保険営業に就職したいと考え、理解を深めていきたい人も多いのではないでしょうか。
この記事では、保険営業の仕事内容や求められるスキル、就職で役立つ資格について解説します。また、これから保険営業の仕事を目指す上で知っておきたい知識も網羅的に解説しますので、就職活動に役立ててみてください。
この記事の目次
保険営業とは?
保険営業とは、文字通り保険という金融商品を個人や法人に対して営業する仕事のことを言います。
そもそも保険営業とはどういった仕事のことなのか、保険とはどういった特徴や種類のある商品なのかについて、まずは基礎知識から解説していきます。
保険とは
保険とは、我々が生活している中で起きる様々なリスクに対して事前に備えるための制度のことを言います。日ごろ安全に毎日を過ごしていたとしても、突然の事故や怪我、台風や地震などの天災を避ける事はできません。
自分の身に何かあれば働けなくなるだけでなく、残された家族の生活が困難になってしまうといった事態も考えられます。本来であれば、個人の力でそれらのリスクに対する備えを持っておきたいところですが、日々の生活もある以上そこまでお金に余裕がないという人も多いでしょう。
生活上のリスクに対して不安を感じている人からお金を預かり、万が一の時に一定額のお金を受け取れるという仕組みが保険となります。
保険に加入して毎月、ないし1年単位で保険料を支払うことにより、有事の際にはまとまった金額を受け取れます。
保険には、備えようとするリスクに応じて3つの分野に分けられます。
分野 | 代表する保険 | 概要 |
---|---|---|
第一分野 | 定期保険、終身保険、養老保険 | 人の生死に関して一定額の保険金を支払う契約を行い、保険料を納める保険 |
第二分野 | 火災保険、自動車保険、賠償責任保険、海上保険 | 突然起こりうる偶然的な事故によって生じる損害に対して保険金を支払う契約を行い、保険料を納める保険 |
第三分野 | 傷害保険、医療保険、がん保険、介護保険 | 身体の障害や病気、介護に対して保険金を支払う契約を行い、保険料を納める保険 |
このように、一言で保険と言ってもニーズに合わせて様々な保険商品が用意されています。
保険会社によって取り扱う保険の分野も異なってきますので、保険営業を目指すのであればそれぞれの違いについて理解しておきましょう。
保険営業とは
保険営業とは保険を契約してもらうために営業をする仕事のことを言います。
保険営業は保険会社に勤める人のことを指し、それぞれの保険会社では主力としている保険の分野が異なるといった特徴が見られます。
保険会社における保険営業は、売上を上げる重要な役割を持っています。一般的に保険営業が多ければ多いほど、属している保険会社の売り上げが上がるといったビジネスになっていることから、大企業から中小企業まで多くの保険営業の募集を行っています。
保険営業は正社員として働くだけでなく、契約社員といった形でも働くことが可能です。
一昔前では「保険レディ」という言葉も使われていましたが、正社員ではなく契約実績に応じて給料が支払われるような働き方ができる会社もあります。
保険営業は営業職の1つになりますので、高いコミュニケーション能力や顧客が求めていることを瞬時に把握するスキルが求められます。それだけでなく、保険商品は人の人生に関わる商品になることから、顧客のライフプランを一緒に考えられるようなお金周りの知識も重要になってきます。
保険営業として実績を残すことができると、他の会社の営業職としても活躍できると言われています。未経験者が営業スキルを身に付けるために保険営業を目指すといったことも増えてきています。
平均年収 | 469万円 |
仕事に就くためには | ・生命保険会社や損害保険会社に就職する ・求人サイトや就職エージェントなどの 求人サービスを使う ・面接では特にコミュニケーション能力が求められるため、不安な人は就職エージェントの模擬面接を経験することがおすすめ |
平均年収出典:厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「保険営業(生命保険、損害保険)」
保険会社の種類
保険会社は大きく分けると以下の2種類になります。
- 生命保険会社
- 損害保険会社
保険営業を目指す際は、基本的にどちらの保険会社に就職するかを決めて求人に応募していく必要があります。それぞれの会社の違いについて簡単にまとめると以下のようになります。
第一分野 | 第二分野 | 第三分野 | |
---|---|---|---|
取り扱える会社 | 生命保険会社 | 損害保険会社 | 生命保険会社と損害保険会社の両社が取り扱える |
補償対象 | 人の生存や死亡 | 偶然の事故 | 病気や怪我など |
保険金の考え方 | 定額払い | 実損払い | 定額払い及び実損払い |
ここからは、生命保険会社と損害保険会社のそれぞれについて詳しく解説していきます。
1. 生命保険会社
生命保険会社とは、生命保険を主に販売・運用する会社のことを言います。
生命保険会社を冠する会社については、金融庁からの免許を受けることで生命保険の販売が可能になります。
令和6年4月現在において、金融庁からの免許を受けている生命保険会社は全部で41社となっています。つまり生命保険会社への就職を目指すのであれば、この41社の中から就職先を決めることになるということになります。
生命保険会社には株式会社だけでなく「相互会社」という法人格の会社もあります。相互会社というのは保険会社でのみ認められている組織形態のことであり、保険という商品が人と人との助け合い、つまり「相互」扶助を行うための制度ということを示しています。
生命保険会社への就職を考える際は、株式会社であっても相互会社であっても、特に働き方に違いはありません。また、生命保険会社の中で、株式会社から相互会社に、相互会社から株式会社に変わるといったケースはほとんど見られないため、会社選びという観点では無視をしても問題ないでしょう。
生命保険会社の特徴としては、1人の顧客に対して1人の営業担当が長く担当であり続けるといったものが挙げられます。生命保険は契約したら終わりというわけではなく、契約後も定期的に接点を取ることで保険金の支払い漏れが起きることを未然に防止する必要があります。
加えて、アフターフォローを綿密に行うことで契約者から保険に興味がある人を紹介してもらったり、第三分野の保険における追加提案を行うといった営業行動を行います。
2. 損害保険会社
損害保険会社とは損害保険を主に販売運用する会社のことを言います。
損害保険会社も生命保険会社と同じく、金融庁からの免許を受けることでビジネスが可能になります。
令和6年5月現在では、金融庁からの免許を受けている損害保険会社は全部で57社となっています。損害保険会社への就職を希望する場合は、57社から気になる会社をピックアップして就職活動を進めていくことになります。
損害保険は保険の対象とするモノに応じて様々な種類が存在します。
代表的なもので言えば自動車保険が挙げられますが、最近では大手損害保険会社がインターネット上で炎上した場合に備えた保険が販売されるなど、ユニークな商品を取り扱える可能性があるといった特徴があります。
また、損害保険はあらゆる事故のリスクに対策できるという観点で法人契約も盛んです。個人向け営業だけでなく法人向け営業の経験を積むチャンスもあることから、総合的な営業力を身に付けるためにチャレンジしたい人におすすめできるといえます。
ちなみに、損害保険は基本的に契約を取ったら顧客とは保険料を支払い続けるだけの関係になります。
生命保険会社のように1人の顧客に対して関係性を構築していくような営業スタイルにはほとんどなりませんので、契約を獲得し続けることに集中したい人は生命保険会社よりも損害保険会社への就職の方が向いているかもしれません。
保険営業に共通する仕事内容
保険営業といっても取り扱う保険によって求められる行動は変わってきますが、共通する仕事内容としては以下のようなものが挙げられます。
- 商談獲得
- 店舗受付
- 商談・提案
- アフターフォロー
ここでは、例として生命保険会社の仕事内容をイメージして解説していきます。保険営業を目指すのであれば、具体的にどういった仕事をするのかについても理解しておきましょう。
1. 商談獲得
保険を営業するためには、まず商談を行えるような見込み顧客を獲得する必要があります。
多くの保険会社ではマーケティング活動によって見込み顧客のリストを作っている傾向にありますので、不動産営業のように街中を歩いて直接見ず知らずの人に声をかけるといったことは基本的にありません。
ただ、リストがあるからといって全ての人と相談ができるというわけではないため、保険営業がメールや電話などの手段を使って商談ができないかを交渉していくことになります。
保険という商品を不要と考えている人も少なくありませんので、商談を獲得することに苦戦する保険営業は多く見られます。
保険営業はとにかく多くの商談を獲得していくことが契約実績に繋がります。
したがって、どれくらいの商談を獲得できたかを上司に毎日報告するような職場もあるという点は認識しておく必要があるでしょう。
2. 店舗受付
店舗勤務に配属されている保険営業の場合は、店舗に来店した顧客を受付します。受付後は専用のカウンターに案内し、保険の提案をしていくことになります。
わざわざ時間を作って保険会社の店舗に足を運んでいる顧客になるため、保険への加入に対しては前向きと考えられます。しかし、顧客がどのような背景やニーズがあって保険に興味を持っているのかは受付時には分からないため、しっかりとヒアリングを行い、適切な保険商品を販売する能力が求められます。
なお、外回りを中心とする保険営業として配属された場合は店舗受付業務をすることはありません。自分で直接商談を獲得した顧客のもとに足を運び、商談をすることになります。
3. 商談・提案
無事に顧客とアポイントが取れたら商談を実施し保険商品を提案していきます。
保険商品はいわゆる無型商材に該当するため営業の難易度は高く、まずは保険がいかに顧客の人生にとって大切なものであるかをイメージさせる必要があります。
保険という制度について理解をしてもらい、興味を持ってもらえたら具体的な保険商品の提案に移ります。生命保険にしろ損害保険にしろ、それぞれ特徴の異なる保険商品がたくさん開発されていますので、商品ごとの特徴について分かりやすく説明できるスキルが求められます。
また、保険は同じ分野の保険を複数本加入する人は珍しいといった実態もあることから、顧客は慎重に加入する保険を検討する傾向にあります。
保険の制度自体に必要性を感じてもらえても、別の保険会社とのコンペになることもあるため、営業力を問われる瞬間と言えるでしょう。
4. アフターフォロー
無事に保険に加入をしてもらった後は、顧客に対するアフターフォローを行います。
アフターフォローの内容は保険会社によって様々ですが、一般的には半年や1年のスパンで居住地や連絡先に変更がないかであったり、自社の取り組みを示すパンフレットを送付するといった方法が見られます。
また、新商品が販売されたときには顧客に直接連絡を行い、追加での保険提案をすることもあります。契約内拗やアフターフォローの満足度が高い顧客であれば追加で保険を申し込んでくれることもありますので、保険営業として働くのであれば、相手に寄り添う気持ちが特に重要になってきます。
保険営業に必要なスキル
保険営業として活躍するために必要なスキルは、以下の5点が挙げられます。
- コミュニケーションスキル
- 保険に関する専門的な知識
- 基本的なパソコンスキル
- 体力・精神力
- 計数能力
これらのスキルがあれば保険営業に就職しやすくなるだけでなく、就職後に実績を残して活躍することもできるでしょう。それぞれ詳しく解説します。
1. コミュニケーションスキル
保険営業は営業職の1つになりますので、コミュニケーション能力が特に求められます。
顧客とうまくコミュニケーションが取れないと商談を獲得することができないため、上司から毎日怒られて過ごすことになるかもしれません。
商談獲得だけでなく、商談においてもコミュニケーション能力は発揮し続ける必要があります。
一方的に保険の必要性や保険商品の説明をしていても契約には結びつきません。
対峙している顧客がどういった生活をしていて、どのような判断塾で保険の検討をするのか、対話や相手の挙動などを見た上で適切なコミュニケーションをとっていくことが求められます。
コミュニケーション能力さえあれば、他のスキルがなくても保険営業として活躍していくことが可能です。そのため、保険営業の選考面接では特にコミニケーションスキルがあるかどうかを確認される傾向にあります。
2. 保険に関する専門的な知識
保険営業として契約実績を取り続けるためには、保険に関する専門的な知識も求められます。
基礎的な知識として、保険という制度の成り立ちや背景は資料がなくても顧客に説明できることが大切です。なぜなら、まずは商談は保険に興味を持ってもらうことからスタートするからです。
また、例えば生命保険であっても、保険金の支払い条件や支払い金額、優遇処置などで差別化された様々な商品が存在しています。どの商品がどの顧客にマッチしているのかを見定め、適切な提案をしていくためにも、個別の保険商品に関する知識はインプットが必須です。
1ヵ月に数本新しい保険商品がリリースされるということも珍しくなく、保険会社では定期的に新商品の勉強会が開かれます。
新商品は顧客への追加提案に役立てられるだけでなく、今までの保険商品よりも顧客が得をするような設計になっていることが多いです。
したがって、新商品をインプットすることで自身の営業実績に繋がりやすくなることが考えられますので、常にインプットが必要な仕事とも言えるでしょう。
3. 基本的なパソコンスキル
一昔前までは保険に関する申し込みは全て紙で行われていました。
しかし、現在では対面の商談であっても申し込みは営業担当が持っているパソコンで行われることも多くなってきています。保険営業として効率的に作業を進めるためにも、基本的なパソコンスキルを持っておくことが大切です。
具体的には、素早くタッチタイピングができるような能力があれば問題ないと考えられます。複雑なExcelを組んだりPowerPointで資料を作るなどのスキルまでは求められませんので、少しでも不安な人はパソコンを使ったタイピングスキルを身に付けておくことをおすすめします。
4. 体力・精神力
個人向けの保険営業に配属される場合は、商談件数を多くこなすことが実績に繋がるための重要な行動になります。1日中商談のために外を飛び回るといった働き方も珍しくなく、体力が求められる仕事と言えるでしょう。
また、営業という仕事のため、常に数字に追われながら働くといった特徴も見られます。商談件数や契約件数が目標に達していない時は上司から詰められるようなことも少なくありません。日々数字というプレッシャーを感じながら働くことになるので、強い精神力も保険営業として必要なスキルといえます。
5. 計数能力
保険営業は商談の中で保険商品の提案をするだけでなく、家計全般のアドバイスを行うこともあります。
保険営業が行う家計のアドバイスとして一般的なものは、「将来子供や家族にいくらお金を残したいか」といった目安金額を定め、その金額に対して現状いくら不足していて、どれぐらいの保険の備えがあれば良いのかといった論理展開が挙げられます。
その中で貯金や投資に関する話題も出てくることから、特に割合計算や割り算は多少複雑なものであっても電卓ですぐに叩けるレベルの計数能力が必要になってきます。
計数能力が不足している姿を顧客に見られると、どれだけコミュニケーション能力や保険に関する専門的な知識があっても、信頼できない営業担当と感じられてしまい、契約に結びつかなくなることも考えられます。
こうした観点から、保険会社によっては選考活動においてSPIなどで基礎学力を測るケースも見られます。
保険営業向けの資格
保険営業向けの資格としては以下のようなものが挙げられます。
- 生命保険募集人
- 損害保険募集人
- ファイナンシャルプランナー
- 外貨保険販売資格
- 相続診断士
中には資格を持っていないと保険営業として働くことができないものも存在しています。
それぞれ合格率や勉強時間の目安も解説しますので、気になる資格を見つけたらまずは参考書を読んでみるところから始めてみてください。
1. 生命保険募集人資格
生命保険募集人資格とは生命保険を販売するのに必須となる資格です。
生命保険募集人資格がないと、生命保険を販売する保険営業としては活動することができないため、就職直後に必ず合格するまで受験を義務付けられることになります。
試験は毎月実施されていて、受験回数に制限はありません。
また、すべての生命保険営業が取得しなければならないことから、合格率も80%と優しい難易度になっています。
試験範囲としても、一般常識から生命保険の基礎を問うようなものばかりですので、生命保険の理解が浅い人でも少し勉強すれば合格できるでしょう。
なお、生命保険募集資格は4つの過程と2種類の資格で構成されています。
- 一般過程
- 専門課程
- 応用過程
- 生命保険大学課程
- 変額保険販売資格
- 外貨建保険販売資格
まずは、一般課程の資格取得を義務付けられます。
ただし、一般課程試験は生命保険会社の研修を受けた従業員が対象となっていて、個人で受験できない点を認識しておいてください。
合格率目安 | 80% |
勉強時間目安 | 10〜20時間 |
2. 損害保険募集人資格
損害保険募集人資格とは、損害保険を取り扱う保険営業に取得が義務付けられている資格です。損害保険募集に資格がないと損害保険を販売することができません。
試験には以下の4種類が存在します。
- 基礎単位
- 自動車保険単位
- 火災保険単位
- 傷害疾病保険単位
まずは全員基礎単位の取得が義務付けられます。
その上で、自動車保険や火災保険など、他に販売する損害保険の種類に応じてそれぞれの単位の取得が義務付けられることになります。
損害保険募集人資格は5年での更新となっていますので、一度取得した後でも5年後は再び同じ試験を受験して合格する必要があります。難易度はそこまで高くありませんので、会社で配布されるテキストをもとに勉強をしていけば問題なく合格できるでしょう。
合格率目安 | 80% |
勉強時間目安 | 10〜20時間 |
3. ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーとは、個人のライフプランや将来の資産形成を叶えるために家計管理や貯蓄計画に関する知識があることを証明できる資格です。
保険営業は保険商品だけでなく、顧客の人生設計の手伝いをすることもあります。ファイナンシャルプランナーの資格を持っておくことでアドバイスの中身に具体性が増すため、結果的に保険商品を契約してもらいやすくなります。
ファイナンシャルプランナーには1級から3級までの難易度で分かれていますが、まずは3級からの取得を目指すと良いでしょう。
合格率目安 | ・3級:70〜80% ・2級:50〜60% |
勉強時間目安 | ・3級:80〜150時間 ・2級:150〜300時間 |
4. 外貨建保険販売資格
外貨保険販売資格とは生命保険募集資格の中の1つの資格です。2021年4月から受験が開始された比較的新しい資格となっており、外貨建保険販売資格を有している人でないと外貨建保険は販売できません。
生命保険は自分の命に万が一のことがあったときのために備える保険といった性質を持ちます。しかし、近年では為替の変動によって日本円の価値が下がるリスクを見越して、外貨で保険を用意するようなニーズも増えてきています。
したがって、多くの生命保険会社では外貨建保険の販売を強化しているといった実態も見られます。生命保険会社に就職した際は取得が義務付けられているケースが多くなっていることを認識しておいてください。
合格率目安 | 80% |
勉強時間目安 | 10〜20時間 |
5. 相続診断士
相続診断士とは、相続に関する幅広い知識を身に付けられる資格です。エンディングノートや遺言書を作成する業務において求められる知識が学べますので、保険営業の人も取得をしておけると業務の幅が広がるでしょう。
試験の出題形式としては、◯×や三択問題、穴埋め問題となっており、回答しやすい問題が多く存在します。合格率も80%から90%と非常に高い資格となっていますので、就職活動の合間に取得を目指すことも難しくありません。
合格率目安 | 80〜90% |
勉強時間目安 | 10〜20時間 |
未経験から保険営業の仕事に就く方法
未経験から保険営業の仕事に就くためには以下のような方法が考えられます。
- 求人サイトを使う
- 就職エージェントを活用する
- 1Day選考会に応募する
保険営業はとにかく多くの人数が募集されているといった実情がありますので、未経験からでも就職しやすい仕事の1つです。自分に合った方法で保険営業の仕事を目指してみてください。
1. 求人サイトを使う
未経験から保険営業を目指す最もメジャーな方法は、求人サイトを使った就職活動です。
求人サイトを見てみると、多くの保険営業の求人が未経験者を募集していることがわかります。
求人サイトでは、自分が就職先に希望する条件を設定して、多くの求人を比較検討できる点が特徴です。
定期的に新着求人が増えることもあり、求人サイトを眺めているだけでも様々な求人を目にできるでしょう。
また、求人サイトによってはスカウトを受けることも可能です。
自身の経歴を求人サイトに登録しておくことで、興味を持った保険会社から直接スカウトを受けて有利に選考を進めることもできます。
自分のペースで就職活動を進められるといったメリットはある一方で、求人の応募から企業との面接日時の調整まで全て自分1人で進めなければならないといったデメリットがあります。
就職活動が初めてという人は、求人サイトだけでなく就職エージェントを活用することもおすすめです。
2. 就職エージェントを活用する
少しでも就職できる可能性を高めたいという人は、就職エージェントを活用することがおすすめです。就職エージェントに登録することで自分専任のアドバイザーが担当に付き、以下のようなサポートをしてくれるようになります。
- 履歴書や職務経歴書の添削
- 模擬面接の実施
- キャリアカウンセリング
- 希望や条件に当てはまる求人の紹介
- 面接における個社別のアドバイス
- 企業との面接日時の調整代行
- 入社日の調整
就職活動のスタートからゴールまで幅広くサポートを受けられるため、就職活動が初めてという人はもちろん、希望の会社に内定をもらえる可能性を高めたいという人にもおすすめできます。
就職エージェントは登録から入社まで全て無料でサポートを利用できるため、気になるサービスを見つけたら積極的に登録していきましょう。
3. 1Day選考会に応募する
保険会社は不定期に1Day選考会を実施しています。
1Day選考会とは1日で会社説明から最終面接までをまとめて行う選考形態のことをいい、ポテンシャルの高さを示すことができれば1日で保険営業として就職することが可能になります。
基本的に1Day選考会はそれぞれの保険会社が個別に行っています。
いつ1Day選考会が行われるかはそれぞれの企業の公式SNSやホームページ、求人サイトなどで告知される傾向にありますので、気になる保険会社がある場合は情報を定期的にチェックしておくと良いでしょう。
保険営業に向いてる人の性格
保険営業に向いている人の性格としては以下のポイントが挙げられます。
- 数字への意識が高い
- 共感性を持って相手の話を聞ける
- 誠実さ
- 論理的思考力がある
- 人懐っこい
保険営業を目指すのであれば、これらの特徴に自分の性格が当てはまるかをチェックしておきましょう。それぞれ何故向いてると言えるのかについて詳しく解説します。
1. 数字への意識が高い
保険営業は商談件数や契約件数などを強く求められる仕事です。日々上司からも数字について厳しい言葉でプレッシャーを受けることもありますので、数字への意識が高い人は保険営業に向いてるといえます。
自分のノルマに対して責任を持ち、一件一件着実に数字を詰め上げていけると、仕事で評価してもらえるだけでなく、インセンティブによって収入を増やしていくことも可能です。
数字の意識が薄い人が保険営業になると、日々強いストレスを感じながら働くことになるでしょう。
2. 共感性を持って相手の話を聞ける
保険営業は、商談において相手の話を引き出すようなヒアリング能力が重要です。しかし、聞くべきことを聞こうと焦ってしまい、もし矢継ぎ早に質問をすれば顧客に尋問をしているような問いかけとなり、信頼感を損なうことも考えられます。
保険営業の商談スタイルは、あくまでも相手との会話をうまく繋げながら、保険商品の提案に持っていくといった流れが主流です。そのためにも、相手の話を共感性を持って聞ける人は保険営業に向いてるといえます。
3. 誠実さ
保険営業は金融営業の一種です。顧客からお金を預かり、有事の際には保険金という形で顧客に支払うといったお金を取り扱う仕事になるため、誠実さがある事は必須の素質といえます。
顧客も自分の大切なお金を預けるという感覚で保険に加入をしますので、誠実な保険営業でないと契約を取ることも難しくなってくるでしょう。
それだけでなく、保険営業はコンプライアンス意識が強く求められる仕事でもあります。
例えば、保険を契約する際には、顧客から自分の病歴を告知してもらう必要がありますが、告知内容に1つでも嘘があると保険金を支払うことができなくなってしまいます。
「契約が取れそうだから」という不誠実な理由で、嘘の告知内容を誘導してしまうと重大なコンプライアンス違反となるだけでなく、会社に対して実損を与えることにも繋がります。
保険営業を目指すのであれば、自分は誠実に仕事に向き合えるかどうかを胸に手を当てて考えるようにしてください。
4. 論理的思考力がある
保険営業には、商談において保険が必要な理由を具体的なイメージとともに話しながら、個別の保険商品の提案に繋げていくといった論理的な展開能力が求められます。
話に論理性が不足していると顧客は保険を契約する意義を見失ってしまい、加入を見送ることになるでしょう。
保険営業は、保険という形のない商品を提案する無形営業のため、特に論理的思考力が求められます。物事を分解して構造化し、誰にでも分かりやすい論理展開で話すような頭の回転の速さも合わせて求められます。
5. 人懐っこい
保険営業は老若男女様々な属性の人とコミュニケーションを取ることになります。
顧客の懐に入り込み話しやすい人だと思われることで契約に繋がりやすくなる傾向にあることから、人懐っこい人は保険営業として向いています。
どんな人とも仲良くなれるという自信のある人は、保険営業として高い成果を残せるかもしれません。
保険営業のキャリアパス
保険営業として経験を積むことで、以下のようなキャリアパスを歩むことができます。
- 保険営業として専門性を高める
- マネージャーなどの管理職に昇格する
- 営業代行としてフリーランスになる
- 保険代理店として独立する
それぞれのキャリアパスについて詳しく解説します。
1. 保険営業として専門性を高める
保険営業で実績を積むことができると、他の職種よりも多くの年収を稼げる傾向にあります。
また、保険営業そのものの仕事の面白さにやりがいを感じている場合は、エキスパートのようにプレイヤーとして働き続けるといったキャリアパスを歩むことが可能です。
営業担当として仕事を続けることになりますので、管理職ならではのマネジメントの難しさなどを感じる必要がありません。営業実績に応じてインセンティブをもらい続けることも可能なため、営業力がある人に向いているキャリアパスと言えるでしょう。
2. マネージャーなどの管理職に昇格する
保険営業として実績を積んだ人は、基本的にマネージャーなどの管理職のキャリアを歩む人が多い傾向にあります。特に保険営業は実力主義の世界のため、年齢に関係なく実績を残せればすぐに管理職に昇格することができるでしょう。
保険業界は店舗数や支社の数が売り上げに直結するようなビジネスモデルです。したがって、資金力のある保険会社は頻繁に新店舗をオープンしている傾向にあります。
その分、店長や営業部長等の管理職ポジションが必要になってくることから、管理職のポストが増えやすいといった特徴も見られます。
これらの実態があることからも、保険営業は管理職になりやすいといえます。
3. 営業代行としてフリーランスになる
営業スキルを極めることができれば、営業代行としてフリーランスになることも可能です。
フリーランスになることで保険商品だけでなく様々な商材を営業できるようになります。働き方にも自由度が増すため、自分の得意な属性の顧客に絞って営業を行うといった働き方もできるでしょう。
営業はあらゆる業界で活躍できる仕事です。
保険営業としての実務経験をフリーランスとして最大限に発揮すれば、会社に勤めていた時よりも多くの収入を稼げるようになるかもしれません。
4. 保険代理店として独立する
あらゆる会社の保険商品を販売する保険代理店というものが存在します。
保険代理店では保険に興味がある人に対し、ニーズに沿った保険会社の保険商品を柔軟に提案することができるため、販売する商品に制限がないといった特徴があります。
イメージとしては、各保険会社が家電製品のメーカーであり、保険代理店は家電量販店のような理解をしておくと良いでしょう。
保険代理店は自分1人でも設立できるため、保険営業として実績を積んだら培ったスキルやノウハウをもとに自分で経営者側に回ることができます。
自身が経営者となるため、働き方や働きやすさ、給料も自分のさじ加減で決めることができます。非常に自由度の高いキャリアと言えるでしょう。
保険営業の一日のスケジュール
保険営業への就職を考えている場合は、どういった流れで1日働くのか理解しておくことが大切です。
ここでは生命保険営業を例として以下のスケジュールについて解説します。
- 9:00 出社・朝会
- 9:30 保険研修
- 10:00 商談予定の獲得
- 12:00 昼食
- 13:00 新規顧客との商談
- 15:00 既存顧客のアフターフォロー
- 17:00 営業日報の記録
- 18:00 退社
スケジュール例を理解して就職後のイメージを高めることができると、早期離職を未然に防止することができます。それぞれのスケジュールについて簡単に解説します。
9:00 出社・朝会
定時から仕事を開始できるように出社します。店舗型の保険営業の場合は店舗の清掃から始まることがありますので、これよりも早く出社するケースもあります。
出勤後は朝会を行い、その日のノルマや行動計画を共有することがあります。
自分がどういった営業行動を行うのか発表する機会もありますので、自分のスケジュールについて朝会までにしっかりと整理しておきます。
9:30 保険研修
新商品が販売される際は保険研修が行われることがあります。基本的には顧客との商談が少ない朝一番か定時後の夜時間に行われる傾向にあります。
保険研修では保険を開発した部門が商品の説明をします。この時商品に対する理解があまりできていない状態だと顧客に提案することができないため、不明点をしっかりと潰しておきましょう。
10:00 商談予定の獲得
基本的には10時から営業活動を行っていきます。保険営業は見込み顧客を見つけてアポイントを獲得することが第一の壁となりますので、午前中をかけて商談予定の獲得に向き合うことも珍しくありません。
ノルマに対する営業進捗から逆算し、その日にどれくらいの商談予定を獲得しなければならないのか計算した上で、見込み顧客の開拓を行っていきます。
12:00 昼食
12時になると基本的に昼食の時間になりますが、保険営業が営業をかける現役世代は昼食時間である12時に連絡がつきやすい傾向にあることから、お昼の時間をずらすこともあります。
また、外回りをする保険営業の場合は出先でお昼を済ませることもあるため、1時間まるまる休憩を取れないこともあります。
13:00 新規顧客との商談
午後からは顧客との商談が入って来やすいため、商談までにしっかりと準備を行った上で顧客に保険を提案します。提案の方法としては対面型だけでなくオンライン型も主流となってきています。対面でもオンラインでも営業ができるようにスキルを身に付けておくことが大切です。
新規顧客との商談は基本的に1時間で行われることが多いです。
しかし、顧客の時間の許す限り1時間を超えて商談することもあります。後続のスケジュールを確認しながらうまく時間調整をしていくことが求められます。
15:00 既存顧客のアフターフォロー
新規顧客との商談に区切りがついたら既存顧客に対するアフターフォローの行動に移ります。
既存顧客に対してチャットサービスなどで連絡を取り、保険の支払い先や契約書の住所に変更がないかを確認します。
また、連絡がつけば発売したての新商品の保険を提案するためのアポ取りを合わせて行うこともあります。勤続年数が長くなってくると既存顧客が多くなってくるため、アフターフォローに使う時間も増えてくる傾向にあります。
17:00 営業日報の記録
1日の終わりには営業日報を記録します。保険営業の場合は顧客にどういった状況で商品の説明をしたかを繊細に日報に残しておく必要があります。万一クレームになった時には営業日報をもとに精査されることがあるため、事実通りに記入するよう徹底します。
営業日報は日々作成しなければならないため、タイピングスキルが早ければ早いほどすぐに作成をすることができます。業務効率化のためにもタイピング能力を身に付けておけると良いでしょう。
18:00 退社
やるべきことをやったら退社します。ただし保険営業は現役世代に対して営業することもありますので、仕事終わりの18時や19時に商談を設定することも少なくありません。
定時以降の時間に商談が入っている場合は残業をすることになります。
商談後も日報の作成や事務処理を行わなければならないため、平日の残業が増えやすいといった特徴も見られます。
保険営業のやりがい
保険営業のやりがいとしては以下の3点が挙げられます。
- 人のライフイベントに関われる
- 人の本心に触れられる
- 万一があると保険のありがたみに感謝される
保険営業は保険営業ならではのやりがいを多く感じられる仕事です。これらのやりがいに興味がある人は保険営業を目指すのがおすすめです。それぞれ詳しく解説します。
1. 人のライフイベントに関われる
保険営業が取り扱うことになる生命保険においては、人のライフイベントに関われるといったやりがいが考えられます。
一般的に人が生命保険に加入しようとする時は、資産を残したいと思える人ができた時、つまり配偶者や子供といった存在ができた時に保険の加入を考えるものです。
今後の将来を見据えてこれからの人生の備えとして保険を検討するため、ライフイベントに変化がある人に対して営業を行い、その人の人生にも携われるというのは大きなやりがいに感じられるでしょう。
2. 人の本心に触れられる
保険商品は人の家計に直接影響与えるといった特徴があります。
保険料の支払いはもちろん、保険金を支払うなど家計に少なくない影響を与えるため、商談の際には顧客の本心に触れることができるといった特徴があります。
お金に関わることのできる仕事は保険営業以外にはそう多くなく、保険営業ならではのやりがいと言えます。顧客も本心で会話をしてくるため営業難易度が高いと考えられますが、その分契約を取れたときの達成感ややりがいを強く感じられるでしょう。
3. 万一があると保険のありがたみに感謝される
保険商品の本質は万一の際に保険金が受け取れるという仕組みにあります。病気や怪我、事故などはいつ起きるか分かりません。いざという時にお金が足りないと適切な対応ができずに大きな損害を被ることになります。
万一の時に保険に入っておけると、保険金の支払いを受け取ることができ、顧客から直接感謝の言葉をもらえるはずです。万一の時に手を差し伸べられるような仕事は少なく、保険営業だけが感じられるやりがいと言っても過言ではありません。
保険営業になるメリット
保険営業になるメリットとしては以下の5つのポイントが挙げられます。
- 金融知識を身に付けられる
- 学歴に関係なく稼げる
- 働き方を自由に選択しやすい
- 自身のライフプラン設計に役立つ
- 経験を活かして転職しやすい
保険営業への就職を検討する際は、これらのメリットについてしっかりと認識しておきましょう。それぞれ詳しく解説します。
1. 金融知識を身につけられる
保険営業として活躍するためには、保険商品のみならず関連する金融知識を身に付ける必要があります。
経済情報やニュースをインプットするだけでなく、投資や資産形成、保険の見極め方などの知識を総合的に身に付けることができるため、自分が将来資産形成をする時にも役立てることができるでしょう。
仕事で得られる知識が自身の生活に役立つような業務はあまりありません。将来の資産形成に悩んでいる人が保険営業に就職できれば、自らのライフプランもより良いものにしていけるといったメリットが挙げられます。
2. 学歴に関係なく稼げる
保険営業の求人を見てみるとわかりますが、募集要件としては学歴や職歴の条件が定められていない求人が多い傾向にあります。そのため、学歴に自信がない人であっても就職しやすいといったメリットがあります。
それだけでなく、保険営業は契約実績がすべての実力主義の世界のため、スキルを身に付けて契約を取り続けることができれば、学歴に関係なく稼げるといったポイントもメリットと言えるでしょう。
実力主義で学歴に関係なく稼げる仕事は保険営業以外だと不動産営業やディーラー営業くらいしかありません。それ以外の仕事は就職するために学歴が必要であったり、就職後には年功序列で収入が上がっていくといったものばかりになっています。
今までの過去に関係なく、とにかく稼いでいきたいという人は保険営業が非常におすすめできます。
3. 働き方を自由に選択しやすい
保険営業は正社員だけでなく契約社員といった働き方も可能です。
契約社員は保険会社に直接雇用されますが、働く期間が限定的でかつ勤務時間をフルタイムにしないといったことも可能です。
また、多くの保険会社は女性活躍といった社会課題と向き合うために育児休暇や産後休暇、時短勤務等の制度を積極的に取り入れています。
自身のライフイベントの変化によってキャリアの道を諦めなければならないといったことが少なく、自分の希望する働き方を選択しやすいというのは大きなメリットです。
それだけでなく、保険営業は様々な場所で働けるというメリットも挙げられます。
一定以上の資本がある保険会社であれば全国に支店を設けているため、パートナーの転勤についていかなければならない時でも仕事を辞める必要がありません。
このように長く働きやすい環境が整っているということもあり、腰を据えて営業という仕事に向き合っていきたいという人にも保険営業はおすすめできます。
4. 自身のライフプラン設計に役立つ
保険営業は商談において顧客のライフプランを考えることが多くあります。
普段生活していて、他人のライフプランに対してアドバイスをするといった経験はなかなかできません。様々な人のライフプランを考えることで、自身のライフプランの設計にも役立てられるというメリットも挙げられます。
ライフプランを考える際はファイナンシャルプランニングの知識が求められますが、それと同じくらい様々な人のライフプランを考えたことがあるかといった実践経験も求められます。
将来の不安を少しでも減らしたい人は保険営業として実務経験を積むこともおすすめです。
5. 経験を活かして転職しやすい
保険営業は目の前に形のない無形商材を営業する無形営業に属します。
一般的にメーカー営業など、実態が存在する商品を提案する営業よりも、無形商材を取り扱う営業の方が営業における難易度が高いと言われています。
難易度の高い保険営業として高い実績を残すことができれば、多くの会社の営業職として転職しやすくなると考えられます。
キャリアの幅が一気に広がることもありますので、今は働きたい仕事がない人でもとりあえず保険営業として就職し、実績を残して将来なりたい仕事ができたときのために備えておくという判断もおすすめです。
保険営業になるデメリット
保険営業になることはメリットだけでなく、デメリットもいくつか考えられます。
- 心身ともに疲弊しやすい
- ノルマに対するプレッシャーが強い
- 顧客のクレーム対応が発生することもある
- 契約が取れないと給料が低くなる
- 残業や土日出勤が多い
これらのデメリットも理解した上で、本当に保険営業を目指すのか見定めるようにしましょう。
1. 心身ともに疲弊しやすい
保険営業は身体的にも精神的にも疲れを感じやすい仕事です。
身体的な観点で言えば、とにかく商談や契約の件数を毎日追われて働くことになりますので、残業も増えやすく、なかなか身体を休める機会が少ないといった働き方になりがちです。
また、精神的な観点で言えば、保険営業は毎月ノルマを達成するように上司から厳しく言われることになるため、心を休める暇がないといった大変さが挙げられます。
他の営業職よりもハードワークになることが予想されますので、仕事は生活費が稼げるレベルでそこそこ頑張れれば良いと考えている人には保険営業の仕事が向かないかもしれません。
2. ノルマに対するプレッシャーが強い
保険営業は実力主義という話をしましたが、年次に関係なくノルマの達成を必達として努力する社風の会社が多い傾向にあります。上司もそういった社風のもとで評価されてきていますので、基本的に就職後はノルマに対するプレッシャーを強く感じることになるでしょう。
数字に対する意識や目標達成志向が強い人であれば、プレッシャーのかかる職場環境でも乗り越えていけると考えられますが、そうでない人からすると毎日しんどい思いをして働くことになるかもしれません。
ちなみに、会社によっては「弊社はノルマがありません」と言っているケースもありますが、ノルマを「目標」という言葉に言い換えているだけのことがほとんどです。
営業職である以上、目標とする契約件数や契約金額がないといったことはあり得ませんので、実態をしっかりと捉えるように心がけてください。
3. 顧客のクレーム対応が発生することがある
保険営業は顧客と距離が近い分、立ち振る舞いを誤ってしまうと直接クレームを受けるといったリスクも考えられます。特に保険営業は老若男女様々な属性の人と出会うことになるため、人それぞれの性格も加味すると、適切なコミュニケーション方法を見つけることに苦戦しがちです
自分では普通だと思っていても、相手にとって失礼なコミュニケーションを取っていれば印象が悪くなります。
印象が悪くなるだけで済めば良いのですが、中にはクレームとして直接苦言を呈されたり、お客様相談窓口や消費者センターにクレームを入れられることも少なくありません。
また、保険営業ならではの注意点として説明漏れによるクレームも考えられます。
保険の内容は全てを正確に伝えた上で契約を結ぶ必要があります。1つでも伝えるべきことが漏れた状態で保険に加入した場合、有事の際に保険金が支払われないといった最悪の状況に繋がる可能性もあります。
そうなれば顧客や顧客の家族と裁判になることもあり、敗訴すれば損害賠償を支払うことも可能性としてはあるでしょう。
クレーム対応で自分の休日やプライベートの時間がなくなることもある点はデメリットといえます。
4. 契約が取れないと給料が低くなる
保険会社によって様々な給与形態に分かれていますが、特に歩合給の割合が比較的多い会社の場合、契約が取れないと自分の給料が低くなってしまうといったデメリットが考えられます。
歩合給とは仕事の実績に応じて基本給に加えてもらえるお金のことであり、保険営業の場合は契約件数やノルマの達成率に応じて歩合給が支給される会社が多くなっています。
仕事で実績を出せれば高い給料を稼ぐことができる反面、実績が出せないと基本給程度のお金しかもらえません。加えて、歩合給が高い会社であればあるほど基本給が低めに設定されている傾向にありますので、給料が低いだけでなく安定しないといったデメリットにも繋がります。
安定した給料が欲しい人は、歩合給がなかったり少ない会社の保険営業として働くことがおすすめです。
5. 残業や土日出勤が多い
保険営業は個人の顧客を相手にすることが多い傾向にあります。
しかし、個人は通常平日日中は仕事をしていますので、商談のアポイントを獲得することはできません。したがって、仕事終わりの夜遅い時間や土日祝日に商談を実施することが多く、勤務時間が長くなるといったデメリットが挙げられます。
勤務時間が長くなると身体的にも精神的にもリセットすることができず、気持ちが落ち込み続けてしまうことが考えられます。また、プライベートの予定を入れにくくなるため、友人と疎遠になったり、やりたかったことを諦めなければならないこともあるでしょう。
残業や土日出勤がどれくらいあるかについては基本的に求人票に記載されていますが、求人票での記載が見当たらない場合は、就職口コミサイトなどを見て働く実態を確認するようにしてください。
保険営業の求人選び
保険営業の求人は数多く見つけられますが、以下のポイントを意識して求人を比較検討するようにしてみてください。
- 平均残業時間や年間休日数を調べる
- 基本給を確認する
- 離職率を確認する
これらのポイントを意識して求人選びをすることで、「入社してみたら実はブラックだった」といったリスクを減らすことが可能です。それぞれ詳しく解説します。
1. 平均残業時間や年間休日数を調べる
保険営業は残業や休日出勤が多い職場が少なくないため、求人票から平均残業時間や年間休日数を調べるようにしてください。
平均残業時間は月あたりで表現されることが基本で、目安として20時間程度であれば毎日1時間程度の残業になるため、そこまで大きな負担はかからないと考えられます。
40時間を超えてくると、残業の負担が身体への影響にも出てきやすくなるため注意してください。
年間休日数については120日以上であれば良い条件といえます。
ただ、実際として保険営業は休日出勤や夏季休暇等が設定されていないこともあるため、110日程度の求人が多く見られるはずです。
年間休日数が100日台になってくると休暇の少なさに悩みを感じやすくなるため、認識しておきましょう。
2. 基本給を確認する
保険営業は「歩合給」と呼ばれる契約実績に基づいた追加給料が支払われるケースが一般的です。しかし、会社によっては歩合給を含めて給料として打ち出すことで応募を集めようとするケースが見られます。
高い給料だからといってすぐに応募してしまうのではなく、必ず基本給を確認するようにしてください。
基本給はどんな営業実績であっても毎月必ず支払われるお金のことを言います。
契約が取れなかったときのリスクを鑑みて、基本給だけでも生活していけるレベルの求人に応募することがおすすめです。
3. 離職率を確認する
保険営業はハードな働き方を強いられる職場も少なくないため、就職してすぐに退職してしまうといった人も見られます。基本的に離職率が高い職場は働く環境が過酷であることが多いため、働きやすい職場を見つけたいのであれば離職率をチェックするようにしてください。
離職率の計算方法は会社によって異なるため一概に目安は言えませんが、就職口コミサイトなどで退職者の口コミが多く投稿されているような会社には注意が必要です。
離職率が書かれていない求人も珍しくないことから、どうしても気になる会社がある場合は就職エージェントなど生の声を知っている人に教えてもらうこともおすすめです。
保険営業志望のひとから「よくある質問」
最後に保険営業を目指す人から挙げられるよくある質問を3つ取り上げて解説します。
1. 保険営業のノルマはどれくらいですか?
保険営業のノルマは会社によって異なりますが、毎月2件以上の契約件数がノルマになってくるとイメージしておけば良いでしょう。
毎月2件は少ないノルマだと感じるかもしれませんが、保険営業は新規顧客からの契約獲得が主となってくるため、イメージ以上に難しいノルマだと言えます。
また、ノルマが安定的に達成できるようになると、どんどんノルマが引き上がっていくことがほとんどのため、毎月達成をし続けるというのは困難だと考えられます。
2. 保険営業はどのくらい稼げますか?
2023年に厚生労働省が発表した賃金構造基本統計調査によれば、保険や金融業に関わる平均年収は374万円という結果になっています。
一見すると低いと感じてしまうかもしれませんが、保険営業には正社員だけでなく契約社員も一定数いることが、平均年収が低めに出てしまう結果に繋がっていると考えられます。
正社員としての平均年収を考えてみると、特に外資系の保険営業は契約を取れた分だけ高いインセンティブが支払われるといった特徴もあるため、1,000万円以上の平均年収を超える会社も見られます。
年収が高い分、求められるパフォーマンスも高くなりますが、実力次第で高年収を期待できるといった点は保険営業ならではの特徴といえます。
3. 保険営業はブラックですか?
保険営業といっても様々な社風の会社があるため、一概にブラックということはできません。しかしどうしても数字に対するコミットメントを強く求められる職場が多いことから、人によっては保険営業全てがブラックだと感じてしまうこともあるでしょう。
会社ごとに働き方や仕事への向き合い方は大きく異なりますので、一概に保険営業をブラックと捉えるのではなく、就職口コミサイトや実際に働いてる人の声を聞くなどして、応募しようとしている保険会社が本当にブラックなのかどうかを判断するようにしてみてください。
まとめ
保険営業を目指す上で知っておきたい知識を網羅的に解説しました。
保険営業はハードな働き方が求められる仕事である反面、1人の顧客に対して寄り添って関係性を構築できたり、実力次第で学歴に関係なく高年収を狙えるといったメリットも見られる仕事です。
自分が保険営業に向いているか分からない人は、就職エージェントのキャリアカウンセリングを受けてみることも検討してみてください。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい