CADオペレーターはきつい仕事と聞くものの、具体的にどういった理由できついと言われているのか知らない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、CADオペレーターがきついと言われている理由を9つの観点から解説していきます。これからCADオペレーターを目指して就職活動をしていきたいと考えている人は、記事の内容を参考にしてみてください。
- CADソフトの習得に時間がかかる
操作を完全に覚えるまで独り立ちができず、精神的にも家計的にもきつい - クライアントワークで自由が少ない
クライアントから依頼を受けて、業務を進めていくうえでのきつさ - 繊細な仕事を常に求められる
製図の精度が厳密で、働く前のイメージとのギャップも - 会社によってはルーティンワークが多くなる場合がある
CADオペレーターがクライアントとの直接連絡を取らない会社も - 就職後も勉強をし続ける必要がある
学ぶことが苦手な人は日々の勉強がきついと感じることも - 様々な立場の人とやり取りが必要
相対している相手に合わせてコミュニケーションを取る必要も - 未経験からの就職だと年収が低め
会社によっては未経験からだと家計がきつくなることも - デスクワークで身体もきつい
デスクワークは身体を酷使しているし、運動不足にもなりやすい - キャリアパスの幅が狭い
CADオペレーターの将来性に不安を感じている人も少なくない
この記事の目次
CADオペレーターがきついと言われる理由
CADオペレーターがきついと言われる理由は、技術の習得に時間がかかることや繊細な仕事が求められることがあげられます。CADオペレーターの実情を知った上で、就職を目指すか検討してみてください。
- CADソフトの習得に時間がかかる
操作を完全に覚えるまで独り立ちができず、精神的にも家計的にもきつい - クライアントワークで自由が少ない
クライアントから依頼を受けて、業務を進めていくうえでのきつさ - 繊細な仕事を常に求められる
製図の精度が厳密で、働く前のイメージとのギャップも - 会社によってはルーティンワークが多くなる場合がある
CADオペレーターがクライアントとの直接連絡を取らない会社も - 就職後も勉強をし続ける必要がある
学ぶことが苦手な人は日々の勉強がきついと感じることも - 様々な立場の人とやり取りが必要
相対している相手に合わせてコミュニケーションを取る必要も - 未経験からの就職だと年収が低め
会社によっては未経験からだと家計がきつくなることも - デスクワークで身体もきつい
デスクワークは身体を酷使しているし、運動不足にもなりやすい - キャリアパスの幅が狭い
CADオペレーターの将来性に不安を感じている人も少なくない
1. CADソフトの習得に時間がかかる
CADオペレーターとして働く上で、CADソフトを使いこなすことは必要不可欠です。ただ、CADソフトを使いこなすにはある程度の時間がかかります。
操作を完全に覚えるまで独り立ちができないため、なかなか実務経験を積んでいる実感が得づらいことをきついと感じる人も多いです。
また、会社によってはCADソフトの取得期間がまるまる研修期間と設定されてることもあります。研修期間は基本的に給料が下がりますので、給料で一定期間働き続けなければならないといった点も、家計的にきついと感じるかもしれません。
2. クライアントワークで自由が少ない
CADオペレーターはクライアントから依頼を受けて、業務を進めていくといったクライアントワークの仕事です。自分でクリエイティビティを発揮して、好きなCADデザインを作れるという仕事ではありませんので、自由の少なさを感じることでしょう。
また、クライアントの指示に従って修正対応を何度も行うことがあり、答えのない中で作業を進めていかなければならないというきつさもあります。
3. 繊細な仕事を常に求められる
CADオペレーターが作ることになる製図は1ミリのミスも許されません。もし1ミリでも図面がずれていれば工事に大きな影響を与えるだけでなく、最悪の場合会社に損害を与えることも考えられます。
そのため、仕事では常に繊細な仕事を求められる点がきついと感じるCADオペレーターも少なくないのが実態です。
また、細かな点ばかりに気を取られ、就職前に描いていたようなキラキラとした働き方ができずに悩んでしまうことも考えられます。
4. 会社によってはルーティンワークが多くなる場合がある
CADオペレーターは、クライアントと直接やりとりをして製図のイメージを考えていくといった業務があります。
しかし、会社によってはクライアントと直接やりとりをするのは設計士や営業となっているケースもあります。その場合、CADオペレーターは社内のメンバーからの指示を受けてしか作業ができません。
指示i通りにCADを操作して図面を作るだけの業務は、人によってはルーティンワークと感じることもあり、仕事にすぐに飽きてしまうことが考えられます。
同じような仕事を永遠とやり続けることにきつさを感じ、CADオペレーターを退職する人は少なくありません。
5. 就職後も勉強をし続ける必要がある
CADオペレーターとして就職した後は勉強をし続ける必要があります。
未経験者であればCADソフトの使い方を学ぶ必要がありますし、経験者であっても自分が属している業界のビジネスモデルや専門用語を学ぶことが求められます。
基本的にCADオペレーターとしての勉強は、「自己研鑽」という名目で仕事や休日に学んでいく必要があります。学ぶことが苦手な人がCADオペレーターになると、日々の勉強がきついと感じることもあるでしょう。
6. 様々な立場の人とやり取りが必要
CADオペレーターはクライアントや社内の営業、建築士、設計士、プロジェクトマネージャーなど様々な立場の人とやり取りをすることになります。
立場が違えば見ている観点も異なってくるため、相対している相手に合わせてコミュニケーションを取る必要が出てきます。
特にコミュニケーション能力に自信がない人だと、関係者と上手くやり取りができずに人間関係に悩んでしまうことも考えられます。
7. 未経験からの就職だと年収が低め
CADオペレーターは未経験からでも就職できる仕事の1つではありますが、未経験者だと経験者よりも年収が低く設定されていることがほとんどです。
場合によっては、会社員全体の平均年収よりも一回り以上低い収入になることもあり、家計的なきつさを感じることもあります。
もちろん、経験を積んでいけばその分年収を上げられることがほとんどではあるものの、昇給するまでに数年単位かかるような会社も珍しくなく、低い給料のまま働き続けなければならないといった点もきついと言われる理由と考えられます。
8. デスクワークで身体もきつい
CADオペレーターの働き方としては、基本的にパソコンに向かってCADソフトを使っていくといったデスクワークになります。
デスクワークは、一見すると肉体疲労の少ない仕事と思われがちですが、座り続けてパソコンの画面をずっと見続けている関係上、目や肩、腰などを酷使するといった特徴があります。
加えて、デスクワークは運動不足になりやすいこともあり、身体に不調を感じながら働き続けなければならない点がCADオペレーターのきついポイントでもあります。
9. キャリアパスの幅が狭い
CADオペレーターとして経験を積むと、その会社の中でCADオペレーターを管理するようなマネジメント職にキャリアアップすることが可能です。
しかし、それ以外のキャリアパスとして考えられるのは、建築士や設計士などしかなく、キャリアパスの幅が狭いといったきつさもあります。
最近ではCADオペレーターのしていた仕事を建築士や設計士が行うといった流れも見られ、CADオペレーターの仕事の将来性について不安に感じている人も少なくありません。
CADオペレーターがきつくて退職する理由
CADオペレーターがきつくて退職をする理由としては、以下の3点が挙げられます。
- 人間関係の板挟みにあうのがきつい
- 将来性が見えなくてきつい
- 仕事に飽きてしまってきつい
このような理由で退職をする人がいることも、CADオペレーターを目指すのであればおくべきでしょう。それぞれ解説していきます。
1. 人間関係の板挟みにあうのがきつい
CADオペレーターは、多くの場合で建築士や設計士から依頼を受けて図面を作っていきます。
ただ、設計側とクライアントでうまく目線合わせができていないことが原因で、自分が指示通りに行った作業をクライアントからダメ出しされるといったことも少なくありません。
また、社内でも営業と設計側との板挟みにあってしまい、どういう作業すればいいのかわからないまま仕事を進めなければならないこともあります。
このようにCADオペレーターは人間関係の板挟みに合いやすく、きつい立場といえます。
2. 将来性が見えなくてきつい
先ほど解説した通り、CADオペレーターが行っていたようなCAD操作は、設計者が自分の手で行ってしまうことも増えてきています。
加えて、CADソフトも年々進化しており、そこまで高い専門的な知識を持っていなくても誰でも操作がしやすくなってきているといった変化が見られます。
こうした変化を受け、CADオペレーターの将来性に不安を感じるといった人もいます。将来的にAIに代替される仕事になると言う研究者もいるため、将来性の見えなさにきつさを感じる人もいます。
