ITエンジニアはきつい仕事といわれる理由は、業務内容において高い専門性が要求されることや案件によっては急な依頼変更による残業など稼働時間と給与が合わないことがあるためです。
この記事では、ITエンジニアがきついと言われる理由を10個の観点から解説します。
これからITエンジニアを目指して就職活動をしてみたいと思ってるものの、1歩踏み出せてないという人は記事の内容を参考にしてみてください。
この記事の目次
ITエンジニアがきついと言われる理由
ITエンジニアがきついと言われる理由は、以下の10個が考えられます。
- 高い専門性を要求される
- 常に学び続ける必要がある
- 高い論理的思考力を求められる
- クライアントに振り回されることがある
- 責任やプレッシャーが重い
- 納期によっては残業時間が増える
- 稼働時間と給料が見合わないことがある
- 分からないことと向き合わなければならない
- 突発的なトラブルが多めで心が休まらない
- 客先常駐の場合は疎外感を感じることもある
これらのきつい理由をしっかりと認識した上で、ITエンジニアとして就職するか検討するようにしてください。
高い専門性を要求される[ITエンジニアがきつい理由 1/10]
ITエンジニアとして働く上では高い専門性を要求されます。
IT業界の構造やプログラミングスキルといった知識はもちろん、サーバーの構造の理解やシステム間の動作を瞬時に把握する力など、幅広い知識を高いレベルで発揮し続ける必要があります。
ITエンジニアと聞くとプログラミングだけができれば良いと思ってしまうかもしれませんが、実際にはプログラミングはITエンジニアに求められる知識の1つに過ぎません。
また、どんなITエンジニアになるかによって求められる知識が変わるため、仮にITエンジニアとして別の会社に転職すると1から知識を覚え直す必要が出てくることもあります。
このように、業務で求めない知識が深いことから、知識の習得がきついと感じるITエンジニアもいます。
常に学び続ける必要がある[ITエンジニアがきつい理由 2/10]
ITエンジニアとして一定の知識をつけた後も常に学び続ける必要があります。
IT技術は日々進歩していますので、その技術の進化についていけるよう自発的に勉強会に参加したり、社内のノウハウ共有会で技術の発表をすることもあるでしょう。
仕事の合間や終業後に知識のインプットをしなければならないため、学ぶことが苦手な人からすれば休日も仕事をしている感覚になり、きついと感じることも考えられます。
仮にITエンジニアになってから学ぶことをやめてしまうと、できる仕事の幅が極端に少なくなるため、年収を上げることも難しくなるでしょう。
高い論理的思考力を求められる[ITエンジニアがきつい理由 3/10]
システムの構築やプログラミングにおいては、コンピューターに対して的確な命令を行わないと実現したい動作を叶えることができません。特にプログラミングにおいては、論理的思考力を発揮できないと仕事を1歩も進めることができない点は気をつける必要があります。
論理的思考力は短期的に身に付くものではありません。
もともと論理的思考力がない人がITエンジニアになると、仕事の進め方だけでなく技術の習得方法すらも分からなくなってしまうため、きついと感じながら働き続けることも考えられます。
クライアントに振り回されることがある[ITエンジニアがきつい理由 4/10]
勤める会社の業態にもよりますが、多くの場合はクライアントからシステム開発の案件を受託して仕事を進めていきます。いわゆるクライアントワークになりますので、クライアントの方が立場が上といったケースが多く、急な仕様変更に振り回される点もきついポイントの1つです。
クライアントに振り回される例としては、短い納期で複雑な案件を依頼されたり、プロジェクトの納期の直前で大幅な仕様変更を依頼されるなどが挙げられます。
クライアントに振り回されてしまうと一気に業務量が増えてしまい、残業や休日出勤など過酷な働き方が強要されることも少なくありません。
責任やプレッシャーが重い[ITエンジニアがきつい理由 5/10]
ITエンジニアが手がけるシステムやサーバーは多くの人が利用するものです。
仮に納品後に致命的なバグや意図しない挙動が発生してしまった場合は、多くの人に迷惑をかけることになります。最悪の場合実害を与えてしまうこともあり、訴訟に発展するケースも少なからず見られます。
このように、ITエンジニアは常に責任やプレッシャーが重い状況で働かなければなりません。
仕事自体が楽しくても、責任感やプレッシャーに押しつぶされる点がきついと感じるITエンジニアもいます。
納期によっては残業時間が増える[ITエンジニアがきつい理由 6/10]
ITエンジニアが手を動かす上では、業務工数の見積もりが非常に大切です。
複数の案件を同時に進めていくことも少なくなく、工数の見積もりがうまくできていないと短期間で業務量が数倍に跳ね上がることもあるでしょう。
会社によってはITエンジニアが手がけることになる案件を営業が獲得してくるケースがあります。営業は自身の契約件数を追っているため、ITエンジニアの工数のことを考えずに案件を取ってくることも考えられます。
そうなると、短い納期でITエンジニアが案件を捌かなければならなくなるため、結果的に残業時間が増え、身体的にきつい状況になることがあり得ます。
稼働時間と給料が見合わないことがある[ITエンジニアがきつい理由 7/10]
これも会社によりますが、固定残業制を設けていたり、意図的に退勤処理をさせた後に業務を強いてくるようなケースも見られます。また、どうしても納期に間に合わないからといって、自発的に家に仕事を持ち帰ってしまうITエンジニアも少なくありません。
このように、実際に働いているにもかかわらず「働いていない」ことにして業務を進めると稼働時間と給料が見合わなくなります。
特に3次、4次請けなどの下流の工程を担当する場合は、基本給が低く稼働時間も多くなるため、働いても働いても稼げないといったきつさを感じることになるでしょう。
分からないことと向き合わなければならない[ITエンジニアがきつい理由 8/10]
ITの技術は日々進歩していることに加え、ITエンジニアには幅広い知識が求められることから、業務を進めていて分からないことと向き合わなければならないケースが多々あります。
ITエンジニアは分からないことを避けては通れないため、その都度チームメンバーにやり方を聞いたり、自分でやり方を習得していく必要があります。
やるべきことが明確にわからない状態を嫌うような人だと、ITエンジニアとしての業務にきついポイントを多く感じることになるでしょう。
突発的なトラブルが多めで心が休まらない[ITエンジニアがきつい理由 9/10]
ITエンジニアの中には、運用や保守といった工程を担当する仕事もあります。
運用や保守と聞くと、まったりとただ監視をしていれば良いと感じるかもしれませんが、実際には突発的なトラブルが発生することも少なくなく、勤務時間外でも心が休まらないといったきついポイントが挙げられます。
また、提供するサービスによっては運用や保守担当が24時間体制で仕事に向き合わなければならないこともあるため、夜勤が発生することもあります。身体的にも精神的にもきついと感じ、ITエンジニアを辞めようとする人は一定見られます。
客先常駐の場合は疎外感を感じることもある[ITエンジニアがきつい理由 10/10]
Itエンジニアならではの働き方として、客先常駐というものがあります。
客先常駐とは案件を発注したクライアントのオフィスに常駐し、システム開発などにあたる働き方のことを言います。
同じオフィスにいるにもかかわらず自分だけ別会社の人間ということで、阻害感を感じるといったきつさが考えられます。
また、プロジェクトにもよりますが、同じ会社から常駐するITエンジニアは数名であることが多いため、少ないコミュニティの中で関係性構築に苦戦してしまい、人間関係に悩んでしまうといったケースもあるでしょう。
ITエンジニアの業務がつらいと感じたときの対処法
ITエンジニアの業務がつらいと感じたときには、以下の対処法が考えられます。
- いちど立ち止まってプロジェクト全体を俯瞰してみる
- 不足している技術を習得する
- 業務量を上司に相談して調整してもらう
- 設計や要件定義等の上流工程の業務を狙う
- タスク管理方法を見直す
- プロジェクトのメンバーと積極的にコミュニケーションを取る
- 自分のキャリアを見直す
- 転職する
- フリーランスとして独立する
働いてる会社でできる対処法もありますので、まずは自分自身の業務やスキルを見直した上で上司に相談することをおすすめします。
また、転職する場合は同じ過ちを繰り返さないようにするためにも、就職エージェントなどを使って慎重に転職活動するように意識してみてください。
ITエンジニアに向いている人
ITエンジニアに向いてる人の特徴としては、以下の3点が挙げられます。
