SPI3の問題の対策について紹介します。就活生は就職活動を始めると適性検査などを受講する機会も多くなります。この記事では、企業がテストを実施する理由や言語テストなどの対策方法について紹介します。問題の練習もコツをマスターすればより効果が出るので参考にしてみてください。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
SPI3について
現在は、SPI3を企業が行いますが、SPI、SPI2との違いは何なのか就活生で理解している方は少ないのではないでしょうか。
SPIについて簡単な紹介をここでは行います。
SPI3とは
SPI3のSPIとはSynthetic Personality Inventory(総合適性検査)の略で、リクルートが提供している適性検査を指します。SPIは、1974年にリクルートキャリア社が作成し企業の採用試験などに用いられるようになりました。その後、バージョンアップを繰り返し2013年にSPI3が開始されました。
リクルートのSPIは提供を開始してから40年以上の実績があるため、十分なデータを蓄積している適性検査として信頼が厚いです。2018年度においてSPI3の利用社数は13,200社、受検者数は202万人という全国で最も利用されているシェアナンバーワンの適性検査です。
通常の学力面だけを判定する学校のテストなどとは違い、適性検査では応募者の特性や資質を測定することが目的とされています。履歴書や面接だけでは見えにくい、応募者の基本的な性質や才能といったものをSPI3で捉えるために実施されています。SPI3は性格検査と能力検査の2種類の検査で構成されています。SPI3は応募者の資質を数値化し応募者全体の平均と比較した際に、その応募者がどのあたりに位置するかを測定することができます。
SPI3の大きな特徴の一つとして、スピーディーというメリットがあります。SPI3は受検後、すぐに結果を確認することが可能で、パソコンで受検をした後に結果をダウンロードすれば、その場で結果を得ることができます。そのため、SPI3の結果をもとに面接を実施するという企業も多いです。SPI3は企業にとって応募者を様々な角度から「どのような人物か」ということを判断することができるテストです。
SPI3とSPI・SPI2との違い
SPI3の3とは、なんの数字でしょうか?SPIの数字は、SPIのバージョンを指しています。リクルートは、これまでにSPI・SPI2・SPI3というバージョンを提供してきました。SPIは1973年に販売開始した最初のバージョンで、SPI2は2005年に販売を開始した2番目のバージョンになります。
SPI3は2013年に販売を開始した最新のバージョンで、SPI2から性格検査の一部で変更や追加が行われました。バージョンアップによってマークシート方式の受検から変更されるなど、SPIはバージョンアップを繰り返しながら、より精度と利便性が高い適性検査に進化してきました。
特にSPI3へのバージョンアップの際には、性格適性検査の予約や受検をWEB上で実施できるようになったためパソコンやスマートフォンからの利用が増えました。SPI・SPI2・SPI3の3つのバージョンは、併用をされることや古いバージョンのテストが行われることは基本的ありません。
そのため企業の選考でSPIが実施される場合には最新のバージョンを指すので、SPI3の対策を行えば大丈夫です。今後さらなるバージョンアップが予想されますが、その場合にはテスト内容などにどのような変更点があるかなどを確認し、常に最新のバージョンに対して対策を行う必要がありますのため新しい情報を逃さないように注意しましょう。
適性検査のは、リクルートが提供しているものとは別の適性検査もあります。以下の記事に就活生が知っておくべき適性検査を紹介しています。またWEBでの適性検査についても近年企業が実施しています。
適性検査は、今はどの企業でも実施をしていることが多いです。それぞれで企業が求めている人物像もわかることがあるので、自分に合っているのかどうかも考えていきましょう。
SPI3を企業が実施する理由とは
なぜ、企業は就活で試験を行うのでしょうか。
ここでは、SPIを企業が実施する理由や試験の難易度について紹介します。
また、SPIを受講したことがない就活生へSPIの受講方法についても解説します。
SPI3が実施される目的
なぜ企業はSPI3を実施するのでしょうか?それは面接や学力テストでは不十分な部分が出てしまうからです。また応募者が多数の場合には、全員と面接を行うのは現実的ではありません。そこでSPI3を実施することで応募者を絞り込むことが可能になります。
SPI3によって企業が必要とする能力や性格の持ち主を判断し、選考条件に満たない応募者は選考から外します。SPI3の能力検査で応募者が文章を読み取る能力、計算能力など基本的な能力を持っているかを確認します。SPI3の性格検査で応募者の性格を分析し、会社の業務内容や雰囲気にマッチする人物かどうかも確認します。どのような性格や能力を持った人物かを、より深く知るためにSPI3が実施されます。
また、SPI3の検査結果を面接で活用するという目的もあります。SPI3の検査結果と面接での質問に対する答えを照らし合わせることで、より深く正確に、どのような人物かを図ることが可能です。どのような人物かを把握することで、SPI3は入社後の配属先を決定する判断材料にも役立ちます。
SPI3の難易度とは
SPI3は、名前からして難しそうな印象を受けてしまいますが、内容が難しいということはありません。特に性格検査は普段からの考え方や感じ方を答えるだけです。ただし回答時間が限られているので、スピードに慣れていないと未回答で終わってしまうというケースがあるので、その点には注意が必要です。能力検査では中学校レベルの国語や数学の問題が出題されます。
特に難問が出題されるわけではありませんが、苦手な分野の問題は難しく感じる可能性がありますので、事前の対策が必要です。SPI3は文章の読解能力や論理的な思考力が問われるので、検査直前に暗記して対策できるわけではありません。学校の定期テストのように一夜漬けで乗り切るといった方法は通用しないので注意しましょう。
SPI3の受講方法
SPI3の受検方法は、大きく分けて4つの方法があります。テストセンター・インハウスCBT・WEBテスティング・ペーパーテスティングがあり、ペーパーテスティング以外の3つはパソコンで受検を行います。テストセンターはリクルートが運営する専用会場のパソコンで受検します。
指定期間内に会場を予約しなくてはいけません。また受検会場まで足を運ぶ必要がありますが、受検シーズンには全国47都道府県に設置されるため、極端に遠方の会場にまで出向くことは少ないです。受検日も企業が指定する期間の中で都合の良い日を選択できるので予約も取りやすいです。
大きな特徴としては、英語能力検査と構造的把握力検査の2つはテストセンターでのみ実施されます。他の受検方法では実施できません。ただし、英語能力検査はペーパーテスティングでは出題されます。
インハウスCBTは、応募先の企業のパソコンで受検する方法です。受検会場が応募先の企業であるため、その日のうちに採用試験を完了できるというメリットがあります。SPI3を受け、その後すぐにSPI3の結果を踏まえて面接を実施するという企業も多くあります。SPI3の「すぐに結果が出る」という特性を活かした受検方法だと言えます。
SPI3受検と面接が別日になると、その分、時間と手間がかかるため、受検者も企業側も採用試験のために時間を多く割くことがなく合理的にスケジュールを進めることができます。WEBテスティングは、応募者の自宅や学校など、パソコンとインターネット環境のある場所であれば受検が可能です。
指定期間内であれば、いつでもどこでも受検が可能なため、受検者の負担が最も少ない方法です。自室などで気軽に受けられる方法ですが、リラックスできる環境での受検になるため油断が出てしまいやすく念入りな対策が必要です。
ペーパーテスティングは、マークシートによる受検方法です。応募先の企業が用意した会場で実施されます。主に会社説明会やセミナーなど大人数を対象にして用いられる受検方法です。パソコンを利用したweb方式の受検方法が広く普及してきましたが、不正を行いにくいマークシートを活用したペーパーテスティングも根強い人気があります。
受検方法はいくつかありますが、企業によって異なります。早め早めで確認しておきましょう。
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SPI3で企業が見ている2つのポイント
企業がSPIを通して、見ているのは「性格」と「能力」です。性格は適性検査であなたの性格をテストを通して簡単に見ている状態です。面接などでも実際にテストの結果と照らし合わせることが多いでしょう。
能力では言語テストや数式処理などであなたの能力をみています。大手企業ほど、選考人数が多いためテストで足切りを行う必要があるため重視していることが多いでしょう。
それぞれについてより詳しく解説します。
SPI3の性格検査
SPI3は性格検査と能力検査で構成されていますが、性格検査ではどのようなテストを行うのでしょうか?性格検査では受検者の気質・性質の傾向・適応性などを判断するために様々な質問に答えていきます。
性格検査は、あくまでも受検者の「人となり」を見るための検査ですので、質問の答えに正解や不正解があるわけではありません。質問の内容も「一人で旅行するのが好き」「皆で旅行するのが好き」のどちらに当てはまるかといったような、日常的な考え方や行動に対する質問なので緊張したり構えすぎる必要はありません。基本的にリラックスして質問に答えていけば問題はありません。
ただし制限時間があるのでリラックスは必要ですが、のんびりしている暇はありません。性格検査の出題数は約300問、制限時間は約30分なので、どんどん質問に答えていきましょう。出題数が多いため、深く考え込んでしまうとあっという間に時間切れになってしまいます。時間配分に失敗してしまうと未回答の部分が出てしまいますので、時間内に全問の回答を目指して直感的に答えていきましょう。
性格検査には注意しなければならない点やコツもあります。一度対策をしておくと今後の対策が不要になることが多いので行っておきましょう。
SPI3の能力検査
SPI3の能力検査は、性格や気質を判断する性格検査とは違い、仕事に必要な基礎能力を測る検査です。この場合の仕事に必要な基礎能力とは、単なる学力や能力ではなく仕事への適性を含みます。能力検査によって、受検者が採用を希望する企業において基礎的な能力を備えているか、また適性を持っているかの判断が可能になります。能力検査は言語分野と非言語分野の2種類があります。
言語分野では、言葉の意味や文章の主旨を理解する国語的な能力を測定します。この言語分野で、仕事に不可欠な能力である意思伝達能力と文章作成能力をジャッジします。出題の範囲は同意語や反対語、ことわざや敬語など非常に広いため、対策のためにはまんべんなく学習を行う必要があります。
非言語分野は、計算能力や論理的に考える能力を問われます。数学や理科の分野の出題になるため、この非言語分野で計算能力や実務処理能力が判断されます。出題される問題傾向は推論や集合、確率やブラックボックスなどが出題されるでしょう。データ処理や管理に関わってくる能力のため、非言語分野でもしっかりとした対策が求められます。
企業によっては英語の問題が出される場合もあるので、英語の問題への対策も場合によっては必要になります。英語の問題が出題される場合には予約時にわかりますので注意しましょう。英語を実施する場合には、言語分野と非言語分野に加えて英語の出題がプラスされます。
SPI3では、回答した答えによって、次の問題が変化するIRT(Item Response Theory)方式を採用しています。そのため受検者一人一人で出題内容が異なり、出題される問題の数も変化します。IRT方式によるテストは、正解すると次の問題は難易度が上がり難しい問題が出題され、不正解だと難易度が下がりやさしい問題が出題されるケースもあります。
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SPI3の問題の対策について紹介
SPI3は事前対策が重要です。対策方法としては、まず自己分析を行いましょう。自分で自分の性格を把握することは大きな武器となります。性格検査で一貫性のある回答ができるようになります。次に日頃から新聞や本を読む習慣をつけ語彙を増やすよう意識し、言語分野の能力検査に備えてください。
類義語や対義語、ことわざなどに関する知識も積極的に身につけましょう。非言語分野の能力検査に備えるためには、多くの問題をすばやく解けるよう練習するのが一番です。販売されている問題集や、インターネットで公開されている模擬テストを活用するのがオススメです。
パソコンの操作に慣れておくことも有効な対策の一つです。パソコン操作でもたついてしまうと時間をロスしてしまうので、最低限な操作はできるようにしておきます。SPI3をパソコンで受検する場合には、前の問題に戻れないなど筆記試験とは異なる部分があるということを忘れないようにしましょう。インターネットで公開されている体験ツールなどを活用して練習をするのも有効な方法です。
性格検査の出題例
性格検査では具体的にどのような出題がされるのでしょうか?例を見ながら確認していきましょう。日常の行動や考えに当てはまるものを選択する問題では、次のような出題がされます。
A.一人で買い物をするのが好きだ
B.みんなで買い物をするのが好きだ
この二つの選択肢のうち、最も自分に近いものを選択肢から選んで答えます。選択肢はAに近い・どちらかといえばAに近い・どちらかといえばBに近い・Bに近いの4つです。性格検査は出題数が多いため、ここで迷っていると、あっという間に時間切れになってしまいますので、直感的に次々と答えていきましょう。
能力検査・言語分野の出題例
能力検査の言語分野では、国語的な能力を判断する問題が出題されます。同義語を選ぶ問題では、次のような出題がされます。
- 寡黙と同じ意味になるものを選択肢から選びなさい。
- 不服と同じ意味になるものを選択肢から選びなさい。
選択肢には饒舌・不満・無口・不平などの語句があるので、出題された語句の同義語を選択して答えます。その他にも反対語・ことわざ・敬語などの問題が出題されるので、普段から意識的に文章を読むようにしわからない語句は調べるクセをつけましょう。
能力検査・非言語分野の出題例
能力検査の非言語分野では、数学的な能力を判断する問題が出題されます。確率や推論といった問題が出題されます。
- サイコロを5回振って、出た目の和が6以下となるのは、全部で何通りあるか。
- みかんに原価に3割の利益を見込んで、100円の定価をつけました。みかんの原価はいくらでしたか。
このような出題に対して、答えを選択肢から選んで回答します。非言語分野はある程度の問題傾向があるので、問題集などで練習をすると回答のスピードも上げることができます。苦手分野がなくなるように、まんべんなく練習問題に取り組むのがオススメです。
SPIの問題対策については、以下の記事でもくわしく解説しています。
早期からSPIの問題対策に取り組み、万全にしておきましょう。
SPI3を受検するときの注意点
SPI3を受検する際には幾つかの注意点があります。まず性格検査は、自分を良く見せようとしないことです。正直に回答しないと、嘘や矛盾が明らかになるように作られているので、すぐにばれてしまいます。たとえ上手に企業の風土に合わせて回答できたとしても、入社後に自分と企業の間にミスマッチを感じて苦労する可能性があります。SPI3はスピード重視で回答するのがベストです。
能力検査では誤謬率は測定されずに正解の数が評価されるということを念頭におきましょう。間違いは少ないが正解の数も少ない場合と、間違いが多いが正解の数も多い場合とでは、後者の方が評価が高いので、その点に注意してください。
自宅などでWEBテスティングを行うときは、集中できる環境をつくることがポイントです。受検中に気が散らないように、電話や来客などに対応しなくて良いようにしましょう。受検の間はスマホやインターフォンを切るなどの工夫をすることが必要です。
日頃から自己分析と論理的思考に努めてSPI3に備えよう
SPI3は国内シェアNO1の適性検査なので、事前に内容を把握しておくことが重要です。人物の性格や適性能力などを判断するテストなので、付け焼き刃の対策はあまり効果がありません。普段から自分がどのような思考をするのかを把握したり、新聞などを読み語彙を増やしたりすることを意識しておくのがオススメです。SPI問題集や対策サイトなどを活用して「問題を解く」ことに慣れておくのも大切です。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
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1.SPI3以外にもSPIがあるが、SPI3の対策をしていれば大丈夫
2.テストの結果と面接での印象や言葉は照らし合わされる
3.テストの対策方法を理解すれば、あとは練習あるのみ