3. 仕事に飽きてしまってきつい
CADオペレーターの業務は、依頼を受けてCADソフトを操作し、図面を作るといった非常にシンプルなものです。
図面を作るというやりがいこそ感じられるものの、そもそも仕事がシンプルすぎて飽きてしまうといったCADオペレーターも少なくありません。
仕事は今後数十年に渡って行っていくものですので、飽きた仕事を永遠と続けることは精神的にもきついと感じてしまうでしょう。
CADオペレーターに向いてない人
CADオペレーターに向いてない人の特徴としては、以下の5点が挙げられます。
- 柔軟な発想ができない人
- 短いスパンの仕事をたくさんしたい人
- ものづくりに楽しさを感じない人
- マルチタスクができない人
- 細かい作業が苦手な人
これらの特徴に1つでも当てはまる場合、CADオペレーターとして就職できても就職後にストレスを感じる可能性が高いと考えられます。あらかじめしっかり理解しておきましょう。
1. 柔軟な発想ができない人
CADオペレーターは設計図をCADで製図していく仕事ですが、場合によっては図面だけ見ても完成イメージが想像できないケースがあります。
特に、自分の経験だけを信じるような固定観念の強い人だと、設計図に書かれている意図が理解できずに作業が止まってしまうこともあるでしょう。
このことから、柔軟な発想ができない人にはCADオペレーターは向いてないと考えられます。
2. 短いスパンの仕事をたくさんしたい人
建築にしろ機械設計にしろ、CADオペレーターが取り組むプロジェクトは仕事のスパンが比較的長い傾向にあります。
同じ図面を何度も何度も修正して作り上げていくといった働き方も珍しくはありませんので、短いスパンの仕事をたくさんしたい人には向いてないと言えるでしょう。
ただ、業界によっては短いスパンで数多くの製図を行っていくようなケースもあるため、CADオペレーターを目指す際は業界ごとの違いを理解した上で就職活動を進めていくように意識してください。
3. ものづくりに楽しさを感じない人
CADオペレーターのやりがいは、ものづくりの最前線で活躍できることです。
そのため、ものづくりそのものに楽しさを感じられないような人は、CADオペレーターとして働いていても仕事が作業にしか感じられないでしょう。
当然ながら、仕事を作業的に取り組んでいると、働く喜びややりがいを感じる事は難しくなるため、仕事が長続きしないことも考えられます。
4. マルチタスクができない人
CADオペレーターは複数の案件を並行して取り組んでいくような働き方になります。
案件ごとに特徴や注意すべきポイント、納期管理などが異なりますので、自己管理能力が強く求められます。
一度に1つの事しかできないような人だと、CADオペレーターの仕事に忙殺されてしまうことが考えられます。言い換えれば、マルチタスクができない人にはCADオペレーターの仕事は向いてないと言えるでしょう。
5. 細かい作業が苦手な人
CADを使った製図は1ミリ単位での細かな作業が求められます。
もしCADオペレーターが作る製図が少しでも間違っていれば、その後の建築や製造において大きなトラブルを引き起こす原因になりかねません。
細かな作業が苦手な人がCADオペレーターになると、多くの人に迷惑をかけることになります。それだけでなく、日々の業務に窮屈さを感じてしまい、働くことすら嫌になってしまうことも考えられます。
CADオペレーターがきついと感じた人に向いてる仕事
CADオペレーターがきついと感じた人に向いてる仕事としては、以下のようなものが挙げられます。
- 建築士
- 設計士
- 営業
- デザイナー
- 施工管理
- 建築スタッフ
- 工場作業員
上記の仕事であれば、CADオペレーターと同じような製造や設計、デザインの仕事に間接的にでも関わることができます。
今一度CADオペレーターのきついポイントを理解した上で、自分はどの仕事に就職すべきなのか自己認識を深めていきましょう。
CADオペレーターのデメリット
CADオペレーターとして働くデメリットは、以下の3点が挙げられます。
- 作業者としての役割が強い
- AIに業務が代替されるリスクがある
- 求められる技術に対して年収が低い傾向がある
就職を考えるのであれば、その仕事のメリットややりがいだけでなく、デメリットをしっかりと理解することが重要です。それぞれ詳しく解説します。
1. 作業者としての役割が強い
CADオペレーターは作業者としての役割が強い仕事のため、自分の意見やアイデアを実現するようなクリエイティブな仕事ができません。