- 自己成長意欲が高い人
- 問題解決力が高い人
- 協調性とコミュニケーション能力を兼ね備えている人
それぞれ詳しく解説します。
自己成長意欲が高い人
ITエンジニアとして活躍していきたい場合は自己成長が欠かせません。
スキルの習得はもちろん、システム構築の考え方やクライアントとの折衝スキルを身に付けておくと、さらに上流工程を担当できるようになり収入を上げやすくなります。
現状に満足することなく、「自分に不足しているスキルは何か」「どんな能力の発揮を求められているか」などを客観的に分析して成長をしていくことが好きな人は、ITエンジニアに向いていると考えられます。
問題解決力が高い人
ITエンジニアは問題を解決する仕事ともいえます。
新しくシステムを作るのは、理想状態と現状のギャップを埋めるためです。したがって、どういった点に問題があるのかであったり、その問題はどのようにして解決することができるのかを考えられる人であればITエンジニアとして活躍できます。
また、業務を進めていく上でも細かなトラブルや問題が多数発生します。
問題が発生するたびに「どのようにしたら解決できるのか」を何度も繰り返すことになるため、問題解決力はITエンジニアの必須の素養とも言えるでしょう。
協調性とコミュニケーション能力を兼ね備えている人
ITエンジニアは業務中は1人で黙々と作業することになるものの、プロジェクトの進捗共有や分からないことを聞けるようなコミュニケーション能力が不可欠です。
また、複数人のチームで同じプロジェクトに携わることも多く、他人のミスをカバーしたり、逆に自分のミスをカバーしてもらうなどの協調性が非常に大切です。
このことから、協調性とコミュニケーション能力を兼ね備えている人はITエンジニアとして活躍できると考えられます。
ITエンジニアに向いてない人
反対に、ITエンジニアに向いてない人の特徴としては以下の3点が挙げられます。
- 学習意欲の低い人
- 疑問や問題意識を持たない人
- 大雑把な人
それぞれ詳しく解説します。
学習意欲の低い人
既に解説した通り、ITエンジニアは日々勉強をしていく必要があります。
勉強をしないと技術の進歩に取り残されてしまうだけでなく、自身の成長も止まってしまうため、結果的に1メンバーとしてしか働き続けることができません。
自ら自発的に学習をしていくような意欲が低い人がITエンジニアになると、「思っていたよりも学ぶことが多い」とストレスを感じてしまい、働く意欲を失うことが考えられます。
学生時代から学習意欲を発揮できていたかどうか、ITエンジニアを目指す前に自問自答してみてください。
疑問や問題意識を持たない人
ITエンジニアはクライアントや営業担当、システムエンジニアが考えていることを実現する仕事です。しかし、依頼自体がそもそも間違っていることも少なくなく、疑問を持たずに仕事を始めてしまうと後々大きなトラブルに発展することが考えられます。
目の前の業務や出来事に疑問や問題意識を持たない人だと、周囲の人に振り回されてばかりになってしまうため、ITエンジニアとして活躍することが難しいでしょう。
大雑把な人
ITエンジニアが手がけるシステムは、寸分の狂いもなく構築をしていく必要があります。
1つでもミスがあればシステム全体が止まってしまうといったリスクもあるため、丁寧な仕事を求められる仕事です。
したがって大雑把な人がITエンジニアになると、自分の業務をうまくこなせないだけでなく、周囲の人に大きな迷惑をかけてしまうことも考えられますので、別の仕事を検討した方が良いかもしれません。
ITエンジニアがきついと感じた人に向いてる仕事
ITエンジニアがきついと感じた人に向いてる仕事としては以下のようなものが挙げられます。
- CADオペレーター
- Webデザイナー
- デバッガー
- ITコンサルタント
- IT営業
ここまでの記事の内容を読んで、もしITエンジニアが自分にとってきつい仕事だと感じた人は、上記の仕事も並行して検討してみてください。
未経験からITエンジニアを目指す人がすべきこと
ITエンジニアは年々需要が高まっている仕事のため、未経験者を募集する求人も多く見られます。未経験者がこれからITエンジニアになりたい場合は、以下の方法を試してみることをおすすめします。
- IT業界について理解を深める
- どの分野のITエンジニアになるかを決める
- プログラミングスクールに通う
それぞれ詳しく解説します。
IT業界について理解を深める
ITエンジニアを目指す場合は、まずIT業界そのものについての理解を深めることをおすすめします。一言でIT業界といっても、ハードウェア業界、ソフトウェア業界、通信インフラ業界、ウェブ業界、情報処理サービス業界など様々な業界に分かれています。
また、クライアントから案件を受託してシステム開発を行う業態のことをSIerと言いますが、それにも複数の種類が存在しています。
IT業界は非常に複雑なため、しっかりと理解をしておかないと自分の就職したい会社を選ぶことができません。未経験者がITエンジニアを目指すのであれば、いきなり求人を見るのではなく、まずはIT業界の理解を深めることが大切です。
どの分野のITエンジニアになるかを決める
ITエンジニアといっても様々な種類に分かれます。例としては以下のようなものが挙げられます。
- システムエンジニア
- バックエンドエンジニア
- フロントエンドエンジニア
- ネットワークエンジニア
- インフラエンジニア
- 組み込みエンジニア
- クラウドエンジニア
- セキュリティエンジニア
- セールスエンジニア
この他にも様々なITエンジニアの種類があります。
それぞれ求められるスキルだけでなく、使うプログラミング言語や働き方などが大きく異なるため、どの分野のITエンジニアとしてキャリアパスを歩みたいか検討してみてください。
プログラミングスクールに通う
どの分野のITエンジニアにおいても、基本的にプログラミングの知識を持っておくことは非常に有用です。最近では未経験者向けにプログラミングスクールが開講されていますので、まずはプログラミングスクールに通ってIT業界の基礎知識やスキルを習得することも良いでしょう。
また、プログラミングスクールではプログラミング技術を学べるだけでなく、就職先を斡旋してくれるところもあります。スクールに通うのにはお金がかかりますが、着実にITエンジニアへの1歩を生み出せるため、検討してみることをおすすめします。
よくある質問
最後に、ITエンジニアへの就職に関するよくある質問を取り上げて解説します。
ITエンジニアが人気な理由は何ですか?
ITエンジニアは一度スキルを習得し、知識のインプット方法をマスターすることができれば手に職をつけることができる仕事です。
加えてフリーランスといった形で働きやすい仕事であるだけでなく、案件の単価も高いため、技術次第で多額の収入を得られるといった点が人気の理由だと考えられます。
実際にITエンジニアの求人倍率は10倍を超えているという調査結果もあり、他の仕事よりも人気であることがデータからもわかります。
ITエンジニアは稼げる?
スキルを持っていればITエンジニアは稼げる仕事だといえます。
特にシステムの設計や要件定義などの上流工程を担えるITエンジニアだと、1つの案件で数十万円から数百万円稼げることもあります。
ただし、ITエンジニアといっても様々な種類があるため、スキルがないと稼ぐ事は難しいでしょう。しっかりと知識のインプットをしてITエンジニアとして活躍していくことが稼ぐ条件とも言えます。
ITエンジニアはやめとけと言われる理由は?
ITエンジニアをやめとけと言われる理由は、以下のようなものが挙げられます。
- 残業が多く身体的にきついから
- 常に勉強が必要で精神的につらいから
- クライアントに振り回されやすいから
- 常に納期に追われるため心が休まらないから
- 下請けだと給料が低い傾向だから
- 向き不向きがはっきりと分かれるから
- 意外と人間関係が重要だから
- 将来的にAIに代替される可能性があるから
ITエンジニアをやめとけと言われる理由について詳しく理解を深めたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。
まとめ
ITエンジニアがきついと言われる理由を詳しく解説しました。
ITエンジニアは技術の習得を日常的に行わなければならないだけでなく、クライアントに振り回されて勤務時間の割に稼げないことがあるといったきつさが考えられます。
しかし、しっかりと努力をしてスキルを習得できれば、他の仕事よりも稼げる可能性が高いといったメリットがある点もあわせて認識しておいてください。
この記事の内容を参考に、ITエンジニアの良い面も悪い面も理解した上で仕事選びをしていきましょう。
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