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医療事務とは?仕事内容や求められるスキル、就職方法まで徹底解説!

医療事務とは?仕事内容や求められるスキル、就職方法まで徹底解説!

医療事務に就職したいと考え、理解を深めていきたい人も多いのではないでしょうか。

この記事では医療事務の仕事内容や求められるスキル、就職で役立つ資格について解説します。
また、医療事務を目指す上で知っておきたい知識を網羅的にご紹介しますので、就職活動に役立ててみてください。

医療事務とは?

医療事務とは、病院やクリニック等の医療機関において、受付や会計、診療報酬の計算などを行う事務職です。

ほとんどの医療機関で医療事務は働いており、直接医療行為をするわけではありませんが、医療機関の経営を支えていることから、重要な役割を担う仕事といえます。

大枠でいうと事務職の1つになるため、事務業務がメインとなります。
しかし、患者や医療従事者などと直接コミュニケーションを取ることが非常に多いので、事務職の中でも対話力が求められる傾向にあります。
また、診療報酬の計算においては専門的な知識が求められることから、医療事務専門の資格も多いといった特徴も見られます。

医療機関は景気に左右されることなく今後も需要があり続ける施設です。

そのため、医療事務として一度経験を積むことができれば将来的にも安定して働き続けることができるでしょう。

正社員のみならずアルバイトやパートといった非正規での勤務形態も選択でき、自由に働き方を選べる点は医療事務ならではの特徴といえます。

平均年収478万円
仕事に就くためには・医療事務専門の求人サイトを使って就職活動を進める
・契約社員やパートなどで実務経験を積んだ後に正社員登用を目指す
・医療事務専門の派遣会社に登録し、気になる医療機関の求人に応募する
・コミュニケーション能力だけでなく、学習意欲の高さを面接でアピールすることが重要

平均年収出典:厚生労働省「jobtag」 医療事務

医療事務の仕事内容

医療事務の仕事内容としては以下の4点が挙げられます。

  1. 受付業務
  2. 会計業務
  3. レセプト業務
  4. クラーク業務

他の事務職にはないような特殊な業務があるため、医療事務を目指すのであればそれぞれの仕事内容について理解を深めておきましょう。

1. 受付業務

医療事務が働く場所としては、医療機関の入り口付近であることが大半です。来院した患者に対して声をかけ、受付を行うのが医療事務の仕事になります。

受付では患者から保険証を預かり、カルテに登録するための基本情報を記入してもらいます。

その後診察券を発行し、問診票を記載してもらったら看護師や医師に患者の来院を伝え診察に繋げる役割を担います。

患者から記入してもらった基本情報は、医療事務がカルテに入力してきます。カルテ作成も受付業務と一緒に医療事務が行う大切な業務です。

受付で手間取ってしまうと、体調を崩している患者の病状を悪化させてしまうことにも繋がりかねませんので、ミスなく手際よく仕事を進めていくことが求められます。

2. 会計業務

診察が終わった患者に対して適切な診察料を請求し、お金をもらうといった会計業務も医療事務が担います。

多くの医療機関では現金払いが主流となっていますので、会計に関する基本的な計算能力が求められます。

医療費を受け取ることができたら必要に応じてお釣りを渡します。また、お釣りを渡す際に領収書や処置内容が書かれた医療費の明細書、処方箋などを合わせて患者に渡すこともあります。

患者に渡すべきものを渡せないと患者に迷惑をかけてしまうことになりますので、注意する必要があります。

3. レセプト業務

レセプトとは診療報酬明細書のことをいいます。

患者は基本的に健康保険に加入していますので、保険証を提出することにより本来支払うべき医療費の3割(高齢者などの場合は1割)だけを負担すれば良い制度になっています。

患者から支払われなかった残りの医療費については、患者が加入している健康保険組合が支払うことになります。健康保険組合に残りの医療費を請求するのに必要になってくるのがレセプトです。

医療事務は診察が終わった後、レセプトに記載していく診療報酬の点数を計算していきます。

処置によって点数があらかじめ定められているだけでなく、様々なルールに基づいて適切に点数を計算していく必要があります。

最終的に医療事務が計算した点数に基づいて患者から診察料を受け取ることになるため、医療事務の業務の中でも最も重要な業務と言っても過言ではありません。

レセプト業務については、極めて高い専門的な知識と一定の医療知識が求められます。事務職ながら医療に関する知識も習得しておかないと、業務に対応することが難しくなります。

4. クラーク業務

比較的大きな病院で医療事務として勤める場合に発生してくるのがクラーク業務です。

クラーク業務とは患者と医療従事者の中継となるような業務のことを指し、「外来クラーク」と「病棟クラーク」の大きく2種類に分けられます。

外来クラークとは、診察に使うカルテの整理やレントゲンなどの画像データを準備するなどの業務が該当し、事務作業の面で医療従事者の仕事をサポートすることが求められます。

病棟クラークとは、患者の入院や退院に対して事務作業を行うことをいい、入院食や入院着を始めとした管理・伝票整理といった事務作業が発生してきます。

病棟クラークの場合は、医療機関の入り口付近ではなく病棟看護師が待機しているナースステーションで働くケースが多い傾向にあります。

医療事務に必要なスキル

医療事務に必要になってくるスキルとしては以下の4点が挙げられます。

  1. 医療に関する基本的な知識
  2. 医療保険制度に関する専門的な知識
  3. コミュニケーションスキル
  4. 事務処理スキル

民間企業の一般事務として働くよりもやや特殊なスキルが求められます。

医療事務を目指す上では、これらのスキルが必要になってくることを認識しておいてください。それぞれ解説します。

1. 医療に関する基本的な知識

医療事務には医療に関する基本的な知識が必須レベルで求められます。

医師や看護師のように専門的な医療知識までは必要ありませんが、一定の医療知識がないとレセプト業務においてカルテを読み解く際にカルテに書かれている内容が理解できず、仕事が進められないと言った事態に陥りかねません。