指示に従って作業を進めていくといった働き方をしたくない人にとっては、CADオペレーターへの就職をデメリットに感じるでしょう。
また、社内でも作業者の役割で見られやすい傾向にあります。同じ会社の社員にも関わらずよそよそしい態度で仕事を依頼されることも考えられます。
2. AIに業務が代替されるリスクがある
最近では、生成AIに代表されるようにAIの進化が目覚ましいものになってきています。CADオペレーターが今まで行っていた仕事もAIに代替されるリスクがゼロとは言えません。
これからCADオペレーターの業務知識を習得しても、AIに代替されることになってしまえば、再び仕事探しをしなければならなくなります。
こうしたリスクがある点も、CADオペレーターとして就職するデメリットの1つと言えます。
3. 求められる技術に対して年収が低い傾向がある
CADオペレーターは技術職に分類される仕事であり、CADソフトを使いこなす力や属する業界の専門知識など、幅広いスキルが求められます。
しかしCADオペレーターの平均年収は346万円となっており、会社員全体の平均年収である414万円よりも低いといったデメリットがあります。
求められる技術やスキルに対して年収が低いといった事実は、CADオペレーターを目指す上で知っておかなければなりません。
CADオペレーターの業務がつらいと感じた時の対処法
CADオペレーターの業務がつらいと感じたときには、以下の対処法を試してみてください。
- 業務量の調整を上司に依頼する
- CADスキルの技術を自発的に学ぶ
- クライアントとの打ち合わせに同席させてもらう
- ストレス発散法を見つける
- 他部署の社員と積極的に交流を図る
- 自己管理能力を身に付ける
- 自分のキャリアを見直す
- 転職する
今働いている会社でも、上司に相談することで解決できる課題は複数あるでしょう。
また、転職する際は同じつらさを感じないようにするためにも、就職エージェントなどの第三者に相談しながら転職活動を進めることがおすすめです。
よくある質問
最後にCADオペレーターに関するよくある質問を3つ取り上げ、それぞれ解説していきます。
CADオペレーターのきついところは?
CADオペレーターのきついところをまとめると以下の通りになります。
- CADソフトの習得に時間がかかる
- クライアントワークで自由が少ない
- 繊細な仕事を常に求められる
- 会社によってはルーティンワークが多くなる場合がある
- 就職後も勉強をし続ける必要がある
- 様々な立場の人とやり取りが必要
- 未経験からの就職だと年収が低め
- デスクワークで身体もきつい
- キャリアパスの幅が狭い
こうしたきついポイントがあることを認識した上で、CADオペレーターになるか検討していきましょう。
CADオペレーターをやめとけと言われる理由は?
CADオペレーターをやめとけと言われる理由は、労働時間に対して年収が低い傾向にあることが挙げられます。
仕事の性質として締め切りまでにアウトプットを出さなければならないため、業務の進捗次第では残業が発生することが珍しくありません。それにもかかわらず、CADオペレーターの平均年収は346万円と、会社員全体の平均年収から約50万円ほど低いといった現実があります。
年収の面以外でも、精神的なストレスや身体的な負担など、やめとけと言われる理由は少なくありません。
CADオペレーターをやめとけと言われる理由について以下の記事で詳しく解説しています。
CADオペレーターのキャリアパスは?
CADオペレーターとして経験を積んだ後のキャリアパスは、以下のようなものが挙げられます。
- 建築士
- 設計士
- 別業界へのCADオペレーター
- プログラマー
- フリーランス
CADオペレーターは様々な業界で働くことができるため、別業界への転職をする人が多い傾向にあります。
また、CADオペレーターのスキルに加えて営業の能力も身に付けておくと、フリーランスとして独立開業することも可能です。
まとめ
CADオペレーターがきついと言われる理由を詳しく解説しました。
CADオペレーターは求められるスキルや業務時間の割に給料が低かったり、キャリアパスの幅が狭いなどのきつさがある点を理解しておいてください。
CADオペレーターはものづくりの現場にとってなくてはならない存在です。
建築物や機械製品、飛行機など大きなものを作りたいと考える人は、まずはCADオペレーターからキャリアを歩んでみるのも良いでしょう。
この記事の内容を参考に、CADオペレーターの良い面と悪い面の両方を理解した上で、仕事を選びを進めていってください。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい