フリーターが正社員にならない理由は、「自由な時間に働きたい」、「就職活動が上手くいかなかった」「夢を追うため」「正社員としての責任の重さやプレッシャーを避けたい」などが挙げられます。
厚生労働省の調査では、フリーターが正社員にならずに非正規社員を選んだ理由では「自分の都合の良い時間に働けるから」が最も多くなりました。他にも、「家計の補助、学費を稼ぐため」「育児や介護との両立のため」「正社員として働ける会社がなかったから」など、様々な理由で正社員になっていないことが分かります。
参照元:厚生労働省「就業形態の多様化に関する総合実態調査」(1999、2007)
この記事の目次
理由1:自由な時間を確保したい
フリーターが正社員にならない理由の一つとして、「自由な時間を確保したい」というものがあります。正社員になると、基本的には週5日働くことが求められ、長時間の勤務が一般的です。
しかし、フリーターとして働くことで、シフトを自由に選べたり、休みを取りやすかったりするため、自由な時間を持つことが可能です。特に趣味や自己啓発、家族や友人との時間を大切にしたい人にとっては、この自由な時間の確保は非常に重要です。
理由2:やりたいことがないから
フリーターが正社員にならない理由の一つとして、「やりたいことがない」ことが挙げられます。
正社員の求人は未経験可、経験不問、学歴不問の場合も多く、正社員になるためのハードルがそれほど高くないにもかかわらず、フリーターとして働き続ける人が多いです。これは、自分の本当にやりたいことが見つからないため、正社員になる動機付けが弱いからかもしれません。
やりたいことが見つかるまでは正社員にならずにアルバイトでいろんなことを経験したいと考える人もいるでしょう。
理由3:夢を追うため
フリーターが正社員にならない理由の一つに、「夢を追うため」があります。多くのフリーターは、自分の夢や目標を実現するために自由な時間を確保したいと考えています。正社員のように固定された勤務時間や責任の重さがないため、自分のやりたいことに専念できるメリットがあります。
たとえば、アーティストや音楽家、スポーツ選手を目指す人たちは、フリーターとして働くことで練習やライブ活動などの時間を確保しやすいです。
理由4:就職活動が上手くいかなかった
フリーターが正社員にならない理由には、「就職活動が上手くいかなかった」というケースもあります。新卒での就職活動が上手くいかず、非正規雇用で働き続けている人もいるでしょう。
加えて、一度就職したものの、ストレスに耐えられずに短期間で離職し、フリーターになった人もいます。その場合、正社員として働く自信を失ってしまい、正社員にならないことも考えられます。
また、フリーターが多く働くバイト先では、同じような境遇の仲間が周りにいることで、無意識に「自分もこのままでいいかもしれない」と考えてしまうこともあります。その結果、就職活動を続けることが難しくなり、フリーターを続ける選択をする人が増えてしまいます。
理由5:責任の重さを避けたい
フリーターが正社員にならない理由の一つとして、正社員の責任のプレッシャーがあります。正社員になると、業務の範囲が広がり、チームの管理やプロジェクトの進行など、多くの責任を負うことが求められます。
これにより大きなストレスを感じることも少なくありません。正社員の役割は重要である反面、その責任の重さがフリーターにとっては大きな負担となり、正社員になるのを避ける理由となっています。
一方で、フリーターとしての働き方には気楽さがあります。バイトや短期の仕事を選ぶことで、自分のペースで働くことができるため、精神的な負担が少なく済みます。
このまま正社員にならないとどうなる?
安定収入が得られにくい
フリーターとして働くことの大きなデメリットとして、安定収入を得ることが難しい点が挙げられます。正社員とは異なり、フリーターは契約期間や勤務時間が変動しやすく、収入が安定しないことが多いです。
特に掛け持ちで複数のアルバイトをしていない場合、一つの仕事がなくなると大きな打撃を受けることになりかねません。これにより、生活費の確保や将来の計画を立てるのが難しくなります。
キャリアがなく、就職が難しい
フリーターが正社員にならない理由の一つに、多様な仕事を経験したいというものがありますが、これがキャリアの不安定さにつながることも少なくありません。
正社員であれば、企業の中でキャリアを積むことができ、昇進や昇給の機会もあります。一方、フリーターの場合、短期間で職場を変えることが多く、一貫したキャリアを築くことは難しいです。
キャリアがないと、正社員になりたいと思ったときに武器となるスキルがなく、就職が難しい可能性があります。
結婚しづらい
このまま正社員にならずにフリーターを続けていると、結婚しづらくなる可能性があります。
男女ともに共働きを希望する人が増えており、経済的に不安定なフリーターのままだと異性から将来を不安視されるでしょう。
結婚や将来の安定した生活を望むなら、正社員になることも視野に入れてみてください。
フリーターが正社員になれない原因
正社員にならないのではなく、正社員になれないからフリーターを続けているという人も一定数いるでしょう。そこで、フリーターが正社員になれない原因について解説します。
正社員になれない原因は、「強みを上手くアピールできていない」「選考対策不足
」「就職先の理想が高い」などが考えられます。
強みを上手くアピールできていない
多くのフリーターが正社員を目指す際に、自己PRの部分で苦労しています。自分の強みや経験をどのように効果的にアピールするかを分かっていないことが多いのです。
特にバイト経験が長い場合、その経験をどのように正社員としての資質に結びつけるかが鍵となります。面接での自己PRスキルが不足していると、自分の能力を十分に伝えることができず、結果として選考に落ちてしまうことが多々あります。
選考対策不足
フリーターが正社員になれない理由の一つとして、選考対策不足が挙げられます。多くのフリーターは、正社員への転職を目指す際の基礎的な選考準備を怠りがちです。例えば、履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策、企業研究などが不足している可能性があります。
これにより、競争の激しい市場で他の候補者に遅れをとってしまうケースが多いです。特に、未経験分野への挑戦の場合、選考対策の重要性はさらに高まります。
就職先の理想が高い
フリーターが正社員になれない理由の一つに、就職先の理想が高いことも挙げられます。多くのフリーターは、企業選定において高い理想を持っており、自分にとって完璧な条件を求めすぎる傾向があります。
そのため、応募する企業の数が限られ、なかなか面接まで進むことができません。特に初めての正社員職の場合、多少の妥協をもって応募企業を広げることが重要です。理想を追求しすぎることで、結果として就職活動が長引いてしまう事態が発生します。
まとめ
フリーターが正社員にならない理由はさまざまな理由が考えられますが、その多くは個々のライフスタイルや価値観に基づいています。自由な時間を確保したい、責任の重さを避けたい、多様な働き方を経験したい、働く場所や時間の柔軟性が欲しい、そして仕事以外の生活を重視したいという理由が挙げられます。
フリーターでいることで自由な時間を確保し、趣味や副業との両立が可能となります。その一方で、正社員になると得られる安定収入やキャリアの安定がなく、長期的な視点でのリスクも伴います。しかし、若年フリーターの正社員希望率は年々減少しており、多くのフリーターが将来もこの働き方を選ぶことに積極的です。
フリーターと正社員のどちらを選ぶかは、最終的には個々の価値観や生活の優先事項に依存します。自身のライフスタイルに最も合った働き方を見つけることが重要です。