例えば、「初診と再診にはどういった違いがあるのか」や、「発熱の際に使われることの多い医薬品や主な処置内容は何になるか」などの水準で医療知識をインプットしておく必要があります。

医療の幅は非常に広いため全ての医療知識を覚えるのは難しく、場合によっては医療事務用の点数計算の本を片手に業務と向き合うこともあります。

このように、医療事務は医療に関する基本的な知識が求められることから、就職後に医療事務専門の資格取得を義務付けられている職場も少なくありません。就職後にも知識をインプットしていかなければいけない仕事ということを認識しておいてください。

2. 健康保険制度に関する専門的な知識

医療事務には医療知識だけでなく、健康保険制度に関わる専門的な知識も求められます。

健康保険証を提示することで、患者は医療費の3割だけを負担すれば良い事は多くの人が知っているでしょう。

ただ、例えば後期高齢者医療被保険者証を提示する場合は、医療費の負担が1割だけになることや、保険証と一緒に乳幼児医療証を提出されたら基本的に医療費の負担がなくなるなど、様々なパターンが存在します。

これらのパターンは、すべて健康保険制度によって定められており、医療機関によって支払いのサービスがあるといったことはありません。医療事務は健康保険制度に関わる幅広い知識を持っておかないと患者に対して誤った医療費の請求をすることになります。

基本的には職場に用意されている医療事務向けのマニュアルをしっかりと読み込めば業務を回せるようになっています。しかし、医療事務としてスキルを身に付けて管理職などを目指していきたいと考えるのであれば、自ら制度の理解を進めることも求められます。

3. コミュニケーションスキル

通常事務職であれば、誰かとコミュニケーションを取ることは少なく、自分に与えられた業務を黙々と進めていくといった働き方が主流になっています。
しかし、医療事務は受付や会計業務、クラーク業務等患者や医療従事者といった自分とは異なる立場の人とやりとりを行うことが多いといった特徴があります。

このことから、医療事務には一定以上のコミュニケーションスキルが求められると言えます。

コミュニケーション能力がないと、例えば患者に対して受付や会計の対応をする際に相手に不快感を感じさせるような対応を行ってしまい、クレームに発展することも考えられます。
また、医療従事者と適切なコミュニケーションが取れないと、患者の情報を間違って共有してしまったり、診察がスムーズに進められなくなるなどといった悪影響をもたらしかねません。

このように、医療事務は事務職ながらも高いコミュニケーションスキルが求められるということは、応募前にしっかりと認識しておいてください。

4. 事務処理スキル

医療事務のもとには数多くの事務作業が降ってきます。

特に外来患者を担当する医療事務として配属された場合は、自分の仕事の遅さが診察までの待ち時間や会計の待ち時間に直結してくるため、手早く事務処理を進めていけるようなスキルが強く求められます。

次々と降ってくる仕事をテキパキとこなさないと、周りの医療事務にも迷惑をかけることになるため、集中して仕事に向き合う意識が重要になってきます。
また、業務が立て込んで焦ってしまうとミスに繋がりやすくなるため、常に冷静に仕事に向き合えるような素質も重要になってくるでしょう。

医療事務は求められる知識が幅広いため、就職直後は思うように事務処理を進められないかもしれません。一度知識や実務経験を身に付けることができれば、ある程度はルーティンワークになってきますので、特に意識しなくても素早く業務を進められるようになるはずです。

医療事務向けの資格

医療事務に就職するために資格は必須というわけではありません。
しかし、事務に関する資格を持っていると、就職後に最初から高い収入を提示される求人に応募できたり、就職活動で有利になるといった様々なメリットが考えられます。

特に以下のような医療事務向けの資格を取得できておくと、中長期的に医療事務として働くことを目指す際に有利になるでしょう。

  1. 医療事務技能審査試験
  2. 医療事務管理士
  3. 診療報酬請求事務能力認定試験
  4. 医療事務認定事務所(R)

それぞれ合格率や目安勉強時間についても解説しますので、就職活動に余裕が少しでもありそうであれば取得を検討してみてください。

1. 医療事務技能審査試験

医療事務機能審査試験とは「メディカルクラーク」とも呼ばれ、医療事務に関係する資格の中では最も受験者が多いといった特徴があります。

学科と筆記試験の2つで試験が構成されており、医療事務として求められる健康保険制度や関連する法律だけでなく、レセプト業務やコミュニケーションスキルなどを幅広く問われます。

試験は各都道府県で毎月実施されているため、もし落ちてしまっても再受験がしやすいといった受験のハードルの低さがメリットです。

医療事務未経験者であっても、合格率が50%以上であることから集中的に勉強すれば誰でも資格取得が狙えるでしょう。

合格率目安50〜60%
勉強時間目安3ヶ月〜6ヶ月

2. 医療事務管理士

医療事務管理士は、医療事務として求められる医療保険制度やレセプト業務、医学に関する基本的な知識などがあることを証明できる資格です。

試験の間隔は2ヶ月ごとのため、医療事務技能審査試験よりもやや受験ハードルは高くなっていますが、試験の難易度としてはそこまで難しいものではありません。

資格を取得することで医療事務としての就職活動を有利に進めることが可能です。

また、就職後に医療事務管理士の資格を取得できると収入を上げられるケースもありますので、今のうちに取得を検討しておくこともおすすめです。

合格率目安50%
勉強時間目安5ヶ月

3. 診療報酬請求事務能力認定試験

診療報酬請求事務能力認定試験は厚生労働省が唯一認定している医療事務の資格試験です。

年に2回しか受験する機会がないだけでなく、求められる知識も専門性が高いことから、合格率は30%となっています。

医療事務に関係する資格の中では最も難しい資格と言われており、もし未経験者が資格取得できれば、就職活動で非常に有利になると考えられます。

ただ、勉強時間としても9ヶ月間程度はかかってしまうため、無理に資格取得を狙って就職活動が遅れてしまう事は避けてください。

合格率目安30%
勉強時間目安9ヶ月

4. 医療事務認定実務者(R)

医療事務認定事務者は、医療事務としての実務の基礎知識があることを証明できる資格です。

他の医療事務資格に比べて比較的新しく解説された資格であり、難易度は今回紹介した資格の中でも最も低いと言われています。

試験当日には参考資料やノートなどを持ち込めるようになっていることから、未経験者でも挑戦しやすい資格と言えます。

どちらかというと、医療事務としてのコミュニケーションや適切なマナーといった受付業務に必要な知識が問われる資格のため、まずは医療事務認定実務者の資格取得から目指してみるのも良いでしょう。

合格率目安60〜80%
勉強時間目安4ヶ月

未経験から医療事務になる方法

医療事務の仕事は将来的にも需要が高く、かつ様々な働き方が選択できるため、就職を目指す未経験者が多くなっています。

未経験から医療事務になる方法としては、以下の5つの手段が挙げられます。

  1. 求人サービスを使う
  2. 医療系の学校を卒業して就職を目指す
  3. 契約社員やパートから正社員就職を狙う
  4. 無資格・未経験で求人に応募する
  5. 資格を取得してから求人に応募する

それぞれの方法について詳しく解説しますので、自分に合った方法で医療事務を目指してみてください。

1. 求人サービスを使う

未経験から医療事務を目指したいのであれば、まずは求人サービスを使うことがおすすめです。求人サービスの中でも特に求人サイトを使った就職活動が一般的であり、自分で条件を検索して希望に合っている求人に応募を行います。

医療事務の場合は医療事務に特化した求人サイトも少なくありませんので、気になるサービスを見つけたら、会員登録をしてみましょう。

求人サイトを使う場合は、履歴書の準備や応募先の選定などを全て自分1人で行う必要があります。もし医療事務を目指す就職活動が初めてで不安という人は、就職エージェントを活用してみるのもおすすめです。

就職エージェントを利用することで、専任のアドバイザーがキャリアカウンセリングをしてくれたり、自分に向いてる求人を紹介してもらえるようになります。

また、履歴書の添削や模擬面接の実施など、選考の通過率を引き上げることに役立つサポートもしてもらえるため、医療系の就職に強い就職エージェントも並行して利用を検討してみましょう。

2. 医療系の学校を卒業して就職を目指す

専門的な知識を身に付けた上で医療事務になりたいのであれば、医療系の学校を卒業することも選択肢になってきます。

今から大学に通うのは若干ハードルが高いと考えられるため、資格専門学校や医療事務に関する専門学校に通うことがおすすめです。

医療系の学校を卒業できれば、それだけでも履歴書でアピールできるポイントが増えて就職に有利になると考えられます。実務経験がない未経験者であっても基本的な医療事務に関する知識をインプットしておけるため、就職後にすぐに活躍できるのもメリットといえます。

ただし、医療系の学校を卒業するには一定のお金が必要になってきます。

支出だけが増えて家計を圧迫することも考えられるため、お金と時間に余裕がある人に特におすすめできる方法と言えるでしょう。

3. 契約社員やパートから正社員就職を狙う

正社員として医療事務に就職したいと考えている人は、まずは契約社員やパートといった働き方から実務経験を積んでみるのもおすすめです。

医療事務は様々な雇用形態で働くことができる点が魅力の仕事です。

契約社員やパートであれば、正社員として就職するよりも選考の難易度が低い傾向にあることから、実務経験を積むという意味では最も素早く就職できると言っても過言ではありません。

契約社員やパートとして実務経験を積んだ後は、その経験をアピールして医療事務の正社員求人に応募していくと良いでしょう。

職場によっては非正規雇用から正社員に雇用切り替えをするような制度も受けているケースもあるため、着実に医療事務を目指したいのであれば、応募先の雇用制度についても調べておきましょう。

4. 無資格・未経験で求人に応募する

医療事務に関する資格や経験を持たないまま、求人に応募するのも1つの手段です。

医療事務は常に求人が募集されているようなニーズの高い仕事ではあるものの、その専門性の高さから就職を敬遠してしまう求職者も少なくありません。

そのため、資格や未経験者であっても正社員として就職することは充分可能だと考えられます。

無資格や未経験で医療事務を目指す場合は、ポテンシャルの高さをアピールする必要があります。医療事務としてのポテンシャルの高さとして、医療に関する知識を学び続けられるような学習意欲に加えて、受付をスムーズに進められるようなコミュニケーション能力をアピールすると良いでしょう。

ポテンシャルのアピールができないと就職が難しくなってきますので、特に面接の対策をすることが重要になってきます。就職エージェントやハローワークなどを活用し、模擬面接の経験を積むことから始めてみてください。

5. 資格を取得してから求人に応募する

医療事務の実務経験がなかったとしても、先ほど解説したような医療事務に関連する資格を取得できれば一定の知識の高さをアピールすることができます。そのため、資格を取得してから求人に応募するという方法も未経験者にはおすすめできる就活方法です。

医療事務に関連する資格はいくつか挙げられますが、勉強に自信がない人であればまずは「医療事務認定実務者」の資格から取得を検討してみてください。

医療事務認定事務者は、医療事務の業務の中でもとっつきやすい受付業務の知識を問われるため、未経験者でも学習が進めやすい資格です。

また、資格を取得する場合は、資格取得にあまり時間をかけないことを意識してください。

就職活動のスタートまでに時間がかかってしまうと、貯金がなくなるだけでなく、年齢が上がって未経験就職そのものが難しくなることが考えられます。

目安としては、1回資格受験をして不合格になったら、無資格のまま就職活動を進めるといった進め方が良いでしょう。

医療事務に向いてる人の性格

医療事務に向いてる人の性格としては、以下のような特徴が挙げられます。

  • 真面目で誠実な人
  • 思いやりのあるコミュニケーションができる人
  • 臨機応変に対応できる人
  • 学習意欲が高い人
  • 数字を扱うことに慣れている人
  • 正確な作業ができる人

これらの特徴に当てはまる人であれば、未経験であっても医療事務として活躍していくことができるでしょう。それぞれ詳しく解説します。

1. 真面目で誠実な人

医療事務の働く医療機関は、公共性の高さが求められる施設です。

我々が普段患者として医療機関でサービスを受ける際、一定以上のホスピタリティを求めるように、医療機関で働く以上は真面目で誠実な対応が求められます。

自分が担当する領域の業務は責任を持ってこなす事はもちろん、ミスが起きたときに隠すことなく関係者に報告・謝罪をするといった誠実さも重要です。不真面目で不誠実な人だと、面接の際に見破られてしまい就職することは難しいと考えられます。

2. 思いやりのあるコミュニケーションができる人

医療事務は、日常生活ではあまりやりとりしない人とコミュニケーションをすることになります。

例えば受付業務では、体調の芳しくない患者に対してコミュニケーションを取ることになります。コンビニや百貨店などに来店する顧客とは異なり、心身ともに不調な人を相手にする関係で、より丁寧なコミュニケーションが求められるでしょう。

また、医師や看護師など医療に携わる人と業務上のやりとりをすることもあります。医療従事者は常にせわしなく働いているため、相手の忙しさを思いやった上でコミニケーションを取らないと、うまく業務が回らないことが考えられます。

これらのことから、医療事務は相手を思い合ったコミュニケーションをすることが重要な仕事と言えます。相手の立場に立って物事を考えられる人に向いてると言えるでしょう。

3. 臨機応変に対応できる人

医療事務の業務はルーティンワークが主となります。

しかし、医療現場で働いている以上突発的なイレギュラーが起こる事は珍しくありませんので、トラブルが生じた際に臨機応変に対応できる人に向いてる仕事と言えます。

例えば、受付業務において受付順に患者を案内している際、明らかに容態のすぐれない様子の患者を見かけたら、積極的に声をかけて看護師に相談して診察順を入れ替えるといった対応が求められます。

臨機応変に対応できることによって医療事務としての介在価値が高まり、職場で高い評価を受けることに繋がるでしょう。臨機応変に対応するためにも、日ごろから業務知識をしっかりとインプットしておき、基礎を固めておくことが大切です。

4. 学習意欲が高い人

医療事務はレセプト業務において特に覚えることが多い仕事です。

医療に関わる基本的な知識から社会保障、医療保険制度に対する深い知識も求められます。加えて、医療に関する制度は不定期に変更されるため、その都度新しい知識をインプットしておくことが重要です。

そのため、医療事務として就職した後は定期的に勉強をし続けることが重要であり、学習意欲が高い人に医療事務の仕事は向いてると言えるでしょう。

誰にでもできる単純な作業だけをして働いていきたいという人が医療事務になってしまうと、仕事をしていてストレスを感じることも考えられます。

5. 数字を扱うことに慣れている人

医療事務は会計業務を行うため、単純な計算を頻繁に行うといった特徴があります。

また、レセプト業務においては点数の計算を間違いなくしなければならないため、パソコンでの計算結果が間違いないかを確認することもあります。

医療事務が数字の計算を間違えてしまうと、病院の売り上げに悪影響を与えてしまうだけでなく、患者に対して誤った会計をすることに繋がります。このことから、数字を扱うことに慣れている人は医療事務の仕事に向いてると言えます。

6. 正確な作業ができる人

医療事務のもとには多くの事務処理依頼が舞い込んできます。一つ一つ素早く対応することは当然ながら、間違いなく正確な作業ができることも同程度に求められます。

今までインプットしてきた知識や経験を活かして、ミスなく正確に作業ができる人に向いてる仕事と言えるでしょう。

味噌を頻繁に起こしてしまうと上司や患者から怒られるだけでなく、勤めている医療機関の信用が落ちてしまうことも考えられます。

医療機関の口コミが自分のせいで悪くなってしまうといったことも考えられますので、仕事をしっかり覚えて正確に作業できる人間か自問自答するようにしてください。

医療事務のキャリアパス

医療事務として経験を積むことで、以下のようなキャリアパスを積むことができます。

  • 資格を取得して給料を上げる
  • マネジメントスキルを磨いて管理職になる
  • 医療情報技師になる

医療事務は医療関係の仕事のキャリアパスを歩めるといった特徴があります。上記の他にも、民間企業の事務職として転職するなどのキャリアパスも歩めますので、幅広い将来の選択肢が取れるといった点はメリットと言えるでしょう。

ここでは上記のキャリアパスについて詳しく解説していきます。

1. 資格を取得して給料を上げる

医療事務として無資格や未経験で就職した場合は、基本的に低めの給料からスタートすることになります。

医療事務が給料を上げるためには、正社員になるかスキルを認めてもらう必要がありますが、そのうち後者のスキルを認めてもらうための方法として、資格取得が挙げられます。

先ほど紹介したような医療事務に関連する資格を取得することで高いスキルを認められ、月の給料を上げることが可能です。会社によっては所定の資格を取得することで月収のベースを上げられるような給与形態を設けているケースもあります。

また、資格取得を応援するような福利厚生の整っている会社だと、資格取得したタイミングで受験料や参考書代がもらえることもありますので、求人に応募する際は資格取得に関する福利厚生があるかをチェックすることがおすすめです。

2. マネジメントスキルを磨いて管理職になる

医療事務としてある程度自分のスキルを高めていくことができたら、その次は自分の後輩や同僚の指導を任されることになります。

新しく職場に入ってきた医療事務の初心者に対して適切な指導を行い、組織として業務を円滑に回していけるようなマネジメントスキルを身に付けていきましょう。

マネジメントスキルを身に付けることができると、より多くのメンバーを率いて業務を進めていけるような管理職に昇格することも可能です。管理職になることによってプレッシャーが重くなってしまうことはありますが、その一方で給料を大幅に上げることができます。

また、医療事務として管理職の経験を積むことができると、他の会社に転職する際の大きなアピールポイントになります。管理職は医療事務の実務経験とは全く異なる素養が求められるため、自身のキャリアにおいてスキルアップにつながることは間違いありません。

医療事務であってもマネジメントの業務に携わることもできるということは認識しておくと良いでしょう。

3. 医療情報技師になる

医療情報技師とは、医療情報を取り扱うシステムの開発や運用、保守などを行うITエンジニアの1種です。

医療事務としてITシステムを使っていくと、使いづらいポイントや改善した方が良いポイントを見つけられるはずです。そうした実務経験を活かしてシステムを作る側に回るといったキャリアチェンジも考えられます。

医療情報技師はITエンジニアのため、システムに関する知識やプログラミングのスキルなどを別に身に付ける必要がありますが、医療事務の経験のある医療情報技師はそこまで多くないため、市場価値の高いキャリアパスを歩むことに繋がるでしょう。

学習意欲が高い人であれば、医療事務の知識のインプットだけでなく、医療情報技師として求められる知識のインプットも可能なはずです。医療事務よりも高い給料を見込むこともできますので、業務に慣れてきたら医療情報技師を目指すといった選択肢も検討してみてください。

医療事務の一日のスケジュール

医療事務は以下のようなスケジュールで1日を過ごすことになります。

  • 7:30出勤
  • 8:00 受付開始
  • 11:30 昼食
  • 12:30 午後の受付開始
  • 16:00 夕会
  • 16:30 退勤

勤める医療機関によっては深夜帯のシフトが入ることもありますが、ここでは働くイメージを持ちやすくするために日勤のシフトで勤務する前提でのスケジュールを解説します。

働くイメージをより具体化した上で、医療事務への就職を検討するようにしてみてください。

7:30 出勤

医療機関は朝早くから診察が始まっていますので、医療事務もそれに伴って出勤時間は比較的早めになっています。特に大病院で働く場合は来院する患者数が非常に多くなるため、なるべく早く出勤して受付ができる準備を整えておきます。

また、その日に予約されている来院数や連絡事項の共有を行う朝礼にも参加します。

重要な変更なども伝えられることがありますので、時間に遅れないよう余裕を持って出勤することが必要です。

8:00 受付開始

病院の診療時間がスタートすると患者が次々と来院してきますので、順番に受付をしていきます。なるべく患者が待たないように的確に受付を捌いていくことになりますので、業務のフローを記憶することが重要です。

また、受付においては患者から保険証や診察券を預かってカルテの作成や用意を行うため、他の患者と取り違えないように留意する必要があります。患者を受け付けたら看護師や医師に情報連携し、診察に繋げていきます。

昼食の時間まで受付の業務を行いつつ、診察が終わった患者にはレセプトの計算を行い会計を実施します。受付と会計と医療費の計算を全て並行して行わなければなりませんので、患者数が多いと医療事務の現場はばたつきやすくなります。

11:30 昼食

病院には昼の時間が設けられており、その時間は診療がストップします。そのため、医療事務は医療機関の昼休憩の時間に合わせて昼食を取ることになります。

昼食中は余程のことがない限り医療事務は業務を止めることができるため、1時間丸々ランチに当てられるケースも多くあります。ただ、病院の中の控え室のようなところでランチを取るケースが大半のため、外食をしたり騒いだりすることは基本的に厳禁です。

昼食を食べ終わったら、残りの休憩時間を資格取得の勉強に当てるといった医療事務の人も少なくありません。

12:30 午後の受付開始

医療機関の昼休憩が終了したら午後の受付が開始されます。

午前の業務と同じように来院した患者を次々とさばいていく必要があります。医療機関にもよりますが、午前よりも午後の方が患者の数が多くなることもあります。

午後になってくると入院患者のお見舞いに来る人も出てきます。入院機能のある大病院の場合は、お見舞いに来た人に対して適切に病棟を案内するといった業務を担う必要も出てきます。

16:00 夕会

診察時間の最後の患者の受付を終了したら、医療事務の業務は終わりになります。

そこからは締め作業として受付の掃除をしたり、翌日のカルテの準備や待合室の清掃など明日に向けた準備を行っていきます。

ある程度その日に行うべき業務を完了させたら夕会が始まります。

夕会では情報共有が主な内容となってきますが、トラブルが起きた場合はその日のうちに事例共有し、同じトラブルを引き起こさないようにすることもあります。

16:30 退勤

夕会が終了し、やるべき残業務も完了したら退勤になります。

医療事務の場合は勤める医療機関の診察時間が勤務時間とほぼイコールになるため、残業が発生しにくいといった特徴が見られます。

基本的に医療機関は夜遅くまで診察をしていないため、医療事務も早めに帰宅することが可能です。早めに帰宅した後はプライベートの時間をとりやすいため、ワークライフバランスを保って働けるというのも医療事務の魅力と言えるでしょう。

医療事務の仕事のやりがい

医療事務の仕事のやりがいとしては以下の3点が挙げられます。

  1. 患者や医療関係者から感謝されやすい
  2. 自分で仕事を回せている実感を得られる
  3. スキルアップを感じやすい

それぞれ詳しく解説します。

1. 患者や医療関係者から感謝されやすい

医療事務は常に誰かをサポートしているような仕事です。

患者に対しては円滑に医療サービスを受けられるように受付やクラーク業務を行います。また、医師や看護師に対しては実施した処置を適切に会計で請求するといったレセプト業務を担うことになります。

関係者が多い医療事務という仕事だからこそ、患者や医療関係者から感謝されやすいというのは大きなやりがいと言えます。

診察が終わり、安心した患者からは感謝の言葉を直接かけてもらいやすいですし、医師や看護師など普段日常的には関わらないような人も、医療事務の仕事に対して感謝の言葉を投げかけてくれることも少なくありません。

人と関わる事務職だからこそ、人から感謝されやすいといった特徴があります。誰かのためになるような仕事をしたい人におすすめできる仕事と言えるでしょう。

2. 自分で仕事を回せている実感を得られる

医療事務は求められる知識や専門性こそ高いものの、一度業務を習得できれば1人で次々と仕事を回していけます。受付から会計レセプト、クラークなど医療の現場にはどれも必要不可欠な仕事のため、スキルを身に付けて自分で仕事を回せているといったやりがいを感じられるでしょう。

自分自身の仕事を自分が認めてあげられる状態を作れれば、おのずと仕事に対するやりがいを感じられます。加えて、自分の仕事が明確に社会に貢献していることも実感しやすいため、働いていてやりがいを直に感じられるというのは、医療事務ならではの特徴と言えます。

3. スキルアップを感じやすい

医療事務では、特にレセプト業務において知識や経験がモノを言います。

最初のうちは簡単な診察のものしか診療報酬を計算できませんが、知識やスキルを習得していくことで複雑な診療費計算もできるようになるでしょう。
加えて、業務知識を資格取得で証明できるということもあり、自身でスキルアップを感じやすいというやりがいを感じられる仕事という点も特徴です。スキルアップを感じやすくなると自己肯定感も上がるため、仕事で落ち込みにくくなります。

それだけでなく、スキルアップをして管理職やスペシャリスト、別業界への転職といった次のアクションを積極的に検討しやすくなるため、人生をより豊かにできるとも考えられます。

医療事務に就いて良かった人の声

医療事務に就職して実際にどのように感じたのかという声は様々見られます。中でも医療事務として就職して良かったと回答する人の声をいくつか抜粋して解説します。

社会に貢献できている実感がある

医療事務は医療機関で働くことになりますが、医療機関は極めて社会貢献性の高い施設となっています。医療機関がなければ地域の住人の健康が危ぶまれるだけでなく、救急医療体制が崩壊することも考えられますので、日本においてなくてはならない施設と言えます。

そうした社会貢献性の高い医療機関で医療事務として就職することで、「社会に貢献できている実感を感じられた」という声を多く目にすることができます。

自分が医療事務として働くことで、その地域の医療体制の貢献にも繋がるため、誇りを持って働ける仕事と言えるでしょう。

医療機関で安定して働き続けられた

医療機関はこれまでもこれからも高い需要があり続ける施設です。

医療機関が倒産するということは非常に珍しく、たとえ経営が傾いたとしても必要に応じて地方自治体や国から経済的な支援を受けることも可能になっています。

このように、働き先として安定性が高いということから、医療事務として就職できると「働き口に困らなくなった」という声が多く見られます。安定している医療機関で将来長く働けるイメージを持ちやすいということは医療事務に就職するメリットと言えます。

医療事務になるメリット

医療事務になるメリットとしては以下の5つのポイントが挙げられます。

  1. 希望するエリアで働きやすい
  2. 安定して働ける
  3. 様々な働き方を選択できる
  4. 未経験からでも就職しやすい
  5. 将来的な需要が高い

それぞれのメリットについてしっかりと理解した上で、医療事務を目指すようにしてください。

1. 希望するエリアで働きやすい

医療事務の業務内容は、基本的にどの医療機関でも同じような仕事になります。同じ医療システムを使っている場合は、作業の手順も全く同じといったこともあるでしょう。

医療機関は全国に数多く存在しますので、一度医療事務として実務経験を積むことができると、希望するエリアで働きやすいというメリットを得られます。

例えばパートナーが全国転勤をするような会社に勤めていて、自分も転勤の都度引っ越さなければならないという人だと、普通は引っ越し先で就職先を見つけることに苦戦してしまうでしょう。

しかし、一度医療事務として実務経験を積めていると、引っ越し先の医療機関で即戦力として就職をしやすくなるため、働く場所を選ばないといったことが実現できます。
加えて、医療事務はほとんどが転勤というものが存在しないため、一度働きたいと思ったエリアを決めることができたら、そのエリアで働き続けられるというメリットも挙げられます。

2. 安定して働ける

医療事務が働くことになる医療機関は、基本的に潰れることがありません。

特に大病院や大学病院など規模の大きな病院で医療事務として働けると、自分が退職しようと思わない限り腰を据えて働けるといったメリットが挙げられます。

昨今ではどれだけ安定している会社であっても、突然経営が傾いてしまい、コストカットのためにリストラを行うといったケースも見られます。その点、医療機関は需要も経営も安定していることから、急に勤め先が倒産してしまうというリスクを考える必要がありません。

安定して働けるだけでも精神的な余裕が生まれますので、仕事もプライベートも安心して生活することができるでしょう。

3. 様々な働き方を選択できる

医療事務は正社員だけでなく、パートや契約社員、派遣からアルバイトまで様々な働き方を選択することが可能です。シフト制のように働き、自分の勤務できる時間で働くといった自由度の高さもあり、ライフイベントが変わっても働き続けやすいというメリットを享受できます。

子供がいなければフルタイムで正社員として働き、子供ができた後は、時短勤務やパートといった働き方を選択するといったことも柔軟に対応できるので、ライフイベントの変化でキャリアを諦めなければならない事はありません。

4. 未経験からでも就職しやすい

最終的に専門性が求められますが、医療事務は人手不足という現状がありますので、未経験者を歓迎する求人が多く募集されています。

そのため、ポテンシャルをしっかりと面接でアピールすることができれば未経験からでも就職しやすい仕事となっており、すぐにでも働きたい人からすれば大きなメリットと感じられるでしょう。

加えて、未経験者が多く就職してくる仕事ということもあり、それぞれの現場でマニュアルが用意されているというのもメリットとして挙げられます。マニュアルが用意されていることで、未経験者も安心して仕事を始められるでしょう。

未経験から医療事務の経験を積み、手に職をつけて様々な医療機関で働ける人材になれるという点は大きなメリットです。

5. 将来的な需要が高い

日本は少子高齢化といった社会的な問題を抱えています。

年齢別の人口割合は逆ピラミッド型と言われており、今後も高齢者がどんどん増えていくということが予想されています。年齢を重ねれば重ねるほど、どんな人間も体が弱くなっていきますので、医療機関にかかることも多くなっていく傾向にあります。

したがって、今後も医療機関の需要は高まっていくことが想定されると同時に、医療機関で働く医療事務の価値も高まっていくと言えます。今のうちに医療事務として実務経験を積めると、将来も高い需要の仕事で働き続けられるというメリットに繋がります。

また、需要と給料は比例する関係にあるため、今後医療事務の給料が上がっていくことも考えられるでしょう。今のうちに医療事務として経験を積んでおき、将来安定した医療業界で需要の高い仕事に取り組み続けられるといったメリットがあることは認識しておくと良いでしょう。

医療事務になるデメリット

医療事務になるデメリットとしては以下の5つのポイントが挙げられます。

  1. 常に臨機応変な対応が求められる
  2. 専門的な医療知識を学ぶ必要がある
  3. 給料は低め
  4. 患者からクレームを受けることもある
  5. ミスが許されずプレッシャーを感じやすい

医療事務を目指す際は、メリットだけでなくデメリットも合わせて理解しておくことが大切です。これらのデメリットを許容できるかできないかで医療事務を目指すのか判断するようにしてみてください。

1. 常に臨機応変な対応が求められる

医療事務は基本的にルーティンワークが主になりますが、医療現場は常にトラブルと隣り合わせの業界のため、臨機応変に対応することを求められることも少なくありません。

患者の容態や救急車両の受け入れなどで診察の順番が変わることも珍しくありませんので、その都度臨機応変に受付の対応をしていくことが必要です。

常に臨機応変な対応が求められる仕事ということもあり、人によっては業務にストレスを感じたり、働きにくさを実感することもあるでしょう。常に同じ業務だけを1日中進めていきたいと考えるような人だと、医療事務の仕事に向かないとも言えます。
また、臨機応変に対応しなければならないことで、自分が本来やるべきだった業務が遅れてしまうことも考えられます。自分ですべての業務をコントロールしていきたいという人には、医療事務の仕事がデメリットに感じられるでしょう。

2.専門的な医療知識を学ぶ必要がある

医療事務は事務職ではありますが、仕事を進めていく上でどうしても医療知識を覚えておく必要があります。専門的な医療知識がないと、レセプト業務で手が止まってしまうことが考えられます。

専門的な医療知識は、医学を学んでこなかった人からすれば非常にとっつきにくい学問です。

習得する難易度も高く、人によっては医療知識を覚えることができずに医療事務の仕事を諦めてしまうといったケースも少なくありません。
加えて、医療知識を学んでも医療行為ができるようになるわけでもないので、業務でしか使えない知識を学ぶことに繋がります。このことから、仕事をするために勉強時間や記憶力を発揮しなければならないといったデメリットが挙げられます。

3. 給料は低め

医療事務は求められるスキルが幅広いものの、平均年収は291万円と比較的低くなっています。事務職全体の平均年収が343万円で、民間企業の一般事務の平均年収が345万円であることを考えると、習得しなければならない知識と収入にアンバランスさが見られるといったデメリットが挙げられます。
加えて、医療事務はほとんどの職場で残業ができない傾向も見られますので、残業をして年収を上げるといった方法も取ることは難しいのが実態です。

残業がなく、安定した職場で働き続けられるというメリットは大きいですが、その分年収が低いという点は認識しておかなければならないでしょう。

場合によっては、プライベートの時間が持ててもプライベートに使えるだけのお金が稼げないと悩むことも珍しくありません。医療事務を目指すのであれば、高い収入を期待するといった事は避けておくようにしてください。

4. 患者からクレームを受けることもある

医療事務は患者に極めて近い立場で仕事を進めることになります。

立場が近い分、仕事に対して直接感謝の言葉を投げかけられやすいといったやりがいが感じられる反面、ミスをしてしまうと患者から直接クレームを受けることが考えられます。

通常の民間企業であれば、クレームを受けた際には上司が代わりにその場を収めてくれることが一般的ですが、医療事務の場合は絶対的な上司というものが存在しないことがあり、クレーも自分の手で収めなければならないことがあります。

クレームを受けるとどうしても精神的につらい気持ちになってしまいますので、働いていてストレスを感じやすい仕事とも言えます。他人から直接クレームを言われるような距離感の仕事で働きたくないと考える人は、医療事務の仕事に大きなデメリットを感じることになるでしょう。

5. ミスが許されずプレッシャーを感じやすい

医療事務の仕事は基本的にミスが許されません。

レセプト業務で診療報酬の金額を間違えてしまい、誤った金額で患者に医療費を請求したとなれば、会計が終わって帰宅した患者に再度正しい医療費でお金を請求し直さなければならなくなります。
また、医療機関そのものが公共性が高く、ミスが許されないといった風潮も見られます。

そのため、1度ミスを犯せば医療機関の評判に大きな悪影響を与えることもあります。医療機関の経営者から直接厳しい言葉を投げかけられることもあり、精神的なプレッシャーを感じることは少なくありません。

精神的に疲弊することが少ないような働き方をしたいと考える人にとって、医療事務の仕事はプレッシャーの大きさからハードルを感じてしまう可能性があります。

医療事務の求人選び

医療事務は需要が高い仕事であることから、たくさんの求人が募集されています。

数ある求人の中でも、自分にマッチしたホワイトな職場を見つけるには以下のようなポイントで求人を選ぶことが大切です。

  • 応募先の医療機関の理念を調べる
  • 福利厚生についてチェックする
  • 勤務形態の多様性を確認する
  • 研修制度があるか確認する
  • 実際に応募先の医療機関に足を運ぶ

これらのポイントを意識して求人を選ぶことで、腰を据えて働けるような職場に就職できるでしょう。それぞれ詳しく解説します。

1. 応募先の医療機関の理念を調べる

それぞれの医療機関は医療における理念を掲げています。

どういった医療を提供するかだけでなく、地域との結びつきや患者に対する向き合い方なども理念として定められていますので、自分がその理念に共感できそうかどうかをまずはチェックしましょう。

医療事務の業務は全て働く医療機関の理念と連動しています。

医療機関の理念がきめ細やかなフォローや患者に対するケアを重視しているものであれば、医療事務の担当者にも、極めて高いレベルの業務クオリティが求められることになるでしょう。

働き方や仕事に対する姿勢も大きく影響を受けると考えられますので、先の医療機関はホームページなどでしっかりと確認しておいてください。

2. 福利厚生についてチェックする

民間企業を選ぶ時と同じように、医療事務として働く場合も福利厚生の有無や内容についてしっかりとチェックをしておきましょう。

医療事務の福利厚生としてあると嬉しいのが、資格取得支援制度です。医療事務には様々な関連資格があり、資格を取得できると業務で知識をそのまま活かすことが可能です。

医療機関によっては医療事務のスキルアップを目的とし、資格を取得できた際には受験費用や参考書代を補助してくれたり、給料が上がるといった制度を設けているケースもあります。

他には、住宅手当や退職金制度など、様々な福利厚生も設けて従業員の満足度を高めようとしている医療機関も存在します。応募検討している医療機関の福利厚生は必ずチェックしておきましょう。

3. 勤務形態の多様性を確認する

  • フルタイム勤務
  • パート勤務
  • シフト勤務
  • フレックスタイム勤務

医療事務は様々な働き方を選択できるといったメリットがありますが、医療機関によってはフルタイム勤務しか認めていないなど、働き方に多様性がないこともあります。

医療事務を目指す際は、応募先の企業で勤務形態の多様性があるかを確認するとともに、就職後自分の希望に応じて働き方を変えることができるかといった点もチェックしておきましょう。

勤務形態に多様性がある職場に就職することができると、今後のライフイベントの変化に柔軟に対応できるようになるため、腰を据えて長く働けるようになります。

4. 研修制度があるか確認する

特に未経験から医療事務を目指す場合は、研修制度がある求人に応募するようにしてください。医療事務は単純な事務作業だけでなく、レセプト業務やクラーク業務などの医療に関わる知識も求められる特殊な事務職です。

求められる知識やスキルが一般企業の事務職とは異なるため、研修制度があると仕事を進める上で安心ができます。

研修制度といっても、就職直後に行われる入社研修だけでなく、一定の年次を重ねた医療事務従事者に対して行われる階層別研修など、様々な研修のカリキュラムを用意している職場も存在します。

できるだけ研修制度が豊富な求人に応募した方が、スキルを効率的に見つけられると考えられますので、求人の比較検討材料として認識しておいてください。

5. 実際に応募先の医療機関に足を運ぶ

現在住んでいる場所から近くの医療機関で医療事務として働きたい場合は、実際に応募先の医療機関に足を運んでみるのもおすすめです。

医療機関に脚を運ぶと、医療事務が働いている執務室を確認することが可能です。働いている職場の雰囲気や仕事の忙しさなどを目の当たりにすることが可能です。

働くイメージを持つために実際に働くことになる現場を事前に見ておけるというのは、他の仕事ではあまりありません。医療事務ならではの就職活動の方法とも言えますので、特に興味がある医療機関がある場合は、前もって職場を見学してみると良いでしょう。

医療事務志望のひとから「よくある質問」

最後に、医療事務を目指す人からよくある質問を3つ取り上げてします。

1. 医療事務を辞めたい理由は何ですか?

医療事務を辞めたいと感じる理由としては、給料の低さが挙げられます。

どうしても平均給料が民間企業の一般事務職よりも低いということがありますので、スキルを身に付けてどんどん稼いでいきたいと考える人は医療事務を辞める傾向にあります。

また、医療事務は働く同僚の顔ぶれが変わりにくいといった特徴もあります。人間関係が上手く築けてない人が、職場を変えるために医療事務を辞めるといったケースも見られます。

2. 医療事務の年収が低いのはなぜですか?

医療事務の年収が低いのは、残業がほとんどないということに加えて、様々な勤務形態の人が働いているからだと考えられます。派遣やパートなど非正規で働く場合は、どうしても正社員より給料が低くなります。

医療事務は様々な働き方が可能な反面、非正規雇用で働く人も多くなるため、結果的に平均年収が低くなっていると考えられます。

3. 医療事務になるには資格は必要ですか?

医療事務になるのに資格は必要ではありません。ただ、あらかじめ資格を取得した上で応募ができると選考を有利に進めることが可能です。

また、就職後に実務を覚えていく際、資格勉強でインプットした知識をそのまま活かすことができるため、他の人よりも早く仕事を覚えていけるでしょう。

ただ、無理して資格を取得するために時間を使ってしまうと、かえって就職活動の難易度が高まることも考えられます。

場合によっては、先に就職をしてから資格取得を目指した方が良いケースもありますので、不安な人は就職エージェントなどプロに相談してみることをおすすめします。

まとめ

医療事務を目指す上で知っておきたい知識を網羅的に解説しました。

医療事務は事務職の中でも専門性が求められる仕事になりますので、就職後も資格取得や知識のインプットを続ける必要があります。一方、実務経験を一度積むことができると、様々な医療機関で長く働いていくことができますので、安定性や将来性のある仕事に就きたい人には特におすすめできる仕事です。

自分が医療事務に向いてるか分からないという人であれば、就職エージェントのキャリアカウンセリングを受けてみることもおすすめです。

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高藤 薫キャリアアドバイザー
株式会社ジェイック:キャリアコンサルタント|就活情報、お役立ち面白情報を発信|就活YouTube「ゼロフリ」配信中|資格:キャリアコンサルタント・ポジティブ心理カウンセラー・7つの習慣®︎ファシリテーター