調べることも重要になってきます。
CADオペレーターとしての仕事はどの業界でも基本的には同じですが、業界ごとでCADオペレーターの立場が変わったり、稼げる収入額や働き方が大きく変化します。
業界のビジネスモデルを調べることで、就職活動における自己アピールに繋げられるようになるだけでなく、就職後にネガティブなギャップを感じにくくなります。長期的に腰を据えて働ける職場を見つけやすくするためにも、求人応募前に必ず行っておきましょう。
なお、自分1人で業界のビジネスモデルを調べることに自信がない人は、就職エージェントにアドバイスを求めるのもおすすめです。
CADオペレーターに向いてる人の特徴
CADオペレーターに向いてる人の特徴としては、以下の5点が挙げられます。
- ものづくりに携わりたい人
- 地道にコツコツと作業に取り組める人
- 相手の発言意図を汲み取るのが得意な人
- 自己管理能力が高い人
- モノの構造に興味がある人
CADオペレーターになりたいと考えている人は、これらの特徴に当てはまるかどうかを確認してみるのがおすすめです。それぞれの特徴について解説していきます。
1. ものづくりに携わりたい人
CADオペレーターの仕事は、ものづくり現場の最前線の仕事とも言えます。
そのため、建築物でも機械製品でもインテリアでも何でも構いませんので、何らかのものづくりに携わりたいと考えている人はCADオペレーターに向いています。
ものづくり系の仕事の1番の醍醐味としては、自分が携わったものが目に見える製品となり、実際にその製品を利用する人を目にできるという点です。
特に住宅などの建築業界であれば、今後数十年に渡って使われる「家」のものづくりに携わることができ、やりがいを強く感じられるでしょう。
2. 地道にコツコツと作業に取り組める人
CADオペレーターの業務は決して派手なものではありません。
パソコンと向き合って設計図と画面を見比べながら、もくもくと作業を進めていくといった仕事です。したがって、地道にコツコツと作業に取り組める人にCADオペレーターの仕事は向いています。
プロジェクトによっては、長い期間同じ製図に取り組み続けることも珍しくありません。
1つの物事に継続的に取り組んだ経験があるような人は、面接の際に具体的なエピソードとともに自己アピールしてみることで、魅力的な人材であることをアピールできるでしょう。
3. 相手の発言意図を汲み取るのが得意な人
CADオペレーターは、クライアントや社内の設計士から依頼を受けて仕事がスタートします。
依頼を受ける際に相手の発言意図を汲み取ることができないと、間違った方向で業務を進めてしまい、後々修正のラリーが増えてしまうこともあるでしょう。
このことから、相手の発言意図を汲み取り、自分なりに解釈するといった一連の流れが得意な人にCADオペレーターは向いていると言えます。
言い換えれば、「コミュニケーション能力が高い人」であり、業務に必要な会話を適切に行うことが求められます。
面接の際は面接官の質問意図を考えながら答えることで、CADオペレーターとして求められるようなコミュニケーション能力があるかをアピールしていきましょう。
4. 自己管理能力が高い人
CADオペレーターは複数の案件を並行して取り組むことになります。
スケジュールやタスクを自分なりに管理し、納期通りに仕事を進めていく必要がありますので、自己管理能力が高い人ほど活躍できると考えられます。
特に、CADオペレーターの業務が遅れてしまうと、それ以降の工事や製造の工程スケジュールを大幅に遅らせてしまいます。したがって、CADオペレーターは非常に責任が重い仕事と言えます。
やるべきことを後回しにしたり、タスクを自分で管理できないような人がCADオペレーターになると、目の前の仕事にてんやわんやになってしまうこともあるでしょう。
5. モノの構造に興味がある人
CADを使って製図をするという事は、設計図を読み解き、構造を考え、画面上でものづくりを行うこととも捉えられます。日頃からガジェット製品が好きで、製品の構造に興味を持ってるような人は、CADオペレーターの業務を楽しんで取り組めると考えられます。
反対に、モノの仕組みや構造に対して特に興味を抱くことができない人は、CADオペレーターとして就職しても業務を退屈に感じてしまうかもしれません。
製品や建造物など、あらゆるモノの中身が気になるような人は、CADオペレーターへの就職を検討してみるのがおすすめです。
CADオペレーターに向いている人について以下の記事で詳しく解説しています。
未経験からCADオペレーターを目指すには
手に職をつけられるだけでなく、ものづくりの最先端で活躍できるといった魅力のあるCADオペレーターに、未経験から就職してみたいと考える人も少なくないでしょう。
未経験からCADオペレーターを目指すためには、以下のポイントを意識することが大切です。
- 資格を取得する
- 未経験から募集している求人に応募する
- 就職エージェントを活用する
これらのポイントを意識して就職活動をすることで、実務経験や社会人経験がない人でもCADオペレーターとして正社員就職できるかもしれません。
それぞれ詳しく解説します。
1. 資格を取得する
CADオペレーターとして働くために必須となる資格はありません。
ただ、未経験からCADオペレーターを目指すのであれば、この記事で取り上げた資格を始め、CADに関する資格を取得しておくことがおすすめです。
資格を取得することで、就職前にCADの知識をある程度習得しておけるだけでなく、面接の際の自己アピールに活かすこともできるため、未経験からCADオペレーターになれる可能性を大幅に上げることができるでしょう。
取得する資格はできれば2級以上のものが望ましいですが、資格勉強に時間をかけすぎて就職が遅れてしまうことも避けるべきですので、自分が取得できそうなレベルの資格を目指すように検討してみてください。
2. 未経験から募集している求人に応募する
未経験からCADオペレーターを目指すのであれば、未経験者を募集しているCADオペレーターの求人に応募することを徹底しましょう。
求人サイトではしばしば「未経験歓迎」と書かれている求人があります。
これは、文字通り実務経験がない人でも内定を出せるポジションであることを示すものですので、未経験者は積極的に応募していきましょう。
反対に、未経験者歓迎と書かれていない求人は、基本的にその仕事の経験者を募集している求人です。未経験者でも経験者向けの求人に応募する事は可能ですが、当然ながら経験者の方が選考に通過する可能性が高いため、書類選考にすら通過することも難しいと考えられます。
求人サイトによっては未経験者歓迎の求人だけを表示する検索機能もありますので、未経験者歓迎のCADオペレーターの求人を中心に比較検討するようにしてください。
3. 就職エージェントを活用する
未経験者が少しでもCADオペレーターへの就職成功率を高めたいのであれば、就職エージェントを活用することをおすすめします。
就職エージェントを活用することで、自分専任のアドバイザーから就職活動の全ての工程においてサポートを受けることが可能です。
具体的には以下のようなアドバイスやサポートを受けつつ、就職活動を進められるようになります。
- キャリアカウンセリング
- 自己分析や業界研究のやり方のレクチャー
- 履歴書や職務経歴書の添削
- 自分の希望や経験にマッチしているCADオペレーター求人の紹介
- 企業との面接調整の代行
- 模擬面接の実施
- 面接実施後のフィードバック
このように幅広いサポートを受けられるため、正社員を目指すことが初めてという人でも安心して就職活動を進めていくことが可能になります。
就職エージェントには様々なサービスがありますので、自分の状況に合った就職エージェントを見つけたらまずは登録してみることがおすすめです。
また、就職エージェントは登録から利用まで全て無料でサービスが利用できるため、上手く就職エージェントを活用して理想の就職を叶えましょう。
未経験からCADオペレーターになる方法について以下の記事で詳しく解説しています。
CADオペレーターのキャリアパス
CADオペレーターとして経験を積むことで、次のようなキャリアパスを歩めるようになります。
- 建築士
- 別業界のCADオペレーターに転職
- 独立して設計事務所を開業する
これらの将来性も理解し、CADオペレーターという仕事の認識を深めていきましょう。
1. 建築士
建築士とは、住宅や商業施設を始めとした建築を行う際の、設計や工事の管理などを行う仕事です。建築士がいないと建築物は建てられないことから、建築業界の中でも非常に重要な役割を担っているといえます。
CADオペレーターは建築士と業務でやり取りをしていますので、建築士がどういう仕事をしているのかを大まかに理解することができているはずです。したがって、CADオペレーターから建築士になるキャリアパスを歩むことができれば、スムーズに業務を進めていけると考えられます。
ただし建築士は「1級建築士」や「2級建築士」などの国家資格を取得しないと、仕事をすることができないといった特徴があります。
CADオペレーターから建築士を目指すのであれば、まずは建築士の資格試験を突破することを考える必要がある点は認識しておいてください。
2. 別業界のCADオペレーターに転職
CADオペレーターの経験を活かし、別業界のCADオペレーターに転職するといったキャリアパスも考えられます。実際にCADに触れ、製図の経験を積んでいくと、これまでとは違う製図に携わりたいなどの希望が出てくることもあるでしょう。
また、取り組む製図の種類だけでなく、シンプルにもっと年収を上げたいと考えるケースもあるかもしれません。そういった場合は、別業界のCADオペレーターの求人に応募し、キャリアアップの形で転職をすることが考えられます。
別業界のCADオペレーターに転職する際は、今の職場でどのような製図を作ってきたのかをポートフォリオなどでアピールする必要があります。
実務経験の成果を簡潔に面接官に伝える必要がありますので、就職エージェントなどと模擬面接をした上で面接に臨むことがポイントになってきます。
3. 独立して設計事務所を開業する
CADオペレーターの仕事に慣れ、クライアントとも直接会話できるレベルのスキルを身に付けることができたら、独立して設計事務所を開業するといったキャリアパスも考えられます。
独立することで自分の好きなようにビジネスを展開していけるようになり、仕事にさらなるやりがいを感じられるようになるかもしれません。
ただし、CADオペレーターの経験しかないと独立しても仕事を取ってくることは難しいのが現実です。
開業をする場合は、案件を取ってくる営業スキルであったり、CADによる製図以外のコンサルティング能力や、設計に関する高い知識が求められますので、あらかじめ理解しておいてください。
CADオペレーターの一日のスケジュール
CADオペレーターの1日のスケジュール例は、以下のようになっています。
- 9:00 出社、メールチェック
- 9:30 朝会
- 10:00 CADソフトを使って図面を作成する
- 12:00 昼休憩
- 13:00 社内の会議
- 14:00 クライアントとの打ち合わせ
- 15:00 CADソフトを使って図面を作成する
- 16:00 図面のレビュー
- 17:00 図面の修正
- 18:00 退社
会社や業界によってスケジュールは大きく変わってきますが、CADオペレーターの働き方をより具体的にイメージするためにも、それぞれのスケジュールを大まかに理解しておいてください。
9:00 出社、メールチェック
出社したらまずはメールをチェックします。
社内外の関係者から、自分が提出した製図の修正依頼メールが来ていたり、新たな案件の依頼メールが来ていることがありますので、必要に応じて返信をします。
9:30 朝会
社員が集まってきたら朝会が始まります。
朝会では今日の1日のスケジュールの流れを確認したり、業務における重要な伝達事項が共有されますので、真剣に臨むように心がけましょう。
また、CADオペレーターとして何か部署に共有しておくことがある場合は、自らが発言することもあります。
10:00 CADソフトを使って図面を作成する
朝会が終わったら、CADオペレーターとしてメイン業務となるCADを使った図面の作成を進めていきます。
前日や朝に組んでおいた今日やるべきタスクを終了させられるよう、集中してCADソフトと向き合っていきます。
12:00 昼休憩
お昼になったら昼休憩です。自分の作業の進捗次第では12時ぴったりにお昼を取らないケースも少なくありません。
お昼は近場の定食屋に行ったり、自席でお弁当を食べたりするなど、比較的自由に選択することができる傾向が見られます。
13:00 社内の会議
午後は社内の会議が入ることも珍しくありません。建築士や設計士などから案件に対する依頼を受け、新たな作業が発生することもあります。
また、午後にクライアントとの打ち合わせが入っている場合は、打ち合わせ前のミーティングがセットされることもあります。
14:00 クライアントとの打ち合わせ
クライアントとなる依頼者との打ち合わせに同席します。
打ち合わせは基本的に社内の営業担当や建築士等が発言することになりますが、状況によってはCADオペレーターも意見を求められることがありますので、自分の意見や考えをまとめながら打ち合わせに参加します。
15:00 CADソフトを使って図面を作成する
打ち合わせや会議が終わり次第、製図の作業を再開します。
作業を進めていて少しでもわからないことがあった場合は、その場で営業や建築士に質問をすることも少なくありません。
16:00 図面のレビュー
午前、午後と製図を進めて、ある程度完成したら図面のレビューをしてもらいます。
レビュー上問題なければ無事に納品となりますが、修正点が発生した場合は、残った時間や翌日に業務が持ち越しとなります。
レビューを受ける際は、指摘内容がどういったものであるかをしっかりと認識しておくことが大切になります。
17:00 図面の修正
修正点をもらった図面を修正していきます。
この時、修正指示をできるだけ明確にできておくと作業をスムーズに進められますので、日ごろからコミュニケーションを積極的に行っていくことを意識しておくと良いでしょう。
18:00 退社
定時になったら退社します。CADオペレーターの場合は納期が区切られている仕事が多いため、仕事の進捗次第では残業を行うことも珍しくありません。
具体的に残業時間がどれぐらいになるかは、会社によって大きく異なります。あまり残業したくない人は、求人票で平均残業時間をチェックしておくことを忘れないでください。
CADオペレーターの仕事のやりがい
CADオペレーターの仕事のやりがいとしては、以下の3点が挙げられます。
- 成果が目に見える
- 自分の成長が実感しやすい
- 複雑な図面を描けた時の達成感
これらのやりがいを魅力に感じる人は、CADオペレーターの仕事に就職することを前向きに検討してみると良いでしょう。
1. 成果が目に見える
CADオペレーターが行う製図はものづくりそのものと言えます。自分が携わった仕事が「製図」という形で目に見えるため、やりがいを感じやすい仕事です。
また、自分の製図によって作られた建造物や製品などを目の当たりにすることもでき、自身の仕事がどういった成果に繋がっているのかを実感しやすい点も、CADオペレーターならではのやりがいの1つと言えるでしょう。
2. 自分の成長が実感しやすい
CADの技術を習得していくことで、今まではできなかったような複雑な図面も製図していけるようになります。特に2次元CADしか今までできなかった人が3次元CADも使えるようになれば、自らの成長を実感してやりがいを感じることもあるでしょう。
また、CADを使った製図は、技術を身に付けることで効率的に業務をこなしていける点も特徴です。同じ業務時間で今まで以上の作業量をこなすことができるようになれば、成長を実感できるだけでなく、プライベートも充実させられるようになります。
3. 複雑な図面を描けた時の達成感
特に航空業界や大型の機械製品に携わるCADオペレーターの場合、複雑な図面と向き合うことも少なくありません。製図に苦労することもあると思いますが、複雑な図面を描けた時の達成感は大きなやりがいに繋がると考えられます。
難しい壁に挑戦して乗り越えることにやりがいを感じるという人は、CADオペレーターの仕事にもやりがいを感じられるはずです。
CADオペレーターに就いて良かった人の声
CADオペレーターに就いて良かったという人の声としては、以下のようなものが挙げられます。
- 自分が携わって完成した建物を目で見れる
- 人に感謝されることが多い
- 未経験からでも就職しやすかった
せっかく就職できても、悪いギャップを感じてしまえば短期離職に繋がることになります。
これらの良い声を参考にして、CADオペレーターに就職するか検討してみましょう。
1. 自分が携わって完成した建物を目で見れる
CADオペレーターの業務上、仕事の大半はパソコンと図面を見続けることになります。そうして作りあげた図面が実際に形になっているのを見た時、CADオペレーターに就職して良かったと感じる人が多いです。
大きな建物から航空機、多くの人が日常的に使う機械製品など、図面でしか目にしてなかったものを人が実際に利用している様子を見れば、社会貢献価値の高さも感じられ、CADオペレーターの仕事に誇りを持って働けることでしょう。
2. 人に感謝されることが多い
繰り返しになりますが、CADオペレーターの仕事は社内外問わず誰かから依頼を受けて行うものです。誰かができないことをサポートするような仕事とも言えますので、働いていると多くの人に感謝される機会が多いことに気づくでしょう。
仕事をしていて人に感謝をされることが多いことは、その仕事について良かったと感じる主な要因となります。人に感謝されることで自己肯定感のアップも期待でき、給与や働き方では表せないような精神的な安全性を保ちながら、日々生活していけるかもしれません。
3. 未経験からでも就職しやすかった
CADソフトの操作といった技術力が求められる仕事ではありますが、現在はCADオペレーターと未経験歓迎で募集する求人が増えてきています。
会社によっては未経験者向けのCADオペレーター研修を設けていることもありますので、未経験からでも正社員として就職しやすかったという声も見られます。
CADオペレーターが活躍する建築業界や土木業界などは、常に人手不足が嘆かれています。そのため、実務経験がないだけでなく社会人経験がない人でもCADオペレーターとして就職できる可能性があります。
実際に、ハローワークの職業訓練ではCADオペレーターの養成コースがありますので、失業していても就職できる仕事といえるでしょう。
もちろん未経験者の全員がCADオペレーターになれるわけではありません。
CADオペレーターに求められる素質を自己アピールしたり、CADに関する基本知識を学んだ上で就職活動を進めるようにしてください。
CADオペレーターになるメリット
オペレーターになるメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
- 様々な業界で活躍できる
- デスクワーク中心で働ける
- 将来的に独立することも可能
これらのメリットを魅力的に感じるような人であれば、CADオペレーターに就職することが特におすすめできます。それぞれ詳しく解説します。
1. 様々な業界で活躍できる
記事の冒頭で解説した通り、CADオペレーターは様々な業界で活躍することができます。
一度就職して別のものづくりに携わりたいと考えても、経験を活かして業界をシフトする形で転職しやすいというのは大きなメリットと言えます。
加えて、業界ごとで平均年収が大きく変わってくることから、将来的にもっと年収を増やしていきたいなどのキャリアアップ思考が強くなった時に転職しやすいというメリットも挙げられます。
将来的に様々なキャリアパスの選択肢を持てるというだけでも、安心して長く働けるでしょう。
2. デスクワーク中心で働ける
通常、ものづくり系の現場仕事は工事現場や工場などで肉体労働として働くことがほとんどです。しかし、CADオペレーターの仕事はパソコンの前に座ってデスクワーク中心で働けるため、肉体的な負担がほぼ無くものづくりに携われるといったメリットがあります。
打ち合わせもオンラインで行われることが多く、働いていて肉体的にきついと感じる事は少ないはずです。
ただし、納期に追われたり、技術力を身に付けていかなければならなかったりなど、精神的に一定のストレスがかかる点は合わせて認識しておきましょう。
3. 将来的に独立することも可能
CADオペレーターの経験を積むことをきっかけにして、将来的に独立することも可能です。
自分の好きな業界の案件を獲得し、自分の好きな時間で働くことができるため、非常に自由度の高い働き方を実現できることも大きなメリットといえます。
また、独立に関連して、本業を行いながらCADオペレーターとして副業に取り組めるという点もメリットです。本業の収入を安定的に稼ぎながら、副業でさらに収入アップしていくことが期待できますので、経済的に余裕のある生活を実現しやすいでしょう。
CADオペレーターになるデメリット
反対に、CADオペレーターになるデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
- 納期に追われて働くことが多い
- 技術職だが平均年収はそこまで高くない
- 残業が多い会社が少なくない
CADオペレーターに限らず、就職を目指す際はその仕事のメリットだけでなく、デメリットも合わせて認識しておくようにしましょう。それぞれ詳しく解説します。
1. 納期に追われて働くことが多い
CADオペレーターは誰かに依頼を受けて働くという関係上、仕事の全てに納期が設けられています。加えて複数の案件を同時にこなしていく必要があるため、常に納期に追われて働くといったことも珍しくありません。
人によっては納期や締め切りに追われる状況をストレスに感じてしまうこともありますので、デメリットの1つとして挙げられます。
やるべき事を後回しにしたり、いつも締め切りギリギリで行動するような人だと、CADオペレーターの仕事を苦痛に感じてしまうことがありますので、よく認識しておいてください。
2. 技術職だが平均年収はそこまで高くない
CADオペレーターは技術職の1つですが、技術職にしては平均年収がそこまで高くないといったデメリットもあります。CADオペレーターの平均年収は約400万円とされており、会社員全体の平均年収よりも低めの傾向が見られます。
もちろん、就職する会社の業界や規模によって年収は大きく変わってきますが、CADオペレーターの昇給幅もそこまで大きいものではありませんので、将来的に収入の低さに悩んでしまうことも考えられます。
ただ、メリットのところで解説した通り、CADオペレーターの案件を副業で獲得して収入を増やしていくといった方法もありますので、やり方によっては平均年収の低さが気にならないこともあるでしょう。
3. 残業が多い会社が少なくない
CADオペレーターは納期通りに製図を納品しなければなりません。
もし納期の短い案件をたくさん受けてしまうと、残業時間が増えたり休日出勤が増えたりすることも少なくありません。
会社によっては月の平均残業時間が長いといった口コミも見られますので、長時間労働を強いられる会社があるということもデメリットの1つと言えます。
もし残業の少ない会社に就職したいのであれば、求人票の平均残業時間を必ずチェックすることをおすすめします。
気になる会社の求人票に平均残業時間が記載されていない場合は、就職口コミサイトなどをチェックし、どれくらいの残業が発生する会社なのかをあらかじめ確認しておくことが大切です。
CADオペレーターの求人選び
これからCADオペレーターになるために就職活動していくのであれば、以下の観点をもとに求人選びをしていきましょう。
- どの業界で働きたいと思っているか言語化する
- 自分の経験を存分に活かせる会社が確認する
- 就職エージェントを利用して希望にマッチする求人を見つける
これらのポイントを意識して求人を選ぶことで、自分にフィットした会社でCADオペレーターとして働くことができるようになるはずです。それぞれ詳しく解説します。
1. どの業界で働きたいと思っているか言語化する
CADオペレーターは様々な業界で活躍できる反面、業界ごとに働き方や細かい仕事内容が変わってきます。そのため、まずはどの業界で働きたいと思っているのか言語化するようにしてください。
業界ごとの特色を理解するだけでなく、自分がCADオペレーターとして製図してみたいものは何なのかを考えることが大切です。
自分が就職先に何を求めているのかを理解するためには、自己分析をすることがおすすめです。
自己分析とは、今までの経験を棚卸しし、自分の強みと弱みを言語化することで、自分自身を誰よりも深く理解する分析のことを言います。
2. 自分の経験を存分に活かせる会社が確認する
自分が気になる業界を特定できても、会社によって社風や求める素質が変わってきます。
自分にマッチした会社かどうかを確認するためにも、自身の経験が存分に活かせる就職先かしっかりと見極めることが重要です。
企業ごとの特色を理解し、自分の考えにマッチしているかを理解するためには、企業研究を行います。企業研究とは求人票や企業のホームページ、就職口コミサイトなどを網羅的にチェックし、その会社で働くイメージを具体的にすることを言います。
3. 就職エージェントを利用して希望にマッチする求人を見つける
自分にマッチした求人募集企業から効率良く内定を獲得したい人は、就職エージェントの利用も検討してみてください。就職エージェントで受けられるキャリアカウンセリングを活用し、自分の希望条件を棚卸ししましょう。
自分の希望条件が明確に分かったら、就職エージェントがその条件にフィットする求人を自動的に紹介してくれるようになります。厳選された求人の中から比較検討をすることができますので、就職活動にかかる期間を大幅に短縮することも可能です。
就職エージェントは第二新卒向けやキャリアアップ向けなど、それぞれサービスの強みが異なってくるため、今の自分の状況にマッチしている就職エージェントを利用することがおすすめです。
CADオペレーター志望者から「よくある質問」
最後に、CADオペレーターを目指す人からよくある質問を3点抜粋し、回答とともに解説していきます。
未経験からでもCADオペレーターになれる?
未経験からでもCADオペレーターになることは可能です。実際に多くの求人サイトや就職エージェントで未経験者を募集するCADオペレーターの求人が見られます。
未経験からCADオペレーターを目指すのであれば、この記事で解説したようなCADオペレーターに求められる素質があることを具体的なエピソードとともに面接でアピールしていく必要があります。
就職エージェントやハローワークで模擬面接を行い、効果的に自分のポテンシャルをアピールすることができれば、未経験から正社員としてCADオペレーターになれるでしょう。
未経験からCADオペレーターになる方法について詳しく知りたい方は以下の記事もご参考ください。
CADオペレーターってきつい?
CADオペレーターに肉体的な差は少ないと考えられますが、納期に追われたり、技術を習得しなければならなかったりする点が精神的にきついと感じる人もいます。
ただ、ものづくりが好きであったり、地道でコツコツした作業が好きなような人はCADオペレーターの仕事をきついと感じにくいと考えられます。
この記事で解説したようなCADオペレーターに向いている人の特徴を満たしているか、改めて確認した上で就職を検討してみましょう。
CADオペレーターがきつい理由について以下の記事で詳しく解説しています。
CADオペレーターを辞めたいと思う理由は?
CADオペレーターを辞めたいと思う理由として多く挙げられるのが給料の低さです。
会社員全体の平均年収よりも低い傾向にあるため、年収を上げたいのであれば専門的なCADスキルを身に付けていく必要があります。
他には、残業時間の多さも挙げられます。残業時間は会社によって大きくばらつきがありますので、求人票や就職エージェントのアドバイスをもとにしっかりとチェックしておくことをおすすめします。
CADオペレーターをやめとけと言われる理由について以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
CADオペレーターはCADソフトを使ってものづくりの最前線で活躍できる仕事です。
自分の手がけたものや建造物を目の当たりにすることができるといったやりがいがあるだけでなく、スキルを身に付けて独立できるという点も魅力的なポイントと言えるでしょう。
一方で平均年収が低めであったり、残業時間が多いなどのデメリットも挙げられるため、今一度働き方のイメージを具体的にした上で、CADオペレーターを目指すのか考えるようにしてください。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい