保険営業をやめとけと言われる理由として、簡単ではないノルマを達成できるかどうかで収入変化し、安定した生活を送ることが難しいためです。
この記事では、保険営業への就職がやめとけと言われる理由を11個解説します。
加えて、保険営業に向いてる人・向いてない人の特徴や、避けるべき保険営業の求人条件などについてもご紹介します。
これから保険営業への就職を検討している人は、記事の内容を参考にして就職活動に役立ててみてください。
保険営業をやめとけと言われる理由11選
保険営業をやめとけと言われる理由には、以下の11個が挙げられます。
- ノルマを追うことが大変だから
- 顧客に断られて精神的にきついから
- 収入が安定しない
- 行動量がとにかく求められて体力的にきついから
- 自分の知り合いを失うこともあるから
- 事務作業が多く残業が増えやすいから
- 顧客と法的なトラブルに発展することもあるから
- 保険業界の競争が激しくなっているため
- 自分で保険を買わなくてはいけない可能性もある
- 金融商品取引法など行動が制限される
- 離職率が高い
それぞれ詳しく解説します。
1. ノルマを追うことが大変だから
保険営業はとにかくノルマの達成を強く求められる仕事であり、契約件数や契約金額をノルマとして毎月営業をかけていきます。
また、保険営業が取り扱うことになる生命保険や医療保険は、1人の人が何度も契約するようなものではありません。したがって、保険営業は新規顧客への営業の比重が多いと言うのもつらいポイントです。
ノルマについても簡単に達成できるような水準ではないことが多く、毎月上司に厳しい言葉で叱責される可能性が高いことから、保険営業はやめとけと言われています。
2. 顧客に断られて精神的にきついから
保険営業は新規顧客に対する営業をします。テレアポや飛び込みといった営業手法を行う保険営業も少なくなく、たくさんの顧客に断られて精神的にきついと感じることもあるでしょう。
保険営業は顧客に断られてなんぼの世界となっていますので、人に断られる経験をしたことがない人や、他人から厳しい言葉をかけられたくないといった人だと保険営業の仕事は長続きしないと考えられます。
3. 収入が安定しない
保険営業によっては歩合給制度を取り入れているケースがあります。
歩合給とはインセンティブとも呼ばれ、自身の契約件数に応じて給料が増えていく給与形態のことを言います。
保険営業だと「1件の契約につきいくら」や「運用中の保険金額の総額数%」などが歩合給として設定されている傾向にあります。
歩合給の割合が多い保険営業だと活躍すればするほど稼げる反面、全く契約が取れないと収入が安定しなくなるといったリスクがあります。
加えて基本給が低い傾向にあることから、家計的にもきついと感じて保険営業を辞めていく人も少なくありません。
4. 行動量がとにかく求められて体力的にきついから
生命保険や医療保険は、細かな違いこそありますが、大枠として商品によって大きな違いがあるものではありません。したがって商談の成約率を高めることが非常に難しく、多くの保険営業はとにかく行動量を求められる傾向にあります。
1日100件以上のテレアポをすることはもちろん、アポが取れていない時は集合住宅を片っ端から飛び込むように言われたりと、とにかく行動することを求められるため、体力的にきついと感じることもあるでしょう。
5. 自分の知り合いを失うこともあるから
保険営業として就職した直後は、なかなか契約が取れずに業績が伸び悩むことがあります。
特に最初のうちは1回目の契約実績を作るために自分の家族や知り合いに保険を勧めることが少なくありません。
しかし、いくら知り合いであるからといって保険を簡単に契約してくれるわけでもなく、最悪の場合、自分の知り合いを失うことも考えられます。
自分の周囲の人に迷惑をかけたことのある保険営業の人が、就職はやめとけと言っていることもあります。
6. 事務作業が多く残業が増えやすいから
保険営業はアポ獲得や商談が主な業務となりますが、保険の契約にあたっては様々な事務書類を用意しなければなりません。1日の勤務時間で商談と事務作業を並行して行う必要があり、結果的に残業が増えやすいといったつらい点もあります。
加えて、保険営業だと固定残業制をとっている会社が少なくなく、どれだけ残業しても給料が増えずに悩んでしまうこともあるでしょう。
7. 顧客と法的なトラブルに発展することもあるから
保険という商品は会社と顧客がトラブルになりやすい商品です。
例えば、保険を契約する際には申込者が『告知事項』と呼ばれる今までの病歴を申告する手続きがあります。この告知事項で1つでも事実と違うことを伝えてしまうと、保険料を支払っても万一の時に保険金が支払われません。
こうした告知事項について「言った」「言ってない」といったトラブルが起こることは珍しいものではなく、その都度民事裁判が行われることも考えられます。
他にも保険契約後にクーリングオフをされたり、誤った商品案内をしてクレームに発展したりと、とにかく気を使う場面が多いと点も保険営業はやめとけと言われる理由の1つです。
8. 保険業界の競争が激しくなっているため
保険は「将来何かあったときのために備える」という役割が強い商品です。
そのため、20代や30代などライフイベントがこれから変わる人を中心に営業をかけていくのが基本となっています。
しかし日本は少子高齢化という事実に加え、保険以外の資産形成方法もメジャーになってきていることから、数少ない見込み顧客を保険会社同士で取り合っている状況になっています。
保険業界の競争が激しくなっていることを受け、営業の難易度が上がることも考えられますので、今までよりもさらに保険営業は活躍が難しい状況になっていると言えます。
9. 自分で保険を買わなくてはいけない可能性もある
多くないケースですが、契約ノルマが未達の状態が続いていると自分で保険商品を購入しなければならない状況に陥ることがあります。
一度保険を契約すると基本的には毎月保険料の支払いが発生するため、家計を圧迫することもあるでしょう。
保険営業の人の中には、独身で結婚予定がないにもかかわらず、自社の保険商品に数件も加入しているというケースもあり、契約が取れない人には非常に厳しい仕事といえます。
10. 金融商品取引法など行動が制限される
保険商品は、保険業法や金融商品取引法等の様々な法律によって取り扱いが定められています。法律に違反した行為はコンプライアンス違反となりますので、保険会社各社において厳しい目で取り締まりがされています。
ひとたびコンプライアンスに反した行動をとれば懲戒処分になることも珍しくなく、自由に営業ができない点も保険営業をやめとけと言われる理由と考えられます。
11. 離職率が高い
ここまで解説した通り、保険営業はきついポイントがいくつもあるため他の職業よりも離職率が高いと言われています。会社によって細かい離職率は異なりますが、一般的に保険営業の離職率は約8割と言われています。
厚生労働省のデータでは新卒の3年以内離職率が大卒で約3割程度となっていますので、保険営業は極めて離職率の高い仕事だといえます。
保険営業として活躍し続けることができれば年収1,000万円以上を狙えるような夢のある仕事ですが、これだけの『やめとけ』と言われる理由があることをしっかりと理解した上で就職を検討することが大切です。
保険営業に向いてない人
保険営業に向いてない人の特徴としては以下の5点が挙げられます。
- コミュニケーション能力に自信がない人
- 数字の計算が苦手な人
- 知識のインプットが苦手な人
- フットワークが重い人
- 謙虚すぎる人
それぞれ詳しく解説します。
1. コミュニケーション能力に自信がない人
保険営業の仕事の大半は顧客とのコミニケーションによって成り立ちます。
コミュニケーション能力の高い人であれば契約を多く取れますので、働いていて強いやりがいを感じられるでしょう。
一方、コミュニケーション能力が低い人だと、契約はおろか商談のためのアポイントすら取れないことが考えられます。アポイントが取れず、延々と飛び込み営業ばかりさせられて精神的にも身体的にも疲弊してしまうこともあり得ます。
保険営業への就職を通じて、自分のコミュニケーション能力を高めたいと考えている人もいるかもしれません。苦手を克服したいという意識は素晴らしいものですが、就職後に想像以上の苦戦を強いられることがある点は認識しておいてください。
2. 数字の計算が苦手な人
保険営業は簡単な数学の計算を商談中に行うことが多くあります。特にパーセンテージを使った料率の計算は暗算できることも求められるため、数字の計算が苦手な人は保険営業に向かないと考えられます。
どれだけコミュニケーション能力に優れた人であっても、顧客の目の前で計算の苦手なところを見せてしまえば営業としての信頼感がなくなり、契約を取ることが難しくなるでしょう。
中学校までの数学レベルで問題ありませんので、自分は数字の計算ができる人間か今一度確認してみてください。
3. 知識のインプットが苦手な人
保険営業は数々の生命保険や医療保険、年金保険等を取り扱うことになります。ひごろ生活していてもなかなか感じる事はありませんが、保険商品は定期的に新商品というものが販売されています。
商品によって特徴は大きく変わってくるため、新商品が出るたびに知識をインプットすることが必要です。こうした知識のインプットが苦手な人だと、顧客にとってメリットが低い古い商品しか販売できないため、結果的に契約実績が落ち込むことが考えられます。
保険営業は常日頃から勉強することが重要な仕事と言うことも覚えておいてください。
4. フットワークが重い人
保険営業として活躍するためには、とにかくフットワークが軽いことが大切になります。
会社から離れた場所であっても顧客から指定されたらすぐに飛んでいくことが求められますし、タイミングを逃さず即座に行動して営業を行うことも大切です。
悩んでからしか行動できないようなフットワークが重い人だと、保険営業として働くことに苦戦してしまうでしょう。
5. 謙虚すぎる人
営業には有形商材を取り扱う『有形営業』と、無形商材を取り扱う『無形営業』の2つに分かれますが、保険営業は無型営業に属します。一般的に無型営業は形のないものを販売するため、有形営業よりも難易度が高いと言われています。
無型営業を提案する際は、自信を持って商品を勧めることが大切になってきます。
あまりにも謙虚すぎると、顧客から「この保険は良くなさそう」などとネガティブに思われてしまい、失注に繋がってしまうかもしれません。
保険営業を目指すのであれば、「厚かましいくらいがちょうどいい」という点を理解しておいてください。
保険営業に向いてる人
保険営業に向いてる人の特徴としては以下の3点が挙げられます。
- 高収入を稼ぎたい人
- 身体的にも精神的にもタフな人
- 傾聴力のある人
これらの特徴に当てはまる人であれば、未経験からでも保険営業として活躍できるでしょう。それぞれ詳しく解説します。
1. 高収入を稼ぎたい人
保険営業は歩合給制度をとっている会社が多くあります。学歴や職歴に関係なく、契約を取れれば取れるほど収入を稼ぐことができる仕事のため、高収入を稼ぎたい人には向いてる仕事といえます。
厚生労働省が発表した令和4年賃金構造基本統計調査によれば、保険営業の平均年収は374万円と全職種の平均年収程度となっていますが、特に外資系の保険会社では平均年収が1,000万円を超える会社も見られます。
これから仕事に真剣取り組んで高い年収を目指したいという人は、保険営業に挑戦してみるのもおすすめです。
2. 身体的にも精神的にもタフな人
保険営業はとにかく数多くの顧客と商談をし、契約を取ってくることが求められます。契約までの過程で多くの顧客から厳しい言葉を受けることも少なくないため、身体的にも精神的にもタフな人に向いている仕事と言えるでしょう。
タフさが求められる仕事であることから、保険営業は体育会系出身の人が活躍しやすいと言われています。しかし、体育会系出身でなくてもポテンシャルをアピールできれば未経験から就職する事は充分可能です。
また、保険営業を通じて仕事におけるタフさを身に付けることができますので、今後のキャリアも考えた上で、「まずはきつい環境に飛び込んでみたい」と考える人にも保険営業はぴったりといえます。
3. 傾聴力のある人
保険営業はコミュニケーション能力が重要ですが、特に相手の話を引き出す傾聴力が重要です。普通に生きてる人は保険の必要性をあまり感じません。そういった人に真正面から保険の提案をしても契約してもらうことはできないでしょう。
「その人が人生において大切にしているものは何か」であったり、「家庭環境がどういった状況に置かれているのか」など、その人のプライベートなことまで聞き出せると保険を契約してもらいやすくなると言われています。
このことから、相手に気持ちよく話させられるような人は保険営業として活躍できると考えられます。
こんな求人はブラック?保険営業のやめたほうがいい求人条件
保険営業を募集する求人がたくさんありますが、以下のような条件に当てはまる求人の場合、ブラックな働き方を強いられることがあります。
- 歩合給の割合が多い
- 平均残業時間や年間休日の記載がない
これから求人を検討していく際、上記に当てはまる求人はできれば避けておいた方が良いかもしれません。それぞれ詳しく解説します。
1. 歩合給の割合が大きい
保険営業は歩合給制度をとっている会社が多いものの、あまりにも歩合給の割合が多いとブラックな働き方をするリスクが高まります。
もちろん歩合給が多いと契約をすればするだけ稼げるようになりますが、その反面契約が取れないと極めて低い給料で生活をしなければならなくなります。
歩合給の割合が大きすぎる会社で働くと、契約を取ることだけに必死になってしまってコンプライアンス違反をしたり、知り合いに片っ端から保険の提案をしたりなど、良くない働き方をすることに繋がるため避けておいた方が良いでしょう。
2. 平均残業時間や年間休日の記載がない
保険営業は業務量の多さから残業が長くなりやすい傾向にあります。平均残業時間の記載がない求人は、求人書けないほど長く残業をしている会社と考えられますので、応募は避けておくことが無難です。
また、保険営業は個人の顧客を相手にする関係上、土日出勤が多くなるといった特徴もあります。土日出勤をした後に代休を取れる会社もありますが、そうでない場合は必然的に年間休日が少なくなります。
年間休日の記載がない会社は休みが少なくなることも考えられますので、応募はおすすめできません。
よくある質問
最後に保険営業によくある質問について3点取り上げて解説します。
保険営業のノルマはどれくらいですか?
保険営業のノルマについては会社や経験年数によって大きく異なります。ノルマは基本的に公開されていませんが、目安としては月2件程度の契約を取ってくることが求められると考えられます。
月2件と言うと少なく感じるかもしれませんが、既に保険を契約している人は多くいることを考えると、難易度の高い営業であることは間違いありません。
また、月2件のノルマを達成できるようになると、それ以上のノルマをされることになりますので、楽な仕事とは言えないでしょう。
保険営業はなぜ女性が多い?
保険レディという言葉があるように、保険営業には女性が多い傾向にあります。
これは保険が個人のライフイベントに直結している商品であり、中でも女性ならではの出産や育児などの悩みを解消できるということが起因していると考えられます。
最近では男女雇用機会均等法の背景もあり、性別を限定した求人募集は行われていませんが、女性でも活躍できる人が多い点は保険営業の特徴といえます。
保険営業は稼げる?
保険営業は学歴や職歴がない人であっても稼げる見込みのある仕事です。
歩合給の割合が高く、かつ歩合給の上限が高い保険会社を選べば、今までフリーターであった人でも1,000万円以上の年収を稼ぐことは可能です。
一方、契約が取れないと他の仕事よりも低い収入となることも考えられますので、就職するかは慎重に検討する必要があります。
まとめ
保険営業はやめとけと言われる理由を詳しく解説しました。
保険営業はノルマがきつく、精神的にも身体的にも大変な仕事といった特徴はありますが、未経験からでも就職しやすく実力によって誰でも高年収が狙えるといった夢のある仕事です。
自分が保険営業として活躍できるか不安に感じている場合は、就職エージェントのキャリアカウンセリングなどを受けてみることも良いでしょう。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい