CADオペレーターをやめとけと言われる理由として、どういったものがあるのか気になる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、CADオペレーターをやめとけと言われる理由を9つ解説します。
加えて、CADオペレーターに向いてない人の特徴や、就職するデメリット、向いてないと感じたときの対処法についてもご紹介します。
CADオペレーターへの就職を検討している人は、記事の内容を参考にして就職活動に役立ててみてください。
この記事の目次
CADオペレーターをやめとけと言われる理由9選
CADオペレーターをやめとけと言われる理由は、以下の9つが挙げられます。
- 成果物が重要なため残業が多い傾向にある
- 求められる技術に対して年収が低め
- 常に納期に追われるためメンタルがきつい
- デスクワークで身体がつらい
- 就職後も勉強をし続ける必要がある
- 職人やデザイナーなどの板挟みにあいやすい
- 単純作業も意外と多い
- 仕事のプレッシャーが大きい
- 評価が明確になっていない場合がある
CADオペレーターへの就職を検討する際は、これらのポイントをしっかりと認識した上で就職を目指すのか判断しましょう。それぞれ詳しく解説します。
1. 成果物が重要なため残業が多い傾向にある
CADオペレーターの仕事をシンプルにすると、「CADで作った製図を依頼者に納品する仕事」となります。製図そのものが成果物となりますので、それまでの過程は評価にほぼ入りません。
製図を納期通りに納品することが非常に大切なため、進捗や案件の立て込み具合によっては残業が多く発生することもあります。
実際に、残業時間が長いCADオペレーターもいることから、就職はやめとけと言われていると考えられます。
2. 求められる技術に対して年収が低め
CADオペレーターにはCADソフトを操作する専門的な知識だけでなく、属する業界のビジネスモデルや専門用語といった知識も求められます。
求められる技術は複数あるものの、CADオペレーターの平均年収は346万円となっており、会社員全体の平均年収が414万円であることを考えると、どうしても年収が低めと言わざるを得ません。
求められるものと年収のバランスから、CADオペレーターはやめとけと言われることもあります。
3. 常に納期に追われるためメンタルがきつい
CADオペレーターは1人で複数の案件を担当する傾向にあります。
案件それぞれで納期が設定されているだけでなく、依頼の条件や気をつけなければならないことも変わってきます。
特に、案件の納期はバラバラであることが多く、結果的に常に納期に追われるといった焦りを感じながら働くことが考えられます。
常に納期に追われて仕事をしていると、プライベートでも支障が出てくることもあることから、CADオペレーターはやめとけと言われやすいのです。
4. デスクワークで身体がつらい
CADオペレーターの仕事は、常にデスクに座ってパソコンの画面を見ながら進めていくことになります。肉体労働ではありませんが、働くスタイルの関係上、目や肩、腰などに大きな負担を与えている事は言うまでもないでしょう。
目の痛みや腰痛を感じながら働いていたり、運動不足からくる生活習慣病を患っているCADオペレーターも少なくありません。結果的に身体がつらいという点も、CADオペレーターをやめとけと言われる理由と考えられます。
5. 就職後も勉強をし続ける必要がある
CADオペレーターは就職後にCADソフトの操作方法を学ぶことになりますが、ある程度操作方法をマスターした後でも常に勉強し続ける必要があります。
属する業界のニュースや法令の変化をキャッチし、業務に落とし込んでいく必要があるため、勉強が苦手な人からするとCADペレーターの仕事は苦痛に感じることもあるでしょう。
もちろん、そうした知識のインプットは自己研鑽の時間で行われるため、給料が発生することはありません。人によっては常に仕事のことを考えなければならないと感じて、CADオペレーターはやめとけと言っていると考えられます。
6. 職人やデザイナーなどの板挟みにあいやすい
CADオペレーターは、建築士や設計士などのデザイナーとやりとりをしながら製図を作っていきます。製図を作った後は、現場で実際に作業を行う職人に図面を渡すため、CADオペレーターには関係者が複数いることになります。
デザイナーの指示通りに製図を作っても、現場の職人から指摘を受けて図面の修正指示が入ることも少なくなく、人間関係に悩むCADオペレーターも多くいます。
こうした人間関係の板挟みにあう煩わしさから、CADオペレーターをやめとけと言われることもあります。
7. 単純作業も意外と多い
CADオペレーターは、CADソフトを使ってクリエイティブな仕事をすると考えている人もいるかもしれませんが、意外と単純作業が多いといった特徴もあります。
既に作られている図面を部分的に修正したり、製図した図面を説明するドキュメントを書いたりなど、事務的な作業も少なくありません。
就職後にこうした仕事の現実にギャップを感じることもあり、就職を後悔している人がCADオペレーターはやめとけと言っていることもあります。
8. 仕事のプレッシャーが大きい
建築にしろ機械の製造にしろ、CADオペレーターが作った図面をもとに多くの人が手を動かしていくことになります。そのため、CADオペレーターが作る図面は、常に正確で間違いのないようなものである必要があります。
このことから、CADオペレーターとして働いていると仕事のプレッシャーが大きいと感じることもあるでしょう。
責任を負う立場でもあり、働いていて窮屈感を感じている人が、CADオペレーターになるのはやめとけと言っていることもあります。
9. 評価が明確になっていない場合がある
CADオペレーターは営業職などと異なり、仕事での活躍が数字で見えにくいといった特徴があります。また、「依頼された作業をこなすことが当たり前」といった感覚が共通認識になって
いて、高い評価を得ることがそもそも難しい仕事とも言えます。
このことから、どれだけ自分が頑張っていても、正当な評価をされずに昇給しないことも考えられます。
頑張りを認めてもらえないと感じるCADオペレーターが、就職するのをやめとけと言っていることもあるでしょう。
CADオペレーターに向いてない人
CADオペレーターに向いてない人の特徴としては、以下の4点が挙げられます。
- パソコン作業が苦手な人
- コミュニケーション能力に自信がない人
- 集中力や継続力に自信がない人
- 想像力が低い人
これらのポイントに当てはまる人は、CADオペレーターへの就職は避けておいた方が良いかもしれません。それぞれ解説します。
1. パソコン作業が苦手な人
CADオペレーターの仕事のほぼ全てはパソコンを使って行われます。
CADソフトを使いこなす以前の問題として、そもそもパソコン作業が苦手な人はCADオペレーターには向いていません。
パソコンの付け方や基本的な操作が分からなかったり、エラーが出た時に自分1人では全く対処ができないような人だと、CADオペレーターの仕事を円滑に進められないと考えられます。
2. コミュニケーション能力に自信がない人
CADオペレーターは社内の設計担当や営業担当だけでなく、社外のクライアントや職人ともやり取りをすることがあります。
様々な関係者と上手くコミュニケーションが取れないと、イメージとは全く違う製図を作ってしまうこともあり、多くの人に迷惑をかけかねません。
CADオペレーターは技術職の1つではありますが、一定のコミュニケーション能力が求められる点は就職前に認識しておく必要があります。
3. 集中力や継続力に自信がない人
CADオペレーターは同じ図面を数時間見続けて作業をしていきます。
作業自体は1人で行いますが、納期までに業務を終わらせなければならないため、集中力や継続力を発揮しなければなりません。
集中力や継続力がない人だと、納期通りに仕事を進めることができず、社内でもいづらさを感じてしまうことでしょう。何かの物事に熱中して取り組んだ経験がないような人は、CADオペレーターの仕事は向いてないと考えられます。
4. 想像力が低い人
CADオペレーターは、紙に書かれた設計図をCADソフトで具体的なイメージに落としていく仕事です。場合によっては3次元の立体的なイメージを作り上げることもあり、常に想像力を発揮して働く必要があります。
想像力の低い人がCADオペレーターになると、どういった製図をしていけばいいのかイメージがつかずに手が止まってしまうことが考えられます。
想像力を発揮できず指示通りにしか動けないような人だと、CADオペレーターの仕事は苦痛に感じてしまうかもしれません。
CADオペレーターの避けたほうがいい求人条件
CADオペレーターを目指す上では求人を見て応募していくことになりますが、数ある求人票の中でも、以下の条件に当てはまる場合は応募はやめた方が良いと考えられます。
- 平均残業時間や年間休日日数が書かれていない
- どんな案件に携わるかが書かれていない
- 完全週休二日制ではない
どれだけ気になる求人であっても、上記のポイントのいずれかに当てはまる場合は、応募避けるか、就職口コミサイトなどで実態を確認してから応募するようにしてください。
1. 平均残業時間や年間休日日数が書かれていない
CADオペレーターは平均残業時間が長くなる傾向にあります。
納期通りに成果物を提出しなければならないことから、締め切りに間に合わせるために残業することは珍しくありません。
加えて、案件が立て続けに入ってくることから、有給が取りづらかったり休日出勤をしなければならないこともあります。
こうした事実がある会社の場合、平均残業時間や年間休日日数が書かれていないと考えられますので、応募はやめたほうが良いでしょう。
2. どんな案件に携わるかが書かれていない
CADオペレーターは様々な業界で活躍することができますが、業界によって求められるスキルややりがいが変わってきます。
従って、CADオペレーターになる場合はどのような案件に携われるのかをあらかじめ知っておくことが大切です。
求人票にどんな案件に携わるのか書かれていない場合、就職後に思っていた仕事と違う働き方をしなければならないことが考えられます。
悪いギャップを感じ早期離職に繋がることもありますので、携われる案件が求人票に書かれているかどうかは必ずチェックしましょう。
3. 完全週休二日制ではない
CADオペレーターに限らず、完全週休2日制なのか週休2日制なのかは必ずチェックしておいてください。
完全週休2日制とは、週に必ず2日の休みがあることを言います。
一方、週休2日制は月に1度でも2日間休める週があり、他の週は1日しか休めないといった違いがあります。
完全週休2日制ではない会社に就職すると、必然的に休みがほぼ取れないまま働く必要が出てきますので、精神的にも身体的にもきついと感じてしまうでしょう。
CADオペレーターをやめておくべきデメリット
CADオペレーターをやめておくべきデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
- 昇給や昇格スピードが遅い
- 自分の仕事が他人に振り回されやすい
- AIに代替されるリスクがある
これらのデメリットを合わせて理解した上で、CADオペレーターになるかどうかを再検討していってください。
1. 昇給や昇格スピードが遅い
CADオペレーターは作業者的な立ち位置のため、依頼された業務をこなすことが当然といった風潮があります。したがって、昇給のスピードが遅かったり、そもそも昇給がないといった会社も見られます。
また、評価が難しい仕事でもあるため、昇格スピードが遅い傾向もあります。
会社によっては年功序列で数年〜数十年単位で昇格を目指していかなければならないことはデメリットと言えるでしょう。
2. 自分の仕事が他人に振り回されやすい
CADオペレーターはクライアントワークになりますので、自分で納得ができる図面が完成できたとしても、クライアントから修正指示を受ければすぐさま対応しなければなりません。
これは社内の人間に対しても同じであり、営業や設計担当から製図の修正依頼が来たら、基本的にはすぐに対応していく必要があります。
自分でスケジュールを組んで仕事を進めていても、他人からの依頼で手一杯になってしまうこともあり、働きづらさを感じやすい点がデメリットと言えます。
3. AIに代替されるリスクがある
今でこそ製図はCADオペレーターが担当していますが、研究者によってはCADオペレーターはAIに代替されるリスクがあると唱えている人もいます。
これから新しくCADの知識を身に付けたとしても、AIに代替されてしまっては仕事がなくなりかねません。将来的に長く働けるか不安が残るという点も、CADオペレーターに就くデメリットの1つと言えるでしょう。
CADオペレーターに就いて向いてないと感じた時の対処法
CADオペレーターに就職した後に向いてないと感じた時は、以下の対処法を試してみてください。
- 業務量の調整を上司に依頼する
- CADスキルの技術を自発的に学ぶ
- クライアントとの打ち合わせに同席させてもらう
- ストレス発散法を見つける
- 他部署の社員と積極的に交流を図る
- 自己管理能力を身に付ける
- 自分のキャリアを見直す
- 転職する
基本的には業務の調整などを行えば、ネガティブな状態から脱却できると考えられます。そのためにも、上司に相談することが第一にやるべき対処法です。
もし転職を検討するのであれば、同じ思いをしないためにも就職エージェントなどを活用し、後悔のない転職活動を目指すことがおすすめです。
よくある質問
最後に、CADオペレーターに関してよくある質問を3つ取り上げて解説します。
CADオペレーターできついところは?
CADオペレーターできついところとしては、以下のような観点が挙げられます。
- CADソフトの習得に時間がかかる
- クライアントワークで自由が少ない
- 繊細な仕事を常に求められる
- 会社によってはルーティンワークが多くなる場合がある
- 就職後も勉強をし続ける必要がある
- 様々な立場の人とやり取りが必要
- 未経験からの就職だと年収が低め
- デスクワークで身体もきつい
- キャリアパスの幅が狭い
CADオペレーターのきついところについては、以下の記事で詳しく解説していますので合わせて参考にしてみてください。
CADオペレーターは儲かりますか?
CADオペレーターは儲かる仕事ではありません。
平均年収は346万円と会社員全体よりも50万円ほど低い上、昇給や昇格のスピードが遅い傾向にあるといったデメリットがあります。
ただし、CADオペレーターとして副業で働く場合は話が変わってきます。本業をしながらCADオペレーターの案件を副業で受ければ、今以上に年収を増やしていくことも充分可能です。
CADオペレーターの楽しさややりがいは?
CADオペレーターの楽しさややりがいとしては、以下の観点が挙げられます。
- 成果が目に見える
- 自分の成長が実感しやすい
- 複雑な図面を描けた時の達成感
これらのやりがいを含め、CADオペレーターについてさらに詳しく理解を深めたい人は、以下の記事も合わせて参考にしてみてください。
まとめ
CADオペレーターはやめとけと言われる理由を詳しく解説しました。
確かにCADオペレーターは働く上で大変に感じたり、きついと感じる部分があります。
その一方で、自分の作った図面を元に大勢の人が利用するようなものづくりに携われる点は、間違いなくCADオペレーターならではのやりがいと言えるでしょう。
自分がCADオペレーターとして活躍できるか不安に感じている場合は、就職エージェントのキャリアカウンセリングなども受けてみてください。
CADオペレーターについてより詳しく知りたい方は以下の記事もご参考ください。
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